JPH0562469U - 梱包箱用コーナー緩衝具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 段ボールのような軽量薄板材により強度の大
きい梱包箱用のコーナー緩衝具を安価に量産する手段を
提供する。 【構成】 背板の上下に接続する各１枚の三角板を垂直
に屈折するとともに各三角板の直交縁に接続する爪板を
三角板に垂直に屈折して生じる爪板間の隙間に、背板の
両側方に接続する各１枚の頬板にさらに接続する衝き板
を差し込んで直角三角柱状に形成したコーナー緩衝具。

Description

【考案の詳細な説明】 【考案の目的】

この考案は、たとえば段ボールのような軽量薄板材により強度の大きい梱包箱 用のコーナー緩衝具を安価に量産する手段を提供するのがその目的である。 比較的重量の大きい機械器具類でも、近年は段ボール包装箱によって梱包され ることが多い。その際包装物とともに箱の四隅を外力から保護する目的で使用さ れているのがコーナー緩衝具である。そして、近年このようなコーナー緩衝具と して、成型性および緩衝性に優れている発泡スチロール成型物がほとんど全面的 に使用されている。しかしながら、用済後の発泡スチロール緩衝具は廃棄物公害 源の大きい部分を占めるところから、代替物が求められている。 一方、段ボールの曲折により形成したコーナー緩衝具はもちろん従来からしば しば用いられていた。しかしながら段ボールを素材として使用する従来のコーナ ー緩衝具は強度が弱いので、軽量な商品を箱に収容する場合の単なるつめ物とし 用いられており、重量の大きい機械類の梱包用には不適当であるとされている。 この考案は大重量の機械器具の梱包用として必要かつ充分な強度をそなえると ともに量産性に富み、かつ発泡スチロール成型物よりもコストの低いコーナー緩 衝具を提供することを可能にしたものである。

【考案の構成】

以下、図示の実施例によりこの考案を説明すれば、この考案にかかる梱包箱用 コーナー緩衝具は背板１と、三角板２ａ，２ｂと、頬板３ａ，３ｂと、衝き板４ ａ，４ｂと、爪板５ａ，５ｂ，６ａ，６ｂとを一体に有している。背板１、頬板 ３ａ，３ｂ、および衝き板４ａ，４ｂはそれぞれ直角四辺形を呈している。爪板 ５ａ，５ｂ，６ａ，６ｂの形状は図示例のように直角四辺形にするのがよいが、 下記する他の条件を充たす限り他の形状でもよい。三角板２ａ，２ｂの形状は直 角二等辺三角形である。 この考案によれば三角板２ａ，２ｂはそれぞれその斜縁にそれぞれ折目を介し て接続している。 前記した折目は図３において点線で表されている。 頬板３ａ，３ｂはそれぞれその左縁又は右縁の全域が背板１の左縁又は右縁の 全域に折目を介して接続している。 衝き板４ａ，４ｂはそれぞれ、頬板３ａ，３ｂの左縁又は右縁のうち、背板１ に接続しない側の縁に折目を介して接続している。ただしこの接続は素材の板の 厚みに対応する板厚しろｓを両端に残して行われている。 爪板５ａ，５ｂ，６ａ，６ｂはそれぞれ、対応する三角板２ａ又は２ｂの各直 交縁に折目を介し、板厚しろｓを両端に残して接続されている。 なお、この考案において、頬板３ａ，３ｂの横幅ｌと三角板２ａ，２ｂにおけ る前記直交縁の全長ｍとはたがいに等しく、かつ爪板４ａ，４ｂの横幅ｇと三角 板２ａ，２ｂの高さｈとはたがいに等しくなければならない。 つぎに、図４を参照し、この考案は、三角板２ａ，２ｂをそれぞれ背板１に対 し図示のように垂直に引起し、爪板５ａ，５ｂ，６ａ，６ｂをそれぞれ対応する 三角板２ａ，２ｂに対して垂直かつ内方に屈折し、その際三角板２ａ，２ｂの各 頂点付近において、爪板５ａ，５ｂおよび６ａ，６ｂの、たがいに向い合う各一 対の側縁５１ａ，５２ａ，および６１ａ，６１ｂ間に形成される隙間ｄ_１，ｄ_２ に差し込むことにより、図１に示したような中空の直角三角柱を形成してなって いる。ただし、図１において、前記した折目における屈折により形成された稜線 は破線をもって表してある。 なお、図１に鎖線で描いたのは、組立てずみのコーナー緩衝具における頬板３ ａ，３ｂの端縁間に生じやすい隙間ｔを除去する目的で使用した粘着テープＴで あるが、図２に示す使用状態において背板１に圧力がかかれば隙間ｔは解消する ので、このような粘着テープの貼付はこの考案において必須ではない。 すなわち、この考案は前記のようにしてなり、図４に示す組立ての過程におい てそれぞれ一対の爪板５ａ，５ｂおよび６ａ，６ｂの互いに対向する側縁間に一 対の衝き板４ａ，４ｂが差し込まれることにより、図１又は図２に示した完成品 の直角三角柱の中空部には衝き板４ａ，４ｂが存在するが、前記したように頬板 ３ａ，３ｂの横幅ｌと三角板２ａ，２ｂの各直交縁の全長ｍがたがいに等しいこ と、衝き板４ａ，４ｂの横幅ｇと三角板２ａ，２ｂの各高さｈがたがいに等しい こと、また、前記各頬板と対応する衝き板との接続部、並びに前記各三角板と対 応する爪板との接続部には前記した板厚しろが設けられていることにより、組立 ての際形状の正確な直角三角柱が形成される一方、前記した一対の衝き板により 柱状である外殻の内部には補強壁が形成される。そして組立て完了したコー ナー緩衝具の使用の際、背板が受けた面圧は各頬板と、いまや補強壁となった一 対の衝き板とにより、包装容器のコーナー部の広い範囲に分散して伝達される。 さらに、前記三角板に面圧を受けた場合でも、三角板は背板のほか衝き板によっ ても支承されているため、容易には屈折破壊するに至らない。 また、この考案によれば、図３に例示したような本品の展開物はプレス打抜き 作業により簡単に量産でき、打抜きと同時に折目づけが行われ、組立ては手作業 によるほか、簡単な折畳機の使用が可能である。さらに、本品の素材としては、 多少の弾性および抗張力があれば各種の薄板材の使用が可能である。

【考案の効果】

かくしてこの考案によれば、段ボール等の軽量薄板材を唯一の素材として中空 部に補強壁をそなえる中空直角三角柱からなるコーナー緩衝具が提供できる。の みならず、この考案品は中空部に外殼と一体の補強壁をそなえるので、重量の大 きい機械類の梱包用として適当である。また、この考案品は段ボールのような安 価な薄板材の打抜きおよび折畳み作業のコストがともに低く、同一寸度であると すれば、現在最も多用されている発泡スチロール成型品のコーナー緩衝具と比較 し、全コストは後者の半額以下という低額である。梱包材料としての発泡スチ ロール成型品が産業廃棄物公害の大きい部分をなしているのに対し、段ボールな どによるこの考案品は使用後の焼却も容易であり、土壌菌などにより自然分解も なされるので、本品の普及は廃棄物公害の防止上きわめて有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案品の一実施例の斜視図。

【図２】 この考案品を使用中の梱包箱用コーナー部の
要部切開斜視図。

【図３】 第１図に掲げる実施例の展開図。

【図４】 同じく組立過程における斜視図である。

【符号の説明】

１は背板、２ａ，２ｂは三角板、３ａ，３ｂは頬板、４
ａ，４ｂは衝き板、５ａ，５ｂ，６ａ，６ｂは爪板、ｓ
は板厚しろ、ｌ，ｇは横幅、ｈは高さ、ｍは全長、
ｄ_１，ｄ_２，ｔは隙間、Ｔは粘着テープである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】直角四辺形の背板１と、背板１の上縁、下
   縁の全域にそれぞれ折目を介し斜縁の全域が接続する直
   角二等辺三角形の三角板２ａ，２ｂと、背板１の左縁又
   は右縁の全域にそれぞれ折目を介し左縁又は右縁の全域
   が接続するとともに横幅ｌを三角板２ａ，２ｂの直交縁
   の全長ｍに等しくした直角四辺形の頬板３ａ，３ｂと、
   それぞれ頬板３ａ，３ｂの背板１に接続しない側の縁に
   板厚しろｓを両端に残し、折目を介して接続するととも
   に横幅ｇを三角板２ａ，２ｂの高さに等しくした衝き板
   ４ａ，４ｂと、それぞれ対応する三角板２ａ，２ｂの各
   直交縁に板厚しろｓを残しかつ折目を介して接続する爪
   板５ａ，５ｂ，６ａ，６ｂとを一体にそなえ、三角板２
   ａ，２ｂをそれぞれ背板１に対し垂直に引起し、かつ爪
   板５ａ，５ｂ，６ａ，６ｂをそれぞれ対応する三角板２
   ａ，２ｂに対し垂直かつ内方に屈折した際、三角板２
   ａ，２ｂの各頂点付近において爪板５ａ，５ｂ，５ｃ，
   ５ｄの、互いに向い合う各１対の側縁５１ａ，５１ｂお
   よび６１ａ，６１ｂ間にそれぞれ形成される隙間ｄ_１，
   ｄ_２に爪板４ａ，４ｂを差し込むことにより、中空の直
   角三角柱を形成してなる梱包箱用コーナー緩衝具。