JPH0562398U - バーハンドル車両のディスクブレーキ取付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 制動時にキャリパに発生する曲げモーメント
を極力抑え、摩擦パッドの偏摩耗を防止する。 【構成】 反ホイール側のキャリパ半体５ｂのフランジ
５ｅ，５ｆを、ボトムパイプ２のブラケット２ａ，２ｂ
に固定する。ホイール側のキャリパ半体５ｃのフランジ
５ｇをブラケット２ａに固定し、フランジ５ｇに設けた
突片５ｈと、ボトムパイプ２にディスクロータ３の外周
を跨いで延設した支持部材１２の凹溝１２ａとを嵌合す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動二・三輪車等のバーハンドル車両にフロントまたはリアブレー キとして装着されるディスクブレーキの取付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動二・三輪車等のバーハンドル車両に装着されるディスクブレーキの キャリパは、例えば特開昭６１−７９０３５号公報に示されるように、ディスク ロータの外周をブリッジ部で跨いで配設され、反ホイール側の一側部をフロント フォーク等の車輪懸架部材に片持ち支持されている。

【０００３】 ディスクロータの外側に対向配置されるキャリパの両側部間には、一対の摩擦 パッドがディスクロータを挟んで設けられており、この摩擦パッドをキャリパ自 体やキャリパの一側部に内挿されたピストンで押動して、ディスクロータに圧接 して制動作用が行われる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このような構成では、キャリパの反ホイール側の一側部が車輪懸架部材に片持 ち支持されるため、ディスクロータとキャリパ取付け部のオフセットにより、制 動時に曲げモーメントを生じ、キャリパが取付け部を支点としてホイール方向に 回動するように撓むため、摩擦パッドに偏摩耗を生じる原因となっていた。

【０００５】 そこで本考案は、制動時にキャリパに発生する曲げモーメントを極力抑え、摩 擦パッドの偏摩耗を抑制することのできるバーハンドル車両のディスクブレーキ 取付け構造を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため本考案のバーハンドル車両のディスクブレーキ取付 け構造は、フロントフォークやスイングアーム等の車輪懸架部材と、該車輪懸架 部材に軸支されるホイールとの間にディスクロータを配設し、該ディスクロータ の外周を跨いで配設されるキャリパの反ホイール側を、前記車輪懸架部材に取付 けたバーハンドル車両のディスクブレーキ取付け構造において、前記車輪懸架部 材に、ディスクロータを跨いで前記キャリパのホイール側へ延出する支持部材を 設け、該支持部材とキャリパのホイール側とを凹凸嵌合したことを特徴としてい る。

【０００７】

【作用】

上記の構成によれば、支持部材とキャリパの凹凸とを嵌合させることにより、 キャリパのホイール側も支持部材を介して車輪懸架部材に支持させるので、制動 時にキャリパが取付け部を支点としてホイール方向に回動しようとする挙動を抑 制することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案をバーハンドル車両の前輪用ブレーキに適用した一実施例を、図 面に基づいて説明する。

【０００９】 フロントフォーク１の下側に配設されるボトムパイプ２と、該ボトムパイプ２ に軸支される図示しないフロントホイールとの間には、ディスクロータ３が回転 可能に軸支され、またボトムパイプ２には、ディスクブレーキ４のキャリパ５が 固設されている。

【００１０】 上記キャリパ５は、ディスクロータ３の外周を跨ぐブリッジ部５ａの中央から 、該ロータ３の両側部に２分割した一対のキャリパ半体５ｂ，５ｃを４本のボル ト６で連結したもので、ブリッジ部５ａには、排熱や軽量化を目的とした天井開 口部５ｄが形成されており、キャリパ５内にディスクロータ３を挟んで対向配置 される摩擦パッド７，７は、この天井開口部５ｄを利用して着脱される。

【００１１】 各キャリパ半体５ｂ，５ｃには、ディスクロータ３側を開口した３つのシリン ダ孔８が、ディスク周方向に対向して設けられ、これら各シリンダ孔８には、ハ ンガーピン９によって吊持された上記摩擦パッド７，７をディスクロータ３へ液 圧で押圧するピストン１０が、液密且つ移動可能に内挿されている。

【００１２】 ボトムパイプ２側に配設される一方のキャリパ半体５ｂのディスク回出側には 、一対のフランジ５ｅ，５ｆがディスク内外周に設けられ、ホイール側に配設さ れる他方のキャリパ半体５ｃのディスク回出側には、上記フランジ５ｅと対向す る位置からディスク内周側のフランジ５ｆ近傍に、ボトムパイプ２と平行に延び るフランジ５ｇが設けられている。上記フランジ５ｅにはボルト挿通孔１１ａが 、またフランジ５ｆと、フランジ５ｇのディスク外周側端部とには、それぞれ雌 ねじ孔１１ｂが設けられると共に、さらにフランジ５ｇの雌ねじ孔１１の下方に は、ボトムパイプ２と平行に延びる突片５ｈが設けられている。

【００１３】 前記ボトムパイプ２には、ディスクロータ３の反ホイール側でキャリパ取り付 け側へ突出する２つのブラケット２ａ，２ｂと、ディスクロータ３の外周を跨い で、他方のキャリパ半体５ｃの側面に延出する支持部材１２が設けられている。 ブラケット２ａ，２ｂにはそれぞれボルト挿通孔１３が穿設され、支持部材１２ には、上端とキャリパ半体５ｃ側とに開口する凹溝１２ａがボトムパイプ２に平 行に形成されている。

【００１４】 このように構成された本実施例は、キャリパ５のボトムパイプ取付け側を、ボ トムパイプ２に添ってディスク外周側からディスク内周側に向けてスライドさせ 、突片５ｈを凹溝１２ａに嵌合させて行く。これと同時に、フランジ５ｅ，５ｇ の間にブラケット２ａを挿入して、雌ねじ孔１１ｂとボルト挿通孔１１ａ，１３ にボルト１４を挿通して固着し、さらに、フランジ５ｆとブラケット２ｂとを、 雌ねじ孔１１ｂ，ボルト挿通孔１３にボルト１４を挿通して固着することによっ て、キャリパ５がボトムパイプ２に取付けられる。

【００１５】 このように、本実施例のキャリパ５は、従来からの取付けであるボトムパイプ ２側の支持に加えて、ホイール側のキャリパ半体５ｃも支持されることにより、 他方のキャリパ半体５ｃも一方のキャリパ半体５ｂと同様に高い剛性力によって 支持されることとなる。

【００１６】 これにより、制動作用が行われた場合には、他方のキャリパ半体５ｃに連結さ れる支持部材１２が、キャリパ５のボトムパイプ取付け側を支点としてホイール 方向に回動しようとする挙動を抑制し、摩擦パッド７，７の偏摩耗を防止する。

【００１７】 また、支持部材１２とキャリパ半体５ｃとは、単に凹凸嵌合させるだけなので 、特に固定具等を必要とせず、簡単に取付けることができる。

【００１８】 尚本考案は、上述の実施例とは逆に、キャリパのホイール側に凹溝を設け、支 持部材に突片を設けて嵌合させてもよい。また、上述の実施例からフランジを省 略して、キャリパ半体と支持部材とを直接凹凸嵌合してもよい。さらに、キャリ パのホイール側と支持部材とを凹凸嵌合させる位置も、曲げモーメントによるキ ャリパの挙動を抑止できる位置であればよく、実施例のみに限らない。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は以上のように、ディスクロータの外側に配設されるキャリパの反ホイ ール側を、従来と同様にフロントフォークやスイングアーム等の車輪懸架部材側 に支持し、さらにディスクロータとホイールとの間に配設されるキャリパのホイ ール側を、車輪懸架部材にディスクロータの外周を跨いで突設した支持部材で支 持して、キャリパを両持ちするようにしたので、曲げモーメントによるキャリパ の挙動を極力抑制し、摩擦パッドの偏摩耗を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す背面図

【図２】 同じく平面図

【図３】 同じく正面図

【図４】 図３のIV−IV断面図

【図５】 図１のV −V 断面図

【符号の説明】

１…フロントフォーク、２…ボトムパイプ、３…ディス
クロータ、４…ディスクブレーキ、５…キャリパ、５ａ
…ブリッジ部、５ｂ，５ｃ…キャリパ半体、５ｄ…天井
開口部、５ｅ，５ｆ，５ｇ…フランジ、５ｈ…突片、６
…ボルト、７…摩擦パッド、８…シリンダ孔、９…ハン
ガーピン、１０…ピストン、１１ａ，１１ｂ…雌ねじ
孔、１２…支持部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フロントフォークやスイングアーム等の
   車輪懸架部材と、該車輪懸架部材に軸支されるホイール
   との間にディスクロータを配設し、該ディスクロータの
   外周を跨いで配設されるキャリパの反ホイール側を、前
   記車輪懸架部材に取付けたバーハンドル車両のディスク
   ブレーキ取付け構造において、前記車輪懸架部材に、デ
   ィスクロータを跨いで前記キャリパのホイール側へ延出
   する支持部材を設け、該支持部材とキャリパのホイール
   側とを凹凸嵌合したことを特徴とするバーハンドル車両
   のディスクブレーキ取付け構造。