JPH0340666Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のトリム構造、特にリヤシー
トにラウンジシートを用いた自動車のトリム構造
に関する。

（従来の技術） 自動車等においては、リヤシートとして、シー
ト本体と該シート本体の両側に位置してリヤウイ
ンドウ下方に設けられるトリム部材とを面一で形
成して連続的な一体感を持たせるようにしたラウ
ンジシートを採用しているものがある。このラウ
ンジシートのシート本体は、左右のトリム部材に
当接して設けられる１対のシート部材と、これら
シート部材の中央に設けられる他のシート部材と
から構成されている。これら２種類のシート部材
のうち、中央のシート部材については、両側のシ
ート部材間に嵌装することにより比較的容易に取
付けを行うことができるが、両側のシート部材に
ついては、略垂直に形成されたトリム部材に取付
けをしなければならないので、位置決めが難しく
組付工数がかかるという問題が生じている。

なお、実開昭59−196361号において、シート本
体のシートクツシヨン両側に設けられるトリム部
材に、該シートクツシヨンの外側部に沿つて上方
に延出する突出部を形成したトリム構造が開示さ
れているが、これはシート本体への着座等により
シートクツシヨンが変形したときにシートクツシ
ヨン外側部下方の配線等が目に触れるのを防止す
ることを目的としたものであつて、シート本体組
付時における位置決めとしての機能を果すように
したものではない。

（考案の目的） 本考案は、このような事情に鑑みなされたもの
であつて、ラウンジシートのシート本体の、トリ
ム部材に対する位置決めを容易に行うことのでき
る自動車のトリム構造を提供することを目的とす
るものである。

（考案の構成） 本考案によるトリム構造は、シート本体のシー
トクツシヨンの側方下部に凹部を設けるとともに
トリム部材の下部に車室内方へ突出した凸部を設
け、これら凹部と凸部とを嵌合させることによ
り、シート本体のシートクツシヨンの一部をトリ
ム部材の凸部で構成するようにしたことを特徴と
するものである。

シート本体の構成は、上記凹部が設けられた１
対のシート部材とこれらシート部材の中央に設け
られた他のシート部材とからなるものであつても
よいし、上記凹部が両側に設けられた一体でなる
ものであつてもよい。

（実施例） 以下添付図面を参照して本考案の実施例につい
て詳述する。

第１図は、本実施例による自動車のトリム構造
を示す概要図である。

リヤシート１はシート本体２とトリム部材３と
からなるラウンジシートを形成していて、シート
本体２はシートクツシヨン４およびシートバツク
５で構成されている。シートバツク５はトリム部
材３と面一で形成されていて、連続的な一体感を
もつようにされている。シートクツシヨン４は、
トリム部材３に形成された肘掛け部６の形状に沿
つて車幅方向外方に延び、両側端部がトリム部材
３内面に当接して設けられている。

第２図は、第１図の−線断面図である。

シートクツシヨン４の側方下部には凹部７が形
成されていて、この凹部７と同一形状の凸部８が
トリム部材３の下端部に形成されている。これら
凹部７と凸部８との嵌合により、シートクツシヨ
ン４を位置決めすることができるとともにシート
クツシヨン４の材料を節減することができる。ト
リム部材３は、樹脂・繊維等からなるものである
が、例えば乗員がリヤシート１に着座したときの
ようにシートクツシヨン４に大きな荷重がかかる
場合であつてもシートクツシヨン４の両端に位置
する凹部７周辺にはほとんど荷重がかからないの
で、トリム部材３の凸部８の内側を空洞としても
充分強度的に耐えることができる。

第３図は、本考案による自動車のトリム構造の
他の実施例を示す概要図である。

本実施例においては、リヤシート１のシート本
体２が、シートクツシヨン４、シートバツク５お
よびこれらの左右両側に位置して設けられた１対
のサイドシートパツド９で構成されている。サイ
ドシートパツド９は、シートクツシヨン４および
シートバツク５と面一で形成され、肘掛け部６が
設けられている。サイドシートパツド９の裏側に
は、該サイドシートパツド９の表面外形に沿つて
凹部７が形成されていて、この凹部７と同一形状
の凸部８がトリム部材３に形成されていて該凹部
７と嵌合している。

シート本体２の組付は、まず左右一対のサイド
シートパツド９を夫々トリム部材３に凹部７およ
び凸部８を嵌合させて位置決めしビス締め等によ
り固定し、次に、これらサイドシートパツド９の
間にシートクツシヨン４およびシートバツク５を
嵌装して行う。

第４図は、第３図の−線断面図であつて、
サイドシートパツド９の凹部７とトリム部材３の
凸部８との嵌合状態を示す。

第５図は、第４図の凹部７および凸部８の嵌合
状態の具体例を示す断面図である。サイドシート
パツド９は、ポリエステルフオームに表皮を被覆
してなるものであつて、その斜視図を第６図に示
す。

（考案の効果） 以上詳述したように本考案による自動車のトリ
ム構造は、シート本体のシートクツシヨンの側方
下部に凹部を設けるとともにトリム部材の下部に
車室内方へ突出した凸部を設け、これら凹部と凸
部とを嵌合させることにより、シート本体のシー
トクツシヨンの一部をトリム部材の凸部で構成す
るようにしているので、シート本体を固定する際
の位置決めを確実かつ容易に行うことができ、ま
たシートクツシヨンの材料を節減でき、したがつ
て重量低減およびコストダウンを図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による自動車のトリム構造の一
実施例を示す斜視図、第２図は第１図の−線
断面図、第３図は本考案の他の実施例を示す斜視
図、第４図は第３図の−線断面図、第５図は
第４図のトリム構造の具体例を示す断面図、第６
図は第５図に示すサイドシートパツドの斜視図で
ある。 １……リヤシート、２……シート本体、３……
トリム部材、４……シートクツシヨン、７……凹
部、８……凸部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シート本体と該シート本体の側方に位置するト
   リム部材とが連続してなるラウンジシートをリヤ
   シートとして設けた自動車において、 前記シート本体のシートクツシヨンの側方下部
   に凹部が設けられ、 前記トリム部材の下部に車室内方へ突出した凸
   部が設けられ、 前記凹部と前記凸部との嵌合により、前記シー
   トクツシヨンの一部が前記トリム部材の凸部で構
   成されるようにしたことを特徴とする自動車のト
   リム構造。