JP2783615B2 - キャリッジロック機構を有する磁気ディスク装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は磁気ヘッドの停止状態をロックするキャリッ
ジロック機構を有する磁気ディスク装置に関する。

（従来の技術） 従来のキャリッジロック機構を第５図に示す。第５図
において、スイングアーム11は、軸12を支点に回動可能
に取り付けられており、ボイスコイルモータ（VCM）13
の駆動力により回動し、磁気ヘッド14をディスク15の半
径方向（矢印Ａ方向）に移動させる。

ここで、スイングアーム11には、突起16が設けられて
いる。この突起16は、スプリング20の力により軸17を支
点に矢印Ｃ方向に回動するロックアーム18のクロウ部19
に係合する。また、ロックアーム18の他端には、プラン
ジャ21が取り付けられている。このプランジャ21は、ソ
レノイド22の励磁により矢印Ｄ方向に移動して、ロック
アーム18を矢印Ｅ方向に回動させ、突起16とクロウ部19
の係合を解除する。

このような構成において、例えばコンタクト・スター
ト・ストップ方式（CSS方式）を採用している磁気ディ
スク装置では、磁気ヘッド14がディスク15のCSSエリア
に位置しているとき（図中、実線で示される位置）、突
起16がクロウ部19に係合して、磁気ヘッド14の移動の停
止状態をロックする。

また、データの記録／再生時には、ソレノイド22が励
磁され、プランジャ21を介してロックアーム18が軸17を
支点に矢印Ｅ方向に回動して、ロック状態が解除され
る。以後、ボイスコイルモータ13の駆動力により、磁気
ヘッド14がスイングアーム11を介してディスク15のデー
タエリア方向にシークし、矢印Ｂ方向に回転するディス
ク15に対し、データの記録／再生を行う。

なお、このとき、ロックアーム18は、スプリング20の
力により、矢印Ｃ方向に回動して、点線で示される位置
で停止している。

また、動作停止時あるいは電源遮断時には、磁気ヘッ
ド14がディスク15のCSSエリアに移動する。磁気ヘッド1
4がCSSエリアに移動すると、スイングアーム11の端部に
設けられコイル23がストッパ部材24に当接し、この状態
で、突起16とクロウ部19が係合して、その移動の停止状
態がロックされる。

（発明が解決しようとする課題） 近年、磁気ディスク装置の普及により、そのコンパク
ト化や低価格化、さらには低電力化の要求が高まってい
る。このような現状の中で、第５図に示すような多数の
部品を要するロック機構を設けることは、コンパクト化
や低価格化を妨げることになる。また、従来のロック機
構では、ロック解除に電力を必要とするため、低電力化
の妨げになる問題もあった。

本発明は上記のような点に鑑みてなされたもので、簡
単かつ安価な構成で、しかも、電力を必要としないキャ
リッジロック機構を有する磁気ディスク装置を提供する
ことを目的とする。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） すなわち、本発明に係るキャリッジロック機構を有す
る磁気ディスク装置は、記録媒体と、この記録媒体上を
移動し、情報の記録／再生を行う磁気ヘッドと、コイル
とこのコイルに空隙をもって離間配置される永久磁石と
この永久磁石を保持すると共に磁路を形成するヨークと
ヨーク支持部材からなるボイスコイルモータと、先端部
に上記磁気ヘッドが取り付けられ、他端部に上記コイル
を保持し、上記ボイスコイルモータの駆動力によって、
所定の軸を支点に回動し、上記磁気ヘッドを上記記録媒
体の半径方向に移動させるスイングアームと、上記ヨー
ク支持部材を囲むように配置され、上記磁気ヘッドが所
定の位置で停止したとき、上記スイングアームの他端部
に保持された上記コイルの外周部の一端側が当接するス
トッパ部材と、上記コイルの外周部の上記ストッパ部材
に当接する一端側に対し他端側近傍に配置され、上記ス
イングアームに取り付けられた磁性部材を持ち、上記磁
気ヘッドを上記所定の位置に停止させ、かつ、上記スイ
ングアームの他端部に保持された上記コイルの外周部の
一端側が上記ストッパ部材に当接するように、上記ボイ
スコイルモータを構成する上記永久磁石の磁力によっ
て、上記磁性部材を上記永久磁石に所定の間隔を保持し
て吸引し、その停止状態をロックするキャリッジ機構と
を具備してなることを特徴とする。

また、本発明は、記録媒体と、この記録媒体上を移動
し、情報の記録／再生を行う磁気ヘッドと、コイルとこ
のコイルに空隙をもって離間配置される永久磁石とこの
永久磁石を保持すると共に磁路を形成するヨークとヨー
ク支持部材からなるボイスコイルモータと、先端部に上
記磁気ヘッドが取り付けられ、他端部に上記コイルを保
持し、上記ボイスコイルモータの駆動力によって、所定
の軸を支点に回動し、上記磁気ヘッドを上記記録媒体の
半径方向に移動させるスイングアームと、上記コイルの
外周部の端部近傍に配置され、上記スイングアームに取
り付けられたストッパ部材と兼用の磁気部材を持ち、上
記磁気ヘッドを上記所定の位置に停止させ、上記ボイス
コイルモータを構成する上記永久磁石の磁力によって、
上記磁性部材を上記永久磁石に接触させるように吸引
し、その停止状態をロックするキャリッジロック機構と
を具備してなることを特徴とする。

（作 用） 上記の構成によれば、ボイスコイルモータの永久磁石
の磁力を利用して、磁気ヘッドの移動の停止状態をロッ
クできるものであり、簡単かつ安価な構成で、しかも、
電力を必要としないロック機構が実現される。

（実施例） 以下、図面を参照して本発明の一実施例に係るキャリ
ッジロック機構を有する磁気ディスク装置を説明する。

第１図に示すように、スイングアーム31は、軸32を支
点に回動可能に取り付けられており、ボイスコイルモー
タ（VCM）33の駆動力により回動する。ボイスコイルモ
ータ33は、スイングアーム31の端部に取り付けられるコ
イル34、このコイル34に僅かな空隙をもって離間固定さ
れ、励磁状態にあるコイル34を磁力によって回動させる
永久磁石35、この永久磁石35を保持すると共に、磁路を
形成するヨーク36およびヨーク支持部材37からなる。

スイングアーム31の先端には、磁気ヘッド38が取り付
けられている。この磁気ヘッド38は、スイングアーム31
の回動により、ディスク39の半径方向（矢印Ａ方向）に
移動（シーク）し、データの記録／再生を行う。

ここで、スイングアーム31には、このスイングアーム
31から延出された部材40を介して磁性部材41が取り付け
られている。この磁性部材41は、第２図（第１図をＸ方
向から見た場合の側面断面図）および第３図（第１図を
Ｙ方向から見た場合の正面断面図）に示すように、コイ
ル34の外周部の一端がストッパ部材42に当接したとき
に、永久磁石35の磁力によって、コイル34をストッパ部
材42に押し付ける方向に吸引される。ストッパ部材42
は、磁気ヘッド38を所定の位置で停止させる部材であ
る。この所定の位置とは、例えばCSS方式を採用してい
る磁気ディスク装置では、ディスク39上のCSSエリアで
ある。このCSSエリアは、通常、ディスク39の最内周に
設けられている。

次に、同実施例の動作を説明する。

磁気ヘッド38がディスク39上のCSSエリア（最内周）
に位置しているとき（図中、実線で示される位置）、コ
イル34の外周部の一端がストッパ部材42に当接して、磁
気ヘッド38の移動が停止状態にある。

このとき、部材40を介してスイングアーム31に取り付
けられている磁性部材41が、第３図に示すように、ボイ
スコイルモータ33の手前で、永久磁石35の磁力により、
矢印Ｆ方向に吸引される。この磁性部材41が矢印Ｆ方向
に吸引されると、スイングアーム31にディスク39の内周
方向の力が働き、同アーム31の端部にあるコイル34がス
トッパ部材42に押し付けられる。この押し付け力によ
り、磁気ヘッド38の移動の停止状態がロックされる。

一方、データの記録／再生時にあっては、ディスク39
を図示せぬスピンドルモータの駆動力により矢印Ｂ方向
に回転する。ディスク39が定常回転に達すると、磁気ヘ
ッド38がエアーベアリング効果により浮上する。磁気ヘ
ッド38が浮上すると、ボイスコイルモータ33のコイル34
が励磁される。この場合、コイル34は、磁気ヘッド38を
ディスク39のデータエリア方向（外周方向）に移動させ
る方向の電流を受けて励磁される。この電流供給によ
り、磁性部材41に矢印Ｆ方向とは逆方向の力が働き、ロ
ック状態が解除される。

以後、磁気ヘッド38がスイングアーム31を介してディ
スク39のデータエリア方向（外周方向）にシークして、
データの記録／再生が行われる。

また、動作停止時あるいは電源遮断時にあっては、磁
気ヘッド38をディスク39のCSSエリア（最内周）に移動
させる方向の電流がコイル34に供給される。この電流供
給により、磁気ヘッド38がスイングアーム31を介してデ
ィスク39のCSSエリア（最内周）方向に移動し、コイル3
4の外周部の一端がストッパ部材42に当接した位置、つ
まりCSSエリアで停止する。このとき、上述したよう
に、磁性部材41が永久磁石35の磁力によって矢印Ｆ方向
に吸引され、その停止状態がロックされることになる。

このように、ボイスコイルモータ33の永久磁石35の磁
力を利用して、CSSエリアに位置する磁気ヘッド38の移
動の停止状態をロックすることができる。この場合、こ
のロック機構に主として必要とされる部品は磁性部材41
だけである。したがって、多数の部品を要する従来のロ
ック機構に比べ、簡単かつ安価に構成でき、これによ
り、磁気ディスク装置のコンパクト化、低価格化を図る
ことができる。また、ロック解除専用の特別な電力を必
要とせずに、ロック状態を解除できるため、低電力化も
図ることができる。

なお、本実施例では、ストッパ部材42を利用してロッ
ク機構を構成したが、例えば磁性部材41がストッパ部材
42の役目を兼ねる構成としても良い。すなわち、第４図
に示すように、磁性部材41がボイスコイルモータ33に当
接して、磁気ヘッド38を所定の位置（CSSエリア）に停
止させ、この状態で永久磁石35の磁力により矢印Ｆ方向
に吸引させる構成としても良い。この場合でも、上記実
施例と同様の効果が得られるものである。

［発明の効果］ 以上のように本発明によれば、ボイスコイルモータの
永久磁石の磁力を利用して、磁気ヘッドの移動の停止状
態をロックする構成としているため、簡単かつ安価な構
成で、しかも、電力を必要としないロック機構が実現さ
れるものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例に係る構成を示す平面図、第
２図は第１図の側面断面図、第３図は第１図の正面断面
図、第４図は本発明の他の実施例の構成を示す正面断面
図、第５図は従来の構成を示す平面図である。 31……スイングアーム、32……軸、33……ボイスコイル
モータ、34……コイル、35……永久磁石、36……ヨー
ク、37……ヨーク支持部材、38……磁気ヘッド、39……
ディスク、40……部材、41……磁性部材、42……ストッ
パ部材。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録媒体と、 この記録媒体上を移動し、情報の記録／再生を行う磁気
   ヘッドと、 コイルとこのコイルに空隙をもって離間配置される永久
   磁石とこの永久磁石を保持すると共に磁路を形成するヨ
   ークとヨーク支持部材からなるボイスコイルモータと、 先端部に上記磁気ヘッドが取り付けられ、他端部に上記
   コイルを保持し、上記ボイスコイルモータの駆動力によ
   って、所定の軸を支点に回動し、上記磁気ヘッドを上記
   記録媒体の半径方向に移動させるスイングアームと、 上記ヨーク支持部材を囲むように配置され、上記磁気ヘ
   ッドが所定の位置で停止したとき、上記スイングアーム
   の他端部に保持された上記コイルの外周部の一端側が当
   接するストッパ部材と、 上記コイルの外周部の上記ストッパ部材に当接する一端
   側に対し他端側近傍に配置され、上記スイングアームに
   取り付けられた磁性部材を持ち、上記磁気ヘッドを上記
   所定の位置に停止させ、かつ、上記スイングアームの他
   端部に保持された上記コイルの外周部の一端側が上記ス
   トッパ部材に当接するように、上記ボイスコイルモータ
   を構成する上記永久磁石の磁力によって、上記磁性部材
   を上記永久磁石に所定の間隔を保持して吸引し、その停
   止状態をロックするキャリッジロック機構と を具備してなることを特徴とする磁気ディスク装置。
2. 【請求項２】記録媒体と、 この記録媒体上を移動し、情報の記録／再生を行う磁気
   ヘッドと、 コイルとこのコイルに空隙をもって離間配置される永久
   磁石とこの永久磁石を保持すると共に磁路を形成するヨ
   ークとヨーク支持部材からなるボイスコイルモータと、 先端部に上記磁気ヘッドが取り付けられ、他端部に上記
   コイルを保持し、上記ボイスコイルモータの駆動力によ
   って、所定の軸を支点に回動し、上記磁気ヘッドを上記
   記録媒体の半径方向に移動させるスイングアームと、 上記コイルの外周部の端部近傍に配置され、上記スイン
   グアームに取り付けられたストッパ部材と兼用の磁気部
   材を持ち、上記磁気ヘッドを上記所定の位置に停止さ
   せ、上記ボイスコイルモータを構成する上記永久磁石の
   磁力によって、上記磁性部材を上記永久磁石に接触させ
   るように吸引し、その停止状態をロックするキャリッジ
   ロック機構と を具備してなることを特徴とする磁気ディスク装置。