JPH0559638U - フレキシブルディスク固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録再生精度の向上を図る。また、フレキシ
ブルディスクを停止状態で位置決めでき、基準位置を停
止状態でも正確に知ることができるようにする。 【構成】 フレキシブルディスクＦＤを載せるターンテ
ーブル１に、固定ピン１３および可動の芯出しピン１７
を設け、かつ負圧吸着装置１０を設ける。フレキシブル
ディスクＦＤは、中心孔４および位置決め孔５を有する
ものを用いる。芯出しピン１７は回動レバー２０に立設
し、回動レバー２０の回動によって、ターンテーブル１
の内径側と外径側とに正逆移動自在とする。ピン係脱駆
動装置１９は、回動レバー２０をテーパコーン２２で回
動させるものである。負圧吸着装置１０は、吸引孔９か
ら吸引してフレキシブルディスクＦＤをターンテーブル
１の上面に固定するものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、光学的記録媒体または磁気記録媒体となるフレキシブルディスク をターンテーブルに位置決めして固定するフレキシブルディスク固定装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、フレキシブルディスクのドライブ装置として、図７および図８に示す形 式のものがある。この装置は、フレキシブルディスク５１のメタルハブ５２を載 せるスピンドルハブ５３に、メタルハブ５２の中心孔５４および駆動孔５８に各 々係合する固定ピン５５およびドライブピン５７を設けたものである。 ドライブピン５７は、スピンドルハブ５３の裏面に設けた板ばね５６に突設さ れ、スピンドルハブ５３に設けられた透孔を介して、メタルハブ５２の駆動孔５ ８に係合する。ドライブピン５７は先端部に転がり軸受を有している。スピンド ルハブ５３は磁石からなり、中央部にはメタルハブ５２をスピンドルハブ５３に 浮き上がり状態に吸着させるための樹脂ライナ５９が設けてある。６０はスピン ドルを示す。

【０００３】 このドライブ装置によると、図８（Ａ）に示すフレキシブルディスク５１は、 同図（Ｂ）のように固定ピン５５とドライブピン５７とに各孔５４，５８が遊嵌 する状態にセットする。この状態で、スピンドル６０（図７）を矢印方向に回転 させると、フレキシブルディスク５１の慣性による回転遅れのために、図８（Ｃ ）のように各ピン５５，５７が各孔５４，５８の所定位置に押し当て状態となり 、寸法Ｌが確保されて、フレキシブルディスク５１の位置決め，芯出しが完了し た状態となる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、この構造であると、スピンドル６０が矢印方向に回転しているときの みＬ寸法が確保され、スピンドル６０が停止しているときは、Ｌ寸法が確保され ず、フレキシブルディスク５１を固定することができない。そのため、フレキシ ブルディスク５１の停止状態で記録再生面の基準位置を認識することができず、 記録や再生時の開始時間が長くかかるという問題点がある。

【０００５】 またこの構造では、フレキシブルディスク５１の外周部を支持する物がないた め、フレキシブルディスク５１の外周部が回転に伴って上下の振れを生じる（図 ７の矢印ａ）。そのため、フレキシブルディスク５１に光学的または磁気的に記 録や再生を行うときの精度が低下するという問題点がある。特に、光学的に記録 再生を行う場合は、レーザ光により微小な凹凸の配列として書き込まれる信号の 密度が非常に高いため、前記のような振れの確実な防止が望まれる。

【０００６】 この考案の目的は、記録再生精度の向上が図れ、かつフレキシブルディスクの 位置決め，固定を停止状態で行えるフレキシブルディスク固定装置を提供するこ とである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案のフレキシブルディスク固定装置は、フレキシブルディスクを載せる ターンテーブルに、固定ピンおよび可動の芯出しピンを設け、かつ負圧吸着装置 を設けたものである。フレキシブルディスクは、中心孔および位置決め孔を有す るものを用いる。固定ピンはフレキシブルディスクの中心孔に係合するものであ る。 芯出しピンは、フレキシブルディスクの位置決め孔内でターンテーブルの内径 側と外径側とに正逆移動自在とし、ピン係脱駆動装置で移動させるようにする。 負圧吸着装置は、ターンテーブルの上面にフレキシブルディスクを吸着するもの である。

【０００８】

【作用】

フレキシブルディスクは、中心孔および位置決め孔が各々固定ピンおよび芯出 しピンに遊嵌する状態で、ターンテーブル上に載せる。この状態で、ピン係脱駆 動装置により芯出しピンを移動させ、位置決め孔の内面に押し当てることにより 、固定ピンと芯出しピンとで突っ張り状態にフレキシブルディスクが固定される 。このように、ターンテーブルが停止したままでフレキシブルディスクの位置決 めおよび固定が行える。したがって、ターンテーブルの停止状態で、フレキシブ ルディスクの記録面の基準位置を正確に知ることができる。 ターンテーブルを回転させるときは、負圧吸着装置によりフレキシブルディス クをターンテーブルの上面に吸着する。これにより、回転時のフレキシブルディ スクの上下の振れが防止され、精度の良い記録再生が行える。

【０００９】

【実施例】

この考案の一実施例を図１ないし図６に基づいて説明する。ターンテーブル１ は、フレキシブルディスクＦＤの全体を載置可能な外径のものであり、基台２上 にエア圧で回転自在に支持され、図示しない駆動装置で回転駆動される。フレキ シブルディスクＦＤは、中心部にメタルハブ３を有し、メタルハブ３の中心に中 心孔４が、外周部に位置決め孔５が各々設けられている。位置決め孔５は、円形 や正方形等、適宜の形状に形成される。

【００１０】 ターンテーブル１は、ドーナツ状のターンテーブル本体６内に、外径面に開口 した径方向通気孔７を多数本放射状に有し、各径方向通気孔７の内径側の端部近 傍から、ターンテーブル本体６の下面に開通する軸方向通気孔８が形成されてい る。各径方向通気孔７には、上面に開口した複数の吸気孔９が形成してあり、こ れら各通気孔７，８と、吸気孔９とで、フレキシブルディスクＦＤを吸着する負 圧吸着装置１０が構成される。

【００１１】 ターンテーブル本体６の内径は、フレキシブルディスクＦＤのメタルハブ３よ りも若干大きい径に形成され、その内径孔内に、中央上面板１１と、筒形支持部 材１２とが上下に重なって嵌合状態に固定されている。中央上面板１１は、固定 ピン１３と連結ピン１４とを上下面に突設したものであり、ビス１５で筒形支持 部材１２に固定されている。連結ピン１４は、筒形支持部材１２の天板部１２ａ の中心孔に嵌合する。

【００１２】 中央上面板１１と筒形支持部材１２の天板部１２ａとにわたって、芯出しピン 遊嵌孔１６が設けてあり、この孔１６内に芯出しピン１７が遊嵌している。芯出 しピン１７は、フレキシブルディスクＦＤの位置決め孔５に遊嵌する転がり軸受 １８を上端に有し、ピン係脱駆動装置１９を構成する回動レバー２０の先端に立 設されている。

【００１３】 筒形支持部材１２は、図２および図４に示すように一部が切り欠かれた厚肉円 筒状に形成され、前記回動レバー２０は筒形支持部材１２の天板部１２ａに支軸 ２１で正逆回動自在に取付けられている。支軸２１は、図３に示すようにビス２ １ａで天板部１２ａに取付けたものであり、回動レバー２０の支軸嵌合孔には、 滑り軸受２５が設けてある（図５参照）。

【００１４】 回動レバー２０の中間部には、当板部２０ａが設けられ、テーパコーン２２側 へばね部材２３で押し付け付勢されている。テーパコーン２２は、エアシリンダ ２４に取付けられて筒形支持部材１２内の中心部を昇降するものであり、エアシ リンダ２４は前記基台２に固定設置されている。これら回動レバー２０、ばね部 材２３、テーパコーン２２、およびエアシリンダ２４により、前記ピン係脱駆動 装置１９が構成される。

【００１５】 上記構成の動作を説明する。フレキシブルディスクＦＤは、図６（Ａ）に示す ように中心孔４および位置決め孔１６が各々固定ピン１３および芯出しピン１７ に遊嵌する状態で、ターンテーブル１上に載せる。この状態で、図１のエアシリ ンダ２４によりテーパコーン２２を下降位置（鎖線の位置）から上昇位置（実線 の位置）まで上昇させる。これにより、回動レバー２０の当て板部２０ａがテー パコーン２２で押されて、回動レバー２０がばね部材２３に抗して回動する。そ のため、芯出しピン１７が図６（Ａ）に矢印ｂで示すようにターンテーブル１の 外径側へ移動して、図６（Ｂ）に示すように位置決め孔１６の内面に押し当てら れ、これによって固定ピン１３と芯出しピン１７とで突っ張り状態にフレキシブ ルディスクＦＤが位置決めされる。

【００１６】 フレキシブルディスクＦＤが位置決めされると、負圧吸着装置１０でフレキシ ブルディスクＦＤをターンテーブル１に吸着固定する。この吸着は、ターンテー ブル１を回転自在に浮上支持するエア圧の負荷により行われる。すなわち、ター ンテーブル１の下面のエア圧により、軸方向通気孔８から径方向通気孔７を介し て接続口７ａに排気されるエア流れが生じ、そのエア流れのために各吸気孔９内 が負圧となって、フレキシブルディスクＦＤの吸着が行われる。

【００１７】 フレキシブルディスクＦＤが吸着されると、テーパコーン２２を鎖線位置に下 降させ、芯出しピン１７による押し付けを解除する。この状態では、芯出しピン １７の押し付けを解除しても、吸着によって位置決め状態が維持される。この後 、ターンテーブル１の回転を行う。

【００１８】 このフレキシブルディスク固定装置は、このようにターンテーブル１が停止し たままでフレキシブルディスクＦＤの位置決めおよび固定が行える。したがって 、ターンテーブル１の停止状態で、フレキシブルディスクＦＤの基準位置を正確 に知ることができ、回転開始から記録再生の開始までの待ち時間が短縮される。 また、ターンテーブル１の回転時において、フレキシブルディスクＦＤは負圧 吸着装置１０によりターンテーブル１の上面に吸着されているため、回転に伴う フレキシブルディスクＦＤの上下の振れが防止される。そのため、精度の良い記 録再生が行える。

【００１９】 なお、前記実施例では負圧吸着装置１０を、ターンテーブル１の支持用のエア 圧の利用によって吸着するものとしたが、各径方向通気孔７を真空ポンプ等の専 用の負圧源に接続し、吸着の確実を図るようにしても良い。また、前記実施例で は、位置決めの後にテーパコーン２２を下降させたが、上昇させたままとしても 良い。エアシリンダ２４は、ターンテーブル１に設置しても良い。 さらに、前記実施例では回動アーム２０をテーパコーン２２で位置決め側に動 作させるようにしたが、ばね部材で回動アーム２０を位置決め側に付勢しておき 、適宜のカム部材によって回動アーム２０を位置決め解除側へ回動させるように しても良い。

【００２０】

【考案の効果】

この考案のフレキシブルディスク固定装置は、フレキシブルディスクをターン テーブルの上面に負圧で吸着する負圧吸着装置を設けたため、回転時のフレキシ ブルディスクの上下の振れが防止され、記録再生精度が向上する。 また、フレキシブルディスクの中心孔および位置決め孔に各々嵌まる固定ピン および芯出しピンをターンテーブルに設け、芯出しピンをピン係脱駆動装置で移 動させて位置決め孔の内面に押し付けるようにしたため、ターンテーブルの停止 状態でフレキシブルディスクの位置決めおよび固定が行える。そのため、ターン テーブルを停止させたままで、フレキシブルディスクの基準位置を正確に知るこ とができ、記録再生の開始時間を短縮させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の断面図である。

【図２】そのターンテーブルの中央部の平面図である。

【図３】図２の一部を矢印Ａ方向に見た破断側面図であ
る。

【図４】ターンテーブルの中央部の部品を示す斜視図で
ある。

【図５】回動アームの拡大斜視図である。

【図６】動作説明図である。

【図７】従来例の側面図である。

【図８】その動作説明図である。

【符号の説明】

１…ターンテーブル、３…メタルハブ、４…中心孔、５
…位置決め孔、７…径方向通気孔、１０…負圧吸着装
置、１３…固定ピン、１６…芯出しピン遊嵌孔、１７…
芯出しピン、１８…転がり軸受、１９…ピン係脱駆動装
置、２０…回動レバー、２２…テーパコーン、２４…エ
アシリンダ、ＦＤ…フレキシブルディスク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中心孔および位置決め孔を有するフレキ
   シブルディスクを載せるターンテーブルに、前記中心孔
   に係合する固定ピンと、前記位置決め孔内でターンテー
   ブルの内径側と外径側とに正逆移動自在な芯出しピンと
   を設け、この芯出しピンを移動させるピン係脱駆動装置
   を設け、かつ前記ターンテーブルの上面に前記ディスク
   を吸着する負圧吸着装置を設けたフレキシブルディスク
   固定装置。