JPH08119960A - ビスラクトンの製造方法 - Google Patents
ビスラクトンの製造方法Info
- Publication number
- JPH08119960A JPH08119960A JP28432794A JP28432794A JPH08119960A JP H08119960 A JPH08119960 A JP H08119960A JP 28432794 A JP28432794 A JP 28432794A JP 28432794 A JP28432794 A JP 28432794A JP H08119960 A JPH08119960 A JP H08119960A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reaction
- bis
- perborate
- bislactone
- acid
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Abstract
(57)【要約】
【目的】安価に入手でき、爆発等の危険性がなく、取り
扱いが容易な物質を用いて、ビスラクトンを製造する方
法を提供する。 【構成】本発明は、下記構造式 【化1】 で表される環状ケトンを原料とし、これに1〜5当量倍
の過ほう酸ナトリウムを脂肪酸溶媒中で作用させること
により、下記構造式 【化2】 で表されるビスラクトンを製造する。 【効果】簡便な操作により、上記ビスラクトンを収率よ
く製造できる。このビスラクトンは、プラスチック製造
用モノマー、プラスチック変性剤、ファインケミカルス
原料等として有用である。
扱いが容易な物質を用いて、ビスラクトンを製造する方
法を提供する。 【構成】本発明は、下記構造式 【化1】 で表される環状ケトンを原料とし、これに1〜5当量倍
の過ほう酸ナトリウムを脂肪酸溶媒中で作用させること
により、下記構造式 【化2】 で表されるビスラクトンを製造する。 【効果】簡便な操作により、上記ビスラクトンを収率よ
く製造できる。このビスラクトンは、プラスチック製造
用モノマー、プラスチック変性剤、ファインケミカルス
原料等として有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック製造用モ
ノマー、プラスチック変性剤、ファインケミカルス原料
等として有用なビスラクトンの製造方法に関するもので
ある。
ノマー、プラスチック変性剤、ファインケミカルス原料
等として有用なビスラクトンの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】下記構造式
【化3】 で表されるビスラクトンの製造法としては、下記構造式
【化4】 で表される環状ケトンに酸化剤を作用させる、いわゆる
バイヤービリガー酸化反応により製造することができ、
例えば、特開平3ー264577号公報では過酢酸を酸
化剤として用いた方法を開示している。しかし、過酢酸
は爆発、発火の危険性がある。また、特開平5ー860
51号公報ではm−クロロ過安息香酸を酸化剤として用
いた方法及びオクソンを酸化剤として用いた方法を開示
している。しかし、m−クロロ過安息香酸及びオクソン
は工業的な製造はされていないため、価格が高い。この
ように、従来、安全性と経済性を兼ね備えたビスラクト
ンの製造法はなかった。
バイヤービリガー酸化反応により製造することができ、
例えば、特開平3ー264577号公報では過酢酸を酸
化剤として用いた方法を開示している。しかし、過酢酸
は爆発、発火の危険性がある。また、特開平5ー860
51号公報ではm−クロロ過安息香酸を酸化剤として用
いた方法及びオクソンを酸化剤として用いた方法を開示
している。しかし、m−クロロ過安息香酸及びオクソン
は工業的な製造はされていないため、価格が高い。この
ように、従来、安全性と経済性を兼ね備えたビスラクト
ンの製造法はなかった。
【0003】一方、過ほう酸ナトリウムは、化学的に安
定で、かつ、工業的に製造されている酸化剤であり、シ
クロヘキサノンのバイヤービリガー酸化反応によるεー
カプロラクトンの製造に有効な酸化剤であることが知ら
れている(Alexander McKillop and Jonathan A. Tarbi
n, Tetrahedron, 43, 1753(1987))。
定で、かつ、工業的に製造されている酸化剤であり、シ
クロヘキサノンのバイヤービリガー酸化反応によるεー
カプロラクトンの製造に有効な酸化剤であることが知ら
れている(Alexander McKillop and Jonathan A. Tarbi
n, Tetrahedron, 43, 1753(1987))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、安価な
工業製品であり、かつ、爆発等の危険性が小さく、取り
扱いが容易な過ほう酸ナトリウムを用いることによりバ
イヤービリガー酸化反応が進行することに着目し、鋭意
検討した結果、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、安価に入手でき、爆発等の危険性がなく、取り扱い
が容易な物質を用いて、前記化3で表されるビスラクト
ンを製造する方法を提供するものである。
工業製品であり、かつ、爆発等の危険性が小さく、取り
扱いが容易な過ほう酸ナトリウムを用いることによりバ
イヤービリガー酸化反応が進行することに着目し、鋭意
検討した結果、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、安価に入手でき、爆発等の危険性がなく、取り扱い
が容易な物質を用いて、前記化3で表されるビスラクト
ンを製造する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記構造式
【化5】 で表される環状ケトンに酸化剤を作用させることによ
り、下記構造式
り、下記構造式
【化6】 で表されるビスラクトンを製造するに当り、脂肪酸溶媒
中で、酸化剤として過ほう酸塩を作用させることを特徴
とするビスラクトンの製造方法である。
中で、酸化剤として過ほう酸塩を作用させることを特徴
とするビスラクトンの製造方法である。
【0006】本発明で原料に用いる環状ケトンは、前記
構造式化5で表される2,2−ビス(4−オキソシクロ
ヘキシル)プロパンである。
構造式化5で表される2,2−ビス(4−オキソシクロ
ヘキシル)プロパンである。
【0007】酸化剤として用いる過ほう酸塩は、通常過
ほう酸ナトリウムの4水和物(組成式:NaBO3 ・4
H2 O)として使用することが簡便であるが、無水物又
は、無水物と水和物との混合物でも支障なく反応が進行
する。過ほう酸塩の使用量は、原料の環状ケトンに対し
1〜5当量倍、好ましくは1〜3当量倍である。1当量
倍未満では反応が完結せず、5当量倍を越える大量使用
は経済的に好ましくない。なお、過ほう酸ナトリウムの
場合、1当量倍は2モル倍となる。
ほう酸ナトリウムの4水和物(組成式:NaBO3 ・4
H2 O)として使用することが簡便であるが、無水物又
は、無水物と水和物との混合物でも支障なく反応が進行
する。過ほう酸塩の使用量は、原料の環状ケトンに対し
1〜5当量倍、好ましくは1〜3当量倍である。1当量
倍未満では反応が完結せず、5当量倍を越える大量使用
は経済的に好ましくない。なお、過ほう酸ナトリウムの
場合、1当量倍は2モル倍となる。
【0008】溶媒として用いる脂肪酸としては、ぎ酸、
酢酸、プロピオン酸等の直鎖脂肪酸、イソらく酸、イソ
吉草酸等の分枝のある脂肪酸、クロロ酢酸、トリフルオ
ロ酢酸等の置換基を有する脂肪酸を挙げることができ
る。脂肪酸の使用量は、特に制限はないが、反応操作及
び経済性の観点から、原料の環状ケトンの重量の3〜5
0倍が好ましい。
酢酸、プロピオン酸等の直鎖脂肪酸、イソらく酸、イソ
吉草酸等の分枝のある脂肪酸、クロロ酢酸、トリフルオ
ロ酢酸等の置換基を有する脂肪酸を挙げることができ
る。脂肪酸の使用量は、特に制限はないが、反応操作及
び経済性の観点から、原料の環状ケトンの重量の3〜5
0倍が好ましい。
【0009】反応は溶液又はスラリー状態で行われる。
反応温度は溶媒により異なるが、通常、0〜100℃で
ある。0℃未満では反応速度が遅く、100℃を越える
温度では副生物の生成が増える。反応時間は反応温度に
より異なるが、通常5分から20時間である。反応終了
後、必要に応じて、反応混合物に対し溶媒の留去、生成
物の抽出、再沈等の通常の後処理並びに単離、生成反応
操作を行うことにより、ビスラクトンを得ることができ
る。
反応温度は溶媒により異なるが、通常、0〜100℃で
ある。0℃未満では反応速度が遅く、100℃を越える
温度では副生物の生成が増える。反応時間は反応温度に
より異なるが、通常5分から20時間である。反応終了
後、必要に応じて、反応混合物に対し溶媒の留去、生成
物の抽出、再沈等の通常の後処理並びに単離、生成反応
操作を行うことにより、ビスラクトンを得ることができ
る。
【0010】
【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに、詳細に説
明する。
明する。
【0011】〔実施例1〕温度計、還流冷却器を取付け
たガラス製反応容器内で、2,2−ビス(4−オキソシ
クロヘキシル)プロパン2.36gをトリフルオロ酢酸
30mlに溶解させる。湯浴中で、溶液温度が45〜5
0℃に保たれるように浴温を調整しながら、過ほう酸ナ
トリウム(4水和物)6.15gを徐々に加える。同温
度で1時間攪拌した後、ガスクロマトグラフィーで反応
溶液を分析したところ、2,2−ビス(4−オキソシク
ロヘキシル)プロパンの転化率は100%であり、5,
5’−(1−メチルエチリデン)ビス−2−オキセパノ
ンの収率は83%であった。
たガラス製反応容器内で、2,2−ビス(4−オキソシ
クロヘキシル)プロパン2.36gをトリフルオロ酢酸
30mlに溶解させる。湯浴中で、溶液温度が45〜5
0℃に保たれるように浴温を調整しながら、過ほう酸ナ
トリウム(4水和物)6.15gを徐々に加える。同温
度で1時間攪拌した後、ガスクロマトグラフィーで反応
溶液を分析したところ、2,2−ビス(4−オキソシク
ロヘキシル)プロパンの転化率は100%であり、5,
5’−(1−メチルエチリデン)ビス−2−オキセパノ
ンの収率は83%であった。
【0012】〔実施例2〕温度計、還流冷却器を取付け
たガラス製反応容器内で、2,2−ビス(4−オキソシ
クロヘキシル)プロパン2.36gをぎ酸30mlに溶
解させる。湯浴中で、溶液温度が45〜50℃に保たれ
るように浴温を調整しながら、過ほう酸ナトリウム(4
水和物)6.15gを徐々に加える。同温度で1時間攪
拌した後、ガスクロマトグラフィーで反応溶液を分析し
たところ、2,2−ビス(4−オキソシクロヘキシル)
プロパンの転化率は100%であり、5,5’−(1−
メチルエチリデン)ビス−2−オキセパノンの収率は7
5%であった。
たガラス製反応容器内で、2,2−ビス(4−オキソシ
クロヘキシル)プロパン2.36gをぎ酸30mlに溶
解させる。湯浴中で、溶液温度が45〜50℃に保たれ
るように浴温を調整しながら、過ほう酸ナトリウム(4
水和物)6.15gを徐々に加える。同温度で1時間攪
拌した後、ガスクロマトグラフィーで反応溶液を分析し
たところ、2,2−ビス(4−オキソシクロヘキシル)
プロパンの転化率は100%であり、5,5’−(1−
メチルエチリデン)ビス−2−オキセパノンの収率は7
5%であった。
【0013】〔実施例3〕温度計、還流冷却器を取付け
たガラス製反応容器内で、2,2−ビス(4−オキソシ
クロヘキシル)プロパン2.36gをぎ酸30mlに溶
解させる。水浴中で、溶液温度が20〜25℃に保たれ
るように浴温を調整しながら、過ほう酸ナトリウム(4
水和物)6.15gを徐々に加える。同温度で5時間攪
拌した後、ガスクロマトグラフィーで反応溶液を分析し
たところ、2,2−ビス(4−オキソシクロヘキシル)
プロパンの転化率は97%であり、5,5’−(1−メ
チルエチリデン)ビス−2−オキセパノンの収率は81
%であった。
たガラス製反応容器内で、2,2−ビス(4−オキソシ
クロヘキシル)プロパン2.36gをぎ酸30mlに溶
解させる。水浴中で、溶液温度が20〜25℃に保たれ
るように浴温を調整しながら、過ほう酸ナトリウム(4
水和物)6.15gを徐々に加える。同温度で5時間攪
拌した後、ガスクロマトグラフィーで反応溶液を分析し
たところ、2,2−ビス(4−オキソシクロヘキシル)
プロパンの転化率は97%であり、5,5’−(1−メ
チルエチリデン)ビス−2−オキセパノンの収率は81
%であった。
【0014】〔実施例4〕温度計、還流冷却器を取付け
たガラス製反応容器内で、2,2−ビス(4−オキソシ
クロヘキシル)プロパン2.36gを酢酸30mlに溶
解させる。湯浴中で、溶液温度が45〜50℃に保たれ
るように浴温を調整しながら、過ほう酸ナトリウム(4
水和物)6.15gを徐々に加える。同温度で2時間攪
拌した後、ガスクロマトグラフィーで反応溶液を分析し
たところ、2,2−ビス(4−オキソシクロヘキシル)
プロパンの転化率は87%であり、5,5’−(1−メ
チルエチリデン)ビス−2−オキセパノンの収率は23
%であった。
たガラス製反応容器内で、2,2−ビス(4−オキソシ
クロヘキシル)プロパン2.36gを酢酸30mlに溶
解させる。湯浴中で、溶液温度が45〜50℃に保たれ
るように浴温を調整しながら、過ほう酸ナトリウム(4
水和物)6.15gを徐々に加える。同温度で2時間攪
拌した後、ガスクロマトグラフィーで反応溶液を分析し
たところ、2,2−ビス(4−オキソシクロヘキシル)
プロパンの転化率は87%であり、5,5’−(1−メ
チルエチリデン)ビス−2−オキセパノンの収率は23
%であった。
【0015】
【発明の効果】本発明により、プラスチック製造用モノ
マー、プラスチック変性剤、ファインケミカルス原料等
として有用な、下記構造式
マー、プラスチック変性剤、ファインケミカルス原料等
として有用な、下記構造式
【化7】 で表されるビスラクトンを、安価に入手でき、爆発等の
危険性がない物質を用いて、簡便な操作により、収率よ
く製造できる。
危険性がない物質を用いて、簡便な操作により、収率よ
く製造できる。
Claims (1)
- 【請求項1】下記構造式 【化1】 で表される環状ケトンに酸化剤を作用させることによ
り、下記構造式 【化2】 で表されるビスラクトンを製造するに当り、脂肪酸溶媒
中で、酸化剤として過ほう酸塩を作用させることを特徴
とするビスラクトンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28432794A JPH08119960A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | ビスラクトンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28432794A JPH08119960A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | ビスラクトンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08119960A true JPH08119960A (ja) | 1996-05-14 |
Family
ID=17677129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28432794A Withdrawn JPH08119960A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | ビスラクトンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08119960A (ja) |
-
1994
- 1994-10-24 JP JP28432794A patent/JPH08119960A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020115 |