JPH0565302A - 水溶性キトサンの製造法 - Google Patents

水溶性キトサンの製造法

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JPH0565302A
JPH0565302A JP41213590A JP41213590A JPH0565302A JP H0565302 A JPH0565302 A JP H0565302A JP 41213590 A JP41213590 A JP 41213590A JP 41213590 A JP41213590 A JP 41213590A JP H0565302 A JPH0565302 A JP H0565302A
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Tadamoro Inoue
唯師 井上
Yoshito Hamamoto
義人 浜本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】キトサンを過酢酸と反応させて、分子量1,5
00〜30,000の水溶性キトサンを得る。 【構成】反応液中に酸素又は空気を吹き込みながら、キ
トサンと過酢酸水溶液を反応させる。キトサンに対して
使用する過酢酸の重量比は3〜15とし反応途中で添加
水で調整することにより、原料キトサンを分子量1,5
00〜30,000の低分子量キトサンに分割する。 【効果】キトサンをそのまま過酢酸と反応させる事が可
能となったのみならず、過酢酸の使用量少なくして高収
率で水溶性キトサンが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキチン質より精製された
キトサンを酸化して製造する水溶性キトサンの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、節足動物の殻、軟体動物
の外殻、菌類の細胞壁等の主要な構成成分であるキチン
質は、通常、キチン(β−ポリN−アセチル−0−グル
コサミン)及びキチンのN−脱アセチル化物であるキト
サン(1.4−β−ポリ−D−グルコサミン)の混合物
を総称するものである。キチン質は、生体内では糖蛋白
質として存在しており、アルカリで蛋白質を除いてキチ
ン質を取り出し、工業的には前記したN−脱アセチル化
によってキトサンの純度を高めて原料とし、農業、工
業、医薬品業等の各分野で、例えば、液晶、廃水処理
剤、蛋白質回収剤、植物細胞の活性化剤、餌料、化粧
品、手術用糸、免疫活性化剤等の原料として利用されて
いる。このキトサンは、キチンと同様に水に不溶である
ため、上記したような製品の原料として利用される際に
は、水溶性にしたものが用いられる。キトサンを水溶性
にするには、従来より塩素ガスによる分子分割方法や過
酸化水素による酸化分割方法、アルカリ性低分子キトサ
ン製法、キチナーゼ等の酵素を利用した低分子キトサン
の製法がある。
【0003】これらの技術を改良するものとしては、公
開特許公報(A)平2−41301号に、過酢酸を用い
て、一旦酢酸に溶解したキトサンを反応させる方法が提
案された。
【0004】
【発明が解決すべき課題】従来の水溶性キトサンの製造
法は、各々に問題点を有し、例えば塩素ガスによる分子
分割方法においては製造工程に危険性の高いガスを使用
しなければならず、過酸化水素による方法においては高
濃度の過酸化水素が貯蔵時に分解し易く、アルカリ性低
分子キトサン製法においては生成した水溶性キトサン
が、アルカリ性を呈するので原料として扱い難く、酵素
を利用した製法では、製造原価が高くなって実用的では
ないと言う問題がある。
【0007】一方、これらの技術を改良する方法として
提案された過酢酸を用いて、酢酸に溶解したキトサンを
分割する方法では酢酸にキトサンを溶解させる予備工程
が必要であるとか、キトサン濃度が低くしかも目的とし
た水溶性キトサンの収率が低いという課題が残されてい
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、空気又は酸素
を吹き込みながら、キトサンと過酢酸水溶液を反応させ
ることにより、目的とする水溶性キトサンを高収率で得
る事ができる。
【0009】本発明によれば、キトサンを溶解する事な
く、そのまま過酢酸水溶液中に投入し、撹拌しながらそ
して空気又は酸素を吹き込みながら、反応することによ
り極めて短時間に反応を実施する事が可能である。
【0010】原料として用いられるキトサンは、キチン
質を濃アルカリ溶液を加えて加熱又はカリ融解をして脱
アセチル化し、精製したものであるが、脱アセチル化が
不充分なためにキチンが任意の割合で含有されたもので
あってもよい。
【0011】過酢酸はアセトアルデヒドのオゾン酸化に
よる合成法と無水酢酸に過酸化水素を混合し、硫酸を加
え、更に過酸化水素を加えて静置後、これを蒸留する方
法が知られているが、本発明で用いる過酢酸水溶液は無
水酢酸に過酸化水素を混合し、更に好ましくは硫酸を加
えて合成した高濃度過酢酸水溶液をそのまま用いれば良
い。
【0012】このようにして調整された好ましくは硫酸
を含む過酢酸水溶液に原料キトサンを添加するが、キト
サンに対して使用する過酢酸の重量比は3〜15の範囲
であり、好ましくは5〜10である。原料キトサンに対
して使用される過酢酸の割合は、その使用割合が低いと
キトサンの酸化反応が十分に行われず、一方、上記範囲
を越す割合では分子量1,500〜30,000の低分
子量の水溶性キトサンが生成されずに、分子量1,50
0未満のオリゴ糖となる割合が高くなり、好ましくな
い。
【0013】本発明で使用するキトサンに対する過酢酸
の重量比が3〜15、好ましくは5〜10と極めて少な
い割合の過酢酸で反応が完結するためには、空気又は酸
素を併用することが技術的ポイントであり、極めて効率
的な製法である。
【0014】使用される空気量は液量100lに対して
5〜20l/分程度であれば充分であり、これ以上多く
しても空気酸化の効果は少ない。撹拌については、激し
く行う程、好ましいが通常400〜600RPMで行わ
れる。又、空気の代わりに酸素を用いれば更に効果が上
がる。
【0015】一方、反応途中における添加水効果につい
ては、水の添加が行われない場合は、目的とする分子量
1,500〜30,000の収率が低く、しかも不都合
な事には分子量30,000以上の反応が完全に進んで
いない高分子量キトサンが多く残存すると共にさらに反
応が進行したものであるオリゴ糖とかモノマーが多く存
在するというこれ又好ましくない結果を与える。
【0016】しかしながら、反応途中に、適量の水を添
加する事はこれらの不都合な結果を排除する事となる。
即ち、50%程度の過酢酸とキトサンの反応を行わせて
いる反応途中に、反応開始後30分〜120分、好まし
くは60分〜90分後に使用された過酢酸量の20%〜
70%、好ましくは40%〜60%の温水を添加する事
が好ましく、このようにして、反応を行った系では、目
的とする分子量1,500〜30,000の低分子量キ
トサンの収率が大巾に増大するのみならず、分子量3
0,000以上のキトサンの残存率、オリゴマー又はモ
ノマーの発生率は極端に低下する。
【0017】一般にキトサンは70℃以上で物性が変わ
ると言われているが本反応においても、この事を考慮し
て行う事が好ましく50〜60℃の範囲で行う事が好ま
しい。このような温度範囲で、しかも酸素又は空気を液
中に吹き込みながら、しかも反応途中に適量の50〜6
0℃に加温された水を添加する事により従来は20時間
以上かかって行なわれた反応がわずか3〜5時間の反応
時間で完了する。
【0018】なお、反応器に用いられる材質について
は、耐酸化性、耐薬品性の材料であることが好ましく、
例えばチタン合金とか、ガラスライニングとかテフロン
加工した材料などが用いられる。
【0019】
【作用】過酢酸による高分子量キトサンの酸化反応は、
反応液中に吹き込まれる酸素又は空気による酸化により
相乗効果となり、極めて短時間に反応を完遂させる。一
方、過酢酸濃度と高分子量キトサンの酸化による解裂の
仕方は、低分子化したキトサンは高濃度過酢酸の影響を
受けやすくなる事より、高分子量キトサンでは高濃度過
酢酸による酸化が行われる。一方、中分子量化したキト
サンに対しては濃度を低下した過酢酸で酸化を行うこと
で分子量1,500〜30,000の低分子量キトサン
が高収率で得られる。
【0020】
【実施例】
実施例1 撹拌機とスーパージャーを付した反応器に、酢酸2.7
l、硫酸300ml、30%過酸化水素10.6lの混
合物を30分間、室温下に静置して常法通り過酢酸の水
溶液を得た。次いで、この過酢酸水溶液を50℃に加温
すると共に、別途秤量した脱アセチル化度94%の原料
キトサン1kgを投入すると共に激しく撹拌を開始し
た。なお、反応器には10l/分の空気を吹き込んだ。
反応開始後、1.5時間後に、50℃の温水7lを反応
系に添加すると共にそのまま反応をつづけ合計4時間反
応を行い終了した。
【0021】得られた反応液をアルコール分画により分
別した結果、目的とする分子量1,500〜30,00
0の水溶性キトサンを80%の収率で得た。なお、3
0,000以上にキトサンは10%、オリゴ糖は10%
であった。
【0022】実施例2 実施例1と同じにして過酢酸を合成し、次いで50℃に
加温し、これに1kgの原料キトサンを投入するととも
に激しく撹拌した。なお、系内には10l/分の空気を
吹き込み、このまま反応を4時間つづけて終了した。反
応液をアルコール分画した結果、分子量1,500〜3
0,000の水溶性キトサンを40%の収率で得た。な
お、30,000以上のキトサンは40%、オリゴ糖は
10%、モノマーは10%であった。
【0023】
【発明の効果】キトサンをそのまま過酢酸と反応させる
事が可能となったのみならず、酸素又は空気の併用によ
り過酢酸の使用量を減じる事が可能となった。一方、反
応途中に水添加を行う事により目的とする1,500〜
30,000の水溶性キトサンを高収率で得られる事と
なった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】一般にキトサンは70℃以上で物性が変わ
ると言われているが本反応においても、この事を考慮し
て行う事が好ましく50〜60℃の範囲で行う事が好ま
しい。このような温度範囲で、しかも酸素又は空気を液
中に吹き込みながら、しかも反応途中に適量の50〜6
0℃に加温された水を添加する事により従来は20時間
以上かかって行なわれた反応がわずか3〜5時間の反応
時間で完了する。なお、生成した低分子キトサンの構造
をNMRにより解析した結果、分子鎖中に2.5−アン
ヒドロマンノース構造を有し、その量は、糖鎖単位約2
0個に対し1個の割合で存在している事を確認した。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月4日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】一般にキトサンは70℃以上で物性が変る
と言われているが本反応においても、この事を考慮して
行なう事が好ましく50〜60℃の範囲で行なう事が好
ましい。このような温度範囲で、しかも酸素又は空気を
液中に吹き込みながら、しかも反応途中に適量の50〜
60℃に加温された水を添加する事により従来は20時
間以上かかって行なわれた反応がわずか3〜5時間の反
応時間で完了する。なお、生成した低分子キトサンの構
造をNMRにより解析した結果、分子鎖中に2.5−ア
ンヒドロマンノース構造を有し、その量は、糖鎖単位約
20個に対し1個の割合で存在している事を確認した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応液中に酸素又は空気を吹き込みなが
    ら、キトサンと過酢酸水溶液を反応させることを特徴と
    する水溶性キトサンの製造法
  2. 【請求項2】 キトサンに対して使用する過酢酸の重量
    比が3〜15である請求項1の水溶性キトサンの製造
    法。
  3. 【請求項3】 硫酸を触媒として酢酸と過酸化水素より
    合成される過酢酸をそのまま用いることを特徴とする請
    求項1の水溶性キトサンの製造法。
  4. 【請求項4】 過酢酸のキトサンに対する反応を、反応
    途中の添加水で調整することにより、原料キトサンを分
    子量1,500〜30,000の低分子量キトサンに分
    割する請求項1の水溶性キトサンの製造法。
JP41213590A 1990-12-18 1990-12-18 水溶性キトサンの製造法 Expired - Fee Related JPH07119244B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1108311C (zh) * 2000-04-17 2003-05-14 武汉大学 一种制备低聚水溶性壳聚糖的方法
KR20190061828A (ko) 2017-11-27 2019-06-05 이보균 조사료용 키토산의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1108311C (zh) * 2000-04-17 2003-05-14 武汉大学 一种制备低聚水溶性壳聚糖的方法
KR20190061828A (ko) 2017-11-27 2019-06-05 이보균 조사료용 키토산의 제조방법

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