JPH0560903B2

JPH0560903B2 -

Info

Publication number: JPH0560903B2
Application number: JP1260686A
Authority: JP
Inventors: Chikako Hoashi
Original assignee: SHOBEI YK
Current assignee: SHOBEI YK
Priority date: 1989-10-05
Filing date: 1989-10-05
Publication date: 1993-09-03
Also published as: JPH02150255A

Description

【発明の詳細な説明】「産業上の利用分野」本発明は、カニ足かまぼこを含有する複合食品
に関する。

「従来の技術」異なる食品素材を複合的に成形してなる複合食
品として、近年、畜肉すり身中に、チーズ等の食
品素材を入れて成形したソーセージが提案されて
いる。このソーセージは、二重円筒状のノズルの
外周部から畜肉すり身を押出し、それと同時に中
心部からチーズを押出して両者を接合したもので
ある。

「発明が解決しようとする課題」しかしながら、上記の食品は、畜肉すり身とチ
ーズが共にペースト状食品素材であるため、最終
的に得られる各食品素材のテクスチヤー等の食感
が同質のものとなり、食感に変化をもたらすこと
ができなかつた。このような食品の食感に変化を
持たせるには、食品素材の選択を異質なものとす
ればよいが、現状では、その製造がノズルからの
同時押し出し成形によるため、一方の食品素材を
例えば固形状ものとすることが成形上極めて困難
と考えられ、全く試みられていなかつた。

本発明の目的は、上記問題点を解消し、テクス
チヤー等の異つた、変化のある食感を実現させる
ようにした複合食品を提供することにある。

「課題を解決するための手段」本発明による複合食品は、棒状に成形されたカ
ニ足かまぼこと、このカニ足かまぼこを覆うよう
に、前記カニ足かまぼこの軸方向に沿つて押出し
成形されたペースト状食品素材と、前記ペースト
状食品素材の外周を覆い封止された熱収縮性を有
する可食性の筒状フイルムとを備え、全体が加熱
処理されていることを特徴とする。

「作用」カニ足かまぼこは、周知のように食感にバラケ
感があり、ペースト状食品素材とは異なつたテク
スチヤーを有する。このようなカニ足かまぼこの
回りに、これとは異質のペースト状食品素材が覆
われてなつているので、それぞれ変化に富んだ食
感が実現される。

また、ペースト状食品素材は、棒状をなすカニ
足かまぼこを覆うように、その軸方向に沿つて押
出し成形され、その際、同時に可食性の筒状フイ
ルムを被せることができるので、工業的に生産性
よく製造することができる。

更に、加熱処理の際に、筒状フイルムが熱収縮
するので、カニ足かまぼこ及びペースト状食品素
材が引き締められ、歯ごたえのあるテクスチヤー
が得られる。

更にまた、可食性の筒状フイルムで封止され、
加熱処理されているので、製品の保存性が向上す
る。また、筒状フイルムを剥すことなくそのまま
食べることができ、食べるときに手がベトついた
りすることもなくなる。

「実施例」第１図および第２図には、本発明による複合食
品１１が示されている。

この複合食品１１は、全体として棒状をなし、
カニ足かまぼこ１２の外周にペースト状食品素材
１３が覆われてできている。そして、カニ足かま
ぼこ１２は、ペースト状食品素材１３の内部にお
いて軸方向に貫通するように埋設されている。カ
ニ足かまぼこ１２の埋設状態は、複合食品１１を
軸方向に対して垂直な平面で切つた場合、第２図
に示すように、ペースト状食品素材１３の中心部
に現れるようになるが、ペースト状食品素材１３
の中心から偏心した状態であつてもよい。

カニ足かまぼこ１２は、かまぼこを線状にして
多数本束ねたもの、あるいは薄いシート状のかま
ぼこに平行な溝を多数付けて束ねたもの、さらに
はかまぼこを細かい線状に切断し、この細断物を
すり身、こんにやく糊等の結着剤で棒状に成形し
たものなどからなり、これによりカニの足の肉の
ような食感、すなわちバラケ感を持たさせたもの
である。

またペースト状食品素材１３は、魚肉すり身、
畜肉すり身、大豆蛋白ペースト、チーズ、卵、こ
んにやく糊などで構成される。この場合、魚肉す
り身は、スケソウダラ、グチ、サメ、ホツケ等の
原料魚またはそれらより製造したすり身に、食塩
を２〜４重量％添加し、さらに必要に応じて澱
粉、グルタミン酸ソーダ、グリシン、砂糖、卵
白、油脂等の副原料と水を添加し、攪拌機等によ
つて練成することにより調整することができる。
また、畜肉すり身は、豚肉、牛肉、羊肉、馬肉等
の原料肉に、食塩、硝石、亜硝酸ナトリウム等を
添加して塩漬けし、肉ひき機を用いて細かく肉ひ
きし、さらに、澱粉、植物性蛋白等の副原料、香
辛料、着色料、合成保存料、乳化安定剤等を添加
し、攪拌機等で練成することにより調整すること
ができる。大豆蛋白ペースには、例えば大豆分離
蛋白と植物油と水とを混合することにより調整す
ることができる。さらに、こんにやく糊は、こん
にやく芋あるいはこんにやく粉を常法によりペー
スト状とし、これに水酸化カルシウム、炭酸カル
シウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリを添加
混合することにより調整することができる。な
お、ペースト状食品素材１３としては、上記に列
記したものに限らず、例えば魚肉すり身と畜肉す
り身とを混ぜたものであつてもよい。

このような複合食品１１の全体は、熱収縮性を
有する可食性の筒状フイルム１４によつて覆われ
て、封止されている。熱収縮性を有する可食性フ
イルムとしては、例えば、豚、羊等の動物の腸
や、コラーゲンフイルムが好ましく使用される。

上記複合食品１１は、次のようにして製造され
る。第３図にはその製造の一例が示されている。
環状ノズル１５外周の吐出口１６に、筒状フイル
ム１４を予め折り畳んで装着しておき、環状ノズ
ル１５の挿通孔１７にカニ足かまぼこ１２を配置
して、攪拌機等から吐出口１６にペースト状食品
素材１３を満たしておく。この状態で、吐出口１
６からペースト状食品素材１３を押出し、同時に
カニ足かまぼこ１２を筒状フイルム１４内に供給
する。これにより、筒状フイルム１４内で、カニ
足かまぼこ１２の外周をペースト状食品素材１３
が覆うようにした複合食品１１が成形される。そ
して、これを所定の長さ毎に適当な手段で封止
し、所定条件下で加熱することで複合食品１１が
製造される。

このような複合食品１１は、その中心部にバラ
ケ感のあるカニ足かまぼこ１２が埋設され、この
カニ足かまぼこ１２の回りに歯ざわりのやわらか
いペースト状食品素材１３が取り巻いてなつてい
るので、それぞれ異つたテクスチヤーが得られ、
変化に富んだ噛みごたえを実現することができ
る。また、カニ足かまぼこ１２のテクスチヤーと
風味の特徴は、さまざまなソース類と合うので、
料理の汎用性が高まる。

なお、本発明においては、複合食品１１は、複
数本のカニ足かまぼこ１２を囲むようにペースト
状食品素材１３で覆つたものであつてもよい。こ
のように成形すれば、カニ足かまぼこ１２のバラ
ケ感がさらに増し、より変化のある食感が実現さ
れる。

第４図には、本発明の別の実施例が示されてい
る。この例では、カニ足かまぼこ１２の回りにホ
ウレン草等の葉野菜１８を巻き、その外周をペー
スト状食品素材１３で覆い、更にペースト状食品
素材１３の外周を、図示を省略した熱収縮性を有
する可食性の筒状フイルムで覆い、加熱処理して
なつている。これによれば、カニ足かまぼこ１２
とペースト状食品素材１３の異なつたテクスチヤ
ーに加え、葉野菜１８の風味がされに加わること
になる。

第５図には、本発明のさらに別の実施例が示さ
れている。この例では、カニ足かまぼこ１２と、
例えば棒状に巻いたホウレン草、ごぼう、にんじ
ん等の野菜類１９の双方の外周をペースト状食品
素材１３で覆い、更にペースト状食品素材１３の
外周を、図示を省略した熱収縮性を有する可食性
の筒状フイルムで覆い、加熱処理してなつてい
る。この場合でも、野菜類１９の風味がさらに加
わる。

「発明の効果」以上説明したように、本発明によれば、カニ足
かまぼこの外周をペースト状食品素材で覆つたの
で、カニ足かまぼこのバラケ感とペースト状食品
素材にやわらかい歯ざわりとがマツチし、変化に
富んだ食感を実現することができる。また、ペー
スト状食品素材の外周を可食性の筒状フイルムで
覆つて封止し、更に加熱処理したので、保存性が
向上するとともに、そのまま食べることができ、
その際、手がベトついたりすることもなく、取り
扱い性が良好となるという利点が得られる。更
に、筒状フイルムが熱収縮して、カニ足かまぼこ
の身を引き締めるので、テクスチヤーが向上す
る。更にまた、押出し成形により製造されるの
で、生産性も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による複合食品の一例を示す斜
視図、第２図は第１図の−線に沿う断面図、
第３図は本発明による複合食品の製造方法の一例
を示す断面図、第４図は本発明の別の実施例を示
す斜視図、第５図は本発明のさらに別の実施例を
示す断面図である。図中、１１は複合食品、１２はカニ足かまぼ
こ、１３はペースト状食品素材、１４は筒状フイ
ルム、１５は環状ノズル、１６は吐出口、１７は
挿通孔、１８は葉野菜、１９は野菜類である。

Claims

【特許請求の範囲】１棒状に成形されたカニ足かまぼこと、このカ
ニ足かまぼこを覆うように、前記カニ足かまぼこ
の軸方向に沿つて押出し成形されたペースト状食
品素材と、前記ペースト状食品素材の外周を覆い
封止された熱収縮性を有する可食性の筒状フイル
ムとを備え、全体が加熱処理されていることを特
徴とする複合食品。２特許請求の範囲第１項において、上記ペース
ト状食品素材は、魚肉すり身、畜肉すり身、チー
ズ、卵、大豆蛋白ペースト、こんにやく糊から選
ばれたものである複合食品。３特許請求の範囲第１項において、上記ペース
ト状食品素材は、畜肉すり身を主成分とするもの
である複合食品。４特許請求の範囲第１において、前記筒状フイ
ルムは、動物の腸又はコラーゲンフイルムからな
る複合食品。