JPH0566414B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0566414B2
JPH0566414B2 JP12664185A JP12664185A JPH0566414B2 JP H0566414 B2 JPH0566414 B2 JP H0566414B2 JP 12664185 A JP12664185 A JP 12664185A JP 12664185 A JP12664185 A JP 12664185A JP H0566414 B2 JPH0566414 B2 JP H0566414B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
weight
parts
compound
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP12664185A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61283652A (ja
Inventor
Takashi Okamoto
Fumio Oohama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP12664185A priority Critical patent/JPS61283652A/ja
Priority to EP86301580A priority patent/EP0194808B1/en
Priority to DE8686301580T priority patent/DE3663370D1/de
Priority to US06/836,862 priority patent/US4659757A/en
Publication of JPS61283652A publication Critical patent/JPS61283652A/ja
Publication of JPH0566414B2 publication Critical patent/JPH0566414B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は成形性が良好で、かつ耐衝撃強度およ
び耐熱性の優れた成形品を与えるポリエステル樹
脂組成物に関するものである。さらに詳しくは結
晶化速度が大きく、射出成形時において約120℃
以下の金型温度でも優れた離型性を示し、かつ優
れた耐衝撃強度と高い熱変形温度を有する成形品
を提供する耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物に関
するものである。 (従来の技術) ポリエチレンテレフタレートは機械的性質、電
気的性質、耐熱性、耐薬品性等に優れ、繊維、フ
イルムとして多くの工業製品に使用されている。
このように繊維、フイルムとして使用される場合
には、通常延伸処理されたものが使用されている
が、例えば射出成形品としてプラスチツク用途に
使用しようとする場合には、上記のような延伸処
理がなされていないため、成形上および物性上
種々の問題点が発生することが知られている。す
なわち低温における結晶化速度が小さいために、
通常他のプラスチツクを射出成形する際に用いら
れる金型温度約120℃以下では結晶化速度が不十
分であるために、得られた成形品はその表面と内
部に結晶化度の差が生じ、そのため機械的性質、
寸法安定性、形状安定性が不均一となり、実用に
耐えるような成形品を得ることは極めて困難であ
る。 従来このような問題点を解決する方法として、
高温金型を使用する方法や結晶核剤や結晶化促進
剤を添加する方法、低温結晶性の優れたエチレン
テレフタレート系共重合体をブレンドする方法等
が多数提案され、かなりの効果のあることが認め
られている。このように十分に結晶化させたポリ
エチレンテレフタレートないし組成物、特にガラ
ス繊維等の繊維状強化材を配合したものは優れた
機械的性質と高い熱変形温度を示し、エンジニア
リングプラスチツクとしての地位を確立し今日に
到つている。 (発明が解決しようとする問題点) ポリエチレンテレフタレート系組成物ないしガ
ラス繊維等を配合した強化ポリエチレンテレフタ
レート系組成物の欠点として耐衝撃強度が低い、
すなわち靭性に劣るという問題点があり、その改
良が望まれている。 そしてこのような上記問題点を解決する方法、
すなわち耐衝撃強度を向上させる方法として種々
の提案がなされている。例えば特開昭51−14452
号公報、特開昭52−32045号公報、特開昭58−
17148号公報、特開昭58−17151号公報、
USP4284540号公報、USP4461871号公報におい
てはポリエステルにグリシジル基を有する共重合
体、例えばエチレン/酢酸ビニル/グリシジル
(メタ)クリレート共重合体を配合すると耐衝撃
強度の向上することが提案されている。しかしな
がらグリシジル(メタ)アクリレートを共重合し
たオレフイン系ポリマー、すなわちエポキシ基を
有するポリオレフインをポリエチレンテレフタレ
ート(以下PETと略称する)に配合すると、耐
衝撃強度が向上する反面、成形時の金型よりの離
型性が極度に悪くなり、低温金型、例えば金型温
度120℃以下では表面光沢が悪いという問題点が
ある。さらに大きな問題点としては、エポキシ基
を有するポリオレフインをPETに配合して、押
出機等で加熱混練してペレツトを製造する際に、
一部ゲル状物が生成し、場合によつてはゲル体の
多量発生により操業できないという問題点があ
る。 さらに本出願人は特願昭57−228823号において
熱可塑性ポリエステルに本発明の(ロ)成分である変
性ポリオレフインないし変性オレフイン系エラス
トマーと、(ハ)成分であるグリシジル(メタ)アク
リレート共重合体ポリオレフインを特定量配合す
ると、両成分の併用効果により耐衝撃強度が著し
く向上することを提案した。この組成物におい
て、熱可塑性ポリエステルとしてポリブチレンテ
レフタレートを使用する際には成形上大きな問題
点は認められないが、熱可塑性ポリエステルとし
てPETを使用すると、成形上種々の問題点の発
生することが判明した。すなわち試験片等の簡単
な形状品の成形の場合はともかく、実際の製品等
の少し複雑な形状の成形品においては離型性が極
度に悪く、実用化しえないこと、さらには金型温
度が低い場合、例えば120℃以下では成形品の外
観が悪いだけでなく、結晶化が不十分なためガラ
ス繊維等で強化しても熱変形温度が向上せず耐熱
性が悪いこと、さらには室温付近での耐衝撃強度
は向上するが、−10℃〜−30℃といつた低温下で
の耐衝撃強度が期待した程には向上しないこと等
が判明した。 (問題点を解決するための手段) そこで本発明者らは上記のような種々の問題点
を解決すべく鋭意研究した結果、(ハ)成分すなわち
グリシジル(メタ)アクリレートを共重合したポ
リオレフインと、(ロ)成分すなわち特定の変性ポリ
オレフインないしオレフイン系エラストマーを組
合わせた特願昭57−228823号の組成において
PETの一部をポリアリレートに置きかえ、さら
に(ニ)成分のエステル系可塑剤を配合すると、加熱
混練してペレツトを製造する際のゲル発生が抑制
されて操業安定性が向上すること、さらには(イ)お
よび(ニ)成分、すなわちエステル系可塑剤を配合す
るとPETの結晶化速度が大きくなり、120℃以下
の金型温度で成形しても優れた表面光沢を有する
成形品が得られ、かつ離型性が著しく改善される
こと、さらにPETの一部がポリアレートに置き
かえると、得られたポリエステル樹脂組成物の低
温領域、例えば−10℃〜−30℃での耐衝撃強度が
一段と向上することおよび熱変形温度が向上する
ことを見出し本発明に到達した。 すなわち本発明はポリエチレンテレフタレート
40〜97重量部とポリアリレート3〜60重量部とか
らなるポリエステル100重量部に対して、 (イ)平均粒径50μ以下の無機系結晶核剤、カルボ
キシル基の金属塩を有する有機化合物、カルボキ
シル基の金属塩を有する高分子化合物のうちの少
なくとも一種を0.05〜10重量部、(ロ)ポリオレフイ
ンまたはオレフイン系エラストマーにシス型二重
結合を環内に有する脂環式カルボン酸はその機能
誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種の
化合物を0.001〜10モル%付加した変性ポリオレ
フインまたは変性オレフイン系エラストマー3〜
30重量部、(ハ)α−オレフイン80〜99重量部、グリ
シジルメタクリレートもしくはグリシジルアクリ
レート1〜20重量%および酢酸ビニル0〜19重量
%からなる共重合体1〜30重量部、(ニ)エステル系
可塑剤0.3〜10重量部、(ホ)繊維状強化材0〜150重
量部配合してなる耐衝撃性ポリエステル樹脂組成
物に関するものである。 (作用) 本発明はPETに特定量のポリアリレートを配
合し、これに成分(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)を配合し、さ

に必要に応じて成分(ホ)を配合することにより、各
成分を加熱混練してペレツトを製造する際の操業
安定性を改良し、さらに金型温度120℃以下でも
優れた結晶化特性と離型性を示す組成物を提供
し、該組成物から得られた成形品は優れた外観と
耐衝撃特性、特に低温領域での高い衝撃強度およ
び耐熱性を示し、成形材料として有用な組成物を
提供するものである。 本発明において用いられるPETとはテレフタ
ル酸ないし、その誘導体とエチレングリコールか
ら溶融重合したもの、ないしはそれらを固相重合
して得られるもので、その分子量を特に限定する
ものではない。 本発明において用いられるポリアリレートとは
芳香族ジカルボン酸成分とビスフエノール成分か
らなるポリエステルで、芳香族ジカルボン酸の具
体例としてはフタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフエニルエー
テルジカルボン酸、ジフエニメタンジカルボン
酸、ジフエニルスルホンジカルボン酸等を挙げる
ことができ、ビスフエノールの具体例としてはカ
テコール、レゾルシン、ハイドロキン、ジヒドロ
キシナフタレン、4,4′−ジヒドロキシビフエニ
ル、4,4′−ジヒドロキシ−ジフエニルエーテ
ル、4,4′−ジヒドロキシ−2,2′−ジメチルジ
フエニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,
3′−ジクロロジフエニルエーテル、4,4′−ジヒ
ドロキシジフエニルサルフアイド、4,4′−ジヒ
ドロキシジフエニルスルホン、4,4′−ジヒドロ
キシジフエニルケトン、4,4′−ジヒドロキシフ
エニルメタンないし上記4,4′−以外のジヒドロ
キシ異性体、1,1−ビス(4−ヒドロキシフエ
ニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
エニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフエニル)−n−ブタン、−ビス(4−ヒドロキ
シフエニル)−シクロヘキシルメタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフエニル)−2,2,2−
トリクロロエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメチルフエニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロムフ
エニル)プロパンないし上記異性体等を具体例と
して挙げることができる。そして本発明において
は、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,
2−ビス (4−ヒドロキシフエニル)プロパン
成分からなるポリアリレートが特に有用である。 本発明の(イ)成分として使用される無機化合物
は、その粒径によつて結晶核剤としての効果が異
なり平均粒径が約50μを超えるとその効果が小さ
くなるので、通例は平均粒径約50μ以下の無機化
合物が有用である。 そして本発明において使用される平均粒径50μ
以下の無機化合物の具体例としては、たとえばカ
ーボンブラツク、シリカ、炭酸カルシウム、合成
ケイ酸およびケイ酸塩、亜鉛華、ハロサイトクレ
ー、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、マイ
カ、タルク、石英粉、ケイ藻土、ドロマイト粉、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、硫酸バ
リウム、硫酸カルシウム、アルミナ、ケイ酸カル
シウム等を挙げることができ、これらの無機化合
物の一種またはそれ以上を使用することができる
が、なかでもマイカ、カオリン、タルク、シリカ
が本発明において有用である。 また本発明において使用されるカルボキシル基
の金属塩を有する有機化合物としては、カルボキ
シル基の金属塩を有する化合物であればどのよう
なものでも使用することができるが、通常は炭素
数が約7〜30の高級脂肪族、芳香族酸の金属塩が
使用され、たとえばヘプタン酸、ペラルゴン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、ベヘニン酸、セロチン酸、モンタン
酸、メリシン酸等の高級脂肪酸の金属塩、安息香
酸、テレフタル酸、テレフタル酸モノメチルエス
テル、イソフタル酸、イソフタル酸のモノメチル
エステル等の芳香族酸の金属塩を具体例として挙
げることができる。 またカルボキシル基の金属塩を有する高分子化
合物としてはポリマーの末端ないし側鎖にカルボ
キシル基の金属塩を有するポリマーであれば、特
に制限されるものではないが、たとえばポリエチ
レンの酸化によつて得られるカルボキシル基含有
ポリエチレン、ポリプロピレンの酸化によつて得
られるカルボキシル基含有ポリプロピレン、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1等のオレフイン類
と(メタ)アクリン酸の共重合体、オレフイン類
を無水マレイン酸の共重合体、スチレンと(メ
タ)アクリル酸の共重合体、スチレンと無水マレ
イン酸の共重合体等の金属塩を具体例として挙げ
ることができ、通常はオレフインと(メタ)アク
リル酸ないしスチレンと(メタ)アクリン酸の共
重合体の金属塩が使用される。そしてカルボキシ
ル基と塩を形成する金属としては、通常はアルカ
リ土類金属、アルカリ金属等が使用されるが、結
晶核剤としての効果はアルカリ金属が優れ、なか
でもナトリウム、カリウムが有用である。 本発明において(ロ)成分である変性ポリオレフイ
ンないし変性オレフイン系エラストマーを製造す
る際の出発物質として使用されるポリオレフイン
ないしオレフイン系エラストマーとしては、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−
1、ポリペンテン−1などのオレフイン類の単独
重合体またはエチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテ
ン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−ブタジエン共重合体、エチレン−イソプレン共
重合体、エチレン−クロロプレン共重合体、プロ
ピレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ブタジエン共重合体等の異種のオレフイン
類またはジオレフイン類との共重合体を挙げるこ
とができ、その共重合体の様式はランダム共重合
体、ブロツク共重合体、グラフト共重合体、交互
共重合体のいずれのものでもよい。 そして特にエチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−プロピレン−ブタジエ
ン共重合体、エチレン−プロピレン−イソプレン
共重合体、エチレン−プロピレン−クロロプレン
共重合体等が好ましい。そしてポリオレフインな
いしオレフイン系エラストマーは二種以上を混合
して用いることもできる。 本発明でいうシス型二重結合を環内に有する脂
環式カルボン酸としては、例えばシス−4−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンド−ビ
シクロ−〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−
ジカルボン酸、メチル−エンド−ビシクロ−〔2,
2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、
エンド−ビシクロ−〔2,2,1〕−−1,2,
3,4,7,7−ヘキサクロロ−2−ヘプテン−
5,6−ジカルボン酸等を挙げることができ、ま
た機能誘導体としては、これらの酸無水物、エス
テル、酸アミド、酸ハロゲン化物、金属塩等が挙
げられる。 そして特に好ましくはエンド−ビシクロ−〔2,
2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸
またはその酸無水物である。なお該機能誘導体は
必ずしもポリオレフインないしオレフイン系エラ
ストマーに付加する前に機能誘導体とする必要は
なく、例えばポリオレフインないしオレフイン系
エラストマーの変性過程あるいはポリエステル組
成物としてからも変換することができる。 本発明の変性ポリオレフインないし変性オレフ
イン系エラストマーとは、前記のポリオレフイン
ないしオレフイン系エラストマーにシス型二重結
合を環内に有する脂環式カルボン酸またはその機
能誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種
の化合物を付加することによつて得られる変性ポ
リオレフインないし変性オレフイン系エラストマ
ーまたはそれらと未変性ポリオレフインないし未
変性オレフイン系エラストマーとの混合物を意味
する。変性ポリオレフインないし変性オレフイン
系エラストマーは種々の方法で製造しうるが、望
ましくは前記のポリオレフインないしオレフイン
系エラストマーと前記のシス型二重結合を環内に
有する脂環式カルボン酸または機能誘導体にラジ
カル発生剤、例えばジーターシヤリーブチルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド等の有機過酸化物を加えて溶融
するか、あるいは前記のポリオレフインないしオ
レフイン系エラストマーと上記カルボン酸または
その機能誘導体を水中に分散し、上記ラジカル発
生剤または水溶性の過酸化物の存在下で加熱する
方法で行われる。 ここでポリオレフインないしオレフイン系エラ
ストマーに付加させる前記カルボン酸またはその
機能誘導体の付加割合は、得られるポリエステル
組成物の用途、ポリオレフインないしオレフイン
系エラストマーの種類およびそれらの混合割合、
前記カルボン酸またはその機能誘導体の種類によ
つて異なるが、通常はポリオレフインないしオレ
フイン系エラストマーに対して前記カルボン酸ま
たはその機能誘導体0.001〜10モル%付加したも
のが使用されるが、好ましくは0.01〜5.0モル%、
さらに望ましくは0.05〜2.0モル%付加したもの
が使用される。 前記カルボン酸または機能誘導体の付加量が
0.001%未満では、PETやポリアリレートとの相
溶性や界面接着性が悪く、そのため耐衝撃向上剤
としての効果を充分には発揮しえず、10モル%を
越えて付加すると、付加する工程あるいはPET
等と配合する工程において、ポリオレフインない
しオレフイン系エラストマーの低分子量化やゲル
化等の副反応が発生するで好ましくない。 本発明において(ハ)成分として使用するα−オレ
フイン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合
体またはα−オレフイン−グリシジル(メタ)ア
クリレート−酢酸ビニル共重合体におけるグリシ
ジル(メタ)アクリレートの含有量は1〜20重量
%好ましくは1〜10重量%であり、1重量%以下
の場合には前記の変性ポリオレフインまたは変性
オレフイン系エラストマーとの併用において、耐
衝撃性の改善効果が充分でなく、20重量%以上の
場合、本発明の樹脂組成物の製造時にゲル化など
の副反応が生じる恐れがあるので好ましくない。 これらの共重合体におけるα−オレフイン成分
はエチレン、プロピレン、ブテン−1などであ
る。 共重合体における酢酸ビニル成分は0〜19重量
%含有することができる。酢酸ビニル含有量が19
重量%を越える場合には、得られる樹脂組成物の
熱安定性が低下するので好ましくない。本発明の
(ニ)成分として用いるエステル系可塑剤としては
種々の化合物のものを使用することができるが、
なかでも下記一般式(),(),()で示され
るエステル化合物が有用である。 R1:アルキレン基 R2,R3:アルキル基、ベンジル基、芳香族置
換ベンジル基から選ばれる基で、R2,R3
同一ないし異なる基である。 m,n:1以上の整数 X:直接結合、アルキレン基、−SO2−,−S
−,−O−または
【式】 R4,R5:アルキル基、ベンジル基、フエニル
基ないしその誘導体から選ばれる基でR4
R5は同一ないし異なる基である。 R6,R7:水素、アルキル基、またはハロゲン
でR6,R7は同一または異なる基である。 m,n:1以上の整数 R8,R9:水素、アルキル基、フエニル基、ベ
ンジル基ないし、これらの誘導体から選ばれ
る基で、R8,R9は同一または異なる基であ
る。 R10:フエニル基、ベンジル基ないし、これら
の誘導体から選ばれる基である。 R11:水素、アルキル基ないしR10で定義され
た基からなる基である。 n:4以上の整数である。 本発明において用いられる繊維状強化材として
は、たとえばガラス繊維、炭素繊維、芳香族ボリ
アミド繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸繊維等を
具体例として挙げることができるが、通常はガラ
ス繊維がよく使用される。また各種繊維の直径お
よび長さについては特に制限されるものではない
が、繊維長が長すぎるとポリエステルや他の配合
剤と均一に混合・分散させることが難しく、逆に
繊維長が短かすぎると強化材としての効果が不十
分となるため、通常は0.1〜10mmの繊維長のもの
が使用され、特に繊維状強化材がガラス繊維であ
る場合には繊維長としては0.1〜7mmが好ましく、
さらには0.3〜4mmが望ましい。また繊維状強化
材は、ポリエステルとの界面接着力を向上させて
補強効果を上げる目的で必要に応じて種々の化合
物で処理したものを使用することができるが、繊
維状強化材としてガラス繊維を使用する際には、
種々の表面処理剤、たとえばビニルトリエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−
エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン等のシラン系処理剤、メタクリレートクロ
ミツククロリド等のクロム系処理剤で処理したも
のが使用される。 本発明のポリエステル樹脂組成物中の各成分の
配合量については、(イ)成分、すなわち平均粒径
50μ以下の無機化合物、カルボキシル基の金属塩
を有する有機化合物、カルボキシル基の金属塩を
有する高分子化合物のうちの少なくとも一種の配
合量がポリエステル成分100重量部に対して0.05
重量部より少ないと結晶核剤としての効果が不十
分であり、また逆に10重量部より多く配合しても
結晶核剤としての効果は配合量には比例せず、余
分に配合されたものは単に充填剤としての作用し
か示さない。 したがつて(イ)成分の配合量はポリエステル成分
100重量部に対して0.05〜10重量部であり、好ま
しくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3
重量部である。(ロ)成分すなわち変性ポリオレフイ
ンないし変性オレフイン系エラストマーの配合量
は、ポリエステル100重量部に対して3重量部よ
り少ないと、(ハ)成分との併用効果による耐衝撃強
度の向上が小さく、逆に30重量部より多く配合す
ると組成物としての熱安定性が低下するので好ま
しくない。したがつて(ロ)成分の配合量は3〜30重
量部、好ましくは5〜25重量部、さらに好ましく
は5〜20重量部である。(ハ)成分、すなわちグリシ
ジル(メタ)アクリレート共重合ポリオレフイン
の配合量に関しては、1重量部より少ないと耐衝
撃強度の向上が小さく、30重量部より多く配合し
ても耐衝撃強度は配合量と共に大きなるわけでは
なく、飽和値を示しかえつて加熱混練時ゲル化を
促進するので好ましくない。 したがつて(ハ)成分の配合量は〜30重量部、好ま
しくは3〜20重量部、さらに好ましくは3〜15重
量部である。そして(ロ)成分と(ハ)成分の配合比率は
10:1ないし1:10、好ましくは10:1ないし
1:2、特に好ましくは5:1ないし1:1の範
囲が目的とする耐衝撃強度向上に対して有効であ
る。(ニ)成分すなわちエステル系可塑剤の配合量に
関ししては、0.3重量部より少ないと結晶化促進
効果および離型性改良効果が小さく、10重量部よ
り多く配合すると耐熱性が低下するので好ましく
ない。したがつて(ニ)成分の配合量は0.3〜10重量
部、好ましくは1〜7重量部である。さらに本発
明において必要に応じて配合される繊維状強化材
の配合量に関しては、150重量部を越えると樹脂
中に均一に分散、混合させることが困難であるの
で150重量部以下、通常は100重量部以下で配合さ
れる。 さらに本発明の組成物には必要に応じて耐衝撃
強度を著しく低下させることのない範囲で、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤等の各種
無機系ないし有機系化合物を配合することができ
る。そして本発明の組成物の製造方法は特に限定
されるものではなく、種々の形態、たとえば各種
成形品、シート、繊維状物、管状物等の形態に成
形し使用することができる。 (実施例) 次に実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に
説明する。 なお実施例および比較例中に示した「部」は重
量部である。 参考例 1 メルトインデツクス2.0g/10分/190℃、エチ
レン含量72.0重量%ののエチレン−プロピレン共
重合体(以下EPRと略称する。)1000重量部、エ
ンド−ビシクロ−〔2,2,1〕−5−ヘプテン−
2,3−無水ジカルボン酸3重量部及びジーター
シヤリーブチルパーオキサイド1重量部をヘンシ
エルミキサーにより常温で混合した。この混合物
を一軸押出機に供給し、200℃で押出して直径2
mm、長さ3mmの変性ポリオレフインの円筒状ペレ
ツトを作成した。 参考例 2〜5 ポリオレフインとして表1に示すメルトインデ
ツクスを有するエチレン−ブテン−1共重合体
(以下(E/B共重合体と略称する。)、ポリプロ
ピレン(以下PPと略称する。)、ポリエチレン
(以下PEと略称する。)あるいはエチレン−酢酸
ビニル共重合体(以下EVAと略称する。)を採り
これにシス型二重結合を環内に有する脂環式ジカ
ルボン酸としてエンド−ビシクロ−〔2,2,1〕
−5−ヘプテン−2,3−無水ジカルボン酸を使
用して参考例1と同じ方法で表1に示す割合の脂
環式無水ジカルボン酸を付加した変性ポリオレフ
インペレツトを得た。
【表】 実施例1〜5、比較例〜3 固有粘度(フエノール/テトラクロルエタン=
6/4中、濃度0.5%、温度20℃で測定)0.68の
ポリエチレンテレフタレート(PET)、各種ポリ
アリレート、結晶核剤、エステル系可塑剤、変性
ポリオレフイン、グリシジルメタアクリレート共
重合ポリオレフイン(GM共重合体)を表2に示
したように所定量混合し、この混合物を同方向回
転二軸押出機を用いて、シリンダー温度260℃、
スクリユー回転数200rpmの条件で混練押出し、
ペレツトを作成した。ペレツトを減圧乾燥した後
シリンダー温度260℃、金型温度105℃、冷却時間
20秒で1/2イン×1/2インチ×2.5インチの
試験片を成形し、ASTM D−638に準じて室温
および−20℃でのノツチ付アイゾツト衝撃強度を
測定し、さらに表面光沢を評価した。そして離型
性は金型温度105℃で縦10cm×横7cm×深さ4cm
(壁厚1.5mm)の箱状成形品を成形した際に、離型
可能となる最低冷却時間より評価した。最低冷却
時間が短い程離型性は良好である。結果をまとめ
て表2に示す。
【表】
【表】 実施例6、比較例4 実施例1で示した組成に、さらにガラス繊維
(旭フアイバーグラス(株)、3mm長チヨツプドスト
ランド、品番No.429)が全組成物中30重量%にな
るように配合して、二軸押出機で混練してペレツ
トを作成した(実施例6)。同様に比較として比
較例1で示した組成からなるガラス繊維30重量%
含有ペレツトを作成し(比較例4)、シリンダー
温度240−260−260℃、金型温度105℃、冷却時間
10秒で各種試験片を成形し、ASTMに準じてノ
ツチ付アイゾツト衝撃強度と18.56Kg/cm2荷重下
における熱変形温度(試験片厚さ:1/8イン
チ)を測定した。さらに前記した方法に従つて金
型温度90℃における箱成形時の最低冷却時間より
離型性を評価した。
【表】 (発明の効果) 以上より核剤、エステル系可塑剤、ポリアリレ
ートを配合しない組成では、低温金型(90℃)で
の結晶化速度が小さいために結晶化が不十分で、
そのため熱変形温度が上昇せず、離型性も悪いの
に対して本発明の組成では優れた耐衝撃強度、熱
変形温度、離型性を有しているのがわかる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリエチレンテレフタレート40〜97重量部と
    ポリアリレート3〜60重量部とからなるポリエス
    テル100重量部に対して、 (イ)平均粒径50μ以下の無機系結晶核剤、カルボ
    キシル基の金属塩を有する有機化合物、カルボキ
    シル基の金属塩を有する高分子化合物のうちの少
    なくとも一種0.05〜10重量部、(ロ)ポリオレフイン
    またはオレフイン系エラストマーにシス型二重結
    合を環内に有する脂環式カルボン酸またはその機
    能誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種
    の化合物を0.001〜10モル%付加した変性ポリオ
    レフインまたは変性オレフイン系エラストマー3
    〜30重量部、(ハ)α−オレフイン80〜99重量%、グ
    リシジルメタクリレートもしくはグリシジルアク
    リレート1〜20重量%および酢酸ビニル0〜19重
    量%からなる共重合体1〜30重量部、(ニ)エステル
    系可塑剤0.3〜10重量部、(ホ)繊維状強化材0〜150
    重量部を配合してなる耐衝撃性ポリエステル樹脂
    組成物。 2 ポリアリレートがテレフタル酸成分、イソフ
    タル酸成分および2,2−ビス(4−ヒドロキシ
    フエニル)プロパン成分からなるポリエステルで
    ある特許請求の範囲第1項記載の耐衝撃性ポリエ
    ステル樹脂組成物。 3 エステル系可塑剤が下記一般式()、()、
    ()のうちの少なくとも一種のエステル化合物
    である特許請求の範囲第1項記載の耐衝撃性ポリ
    エステル樹脂組成物。 R1:アルキレン基 R2,R3:アルキル基、ベンジル基、芳香族置
    換ベンジル基から選ばれる基で、R2,R3
    同一ないし異なる基である。 m,n:1以上の整数 X:直接結合、アルキレン基、−SO2−,−S
    −,−O−または【式】 R4,R5:アルキル基、ベンジル基、フエニル
    基ないしその誘導体から選ばれる基でR4
    R5は同一ないし異なる基である。 R6,R7:水素、アルキル基、またはハロゲン
    でR6,R7は同一または異なる基である。 m,n:1以上の整数 R8,R9:水素、アルキル基、フエニル基、ベ
    ンジル基ないし、これらの誘導体から選ばれ
    る基で、R8,R9は同一または異なる基であ
    る。 R10:フエニル基、ベンジル基ないし、これら
    の誘導体から選ばれる基である。 R11:水素、アルキル基ないしR10で定義され
    た基からなる基である。 n:4以上の整数である。 4 平均粒径50μ以下の無機化合物として、タル
    ク、マイカ、カオリン、シリカの群から選ばれる
    無機物の一種以上を使用する特許請求の範囲第1
    項記載のポリエステル樹脂組成物。 5 (イ)成分中の有機化合物および高分子化合物に
    含まれるカルボキシル基の金属塩がカルボキシル
    基のナトリウム塩ないしカリウム塩である特許請
    求の範囲第1項記載のポリエステル樹脂組成物。 6 カルボキシル基の金属塩を有する化合物が、
    炭素数7〜30の化合物である特許請求の範囲第1
    項記載のポリエステル樹脂組成物。 7 カルボキシル基を有する高分子化合物がオレ
    フインと(メタ)アクリル酸の共重合体ないしス
    チレンと(メタ)アクリル酸の共重合体である特
    許請求の範囲第1項記載のポリエステル樹脂組成
    物。
JP12664185A 1985-03-08 1985-06-11 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物 Granted JPS61283652A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12664185A JPS61283652A (ja) 1985-06-11 1985-06-11 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物
EP86301580A EP0194808B1 (en) 1985-03-08 1986-03-06 Polyester resin composition for forming an impact resistant article
DE8686301580T DE3663370D1 (en) 1985-03-08 1986-03-06 Polyester resin composition for forming an impact resistant article
US06/836,862 US4659757A (en) 1985-03-08 1986-03-07 Polyester resin composition for forming an impact resistant article

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12664185A JPS61283652A (ja) 1985-06-11 1985-06-11 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61283652A JPS61283652A (ja) 1986-12-13
JPH0566414B2 true JPH0566414B2 (ja) 1993-09-21

Family

ID=14940226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12664185A Granted JPS61283652A (ja) 1985-03-08 1985-06-11 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61283652A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003032919A2 (en) * 2001-10-17 2003-04-24 Croda, Inc. Esters of aromatic alkoxylated alcohols and fatty carboxylic acids

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61283652A (ja) 1986-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4659757A (en) Polyester resin composition for forming an impact resistant article
US4536531A (en) Polyester resin composition
JPS6166746A (ja) 難燃性ポリブチレンテレフタレ−ト組成物
JPH0569136B2 (ja)
JPS6367500B2 (ja)
JPH0514739B2 (ja)
JPH0566414B2 (ja)
JP3516788B2 (ja) 耐衝撃性に優れたポリエステル樹脂組成物
JPS6020954A (ja) ポリエステル組成物
JPS61200159A (ja) 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物
JPH0556381B2 (ja)
JPS636093B2 (ja)
JPS63245427A (ja) 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物
JP2583231B2 (ja) 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物
JPS6215582B2 (ja)
JPH0569138B2 (ja)
JPS642140B2 (ja)
JPS6366347B2 (ja)
JPH0474380B2 (ja)
JPH0578583B2 (ja)
JPH0299554A (ja) 高結晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物
JPS59113054A (ja) 樹脂組成物
JPH0726002B2 (ja) 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物
JPH0635532B2 (ja) ポリエチレンテレフタレ−ト組成物
JPH06228411A (ja) 難燃性ポリエステル樹脂組成物