JPH0562902A - 化合物半導体結晶層の気相成長方法 - Google Patents
化合物半導体結晶層の気相成長方法Info
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- JPH0562902A JPH0562902A JP21910191A JP21910191A JPH0562902A JP H0562902 A JPH0562902 A JP H0562902A JP 21910191 A JP21910191 A JP 21910191A JP 21910191 A JP21910191 A JP 21910191A JP H0562902 A JPH0562902 A JP H0562902A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 本発明は、原料交互供給法による化合物半導
体の単原子層成長法において、高純度な半導体結晶層を
得るための成長法を提供する。 【構成】 原料交互供給法による化合物半導体の単原子
層成長法において、III族原料として、フェニル基を有
する有機金属化合物、もしくは、アミノ基が配位した化
合物を用いることにより、高純度の半導体結晶層の成長
が可能となる。また、MOCVDにおける原料ガスを分
解させて成長に供する。
体の単原子層成長法において、高純度な半導体結晶層を
得るための成長法を提供する。 【構成】 原料交互供給法による化合物半導体の単原子
層成長法において、III族原料として、フェニル基を有
する有機金属化合物、もしくは、アミノ基が配位した化
合物を用いることにより、高純度の半導体結晶層の成長
が可能となる。また、MOCVDにおける原料ガスを分
解させて成長に供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化合物半導体結晶層の気
相成長方法に係り、特に原料交互供給法による化合物半
導体結晶層の気相成長方法、およびV族元素を含む有機
化合物を原料として用いる気相成長方法に関する。
相成長方法に係り、特に原料交互供給法による化合物半
導体結晶層の気相成長方法、およびV族元素を含む有機
化合物を原料として用いる気相成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、量子井戸構造、超格子構造などを
利用した新機能素子の開発が盛んに行われている。これ
らの素子を作成するには、結晶層を単原子層オーダの膜
厚に正確に制御する必要がある。このため、III族原料
ガスとV族原料ガスを、基板が設置された成長容器内に
交互に供給することにより、該基板上にIII−V族化合
物半導体結晶層を単原子ずつ成長させる単原子層成長法
(ALE:AtomicLayer Epitaxy)
が提案され、精力的に研究が行われている。
利用した新機能素子の開発が盛んに行われている。これ
らの素子を作成するには、結晶層を単原子層オーダの膜
厚に正確に制御する必要がある。このため、III族原料
ガスとV族原料ガスを、基板が設置された成長容器内に
交互に供給することにより、該基板上にIII−V族化合
物半導体結晶層を単原子ずつ成長させる単原子層成長法
(ALE:AtomicLayer Epitaxy)
が提案され、精力的に研究が行われている。
【0003】しかし、ALE法は、従来の有機金属気相
成長法にくらべて、成長温度が低いために、結晶層中
に、原料に含まれる炭素が多量に、例えば1017cm-3
以上も混入するという問題があった。特にAlを含む化
合物半導体、例えばAlAs、AlPにおいては、Al
の原料にトリメチルアルミニウムを用いた場合、結晶層
中の炭素濃度は1019cm-3以上となり、かつ表面モホ
ロジーが悪くなるという問題がある。
成長法にくらべて、成長温度が低いために、結晶層中
に、原料に含まれる炭素が多量に、例えば1017cm-3
以上も混入するという問題があった。特にAlを含む化
合物半導体、例えばAlAs、AlPにおいては、Al
の原料にトリメチルアルミニウムを用いた場合、結晶層
中の炭素濃度は1019cm-3以上となり、かつ表面モホ
ロジーが悪くなるという問題がある。
【0004】次に、III−V族化合物半導体の有機金属
気相成長法において、従来V族原料としてホスフィン
(PH3)やアルシン(AsH3)などの水素化物が使わ
れていた。
気相成長法において、従来V族原料としてホスフィン
(PH3)やアルシン(AsH3)などの水素化物が使わ
れていた。
【0005】しかし、これらの水素化物は毒性が強いと
いう問題があった。この問題を改善するためにアルキル
基の結合したリンや砒素を原料として用いる方法があ
る。これにより確かに毒性は弱くなったが、アルキル基
は炭素を含むので成長膜に炭素が混入するという新たな
問題を引き起こした。III−V族化合物半導体に炭素が
混入すると禁制帯中に浅い不純物準位を作り、キャリア
を発生させる。このキャリアは化合物半導体の伝導型を
制御する際に邪魔になる。すなわち、アルキル基の結合
したリンや砒素の有機V族原料を用いた有機金属気相成
長法では、炭素の汚染があって問題であった。
いう問題があった。この問題を改善するためにアルキル
基の結合したリンや砒素を原料として用いる方法があ
る。これにより確かに毒性は弱くなったが、アルキル基
は炭素を含むので成長膜に炭素が混入するという新たな
問題を引き起こした。III−V族化合物半導体に炭素が
混入すると禁制帯中に浅い不純物準位を作り、キャリア
を発生させる。このキャリアは化合物半導体の伝導型を
制御する際に邪魔になる。すなわち、アルキル基の結合
したリンや砒素の有機V族原料を用いた有機金属気相成
長法では、炭素の汚染があって問題であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】叙上の如く、ALE法
には原料に含まれる炭素が結晶層中に多量に混入すると
いう重大な問題があり、特にAlを含む化合物半導体で
は表面モホロジーが悪くなるという問題があった。ま
た、有機V族原料を用いた有機金属気相成長法でも生成
された結晶層中に炭素の混入が問題にされる。
には原料に含まれる炭素が結晶層中に多量に混入すると
いう重大な問題があり、特にAlを含む化合物半導体で
は表面モホロジーが悪くなるという問題があった。ま
た、有機V族原料を用いた有機金属気相成長法でも生成
された結晶層中に炭素の混入が問題にされる。
【0007】本発明は、上記事情を考慮して為されたも
ので、その目的とするところは、低い成長温度でも高純
度の化合物半導体結晶、特にAlを含む高純度化合物半
導体結晶を得る単原子層成長法を提供することにある。
また、有機V族原料を用いた有機金属気相成長法におい
て、この有機V族原料からの炭素の汚染をなくし、純度
の高い化合物半導体薄膜を提供することを目的とする。
ので、その目的とするところは、低い成長温度でも高純
度の化合物半導体結晶、特にAlを含む高純度化合物半
導体結晶を得る単原子層成長法を提供することにある。
また、有機V族原料を用いた有機金属気相成長法におい
て、この有機V族原料からの炭素の汚染をなくし、純度
の高い化合物半導体薄膜を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の化合物半
導体結晶層の気相成長方法は、フェニル基を有しIII族
元素を含む有機金属化合物またはアミノ基が配位したII
I族元素の化合物と、V族元素を含む水素化合物または
V族元素を含む有機化合物とを所定温度の半導体基板上
に交互に供給しIII−V族化合物半導体結晶層を積層形
成する工程を含むことを特徴とする。また、前記III族
元素がAlでその化合物がフェニルアルミニウムである
ことを特徴とする。
導体結晶層の気相成長方法は、フェニル基を有しIII族
元素を含む有機金属化合物またはアミノ基が配位したII
I族元素の化合物と、V族元素を含む水素化合物または
V族元素を含む有機化合物とを所定温度の半導体基板上
に交互に供給しIII−V族化合物半導体結晶層を積層形
成する工程を含むことを特徴とする。また、前記III族
元素がAlでその化合物がフェニルアルミニウムである
ことを特徴とする。
【0009】次に本発明に係る化合物半導体結晶層の気
相成長方法の第二は、原料のV族元素を含む有機化合物
を予め分解して半導体基板上に供給し気相成長を施すこ
とを特徴とする。また、前記の分解の手段が、熱、光、
放電プラズマのいずれかであることを特徴とする。
相成長方法の第二は、原料のV族元素を含む有機化合物
を予め分解して半導体基板上に供給し気相成長を施すこ
とを特徴とする。また、前記の分解の手段が、熱、光、
放電プラズマのいずれかであることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明に係る化合物半導体単結晶成長方法の第
一についてAlAsの単原子層成長を例に説明する。
一についてAlAsの単原子層成長を例に説明する。
【0011】Alの原料として、トリメチルアルミニウ
ム(TMA、Al(CH3)3)を用いた場合、基板表面
でTMAの熱分解により生成した活性なメチルラジカル
(CH3)がAl単原子層を形成する過程で膜中に取り
込まれて、それが炭素混入の原因となる。
ム(TMA、Al(CH3)3)を用いた場合、基板表面
でTMAの熱分解により生成した活性なメチルラジカル
(CH3)がAl単原子層を形成する過程で膜中に取り
込まれて、それが炭素混入の原因となる。
【0012】一方、図2(a)に示すフェニルアルミニ
ウム(C6H7Al)をAl原料に用いた場合、基板表面
で熱分解によって生成したフェニル基は、メチルラジカ
ルに比べて熱的に安定であり、かつ反応性も低いため
に、膜中への炭素混入の源とはならない。また、図2
(b)に示すトリメチルアミンアラン(H3AlN(C
H3)3)をAl原料に用いた場合も、基板表面で熱分解
により生成するアミンが熱的に安定で、反応性も低い化
合物であるために、膜中への炭素混入の源とはならな
い。
ウム(C6H7Al)をAl原料に用いた場合、基板表面
で熱分解によって生成したフェニル基は、メチルラジカ
ルに比べて熱的に安定であり、かつ反応性も低いため
に、膜中への炭素混入の源とはならない。また、図2
(b)に示すトリメチルアミンアラン(H3AlN(C
H3)3)をAl原料に用いた場合も、基板表面で熱分解
により生成するアミンが熱的に安定で、反応性も低い化
合物であるために、膜中への炭素混入の源とはならな
い。
【0013】叙上の理由により、単原子層成長法におけ
るIII族原料として図1(a)に示すフェニル基を有す
る有機金属化合物(但し、図中のMは金属、R1、R2は
いずれもアルキル基を夫々示す。以下同じ)、図1
(b)に示すアミンが配位された化合物を用いることに
より、炭素濃度の非常に低い高純度の化合物半導体薄膜
を得ることができる。
るIII族原料として図1(a)に示すフェニル基を有す
る有機金属化合物(但し、図中のMは金属、R1、R2は
いずれもアルキル基を夫々示す。以下同じ)、図1
(b)に示すアミンが配位された化合物を用いることに
より、炭素濃度の非常に低い高純度の化合物半導体薄膜
を得ることができる。
【0014】次に本発明の第二によると、有機V族原料
が成長基板に達する前に分解して炭素は安定な炭化水素
ガスとなって排気され、成長膜は炭素汚染を免れる。こ
れにより、純度の高い化合物半導体薄膜を提供する。
が成長基板に達する前に分解して炭素は安定な炭化水素
ガスとなって排気され、成長膜は炭素汚染を免れる。こ
れにより、純度の高い化合物半導体薄膜を提供する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0016】まず、GaAs基板上に、原料交互供給法
によりAlAsを単原子層成長させた実施例を示す。こ
れに用いられた有機金属気相成長装置の概略断面図を図
3に示す。石英製の成長容器1内のサセプタ2上に面方
位(001)GaAs基板3が設置される。基板3は高
周波加熱コイル4により、所定の成長温度に加熱保持さ
れる。原料ガスおよび水素ガスはガス導入口5より成長
容器1内に導入される。成長圧力は排気系6の排気速度
を調節することにより、所定の成長圧力に保持される。
によりAlAsを単原子層成長させた実施例を示す。こ
れに用いられた有機金属気相成長装置の概略断面図を図
3に示す。石英製の成長容器1内のサセプタ2上に面方
位(001)GaAs基板3が設置される。基板3は高
周波加熱コイル4により、所定の成長温度に加熱保持さ
れる。原料ガスおよび水素ガスはガス導入口5より成長
容器1内に導入される。成長圧力は排気系6の排気速度
を調節することにより、所定の成長圧力に保持される。
【0017】(実施例1)Al原料に図2(a)に示す
フェニルアルミニウム(C6H7Al)を、また、As原
料にアルシン(AsH3)を用い、原料の交互供給法に
よりAlAsを成長させた実施例について以下に説明す
る。
フェニルアルミニウム(C6H7Al)を、また、As原
料にアルシン(AsH3)を用い、原料の交互供給法に
よりAlAsを成長させた実施例について以下に説明す
る。
【0018】上記図3に示される装置を用い、GaAs
基板3をサセプタ2上に設置し、ガス導入口5よりAs
H3および水素を導入した後、高周波加熱コイル4によ
り基板を750℃に加熱し、GaAsの表面処理を20
分間行った。その際、ガス圧力は50Torr、AsH
3分圧は2Torrに設定した。続いて基板温度を50
0℃に下げ、AsH3導入/水素による置換/フェニル
アルミニウム導入/水素による置換を1サイクルとし
て、成長圧力を10Torrで、2000サイクル成長
を行った。フェニルアルミニウムの導入量は、3.7μ
mol/サイクル、導入時間は5秒とした。AsH3の
導入量は75μmol/サイクル、導入時間は5秒とし
た。また、水素による置換は2秒行った。各原料ガス導
入および水素による置換における全ガス流量は、3.5
l/min一定とした。1サイクル当たりの成長膜厚
は、約0.283nm/サイクルであり、1サイクル当
たり1分子層の成長が確認された。膜中の炭素濃度をS
IMS(Second aryIon Micro A
nalysis)分析により評価したところ、検出限界
の(〜1015cm-3)以下であり、高純度な結晶が得ら
れた。
基板3をサセプタ2上に設置し、ガス導入口5よりAs
H3および水素を導入した後、高周波加熱コイル4によ
り基板を750℃に加熱し、GaAsの表面処理を20
分間行った。その際、ガス圧力は50Torr、AsH
3分圧は2Torrに設定した。続いて基板温度を50
0℃に下げ、AsH3導入/水素による置換/フェニル
アルミニウム導入/水素による置換を1サイクルとし
て、成長圧力を10Torrで、2000サイクル成長
を行った。フェニルアルミニウムの導入量は、3.7μ
mol/サイクル、導入時間は5秒とした。AsH3の
導入量は75μmol/サイクル、導入時間は5秒とし
た。また、水素による置換は2秒行った。各原料ガス導
入および水素による置換における全ガス流量は、3.5
l/min一定とした。1サイクル当たりの成長膜厚
は、約0.283nm/サイクルであり、1サイクル当
たり1分子層の成長が確認された。膜中の炭素濃度をS
IMS(Second aryIon Micro A
nalysis)分析により評価したところ、検出限界
の(〜1015cm-3)以下であり、高純度な結晶が得ら
れた。
【0019】なお、上記実施例における原料ガスの導入
時間、および原料導入量はこれに限られない。
時間、および原料導入量はこれに限られない。
【0020】(実施例2)Al原料に図2(b)に示す
トリメチルアミンラン(TMAA)、As原料にアルシ
ン(AsH3)を用い、原料の交互供給法によりAlA
sを成長させた実施例について記す。
トリメチルアミンラン(TMAA)、As原料にアルシ
ン(AsH3)を用い、原料の交互供給法によりAlA
sを成長させた実施例について記す。
【0021】実施例1と同様なGaAs基板の表面処理
を行った後、基板温度を500℃に下げ、AsH3導入
/水素による置換/TMAA導入/水素に置換を1サイ
クルとして、成長圧力を10Torrで、2000サイ
クル成長を行った。TMAAの導入量は、1.5μmo
l/サイクル、導入時間は7秒とした。AsH3の導入
量は75μmol/サイクル、導入時間は5秒とした。
また、水素による置換は2秒行った。各原料ガス導入お
よび水素による置換における全ガス流量は、3.5l/
minとした。1サイクル当たりの成長膜厚は、約0.
283nm/サイクルであり、1サイクル当たり1分子
層の成長が確認された。膜中の炭素濃度をSIMS分析
により評価したところ、検出限界の(〜1015cm-3)
以下であり、高純度な結晶が得られた。
を行った後、基板温度を500℃に下げ、AsH3導入
/水素による置換/TMAA導入/水素に置換を1サイ
クルとして、成長圧力を10Torrで、2000サイ
クル成長を行った。TMAAの導入量は、1.5μmo
l/サイクル、導入時間は7秒とした。AsH3の導入
量は75μmol/サイクル、導入時間は5秒とした。
また、水素による置換は2秒行った。各原料ガス導入お
よび水素による置換における全ガス流量は、3.5l/
minとした。1サイクル当たりの成長膜厚は、約0.
283nm/サイクルであり、1サイクル当たり1分子
層の成長が確認された。膜中の炭素濃度をSIMS分析
により評価したところ、検出限界の(〜1015cm-3)
以下であり、高純度な結晶が得られた。
【0022】なお、原料ガス導入時間および原料導入量
は、上記実施例に限られない。
は、上記実施例に限られない。
【0023】実施例1および実施例2においては、Al
As単原子層成長の成長例を記したが、AlP、GaA
s、GaP等でも同様の効果が得られる。また、原料ガ
ス導入時、または、水素による置換時に基板に対して光
を照射する光励起単原子層成長法においても、同様な効
果が得られる。
As単原子層成長の成長例を記したが、AlP、GaA
s、GaP等でも同様の効果が得られる。また、原料ガ
ス導入時、または、水素による置換時に基板に対して光
を照射する光励起単原子層成長法においても、同様な効
果が得られる。
【0024】(実施例3)以下、化合物半導体結晶層の
気相成長方法の第二の発明につき、これに用いられる装
置の一部を示す図4ないし図7を参照して説明する。図
4は本発明の一実施例のGaAs成長のための有機金属
気相成長装置の断面図である。12はトリメチルアルシ
ン(CH3)3Asを分解させる装置(ガス分解セル)で
ある。(CH3)3Asは第1の導入口13から導入さ
れ、上記分解セル12で分解されたのち、GaAs基板
3の上方で基板の気相成長が施される主面(図の上面)
に対向する導管14によって該主面上に導かれる。そし
て第2の導入管15から導入されたトリメチルガリウム
(CH3)3Gaと反応して基板上にGaAsが成長す
る。炭化水素ガスや未反応の原料ガスは装置下部の排気
管16から排気される。
気相成長方法の第二の発明につき、これに用いられる装
置の一部を示す図4ないし図7を参照して説明する。図
4は本発明の一実施例のGaAs成長のための有機金属
気相成長装置の断面図である。12はトリメチルアルシ
ン(CH3)3Asを分解させる装置(ガス分解セル)で
ある。(CH3)3Asは第1の導入口13から導入さ
れ、上記分解セル12で分解されたのち、GaAs基板
3の上方で基板の気相成長が施される主面(図の上面)
に対向する導管14によって該主面上に導かれる。そし
て第2の導入管15から導入されたトリメチルガリウム
(CH3)3Gaと反応して基板上にGaAsが成長す
る。炭化水素ガスや未反応の原料ガスは装置下部の排気
管16から排気される。
【0025】図5に熱分解のための装置を断面図で示
す。図中21はタングステン製の熱分解炉、22は加熱
用ヒーター、23は熱シールドである。使用時の熱分解
炉の温度は800℃である。(CH3)3Gaを1scc
m、(CH3)3Asを50sccm、水素キャリアガス
を600sccmそれぞれ流し、圧力を10Torrと
したときGaAsの成長速度は1時間あたり2μmであ
った。熱分解炉を使用しないときにはGaAs成長膜は
p型伝導を示し、キャリア濃度は1017/cm3であっ
た。一方、熱分解炉を使用したときには1015/cm3
と純度が向上した。ただし、成長速度は不変であった。
す。図中21はタングステン製の熱分解炉、22は加熱
用ヒーター、23は熱シールドである。使用時の熱分解
炉の温度は800℃である。(CH3)3Gaを1scc
m、(CH3)3Asを50sccm、水素キャリアガス
を600sccmそれぞれ流し、圧力を10Torrと
したときGaAsの成長速度は1時間あたり2μmであ
った。熱分解炉を使用しないときにはGaAs成長膜は
p型伝導を示し、キャリア濃度は1017/cm3であっ
た。一方、熱分解炉を使用したときには1015/cm3
と純度が向上した。ただし、成長速度は不変であった。
【0026】図6に光分解の装置を断面図で示す。図中
31は内側が鏡面研磨されたステンレスの容器32は光
を導入するための合成石英の窓、33はArFエキシマ
レーザ光である。波長は193nmで、(CH3)3As
はレーザ光を吸収して分解する。容器31の内面31a
を鏡面研磨したのは、光を反射させて閉じ込め光を有効
に使うためである。この方法でも熱分解と同様に高純度
のGaAs膜が得られた。
31は内側が鏡面研磨されたステンレスの容器32は光
を導入するための合成石英の窓、33はArFエキシマ
レーザ光である。波長は193nmで、(CH3)3As
はレーザ光を吸収して分解する。容器31の内面31a
を鏡面研磨したのは、光を反射させて閉じ込め光を有効
に使うためである。この方法でも熱分解と同様に高純度
のGaAs膜が得られた。
【0027】図7にプラズマ分解の装置を断面図で示
す。図中41は石英製の容器、42はプラズマを発生さ
せるためのコイルである。この場合も高純度のGaAs
膜が得られた。
す。図中41は石英製の容器、42はプラズマを発生さ
せるためのコイルである。この場合も高純度のGaAs
膜が得られた。
【0028】有機V族原料としてトリエチルアルシン
(C2H5)3Asも同様に有効である。また、リンの原
料としてはトリメチルホスフィン(CH3)3P、トリエ
チルホスフィン(C2H5)3Pが有効である。
(C2H5)3Asも同様に有効である。また、リンの原
料としてはトリメチルホスフィン(CH3)3P、トリエ
チルホスフィン(C2H5)3Pが有効である。
【0029】(実施例4)次に、GaAs基板上に、A
l原料にトリメチルアミンアラン(TMAA)を、As
原料にトリメチルアルシン(TMAs)を用い、これら
原料の交互供給法によりAlAsを単原子層成長させた
実施例を示す。これに用いた有機金属気相成長装置の概
略の断面図を図8に示す。
l原料にトリメチルアミンアラン(TMAA)を、As
原料にトリメチルアルシン(TMAs)を用い、これら
原料の交互供給法によりAlAsを単原子層成長させた
実施例を示す。これに用いた有機金属気相成長装置の概
略の断面図を図8に示す。
【0030】図示のように、石英製の成長容器51内の
サセプタ2上に面方位(001)GaAs基板3が設置
される。この基板3は高周波加熱装置コイル4により、
所定の温度に加熱保持される。TMAAおよび水素ガス
は、ガス導入口52より成長容器51内に導入される。
また、TMAsおよび水素ガスもしくは、AsH3およ
び水素ガスは、ガス分解セル53を介し、ガス導入口5
2より成長容器51内に導入される。成長圧力は、排気
系6の排気速度を調節することにより、所定の成長圧力
に保持される。
サセプタ2上に面方位(001)GaAs基板3が設置
される。この基板3は高周波加熱装置コイル4により、
所定の温度に加熱保持される。TMAAおよび水素ガス
は、ガス導入口52より成長容器51内に導入される。
また、TMAsおよび水素ガスもしくは、AsH3およ
び水素ガスは、ガス分解セル53を介し、ガス導入口5
2より成長容器51内に導入される。成長圧力は、排気
系6の排気速度を調節することにより、所定の成長圧力
に保持される。
【0031】実施例1と同様なGaAs基板の表面処理
を施した後、基板温度を500℃に下げ、TMAs導入
/水素による置換/TMAA導入/水素による置換を1
サイクルとして、成長圧力を10Torrで、2000
サイクル成長を行った。TMAAの導入量は、1.5μ
mol/サイクル、導入時間は7秒とした。TMAsの
導入量は、75μmol/サイクル、導入時間は5秒と
した。水素による置換は2秒行った。ガス分解セル温度
は、700℃に設定し、TMAsを供給した。各原料ガ
ス導入および水素による置換における全ガス流量は3.
5l/minとした。1サイクル当たりの成長膜厚は、
約0.283nm/サイクルであり、1サイクル当たり
AlAs1分子層の成長が得られた。膜中の炭素濃度を
SIMS分析により評価したところ、検出限界の(〜1
015cm-3)以下であり、高純度な結晶が得られた。な
お、上記分解セル温度は上記実施例の記載に限られな
い。V族原料に有機化合物を用いても、分解セルを用い
ることにより、炭素濃度の非常に小さい高純度なGaA
s、GaP、AlPなどの化合物半導体の単原子層成長
が可能になる。
を施した後、基板温度を500℃に下げ、TMAs導入
/水素による置換/TMAA導入/水素による置換を1
サイクルとして、成長圧力を10Torrで、2000
サイクル成長を行った。TMAAの導入量は、1.5μ
mol/サイクル、導入時間は7秒とした。TMAsの
導入量は、75μmol/サイクル、導入時間は5秒と
した。水素による置換は2秒行った。ガス分解セル温度
は、700℃に設定し、TMAsを供給した。各原料ガ
ス導入および水素による置換における全ガス流量は3.
5l/minとした。1サイクル当たりの成長膜厚は、
約0.283nm/サイクルであり、1サイクル当たり
AlAs1分子層の成長が得られた。膜中の炭素濃度を
SIMS分析により評価したところ、検出限界の(〜1
015cm-3)以下であり、高純度な結晶が得られた。な
お、上記分解セル温度は上記実施例の記載に限られな
い。V族原料に有機化合物を用いても、分解セルを用い
ることにより、炭素濃度の非常に小さい高純度なGaA
s、GaP、AlPなどの化合物半導体の単原子層成長
が可能になる。
【0032】以上の実施例で使用できる原料ガスをまと
めると、形成する膜の種類によって異なるものの、フェ
ニル基を有しIII族元素を含む有機化合物としてフェニ
ルガリウム、フェニルアルミニウム、フェニルインジウ
ム等があり、アミノ基を配位したIII族元素の化合物と
してトリメチルアミンアラン、トリエチルアミンアラ
ン、トリメチルアミンガリウム等がある。さらにV族を
含む水素化合物としてアルシン、ホスフィン等があり、
V族元素を含む有機化合物としてトリメチルアルシン、
トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン等があ
る。
めると、形成する膜の種類によって異なるものの、フェ
ニル基を有しIII族元素を含む有機化合物としてフェニ
ルガリウム、フェニルアルミニウム、フェニルインジウ
ム等があり、アミノ基を配位したIII族元素の化合物と
してトリメチルアミンアラン、トリエチルアミンアラ
ン、トリメチルアミンガリウム等がある。さらにV族を
含む水素化合物としてアルシン、ホスフィン等があり、
V族元素を含む有機化合物としてトリメチルアルシン、
トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン等があ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、原料交互供給法による
化合物半導体の結晶成長において、炭素濃度が低減され
高純度な結晶層を成長することが可能となり、純度の高
い化合物半導体薄膜を提供できる。
化合物半導体の結晶成長において、炭素濃度が低減され
高純度な結晶層を成長することが可能となり、純度の高
い化合物半導体薄膜を提供できる。
【0034】なお、本発明の第二の発明に係る原料を予
め分解して気相成長を施すことはMOCVD法に限ら
ず、一般の膜エピタキシャル成長に応用できる。
め分解して気相成長を施すことはMOCVD法に限ら
ず、一般の膜エピタキシャル成長に応用できる。
【図1】(a)はフェニル基を有する有機金属化合物の
構造式を示す図、(b)はアミノ基が配位した化合物の
構造式を示す図、
構造式を示す図、(b)はアミノ基が配位した化合物の
構造式を示す図、
【図2】(a)はフェニルアルミニウムの構造式を示す
図、(b)はトリメチルアミンアランの構造式を示す
図、
図、(b)はトリメチルアミンアランの構造式を示す
図、
【図3】本発明の実施例に使用したMOCVD装置の要
部を示す概略の断面図、
部を示す概略の断面図、
【図4】本発明の実施例に使用したMOCVD装置の要
部を示す概略の断面図、
部を示す概略の断面図、
【図5】本発明に係る実施例の熱分解炉の概略を示す断
面図、
面図、
【図6】本発明に係る実施例の光分解炉の概略を示す断
面図、
面図、
【図7】本発明に係る実施例のプラズマ分解炉の概略を
示す断面図、
示す断面図、
【図8】本発明の実施例に使用したMOCVD装置の要
部を示す概略の断面図、
部を示す概略の断面図、
1、11、51 成長容器 3 GaAs基板 5、13、15 ガス導入口 6、16 排気系 12 53 ガス分解セル 21 熱分解炉 33 エキシマレーザ光 42 プラズマ発生用コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真下 正夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 フェニル基を有しIII族元素を含む有機
金属化合物またはアミノ基が配位したIII族元素の化合
物と、V族元素を含む水素化合物またはV族元素を含む
有機化合物とを所定温度の半導体基板上に交互に供給し
III−V族化合物半導体結晶層を積層形成する工程を含
む化合物半導体結晶層の気相成長方法。 - 【請求項2】 原料のV族元素を含む有機化合物を予め
分解して半導体基板上に供給し気相成長を施すことを特
徴とする化合物半導体結晶層の気相成長方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21910191A JPH0562902A (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 化合物半導体結晶層の気相成長方法 |
US07/858,690 US5300185A (en) | 1991-03-29 | 1992-03-27 | Method of manufacturing III-V group compound semiconductor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21910191A JPH0562902A (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 化合物半導体結晶層の気相成長方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0562902A true JPH0562902A (ja) | 1993-03-12 |
Family
ID=16730276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21910191A Pending JPH0562902A (ja) | 1991-03-29 | 1991-08-30 | 化合物半導体結晶層の気相成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0562902A (ja) |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP21910191A patent/JPH0562902A/ja active Pending
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