JPH0715765Y2 - 車室内空気排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、車室内の空気を車外へ流出させる車室内空気
排出装置に関するものである。

［従来の技術］ 一般に、車室内の大きさは一般居室に比較して小さいの
で、車室内での喫煙、人間の排出する炭酸ガスや臭気の
点からも換気量を多くとる必要がある。このため、でき
るだけ多量の新鮮な空気を車室内に導入するために、車
速による動圧を利用できる場所に空気導入孔を設けるこ
とは勿論のこと、更に忘れてならないのが空気排出孔で
ある。

第６、７図に示されるようなキャブ１と荷台２とが分離
しているタイプのトラックでは、通常キャブ１の後部両
側に位置する閉断面のリヤピラー３の背面下部に夫々空
気排出孔４が穿設され、該空気排出孔４には、車室内か
ら車外への空気の流れのみを許容し且つ雨又は洗車時の
水滴やほこり等が車室内に侵入することを防ぐための車
室内空気排出装置５が設けられている。尚、図中、６は
ドア、７はウェザストリップを示している。

前述の如き車室内空気排出装置５としては、最近、第４
図及び第５図に示すように、開口８の車外側に、格子状
のルーバ９を配設したルーバフレーム10の車室内側に、
上下多段に分割開口11を形成したフラップバルブ支持フ
レーム12を取付け、該フラップバルブ支持フレーム12の
各分割開口11に、車室内から車外へ向かう空気の流れに
対しては車外側へ傾動して分割開口11を開き反対方向の
空気の流れに対しては分割開口11を閉じるフラップバル
ブ13を設け、前記フラップバルブ支持フレーム12に、前
記分割開口11全体を包含し且つ上方へ所要量だけ延びる
ボックス状のダクト14を一体に取付け、該ダクト14の上
部側壁面及び上部後壁面に夫々、通気孔15,16を穿設し
たものが考案されている。

前記車室内空気排出装置５を取付けたトラックに於いて
は、その走行時、車外に負圧が生じ、各フラップバルブ
13が傾動して各分割開口11を開き、車室内の空気がリヤ
ピラー３下部の内板に穿設された連通孔（図示せず）を
介してリヤピラー３内部へ流入し前記通気孔15,16から
ダクト14内を通り各分割開口11を経て車外へ吸い出され
る。この状態に於いて、風切り音等の騒音は、各分割開
口11からダクト14内へ侵入し、先ずダクト14の分割開口
11と相対峙する面に当たり減衰されて拡散し、該拡散し
た騒音は、ボックス状のダクト14内面に繰返し当たるこ
とになり、その都度減衰されて大部分の騒音は消滅し、
僅かに残った騒音のみが、前記通気孔15,16からリヤピ
ラー３内へ入り込み車室内へ伝播していく。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、前述の如き車室内空気排出装置５では、
通気孔15,16からリヤピラー３内へ入り込んでいく風切
り音等の騒音は、リヤピラー３内上方即ち乗員の耳元付
近へ直接伝わることになるため、乗員にとっては依然と
して耳ざわりな感じが残っていた。

本考案は、斯かる実情に鑑み、風切り音等の騒音がリヤ
ピラー内で乗員の耳元付近へ直接伝播することを防止し
得る車室内空気排出装置を提供しようとするものであ
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案は自動車の閉断面のピラーに穿設された空気排出
孔に開口して取付けられ、該開口部を開閉可能なフラッ
プバルブにより車室内から車外への空気の流れのみを許
容する車室内空気排出装置に於いて、前記開口部に、該
開口部を包含し且つ前記ピラー内上方へ所要量だけ延び
るボックス状のダクトを設け、該ダクトの上部に、通気
孔を穿設し、該通気孔に、水平方向に延び且つ前記ダク
ト外側へ向け所要角度下り傾斜せしめた複数の横材から
成るルーバを配設したことを特徴とするものである。

［作用］ 従って、風切り音等の車外の騒音は、開口部からダクト
内に入り該ダクト内面に当たってある程度減衰された
後、通気孔からそのままリヤピラー内上方へ伝わること
なく、ルーバの各横材によってリヤピラー内下方へ伝わ
っていく。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

第１図乃至第３図は本考案の一実施例であり、図中第４
図及び第５図と同一の符号を付した部分は同一物を表わ
している。

第１図乃至第３図に示す如く、ダクト14上部に穿設され
た通気孔15,16に夫々、水平方向に延び且つ前記ダクト1
4外側へ向け所要角度下り傾斜せしめた複数の横材17a,1
8aから成るルーバ17,18を配設する。

前述の如く構成したので、走行時、風切り音等の騒音
は、開口８からフラップバルブ13の傾動により開いた状
態の各分割開口11を経てダクト14内へ侵入し、該ダクト
14内へ侵入した風切り音等の騒音は、ダクト14内面に繰
返し当たってある程度減衰された後、通気孔15,16に夫
々配設されているルーバ17,18の各横材17a,18aによって
リヤピラー３内下方へ伝播していく。

このため、前記ダクト14内へ侵入した風切り音等の騒音
が通気孔15,16から直接リヤピラー３内上方へ伝わるこ
とがなくなり、乗員に耳ざわりな感じを与えず、車室内
の静粛性も高まる。

尚、本考案の車室内空気排出装置は、上述の実施例にの
み限定されるものではなく、空気排出孔がリヤピラー背
面下部に穿設されキャブと荷台とが分離したタイプのト
ラック以外にも、例えば、前記空気排出孔がセンタピラ
ー側面の上下方向中央部に穿設されている乗用車等にも
適用でき、要は、閉断面のピラーの外板側に空気排出孔
が穿設されている自動車であれば、どのようなものにも
適用できること、等本考案の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得ることは勿論である。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案の車室内空気排出装置によ
れば、風切り音等の騒音がリヤピラー内で乗員の耳元付
近へ直接伝わることを防止でき、車室内の静粛性を高め
ることができるという優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る車室内空気排出装置の
斜視図、第２図は第１図の車室内空気排出装置の設置状
態を示す側断面図（第１図のII−II断面相当図）、第３
図は第２図のIII−III断面図、第４図は最近考案されて
いる車室内空気排出装置の斜視図、第５図は第４図の車
室内空気排出装置の設置状態を示す側断面図（第４図の
Ｖ−Ｖ断面相当図）、第６図はキャブと荷台とが分離し
ているタイプのトラックの斜視図、第７図は第６図のVI
I−VII断面図である。 １はキャブ、２は荷台、３はリヤピラー、４は空気排出
孔、５は車室内空気排出装置、８は開口、10はルーバフ
レーム、13はフラップバルブ、14はダクト、15,16は通
気孔、17a,18aは横材、17,18はルーバを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車の閉断面のピラーに穿設された空気
   排出孔に開口して取付けられ、該開口部を開閉可能なフ
   ラップバルブにより車室内から車外への空気の流れのみ
   を許容する車室内空気排出装置に於いて、前記開口部
   に、該開口部を包含し且つ前記ピラー内上方へ所要量だ
   け延びるボックス状のダクトを設け、該ダクトの上部
   に、通気孔を穿設し、該通気孔に、水平方向に延び且つ
   前記ダクト外側へ向け所要角度下り傾斜せしめた複数の
   横材から成るルーバを配設したことを特徴とする車室内
   空気排出装置。