JPS607235Y2 - 自動車用シ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用シート、特に、ワイヤ構造としたクッ
ションフレームをもつシートクッションに関するもので
、車体フロアと前記シートクッションとの間に収容空間
を形成するごとくした自動車用シートを提供しようとす
るものである。

一般に自動車用シートの、シートクッションにおけるフ
レームは、ワイヤ構造の他、パイプ構造又は板金構造な
どが用いられているが、パイプ構造や板金構造は、その
強度及び剛性が大であるけれども、反面重量が大で、コ
スト高となる問題がある。

しかして、従来軽量であり、また、安価なワイヤ構造の
フレームが多く用いられているのであるが、その強度及
び剛性の関係上、シートクッションの全面を車体フロア
に接触させて支持するごとくしており、前記車体フロア
とシートクッションとの間に収容空間を形成することは
できなかったのである。

本考案は、前記ワイヤ構造のクッションフレームを用い
ながら、前記車体フロアとシートクッションとの間に、
工具やジヤツキ、その他物入れなどの収容空間を形成す
るごとく威したもので、前記クッションフレームにおけ
る前記収容空間の対応部に、収容空間の輪廓部を形成す
るパイプ材を配設し、該パイプ材を、前記車体フロアに
支持したことを特徴とするものである。

即ち、本考案は、軽量で安価なワイヤーフレームの利点
を利用しながら、１部にのみパイプ材を併用して前記ワ
イヤー構造のクッションフレームを用いたシートクッシ
ョンにより、該シートクッションと車体フロアとの間に
収容空間を形成すべく威したのであって、軽量で、安価
にできながら、前記収容空間も形成できる自動車用シー
トを提供するものである。

以下本考案シートの実施例を図面に基づいて説明する。

図面は、パン型自動車におけるリヤフロアパンＡに取付
けるリヤシートを示している。

このリヤシートは、シートクッション１とシートバック
２とから成るもので、シートバック２は、既知の構成と
すればよいので、その構成は、省略しである。

又、前記シートクッション１は、クッションフレーム１
１と、表皮、パッド、シートスプリングから成るクッシ
ョン本体１２とから戊るもので、前記クッションフレー
ム１１を次の如く構成するものである。

このクッションフレーム１１の基本構造は、ワイヤ構造
とするのであって、軟鋼又は硬鋼線から成るワイヤを用
い、前後方向に延びる複数本の第１ワイヤ１３に、左右
方向に延びる複数本の第２ワイヤ１４を、前記第１ワイ
ヤ１３の前後に固定して構成するのである。

尚、前記第１ワイヤ１３のうち、中間に位置する第１ワ
イヤ１３には、前記リヤフロアパンＡの係止孔りに引掛
ける屈曲端１３ａをもっている。

本考案シートは、以上の如く構成するワイヤ構造とした
クッションフレーム１１に、第２図に示した前方側に形
成する収容空間Ｓに対応して、該収容空間Ｓの輪廓部を
なすパイプ材１５を配設し、このパイプ材１５を、前記
リヤフロアパンＡに支持したのである。

図面に示したものは、前記パイプ材１５を、前記フレー
ム１１における左右幅方向（縦幅方向）の長さ以上の長
さとして、その両端を後方側に彎曲させ、平面形状をは
ｆ［Ｊ字形と腰前記第１ワイヤ１３のうち、最外側に位
置する第１ワイヤ１３に、スポット溶接などの固定手段
により結合している。

又、前記最外側の第１ワイヤ１３は、第３，４図のごと
くその前端部を、一旦下向きに屈曲した後、上方に前記
パイプ材１５の軸中心線を交差するように立上げて、こ
の立上部を内方部に折曲げて、再び外方側に屈曲して、
この屈曲部１３ｂを前記パイプ材１５の先端部下面に点
接触させ、前記固定手段により固定すると共に、前記屈
曲端１３ｂを、また下向きに屈曲し、この屈曲端を再び
前記パイプ材１５の方向に斜め状に、かつ、平面的にみ
て、パイプ材１５の彎曲外周端にはＳ゛合致せて立上げ
、その最先端部１３ｃを、前記パイプ材１５の彎曲基部
下面のパイプ材１５の軸中心線に点接触させ、前記固定
手段により固定するものである。

このように、前記第１ワイヤ１３は、前記屈曲部１３ｂ
と、最先端部１３ｃとの２箇所で、前記パイプ材１５に
固定されるのであり、前記屈曲部１３ｂを挾んで両側に
、Ｕ形部ａと三角形部すとが形成でき、これらＵ形部ａ
と三角形部すとにより、前記クッション本体１２の前方
コーナ一部の保形が確実に行なえるのである。

又、前記パイプ材１５は、第１図に示したごとく平面形
状をほぼＵ字形に形成して、前記収容空間Ｓの輪廓部を
形成する場合、前記パイプ材１５を、ブラケット３を介
して前記リヤフロアパンＡに支持するのである。

この場合、前記パイプ材１５のブラケット取付位置は、
前記パイプ材１５の扁平状に圧潰するのであって、斯く
扁平とした取付位置に、ボルト、ナツトなどの取付手段
４により取付けるのであり、また前記ブラケット３は、
第２図のごとくクロスメンバーＢにより補強されたりャ
フロアパンＡの前端面に、ボルト、ナツトなどの固定手
段５により固定するのである。

第２図に示したものは、前記パイプ材１５により補強し
た前記シートクッション１の前部を、前記リヤフロアパ
ンＡの前端面よりオーバーハングさせ、オーバーハング
した前記シートクッション１と、センタフロアパンＣと
の間に、前記収容空間Ｓを形成している。

尚、前記パイプ材１５は、図面に示したごとく平面形状
をはｆ’１字形とする他、正面形状を門形とし、その下
端部を水平方向に屈曲して、取付部を設け、前記センタ
ーフロアパンＣに直接固定するごとく戊してもよいので
あって、要するに、パイプ材１５により前記収容空間Ｓ
の輪廓部若しくは、輪廓主要部が形成できればよい。

又、前記収容空間Ｓは、車体フロアとシートクッション
１との間に形成できればよいのであって、第２図のごと
く、リヤフロアパンＡにオーバーハングさせて形成する
必要はない。

例えば、乗用車のリヤシートにあっては、フロアパンの
基準面と、フロアパン中央部に形成されるトンネル部上
面の高低差を利用することによっても形成できる。

以上の如く本考案によれば、軽量で、安価なワイヤフレ
ームを用いて、シートクッションを形成しながら、この
シートクッションと、車体フロアとの間に、収容空間を
形成でき、それでいて収容空間を形成するシートクッシ
ョンの強度は、前記ワイヤーフレームに結合するパイプ
材で充分補強できるのである。

従って、従来のワイヤーフレームから成るシートクッシ
ョンに比較して重量増加は殆んどなく、ワイヤーフレー
ムによりシートクッションの保形をさせ、軽量で安価な
シートとしながら、前記した収容空間も形成できるので
あって、限られた車室のスペースを有効に利用できるシ
ートを提供できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案シートの実施例を示すシートクッショ
ンのフレームのみを示す斜視図、２図は、使用状態を示
す縦断面図、第３図は、ワイヤとパイプ材との結合部の
拡大側面図、第４図は同じく第３図の平面図である。 １・・・・・・シートクッション、１１・・・・・・ク
ッションフレーム、１５・・・・・・パイプ材、Ａ・・
・・・・リヤフロアパン、Ｃ・・・・・・センターフロ
アパン、Ｓ・・・・・・収容空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワイヤ構造としたクッションフレームのシートクッショ
   ンを備え、車体フロアと前記シートクッションとの間に
   収容空間を形成するごとくした自動車用シートであって
   、前記クッションフレームにおける前記収容空間の対応
   部に、収容空間の輪廓部を形成するパイプ材を配設し、
   該パイプ材を、前記車体フロアに支持したことを特徴と
   する自動車用シート。