JPH0562304U - 自動車用ドアミラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の自動車の換気構造においては前席側に
排気孔を設けるのが困難とされていたので、特に下流と
なる後席側の乗員は前席側の影響を受け、不快感が強い
と言う問題点を生じていた。 【構成】 ドアミラー１の台座２に自動車１０の走行風
により負圧となる排気孔２１ｂを車室外側に設け、この
排気孔２１ｂと車室内側に設けられた吸気孔２１ａとを
迷路状の通気路２１ｃで連通させて換気通路２１とした
ことで、自動車１０の走行時には前席の近傍からも排気
し、換気を行うものとなり、後席の乗員に与える影響を
低減し、自動車の換気性能の向上を可能とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車のドアに後方確認のために設けられるドアミラーに関するもの であり、詳細には前記ドアミラーの構成の一部を利用して換気通路の提供を可能 とするものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の自動車用ドアミラー９０の構成を示すものが図３であり、自動 車ドア１０の本来は窓ガラス部となるサッシ部前端に略三角形状に台座９１を設 け、この台座９１から突出するようにミラー部９２を設けたものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ここで、自動車室内の換気について考察してみると、現在の大部分の自動車は 窓ガラスが閉止された状態では、車室の前方から吸気しトランクルームを介する などして車室の後方から排気するものとされている。このことは即ち、前席で発 生した車室内空気の汚れは後席を経由した後に排気されるものとなるので、例え ば前席乗員により行われた喫煙の煙の影響を下流となる後席乗員は直接に受け不 快感を生ずるものとなり、特に近来の自動車においては冷暖房など空調装置が完 備され、窓ガラスが閉止された状態で運行されるケースが多いので、この点の解 決が課題とされている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記した従来の課題を解決するための具体的手段として、自動車ドア のサッシ部前端に略三角形状の台座を設けて取付けてなる自動車用ドアミラーに おいて、前記台座には、車室内側に設けられた吸気孔と、車室外側に設けられた 排気孔と、前記吸気孔と排気孔とを迷路状に連通する通気路とでなる換気通路が 設けられていることを特徴とする自動車用ドアミラーを提供することで、前席部 分からの直接の排気を可能として前記した従来の課題を解決するものである。

【０００５】

【実施例】

つぎに、本考案を図に示す一実施例に基づいて詳細に説明する。 図１及び図２に符号１で示すものは本考案に係る自動車用ドアミラー（以下に ドアミラー１と略称する）であり、このドアミラー１は自動車ドア１０のサッシ 部１１の前端に、本来は窓ガラスが出入りする部分を利用して略三角形状の台座 ２が設けられ、この台座２の室外側にミラー部３が突出して設けられるものであ る点は従来例のものと同様である。尚、自動車の車種によっては、前記自動車ド ア１０としてサッシレスドアと称されてサッシ部１１のないものが採用される場 合があるが、この場合においても、前記台座２は同等な部位に設けられているの で、本考案の実施には支障はない。

【０００６】 本考案においては前記台座２を利用して換気通路２１を設けるものであり、こ の換気通路２１は図２に示すように車室内側に開口する吸気孔２１ａと、車室外 側に開口する排気孔２１ｂと、前記吸気孔２１ａと排気孔２１ｂとを前記台座２ 内で接続する通気路２１ｃとからなるものとされている。

【０００７】 以下に前記換気通路２１の構成について更に詳細に説明を行えば、前記排気孔 ２１ｂは自動車の走行により負圧となるように設けることが必要であり、この排 気孔２１ｂの周辺に例えば整流フィン２１ｄを設ける（図１を参照）などして走 行風により排気孔２１ｂの周縁に負圧を発生させるものとする。同時に、前記換 気通路２１においては水抜作用も重要であり、よって、前記台座２の下端に面し て設けることが好ましく、例えば雨水などが侵入したときにも滴下し前記台座２ の内部に留水を生じないものとしておく。

【０００８】 また、吸気孔２１ａは前記した雨水などの侵入に対処すべく前記排気孔２１ｂ とは可能な限りに高低差を有する位置に設けられることが好ましいが、更に加え て前記通気路２１ｃ内に邪魔板２１ｅを設けて迷路状にすることで、例えば洗車 機などの加圧水によっても前記排気孔２１ｂから侵入した水が通気路２１ｃを経 由して吸気孔２１ａに達し、これにより車室内への浸水を生ずることのないよう にしておく。また、前記邪魔板２１ｅは上記の作用と同時に前記台座２の補強リ ブとしての作用も行うので、この邪魔板２１ｅを設けるときには、例えば前記ミ ラー部３の走行により生ずる振動なども防止するように位置或いは形状を設定す ることが好ましい。

【０００９】 次いで、上記の構成とした本考案のドアミラー１の作用及び効果について説明 を行えば、本考案によりドアミラー１の台座２に自動車の走行風により負圧とな る排気孔２１ｂを車室外側に設け、この排気孔２１ｂと車室内側に設けられた吸 気孔２１ａとを通気路２１ｃで連通させて換気通路２１としたことで、自動車の 走行時には前席の近傍からも排気して換気を行うものとなり、例えば前席の乗員 による喫煙の煙は前席側から排気されるものとなり、後席の乗員に与える影響を 低減する。

【００１０】

【考案の効果】

以上に説明したように本考案により、台座には、車室内側に設けられた吸気孔 と、車室外側に設けられた排気孔と、前記吸気孔と排気孔とを迷路状に連通する 通気路とでなる換気通路が設けられている自動車用ドアミラーとしたことで、前 席側からの排気による換気も可能とし、従来のように前席乗員によるに喫煙が後 席乗員の位置までまで拡散され不快感を与える状態を解決し、自動車の換気性能 の向上に極めて優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る自動車用ドアミラーの一実施例
を示す斜視図である。

【図２】 図１のＡ―Ａ線に沿う断面図である。

【図３】 従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１……自動車用ドアミラー ２……台座 ２１……換気通路 ２１ａ……吸気孔、２１ｂ……排気孔、２１ｃ……通気
路、２１ｄ……整流フィン、２１ｅ……邪魔板 ３……ミラー部 １０……自動車ドア １１……サッシ部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車ドアのサッシ部前端に略三角形状
   の台座を設けて取付けてなる自動車用ドアミラーにおい
   て、前記台座には、車室内側に設けられた吸気孔と、車
   室外側に設けられた排気孔と、前記吸気孔と排気孔とを
   迷路状に連通する通気路とでなる換気通路が設けられて
   いることを特徴とする自動車用ドアミラー。