JPH05587A - 印刷版用支持体の製造方法 - Google Patents
印刷版用支持体の製造方法Info
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- JPH05587A JPH05587A JP3253205A JP25320591A JPH05587A JP H05587 A JPH05587 A JP H05587A JP 3253205 A JP3253205 A JP 3253205A JP 25320591 A JP25320591 A JP 25320591A JP H05587 A JPH05587 A JP H05587A
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- plate
- cathode
- aqueous solution
- neutral salt
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- C25—ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
- C25F—PROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC REMOVAL OF MATERIALS FROM OBJECTS; APPARATUS THEREFOR
- C25F3/00—Electrolytic etching or polishing
- C25F3/02—Etching
- C25F3/04—Etching of light metals
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
- Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】印刷版用支持体に用いられるアルミニウム板
に、均一かつ充分に深いピットを形成する。また、アル
ミニウム板のピットを安価に形成する。 【構成】中性塩水溶液中にアルミニウム板を電極として
設ける。そして、このアルミニウム板にパルス化状の電
位を印加し、アルミニウム板の表面を電解処理してピッ
トを形成する。
に、均一かつ充分に深いピットを形成する。また、アル
ミニウム板のピットを安価に形成する。 【構成】中性塩水溶液中にアルミニウム板を電極として
設ける。そして、このアルミニウム板にパルス化状の電
位を印加し、アルミニウム板の表面を電解処理してピッ
トを形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム板の表面
を電気化学的に粗面化処理する平版印刷版用支持体の製
造方法に関するものである。
を電気化学的に粗面化処理する平版印刷版用支持体の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、オフセット印刷版用支持体とし
てアルミニウム板が使用されており、その表面は、その
上に設けられる感光層との密着性を良好にすること、印
刷時に使用する湿し水を保持すること等の目的のため
に、通常、粗面化されている。
てアルミニウム板が使用されており、その表面は、その
上に設けられる感光層との密着性を良好にすること、印
刷時に使用する湿し水を保持すること等の目的のため
に、通常、粗面化されている。
【0003】この粗面化の処理方法として、ボールグレ
イニング、ブラシグレイニングなどの機械的処理方法が
知られているが、近年、塩酸、硝酸などの酸性電解液中
でアルミニウム板の表面を電気化学的に粗面化処理をす
る電解粗面化処理方法が注目されている。この電解粗面
化処理方法は、従来の機械的粗面化処理方法に比べて平
均粗さ分布の小さな均一な粗面を有するアルミニウム板
が得られるが、そのような粗面を得るための条件は極め
て狭いものである。しかし、電解液組成、温度、電解条
件などの諸条件を一定にすれば、製品のばらつきも極め
て少なく、均一な性能を有するアルミニウム板を容易に
得ることができる。
イニング、ブラシグレイニングなどの機械的処理方法が
知られているが、近年、塩酸、硝酸などの酸性電解液中
でアルミニウム板の表面を電気化学的に粗面化処理をす
る電解粗面化処理方法が注目されている。この電解粗面
化処理方法は、従来の機械的粗面化処理方法に比べて平
均粗さ分布の小さな均一な粗面を有するアルミニウム板
が得られるが、そのような粗面を得るための条件は極め
て狭いものである。しかし、電解液組成、温度、電解条
件などの諸条件を一定にすれば、製品のばらつきも極め
て少なく、均一な性能を有するアルミニウム板を容易に
得ることができる。
【0004】しかしながら、塩酸、硝酸などの水溶液中
での電解粗面化方法は、電気化学的な反応により溶出し
たアルミニウムイオン液の疲労が起こるので、水と硝酸
または塩酸を添加し、電解液中のアルミニウムイオン濃
度、硝酸または塩酸濃度を一定にする必要があった。ま
た、このとき増加した電解液はオーバーフローさせて廃
液として系外に排出するので、自然界にとって有害な成
分を取り除く処理を行う必要があった。これらの理由に
より、塩酸等の水溶液中での電解粗面化方法は極めてコ
ストが高いものであった。また、イオン交換膜により酸
の回収を行うという方法もあるが、この方法によると付
帯設備が大きくなり、メンテナンスの点で問題が残って
いた。
での電解粗面化方法は、電気化学的な反応により溶出し
たアルミニウムイオン液の疲労が起こるので、水と硝酸
または塩酸を添加し、電解液中のアルミニウムイオン濃
度、硝酸または塩酸濃度を一定にする必要があった。ま
た、このとき増加した電解液はオーバーフローさせて廃
液として系外に排出するので、自然界にとって有害な成
分を取り除く処理を行う必要があった。これらの理由に
より、塩酸等の水溶液中での電解粗面化方法は極めてコ
ストが高いものであった。また、イオン交換膜により酸
の回収を行うという方法もあるが、この方法によると付
帯設備が大きくなり、メンテナンスの点で問題が残って
いた。
【0005】そこで、以上のような塩酸等の水溶液を用
いる方法を改善するために、中性塩水溶液中で直流また
は交流を用いて電気化学的に素面化を行う方法が提案さ
れている(特開昭52−26904号公報)。
いる方法を改善するために、中性塩水溶液中で直流また
は交流を用いて電気化学的に素面化を行う方法が提案さ
れている(特開昭52−26904号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した中性塩水溶液
を用いる方法は、コストが低く好ましいものであった
が、均一で充分に深いピットを得るには充分でなかっ
た。
を用いる方法は、コストが低く好ましいものであった
が、均一で充分に深いピットを得るには充分でなかっ
た。
【0007】本発明は、上記問題点を解消し、均一で充
分に深いピットを形成することができる平版印刷版用支
持体の製造方法を提供することを目的とする。
分に深いピットを形成することができる平版印刷版用支
持体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究し、パルス状の電位を与える
と均一かつ充分に深いピットを形成できることを見出
し、本発明を完成させた。
を達成するために鋭意研究し、パルス状の電位を与える
と均一かつ充分に深いピットを形成できることを見出
し、本発明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明の平版印刷版用支持体の
製造方法は、中性塩水溶液中でパルス状の電位を与えて
陽極としたアルミニウム板を電気化学的に粗面化するこ
とを特徴として構成されている。
製造方法は、中性塩水溶液中でパルス状の電位を与えて
陽極としたアルミニウム板を電気化学的に粗面化するこ
とを特徴として構成されている。
【0010】アルミニウム板にパルス状の電位を与える
には、アルミニウム板の処理面の任意の点の電位が所定
間隔で変わるように出来ればよく、例えば、パルス化さ
れた直流電圧を用いたり、アルミニウム板の搬送方向に
沿って複数の陰極面を所定間隔で設け、この状態で連続
直流電圧を印加して電解槽内にパルス状の定在波のよう
なものを作り出して行ったりする。パルス化された直流
電圧の場合は、アルミニウム板の進行方向と垂直に横シ
マ状の処理ムラが発生しやすく、また特別なパルスを発
生させる電源が必要であるので、後者の連続直流電圧を
用いた方が好ましい。なお、アルミニウム板と電極面と
の間隔は、5〜20mmが好ましい。
には、アルミニウム板の処理面の任意の点の電位が所定
間隔で変わるように出来ればよく、例えば、パルス化さ
れた直流電圧を用いたり、アルミニウム板の搬送方向に
沿って複数の陰極面を所定間隔で設け、この状態で連続
直流電圧を印加して電解槽内にパルス状の定在波のよう
なものを作り出して行ったりする。パルス化された直流
電圧の場合は、アルミニウム板の進行方向と垂直に横シ
マ状の処理ムラが発生しやすく、また特別なパルスを発
生させる電源が必要であるので、後者の連続直流電圧を
用いた方が好ましい。なお、アルミニウム板と電極面と
の間隔は、5〜20mmが好ましい。
【0011】パルス化された直流電圧は、直流電圧が周
期的に強さを変えるものをいい、例えば、交流をサイリ
スタ、トランジスタ、GTO等で整流したもの、交流と
整流素子を通して直流に変換し、その直流をサイリス
タ、トランジスタ、GTO等を使ったインバータ回路を
使ってチョッピングしたもの、米国特許第4,897,168号
明細書で開示されているような短時間で反転するような
波形のものがある。
期的に強さを変えるものをいい、例えば、交流をサイリ
スタ、トランジスタ、GTO等で整流したもの、交流と
整流素子を通して直流に変換し、その直流をサイリス
タ、トランジスタ、GTO等を使ったインバータ回路を
使ってチョッピングしたもの、米国特許第4,897,168号
明細書で開示されているような短時間で反転するような
波形のものがある。
【0012】また、連続直流電圧を用いる場合におい
て、アルミニウム板の搬送方向に沿って複数の陰極面を
所定間隔で設けるには、例えば、複数個の陰極を所定間
隔で配置したり、陰極を長く形成しこの陰極とアルミニ
ウム板との間に所定間隔で絶縁体を配置したりする。複
数の陰極を所定間隔で配置する場合は、陰極の前若しく
は後ろ又は前後にパーテーションウォールを設置すこと
が、陰極のエッジ近傍の電流の流れ方を調整できるので
好ましい。このパーテーションウォールは、陰極のアル
ミ幅方向に全幅にわたってアルミニウムとのクリアラン
スを一定に保った絶縁物でできた壁を設置することによ
り行う。また、パーテーションウォールのアルミニウム
板進行方法の長さは5mm以上が好ましく、アルミニウム
板とパーテーションウォールの間隔は、1〜5mmが好ま
しい。
て、アルミニウム板の搬送方向に沿って複数の陰極面を
所定間隔で設けるには、例えば、複数個の陰極を所定間
隔で配置したり、陰極を長く形成しこの陰極とアルミニ
ウム板との間に所定間隔で絶縁体を配置したりする。複
数の陰極を所定間隔で配置する場合は、陰極の前若しく
は後ろ又は前後にパーテーションウォールを設置すこと
が、陰極のエッジ近傍の電流の流れ方を調整できるので
好ましい。このパーテーションウォールは、陰極のアル
ミ幅方向に全幅にわたってアルミニウムとのクリアラン
スを一定に保った絶縁物でできた壁を設置することによ
り行う。また、パーテーションウォールのアルミニウム
板進行方法の長さは5mm以上が好ましく、アルミニウム
板とパーテーションウォールの間隔は、1〜5mmが好ま
しい。
【0013】アルミニウム板の処理面の任意の点に与え
られるパルス状の電位は、duty比が2:1〜1:9であ
ることが好ましい。duty比を上記範囲にするには、連続
直流電圧を用いる場合は、アルミニウム板に対向する各
陰極面のアルミニウム板の進行方向の長さAと各陰極面
の間隔Bの比A:Bが2:1〜1:9となるようにすれ
ばよい。
られるパルス状の電位は、duty比が2:1〜1:9であ
ることが好ましい。duty比を上記範囲にするには、連続
直流電圧を用いる場合は、アルミニウム板に対向する各
陰極面のアルミニウム板の進行方向の長さAと各陰極面
の間隔Bの比A:Bが2:1〜1:9となるようにすれ
ばよい。
【0014】アルミニウム板の処理面の任意の点に与え
られるパルス状の電位は、周波数が0.1〜60Hzが好まし
く、特に0.5〜2.0Hzが好ましい。連続直流電圧を用いる
場合、周波数は、陰極面の長さAと陰極面管の間隔Bと
アルミニウム板の搬送速度Vとで決定され、その周波数
fは、f=V/(A+B)となる。したがって、周波数
を上記範囲にするには、上記陰極面の長さAと陰極面管
の間隔Bとアルミニウム板の搬送速度Vとを適宜設定し
て行う。
られるパルス状の電位は、周波数が0.1〜60Hzが好まし
く、特に0.5〜2.0Hzが好ましい。連続直流電圧を用いる
場合、周波数は、陰極面の長さAと陰極面管の間隔Bと
アルミニウム板の搬送速度Vとで決定され、その周波数
fは、f=V/(A+B)となる。したがって、周波数
を上記範囲にするには、上記陰極面の長さAと陰極面管
の間隔Bとアルミニウム板の搬送速度Vとを適宜設定し
て行う。
【0015】アルミニウム板の処理面の任意の点の電流
密度は、0.1〜200A/dm2が好ましく、特に、任意の点が
陰極面と陰極面の間を通過する時の電流密度は、0.1〜
1.5A/dm2であることが好ましい。このような電流密度と
するためには、電解槽の構造を好適に設定したり、両陰
極間に微小電流を流すための補助電極を設けたりして行
う。
密度は、0.1〜200A/dm2が好ましく、特に、任意の点が
陰極面と陰極面の間を通過する時の電流密度は、0.1〜
1.5A/dm2であることが好ましい。このような電流密度と
するためには、電解槽の構造を好適に設定したり、両陰
極間に微小電流を流すための補助電極を設けたりして行
う。
【0016】電解時間は0.1〜90秒が好ましく、パルス
化された直流電圧を用いた場合、その立ち上がり時間及
び立ち下がり時間は0〜100msecが好ましく、特に0〜
3.0msecが好ましい。立ち下がり時間は特に砂目立てに
影響を与えるので、上記範囲に設定することが好まし
い。
化された直流電圧を用いた場合、その立ち上がり時間及
び立ち下がり時間は0〜100msecが好ましく、特に0〜
3.0msecが好ましい。立ち下がり時間は特に砂目立てに
影響を与えるので、上記範囲に設定することが好まし
い。
【0017】電流の立ち上がり及び立ち下がり時間は、
アルミ界面抵抗、液抵抗、アルミと電極間の距離、電極
形状、電極のエッジ近傍のセル構造(パーテーションウ
ォールの構造)などにより限定されるので、上述した範
囲と成るように装置設計の段階で充分検討する必要があ
る。
アルミ界面抵抗、液抵抗、アルミと電極間の距離、電極
形状、電極のエッジ近傍のセル構造(パーテーションウ
ォールの構造)などにより限定されるので、上述した範
囲と成るように装置設計の段階で充分検討する必要があ
る。
【0018】とくに電極の縁部分の形状を突起させるこ
とにより、電極に対向するアルミニウム板の電位分布を
鋭角に立ち上げ、または立ち下げることが可能になる。
とにより、電極に対向するアルミニウム板の電位分布を
鋭角に立ち上げ、または立ち下げることが可能になる。
【0019】本発明に用いる中性塩水溶液は、例えば、
特開昭52−26904号公報に記載されているような中性塩
の水溶液であり、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ
金属硝酸塩であり、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウムが
好ましく、特に硝酸ナトリウムが好ましい。pHは5〜9
が好ましく、特に、溶解したほとんどのアルミニウムイ
オンが水酸化アルミニウム又は酸化アルミニウム水和物
の形で沈澱し、かつ中性塩水溶液はアルミニウム板の持
ち出し以外にはほとんど消費されず、ろ過又は遠心分離
により中性塩水溶液から連続的に除去することができ、
廃液処理に要するコストを低減できるので、pH6〜8の
範囲が好ましい。但し、アルミニウム板または電極界面
近傍はpH5以下又はpH9以上になる。濃度は、1〜40%
が好ましい。液温は35〜75℃が好ましい。
特開昭52−26904号公報に記載されているような中性塩
の水溶液であり、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ
金属硝酸塩であり、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウムが
好ましく、特に硝酸ナトリウムが好ましい。pHは5〜9
が好ましく、特に、溶解したほとんどのアルミニウムイ
オンが水酸化アルミニウム又は酸化アルミニウム水和物
の形で沈澱し、かつ中性塩水溶液はアルミニウム板の持
ち出し以外にはほとんど消費されず、ろ過又は遠心分離
により中性塩水溶液から連続的に除去することができ、
廃液処理に要するコストを低減できるので、pH6〜8の
範囲が好ましい。但し、アルミニウム板または電極界面
近傍はpH5以下又はpH9以上になる。濃度は、1〜40%
が好ましい。液温は35〜75℃が好ましい。
【0020】アルミニウム板に対向する陰極としては、
カーボン、ステンレスなどを用いることができる。陰極
はあまり大きな物は製作困難であるため、分割した物を
1〜5mmの間隔を隔てて、または1〜5mm程度の厚さの
塩ビ等で出来たインシュレーターを挟んで並べて1個の
電極とすることができる。アルミニウム板は、純アルミ
ニウム板又はアルミニウム合金板である。
カーボン、ステンレスなどを用いることができる。陰極
はあまり大きな物は製作困難であるため、分割した物を
1〜5mmの間隔を隔てて、または1〜5mm程度の厚さの
塩ビ等で出来たインシュレーターを挟んで並べて1個の
電極とすることができる。アルミニウム板は、純アルミ
ニウム板又はアルミニウム合金板である。
【0021】本発明の中性塩水溶液中での電解粗面化処
理の前段または後段に苛性ソーダ、硫酸、硝酸等への浸
漬による軽度のエッチング処理及びデスマット処理、中
性塩水溶液中での電解洗浄処理等を行うことが好まし
い。中性塩水溶液中での電解洗浄処理は、専用の電源を
設けてもよいし、本発明の電解粗面化に用いる直流電流
を供給する電源を共用してもよい。電解粗面化処理の前
段又は後段に中性塩水溶液で電解洗浄処理するときは、
電解粗面化処理と同一の処理槽内にアルミニウム板に対
向する陽極を設置して処理してもよいし、別の電解処理
槽で処理してもよい。
理の前段または後段に苛性ソーダ、硫酸、硝酸等への浸
漬による軽度のエッチング処理及びデスマット処理、中
性塩水溶液中での電解洗浄処理等を行うことが好まし
い。中性塩水溶液中での電解洗浄処理は、専用の電源を
設けてもよいし、本発明の電解粗面化に用いる直流電流
を供給する電源を共用してもよい。電解粗面化処理の前
段又は後段に中性塩水溶液で電解洗浄処理するときは、
電解粗面化処理と同一の処理槽内にアルミニウム板に対
向する陽極を設置して処理してもよいし、別の電解処理
槽で処理してもよい。
【0022】さらに、このように処理されたアルミニウ
ム板は親水性、保水性、耐印刷性能を向上させるため
に、常法により硫酸または燐酸を含む電解液中で陽極酸
化処理を行うことが出来る。また、陽極酸化処理後に封
孔処理を行うことが出来る。さらに、珪酸ソーダなどを
含む水溶液中に浸漬し、浸水化処理を行うこともでき
る。また、特公昭57−16918号公報に開示されているよ
うに、機械的な粗面化を事前に行ってもよく、米国特許
4,721,552号明細書に記載のように、塩酸水溶液中で交
流を用いて粗面化処理を事前におこなってもよい。前記
機械的または電気化学的な粗面化処理の後のエッチング
処理は、苛性ソーダなどによる化学的なエッチング処理
でもよいし、中性塩水溶液中でアルミニウム板を陰極に
して処理する電気化学的なエッチング処理でもよい。
ム板は親水性、保水性、耐印刷性能を向上させるため
に、常法により硫酸または燐酸を含む電解液中で陽極酸
化処理を行うことが出来る。また、陽極酸化処理後に封
孔処理を行うことが出来る。さらに、珪酸ソーダなどを
含む水溶液中に浸漬し、浸水化処理を行うこともでき
る。また、特公昭57−16918号公報に開示されているよ
うに、機械的な粗面化を事前に行ってもよく、米国特許
4,721,552号明細書に記載のように、塩酸水溶液中で交
流を用いて粗面化処理を事前におこなってもよい。前記
機械的または電気化学的な粗面化処理の後のエッチング
処理は、苛性ソーダなどによる化学的なエッチング処理
でもよいし、中性塩水溶液中でアルミニウム板を陰極に
して処理する電気化学的なエッチング処理でもよい。
【0023】
【作用】本発明の印刷用支持体の製造方法は、パルス状
の電位をアルミニウム板に与えることにより、アルミニ
ウム板に均一かつ深いピットが形成される。
の電位をアルミニウム板に与えることにより、アルミニ
ウム板に均一かつ深いピットが形成される。
【0024】
【実施例】本発明の印刷版用支持体の製造方法の一実施
例を図1及び図2に基づいて説明する。
例を図1及び図2に基づいて説明する。
【0025】図1は、パルス化された直流電圧を用いる
印刷版用支持体の製造方法を実施する支持体製造装置の
一例の概略図、図2は同上において用いるパルス化され
た直流電圧の一実施例の波形図である。
印刷版用支持体の製造方法を実施する支持体製造装置の
一例の概略図、図2は同上において用いるパルス化され
た直流電圧の一実施例の波形図である。
【0026】図1において、符号10はアルミニウム板を
中性塩水溶液中で陰極として電解処理する陰極電解処理
部、符号20は陰極電解処理部で処理されたアルミニウム
板を中性塩水溶液中で電気化学的に粗面化処理する粗面
化処理部、符号30は粗面化処理部で粗面化処理されたア
ルミニウム板を中性塩水溶液中で陰極として電解処理す
る陰極電解処理部30である。
中性塩水溶液中で陰極として電解処理する陰極電解処理
部、符号20は陰極電解処理部で処理されたアルミニウム
板を中性塩水溶液中で電気化学的に粗面化処理する粗面
化処理部、符号30は粗面化処理部で粗面化処理されたア
ルミニウム板を中性塩水溶液中で陰極として電解処理す
る陰極電解処理部30である。
【0027】陰極電解処理部10、粗面化処理部20及び陰
極電解処理部30は、それぞれ陰極電解槽11、粗面化処理
槽21及び陰極電解槽31に中性塩水溶液12、22及び32が貯
留されており、中性塩水溶液12及び32内には陽極13及び
33が配置され、また中性塩水溶液22内には陰極23が配置
されている。そして、陰極23は、パルス直流電源40を介
して陽極13及び33にそれぞれ接続されている。
極電解処理部30は、それぞれ陰極電解槽11、粗面化処理
槽21及び陰極電解槽31に中性塩水溶液12、22及び32が貯
留されており、中性塩水溶液12及び32内には陽極13及び
33が配置され、また中性塩水溶液22内には陰極23が配置
されている。そして、陰極23は、パルス直流電源40を介
して陽極13及び33にそれぞれ接続されている。
【0028】また、各中性塩水溶液12、22及び32中並び
にその上方には、ロール50…50が配置され、アルミニウ
ム板60の走行路が形成されている。
にその上方には、ロール50…50が配置され、アルミニウ
ム板60の走行路が形成されている。
【0029】以上のような印刷版用支持体の製造装置で
支持体を製造するには、まず、中性塩水溶液12、22及び
32にパルス直流電源40で図2に示すパルス直流電圧を供
給するとともに、アルミニウム板60を走行させる( 図
中、右方向) 。すると、アルミニウム板60は、まず、陰
極電解処理部10において陰極として電解処理され、表面
が洗浄される。次に、粗面化処理部20でパルス化した直
流電圧で所定粗さの粗面化処理がなされる。そして、陰
極電解処理部30において再び陰極として電解処理され、
表面が洗浄される。電極33への電流は、サイリスタ41、
GTOなどの点孤タイミングにより調整することができ
る。
支持体を製造するには、まず、中性塩水溶液12、22及び
32にパルス直流電源40で図2に示すパルス直流電圧を供
給するとともに、アルミニウム板60を走行させる( 図
中、右方向) 。すると、アルミニウム板60は、まず、陰
極電解処理部10において陰極として電解処理され、表面
が洗浄される。次に、粗面化処理部20でパルス化した直
流電圧で所定粗さの粗面化処理がなされる。そして、陰
極電解処理部30において再び陰極として電解処理され、
表面が洗浄される。電極33への電流は、サイリスタ41、
GTOなどの点孤タイミングにより調整することができ
る。
【0030】図3は、パルス化された直流電圧の他の例
の波形図である。このパルス化された直流電圧は、図2
のパルス化した直流電圧に比して振幅が大きくかつパル
ス間隔が短くなっている。
の波形図である。このパルス化された直流電圧は、図2
のパルス化した直流電圧に比して振幅が大きくかつパル
ス間隔が短くなっている。
【0031】図4も、パルス化された直流電圧を用いる
印刷版用支持体の製造装置の他の例の概略図である。図
4に示す製造装置は、陰極23がパルス直流電源40を介し
てコンダクタロール70に接続され、このコンダクタロー
ル70が直接アルミニウム板60に接続されている。
印刷版用支持体の製造装置の他の例の概略図である。図
4に示す製造装置は、陰極23がパルス直流電源40を介し
てコンダクタロール70に接続され、このコンダクタロー
ル70が直接アルミニウム板60に接続されている。
【0032】図5は、連続直流電圧を用いる平版印刷版
用支持体の製造方法を実施する支持体製造装置の一例の
概略図、図6は同上において用いる連続直流電圧の一実
施例の波形図である。
用支持体の製造方法を実施する支持体製造装置の一例の
概略図、図6は同上において用いる連続直流電圧の一実
施例の波形図である。
【0033】図5において符号80は電解槽で、この電解
槽80は断面が略円形の処理槽81とその両側のオーバーフ
ロー槽82、82とで構成され、そして処理槽81の底部には
中性塩水溶液22が供給される給液口83が形成され、オー
バーフロー槽82、82の底部には中性塩水溶液22が排出さ
れる廃液口84、84が形成されている。
槽80は断面が略円形の処理槽81とその両側のオーバーフ
ロー槽82、82とで構成され、そして処理槽81の底部には
中性塩水溶液22が供給される給液口83が形成され、オー
バーフロー槽82、82の底部には中性塩水溶液22が排出さ
れる廃液口84、84が形成されている。
【0034】処理槽81には、回転自在に円柱状をしたゴ
ムロール90が設けられ、このゴムロール90の周面中央部
の円周方向にはアルミニウム板60に通電させるための金
属部91が設けられている。そして、この金属部91は給電
ブラシ(図示せず)、スリップリング(図示せず)及び
ロール軸部(図示せず)を介して連続直流電源(図示せ
ず)に接続されている。
ムロール90が設けられ、このゴムロール90の周面中央部
の円周方向にはアルミニウム板60に通電させるための金
属部91が設けられている。そして、この金属部91は給電
ブラシ(図示せず)、スリップリング(図示せず)及び
ロール軸部(図示せず)を介して連続直流電源(図示せ
ず)に接続されている。
【0035】また、処理槽81の内面両側にはそれぞれ4
個の陰極23…23が一定間隔で設けられており、上端及び
下端陰極23、23の上方及び下方にはエッジ部分の電流の
流れ方を規制するパーテーションウォール100…100が設
けられている。
個の陰極23…23が一定間隔で設けられており、上端及び
下端陰極23、23の上方及び下方にはエッジ部分の電流の
流れ方を規制するパーテーションウォール100…100が設
けられている。
【0036】以上のような印刷板用支持体の製造装置で
支持体を製造するには、アルミニウム板60を金属部91に
接触させた状態でゴムロール90に巻回し、ゴムロール90
の回転により走行させるとともに、図6に示す連続直流
電圧を供給する。すると、アルミニウム板60にはパルス
状の電位が供給され、横シマが発生することなく均一か
つ深いピットが形成される。
支持体を製造するには、アルミニウム板60を金属部91に
接触させた状態でゴムロール90に巻回し、ゴムロール90
の回転により走行させるとともに、図6に示す連続直流
電圧を供給する。すると、アルミニウム板60にはパルス
状の電位が供給され、横シマが発生することなく均一か
つ深いピットが形成される。
【0037】図7も連続直流電圧を用いる平版印刷版用
支持体の製造方法を実施する支持体製造装置の一例の概
略図である。
支持体の製造方法を実施する支持体製造装置の一例の概
略図である。
【0038】図7に示す製造装置において、電解槽80は
中性塩水溶液21が貯留されており、両端に陽極13及び33
が配置されるとともに、中央に多数の陰極23…23が一定
間隔で配置され、この各陰極23の間及び両側にはパーテ
ーションウォール100…100が配置されている。そして、
陰極23は連続直流電源40を介して陽極13及び33に接続さ
れ、また陽極33への電流はGTO41などの点孤タイミン
グにより調整することができる。さらに、パスロール7
0、…70が電解槽の両端の中性塩水溶液21中及びその上
方に配置され、アルミニウム板60の走行路が形成されて
いる。
中性塩水溶液21が貯留されており、両端に陽極13及び33
が配置されるとともに、中央に多数の陰極23…23が一定
間隔で配置され、この各陰極23の間及び両側にはパーテ
ーションウォール100…100が配置されている。そして、
陰極23は連続直流電源40を介して陽極13及び33に接続さ
れ、また陽極33への電流はGTO41などの点孤タイミン
グにより調整することができる。さらに、パスロール7
0、…70が電解槽の両端の中性塩水溶液21中及びその上
方に配置され、アルミニウム板60の走行路が形成されて
いる。
【0039】以上のような印刷版用支持体の製造装置で
支持体を製造するには、中性塩水溶液21に直流電源40で
連続直流電圧を供給するとともに、アルミニウム板60を
走行させる(図中、右方向)。するとアルミニウム板60
は、まず陰極として電解処理され、表面が洗浄される。
次に、アルミニウム板60が陽極になり所定粗さの粗面化
処理がなされ、横シマが発生することなく均一かつ深い
ピットが形成される。そして再び陰極として電解処理さ
れ、表面が洗浄される。
支持体を製造するには、中性塩水溶液21に直流電源40で
連続直流電圧を供給するとともに、アルミニウム板60を
走行させる(図中、右方向)。するとアルミニウム板60
は、まず陰極として電解処理され、表面が洗浄される。
次に、アルミニウム板60が陽極になり所定粗さの粗面化
処理がなされ、横シマが発生することなく均一かつ深い
ピットが形成される。そして再び陰極として電解処理さ
れ、表面が洗浄される。
【0040】図8も連続直流電圧を用いる平版印刷版用
支持体の製造方法を実施する支持体製造装置の他の例の
概略図である。
支持体の製造方法を実施する支持体製造装置の他の例の
概略図である。
【0041】図8に示す製造装置は、1個の長い陰極23
が配置され、この陰極23の上部に一定間隔で多数のスリ
ット111が穿設されたスリット板110がパーティションウ
ォールの機能を兼ねて設けられている。その他の点は図
7に図示した実施例と同一である。
が配置され、この陰極23の上部に一定間隔で多数のスリ
ット111が穿設されたスリット板110がパーティションウ
ォールの機能を兼ねて設けられている。その他の点は図
7に図示した実施例と同一である。
【0042】実施例1 まず、JIS 1050−H18アルミニウム板を苛性ソーダ水溶
液で洗浄した後水洗した。次に、硝酸イオン濃度120g/
lを含む硝酸ナトリウム水溶液中で、アルミニウム板に
1Hzデューティー比1:1の直流パルスを加え粗面化
処理をおこなった。そして、この粗面化処理されたアル
ミニウム板を、60℃の硫酸水溶液300g/lに20秒間浸漬
した後水洗し、電解粗面化処理で生成した水酸化アルミ
ニウムを除去した。
液で洗浄した後水洗した。次に、硝酸イオン濃度120g/
lを含む硝酸ナトリウム水溶液中で、アルミニウム板に
1Hzデューティー比1:1の直流パルスを加え粗面化
処理をおこなった。そして、この粗面化処理されたアル
ミニウム板を、60℃の硫酸水溶液300g/lに20秒間浸漬
した後水洗し、電解粗面化処理で生成した水酸化アルミ
ニウムを除去した。
【0043】従来例1 1Hzの交流矩形波を用いた他は、実施例1と同様に行
った。
った。
【0044】従来例2 連続直流を用いた他は、実施例1と同様に行った。以上
の実施例1、従来例1及び2で得られたアルミニウム板
の粗面を走査型電子顕微鏡で観察した。観察結果を表1
に示す。
の実施例1、従来例1及び2で得られたアルミニウム板
の粗面を走査型電子顕微鏡で観察した。観察結果を表1
に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、実施例1が従来
例より均一な粗面となっており、このときの平均ピット
径は約5μmであり、平らな部分に均一なピットを有す
る表面であった。
例より均一な粗面となっており、このときの平均ピット
径は約5μmであり、平らな部分に均一なピットを有す
る表面であった。
【0047】実施例2 JIS 1050アルミニウム板を連続的に苛性ソーダ5%水溶
液中へ浸漬して洗浄した後に水洗した。更に、硫酸25%
水溶液中へ浸漬したあとに水洗した。このアルミニウム
板を図4に示す装置を使って1Hz矩形波のパルス直流電
圧を出力する電源装置を用いてアルミニウム板に加わる
電気量が600C/dm2になるようにアルミニウム板の移動速
度を調整した。電流密度は、矩形波のパルス電流波形の
最大値で80A/dm2であった。電解槽に満たされている水
溶液は硝酸イオン濃度が80g/lとなるように調整された
硝酸ナトリウム水溶液で45℃であった。
液中へ浸漬して洗浄した後に水洗した。更に、硫酸25%
水溶液中へ浸漬したあとに水洗した。このアルミニウム
板を図4に示す装置を使って1Hz矩形波のパルス直流電
圧を出力する電源装置を用いてアルミニウム板に加わる
電気量が600C/dm2になるようにアルミニウム板の移動速
度を調整した。電流密度は、矩形波のパルス電流波形の
最大値で80A/dm2であった。電解槽に満たされている水
溶液は硝酸イオン濃度が80g/lとなるように調整された
硝酸ナトリウム水溶液で45℃であった。
【0048】このアルミニウム板の表面を観察したとこ
ろ、アルミニウム板の進行方向と垂直に1Hz周期に対応
する横縞状の処理ムラが生じていた。
ろ、アルミニウム板の進行方向と垂直に1Hz周期に対応
する横縞状の処理ムラが生じていた。
【0049】この粗面化処理されたアルミニウム板を60
℃の硫酸水溶液300g/lに20秒間浸漬した後水洗いし、電
解粗面化処理で生成した水酸化アルミニウムを除去し
た。走査型電子顕微鏡で1000倍程度まで拡大して観察す
るとハニカムピットが生成していた。
℃の硫酸水溶液300g/lに20秒間浸漬した後水洗いし、電
解粗面化処理で生成した水酸化アルミニウムを除去し
た。走査型電子顕微鏡で1000倍程度まで拡大して観察す
るとハニカムピットが生成していた。
【0050】実施例3 JIS 1050アルミニウム板を苛性ソーダ5%水溶液中へ浸
漬して洗浄した後に水洗した。更に、硫酸25%水溶液中
へ浸漬したあとに水洗した。このアルミニウム板を図5
に示す装置にセットしてアルミニウム板に加わる電位の
周期が0.5Hzとなるように、1秒間に0.25回転するよう
にロールを回転させた。このときの直流電流密度は、10
0A/dm2の連続直流であった。ロールは、アルミニウム板
に加わる電気量が600C/dm2となるまで回転させた。電解
槽に満たされている水溶液は、硝酸イオン濃度が80g/l
となるように調整された硝酸ナトリウム水溶液で45℃で
あった。
漬して洗浄した後に水洗した。更に、硫酸25%水溶液中
へ浸漬したあとに水洗した。このアルミニウム板を図5
に示す装置にセットしてアルミニウム板に加わる電位の
周期が0.5Hzとなるように、1秒間に0.25回転するよう
にロールを回転させた。このときの直流電流密度は、10
0A/dm2の連続直流であった。ロールは、アルミニウム板
に加わる電気量が600C/dm2となるまで回転させた。電解
槽に満たされている水溶液は、硝酸イオン濃度が80g/l
となるように調整された硝酸ナトリウム水溶液で45℃で
あった。
【0051】この粗面化処理されたアルミニウム板を60
℃の硫酸水溶液300g/lに20秒間浸漬した後水洗いし、電
解粗面化処理で生成した水酸化アルミニウムを除去し
た。このアルミニウム板の表面を観察したところ粗面化
がなされており、走査型電子顕微鏡で1000倍程度まで拡
大して観察するとハニカムピットが生成していた。以上
の実施例2及び3を比較した結果を表2に示す。
℃の硫酸水溶液300g/lに20秒間浸漬した後水洗いし、電
解粗面化処理で生成した水酸化アルミニウムを除去し
た。このアルミニウム板の表面を観察したところ粗面化
がなされており、走査型電子顕微鏡で1000倍程度まで拡
大して観察するとハニカムピットが生成していた。以上
の実施例2及び3を比較した結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】実施例4 JIS 1050アルミニウム板を苛性ソーダ5%水溶液中へ浸
漬して洗浄した後に水洗した。更に、硫酸25%水溶液中
へ浸漬したあとに水洗した。このアルミニウム板を図5
に示す装置にセットしてアルミニウム板を加わる電位の
周期が0.5Hz、1Hz、2Hzとなるようにロールを回転さ
せた。また、アルミニウム板に加わる電位のDUTY比を電
極の長さを変えて1:1、1:3と変化させた。さら
に、パーテーションウォールの有無で実施した。パーテ
ーションウォールは電極の前後に取り付けた。
漬して洗浄した後に水洗した。更に、硫酸25%水溶液中
へ浸漬したあとに水洗した。このアルミニウム板を図5
に示す装置にセットしてアルミニウム板を加わる電位の
周期が0.5Hz、1Hz、2Hzとなるようにロールを回転さ
せた。また、アルミニウム板に加わる電位のDUTY比を電
極の長さを変えて1:1、1:3と変化させた。さら
に、パーテーションウォールの有無で実施した。パーテ
ーションウォールは電極の前後に取り付けた。
【0054】このときの直流電流密度は100A/dm2の連続
直流であった。ロールは、アルミニウム板に加わる電気
量が600C/dm2となるまで回転させた。電解槽に満たされ
ている水溶液は硝酸イオン濃度が80g/lとなるように調
整された硝酸ナトリウム水溶液45℃であった。
直流であった。ロールは、アルミニウム板に加わる電気
量が600C/dm2となるまで回転させた。電解槽に満たされ
ている水溶液は硝酸イオン濃度が80g/lとなるように調
整された硝酸ナトリウム水溶液45℃であった。
【0055】この粗面化処理されたアルミニウム板を60
℃の硫酸水溶液300g/lに20秒間浸漬した後水洗いし、電
解粗面化処理で生成した水酸化アルミニウムを除去し
た。このアルミニウム板の表面の白色に粗面化された部
分を走査型顕微鏡で観察した。結果を表3に示す。
℃の硫酸水溶液300g/lに20秒間浸漬した後水洗いし、電
解粗面化処理で生成した水酸化アルミニウムを除去し
た。このアルミニウム板の表面の白色に粗面化された部
分を走査型顕微鏡で観察した。結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明は、パルス状の電位を与えること
により、均一かつ深いピットを形成することができるの
で、印刷版用支持体として極めて好適な粗面を得ること
ができる。
により、均一かつ深いピットを形成することができるの
で、印刷版用支持体として極めて好適な粗面を得ること
ができる。
【図1】平版印刷版用支持体の製造方法を実施する支持
体製造装置の概略図。
体製造装置の概略図。
【図2】平版印刷版用支持体の製造方法において用いる
パルス化された直流電圧の一実施例の波形図。
パルス化された直流電圧の一実施例の波形図。
【図3】平版印刷版用支持体の製造方法において用いる
パルス化された直流電圧の他の実施例の波形図。
パルス化された直流電圧の他の実施例の波形図。
【図4】平版印刷版用支持体の製造方法を実施する他の
支持体製造装置の概略図。
支持体製造装置の概略図。
【図5】平版印刷版用支持体の製造方法を実施する他の
支持体製造装置の概略図。
支持体製造装置の概略図。
【図6】平版印刷版用支持体の製造方法において用いる
連続直流電圧の一実施例の波形図。
連続直流電圧の一実施例の波形図。
【図7】平版印刷版用支持体の製造方法を実施する他の
支持体製造装置の概略図。
支持体製造装置の概略図。
【図8】平版印刷版用支持体の製造方法を実施する他の
支持体製造装置の概略図。
支持体製造装置の概略図。
10…陰極電解処理部 20…粗面化処理部 30…陽極電解処理部 12、22、32…中性塩水溶液 13、33…陽極 23…陰極 40…連続直流電源 60…アルミニウム板 80…電解槽 90…給電用ゴムロール 100…パーテーションウォール 110…スリット板
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 中性塩水溶液中でパルス状の電位を与え
て陽極としたアルミニウム板を電気化学的に粗面化する
ことを特徴する平版印刷版用支持体の製造方法 【請求項2】 アルミニウム板の搬送方向に沿って複数
の陰極面を一定間隔で設け、アルミニウム板と複数の陰
極面との間に連続直流電圧を印加しつつアルミニウム板
を走行させてパルス状の電位を与える請求項1に記載の
平版印刷版用支持体の製造方法 【請求項3】 複数の陰極を所定間隔で設け、かつパー
テーションウォールを陰極間に設けるとともに両端の陰
極の外側にも設けることにより、複数の陰極面を一定間
隔で設けた請求項2に記載の平版印刷版用支持体の製造
方法
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3253205A JP2759388B2 (ja) | 1991-01-23 | 1991-10-01 | 印刷版用支持体の製造方法 |
US07/824,531 US5213666A (en) | 1991-01-23 | 1992-01-23 | Method of preparing support for printing plate |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-6506 | 1991-01-23 | ||
JP650691 | 1991-01-23 | ||
JP3253205A JP2759388B2 (ja) | 1991-01-23 | 1991-10-01 | 印刷版用支持体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05587A true JPH05587A (ja) | 1993-01-08 |
JP2759388B2 JP2759388B2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=26340668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3253205A Expired - Fee Related JP2759388B2 (ja) | 1991-01-23 | 1991-10-01 | 印刷版用支持体の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5213666A (ja) |
JP (1) | JP2759388B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9326150D0 (en) * | 1993-12-22 | 1994-02-23 | Alcan Int Ltd | Electrochemical roughening method |
CN107164800A (zh) * | 2017-05-11 | 2017-09-15 | 沈阳航空航天大学 | 一种铝板毛化表面的制备方法及其应用 |
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JPS5226904A (en) * | 1975-08-25 | 1977-02-28 | Hoechst Ag | Method of making lithographic press plate made of aluminium by electrochemically roughening surface |
JPH021391A (ja) * | 1988-06-07 | 1990-01-05 | Fuji Photo Film Co Ltd | 印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 |
JPH02165995A (ja) * | 1988-12-20 | 1990-06-26 | Okamoto Kagaku Kogyo Kk | 平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5628893A (en) * | 1979-08-16 | 1981-03-23 | Fuji Photo Film Co Ltd | Carrier for lithography plate and manufacture of said carrier |
JPS5629699A (en) * | 1979-08-15 | 1981-03-25 | Fuji Photo Film Co Ltd | Surface roughening method by electrolysis |
DE3217552A1 (de) * | 1982-05-10 | 1983-11-10 | Hoechst Ag, 6230 Frankfurt | Verfahren zur elektrochemischen aufrauhung von aluminium fuer druckplattentraeger |
JPS59227494A (ja) * | 1983-06-09 | 1984-12-20 | Fuji Photo Film Co Ltd | 平版印刷版用支持体の製造方法 |
JPS6068997A (ja) * | 1983-09-27 | 1985-04-19 | Fuji Photo Film Co Ltd | 平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 |
GB2160222B (en) * | 1984-04-02 | 1988-08-17 | Fuji Photo Film Co Ltd | Lithographic support and process of preparing the same |
JPH0620029B2 (ja) * | 1984-08-30 | 1994-03-16 | 松下電器産業株式会社 | アルミニウム電解コンデンサ用電極箔のエツチング方法 |
US4588486A (en) * | 1985-04-19 | 1986-05-13 | Sprague Electric Company | Etching of aluminum capacitor foil |
DE3715791A1 (de) * | 1987-05-12 | 1988-11-24 | Hoechst Ag | Druckplattentraeger sowie verfahren und vorrichtung zu dessen herstellung |
JPH0798430B2 (ja) * | 1988-03-31 | 1995-10-25 | 富士写真フイルム株式会社 | 印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 |
JP2660581B2 (ja) * | 1989-08-21 | 1997-10-08 | 富士写真フイルム株式会社 | 印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 |
-
1991
- 1991-10-01 JP JP3253205A patent/JP2759388B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1992
- 1992-01-23 US US07/824,531 patent/US5213666A/en not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5226904A (en) * | 1975-08-25 | 1977-02-28 | Hoechst Ag | Method of making lithographic press plate made of aluminium by electrochemically roughening surface |
JPH021391A (ja) * | 1988-06-07 | 1990-01-05 | Fuji Photo Film Co Ltd | 印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 |
JPH02165995A (ja) * | 1988-12-20 | 1990-06-26 | Okamoto Kagaku Kogyo Kk | 平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5213666A (en) | 1993-05-25 |
JP2759388B2 (ja) | 1998-05-28 |
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