JPH0558374A - センタープル式キヤリパーブレーキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 センタープル式キャリパーブレーキにおい
て、ブレーキワイヤとブレーキアームの連結が操作容易
にできるようにし、しかも、一対のブレーキアームが精
度よく連動作動するようにする。 【構成】 一方のブレーキアーム１の操作部１ａに、ブ
レーキワイヤ５を連結するようにワイヤ連結部６を備
え、他方のブレーキアーム２の操作部２ａを連結部材７
によってブレーキワイヤ５の途中箇所に連結するように
構成してある。連結部材７のブレーキワイヤへの連結部
７ｂにブレーキワイヤ５を掛止させるだけで容易に連結
部材７とブレーキワイヤ５の連結ができるように、連結
部７ｂをワイヤ掛止式に構成してある。ブレーキワイヤ
５が引張り操作状態になって、連結部材７の連結部７ｂ
をブレーキアーム１の方に移動させる方向の操作力が発
生しても、連結部７ｂがブレーキアーム１の方に設定間
隔以上に接近移動しないように、連結部７ｂとブレーキ
アーム１の操作部１ａと間隔Ｌ１を設定間隔に規制する
規制具８を備えてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、センタープル式キャリ
パーブレーキに関する。

【０００２】

【従来の技術】センタープル式キャリパーブレーキにお
いて、従来、例えば実開平３−６４１９３号公報に示さ
れるように、一対のブレーキアームの一方の操作部に一
端側を連結し、他方のブレーキアームの操作部に他端側
を連結することによって、一対のブレーキアームを連動
操作可能に連結する連結部材を備え、そして、ブレーキ
レバーに操作自在に連動されるブレーキワイヤを、前記
連結部材のうちの一方のブレーキアームに対する連結箇
所と、他方のブレーキアームに対する連結箇所との中間
箇所に連結するようになっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来、ブレーキレバー
に対する連結をするに当たり、連結部材はその機能上、
空中に位置して人為支持しない限りは安定しない状態の
ものであることに起因し、このことにもかかわらず連結
ねじ等の連結具の作用操作が所望どおりできるように、
連結部材や連結具の支持を可能にするためのものと、連
結具の回動操作等の作用操作を可能にするためのものと
の一対の工具を使用しながら、ブレーキワイヤと連結部
材との連結操作をせねばならず、連結作業がしにくいと
共に、作業能率が悪くなっていた。本発明の目的は、ブ
レーキレバーへの連結が容易かつ迅速にでき、しかも、
両ブレーキアームの連動操作が精度よくできるセンター
プル式キャリパーブレーキを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明によるセンタープ
ル式キャリパーブレーキにあっては、目的達成のため
に、一対のブレーキアームの一方のブレーキアームの操
作部に、ブレーキレバーによって操作されるブレーキワ
イヤを連結するワイヤ連結部を備え、一対の前記ブレー
キアームの他方のブレーキアームの操作部に一端側を連
結し、前記ブレーキワイヤの途中箇所に他端側をワイヤ
掛止式連結部で連結することによって、他方の前記ブレ
ーキアームを前記ブレーキワイヤに連動させる連結部材
を備え、前記ブレーキワイヤの前記連結部材に対する連
結箇所と、一方の前記ブレーキアームの前記操作部に対
する連結箇所との間隔が、前記ブレーキワイヤの引張り
操作状態で設定間隔になる状態に、前記間隔を規制する
規制具を備えてあることを特徴とする。その作用、効果
は次のとおりである。

【０００５】

【作用】連結部材のブレーキワイヤに対する連結箇所
と、他方のブレーキアームの操作部に対する連結箇所と
の間隔に等しいまたはほぼ等しい間隔を前記設定間隔と
して設定する。すると、ブレーキワイヤを一方のブレー
キアームの操作部に連結すると共に、一端側を他方のブ
レーキアームに連結した連結部材の他端側をブレーキワ
イヤに掛止させるだけで、ブレーキレバー操作をするに
伴い、レバー操作力がブレーキワイヤと連結部材によ
り、一方のブレーキアームと他方のブレーキアームとに
分岐して伝達し、両ブレーキアームが入り作動する。そ
してこの時、ブレーキワイヤの前記間隔を前記設定間隔
に規制する規制具の作用により、操作力分岐箇所から一
方のブレーキアームの操作部までの間隔と、他方のブレ
ーキアームの操作部までの間隔が等しくまたはほぼ等し
い間隔に確実に維持し、いずれものブレーキアームが同
時またはほぼ同時に確実に作動する精度のよい連動状態
でブレーキアームが入り作動するようにできる。

【０００６】

【発明の効果】連結部材にブレーキワイヤを係止させる
だけで容易かつ迅速にブレーキワイヤと連結部材が連結
し、ブレーキアームは車体に取付けられることから、ブ
レーキアームを車体により支持させながらブレーキワイ
ヤを比較的容易かつ迅速に連結し、ブレーキアームをブ
レーキレバーに比較的楽にかつ作業能率のよい状態で連
結できるようになった。しかも、連結部材のブレーキワ
イヤとの摩擦や引掛かりだけで連結部材のずれ動きを防
止して、間隔変化を防止するよう構成するに比し、規制
具のために間隔規制が確実に行われて、いずれものブレ
ーキアームが同時に確実に連動作動し、いずれか一方の
ブレーキアームのみが制動作用するとか、一方のブレー
キアームによる制動力が他方のブレーキアームによる制
動力より強くなる片ぎきが発生しにくいように精度のよ
いものにできた。

【０００７】

【実施例】図１に示すように、一対のブレーキアーム
１，２の夫々にブレーキシュー３または４を備え、一方
のブレーキアーム１にこれとの一体部品に形成して備え
てある操作部１ａに、ブレーキワイヤ５の連結をするワ
イヤ連結部６を備えさせると共に、他方のブレーキアー
ム２にこれとの一体部品に形成して備えてある操作部２
ａを、連結部材７によってブレーキワイヤ５に連結する
ように構成してある。そして、ブレーキアーム１と２の
連動作動の精度アップを図る規制具８をブレーキアーム
１と連結部材７との間に装着するように構成し、もっ
て、ブレーキレバー９に操作可能に連動されたブレーキ
ワイヤ５に、直接にブレーキアーム１の操作部１ａを、
連結部材７を介してブレーキアーム２の操作部２ａをそ
れぞれ連結し、ブレーキレバー９によるブレーキワイヤ
５の引張り、緩め操作によってブレーキアーム１，２の
入り切り操作をするように、自転車用のセンタープル式
キャリパーブレーキを構成してある。詳しくはつぎの如
く構成してある。いずれものブレーキアーム１，２は、
一端側に付設してある取付けねじ１０または１１により
車体フレーム（図示せず）に取付けるように構成し、か
つ、この取付け状態においては、取付けねじ１０または
１１の軸芯周りで揺動して、ブレーキシュー３または４
が車輪リム１２に接触するブレーキ入り状態と、車輪リ
ム１２から離れるブレーキ切り状態とに切換わると共
に、ケース１３または１４に内装のリターンスプリング
（図示せず）の作用によってブレーキ切り状態に自動復
帰するように構成してある。ワイヤ連結部６を構成する
に、図３に示すように、ワイヤ挟持具６ａを締付けねじ
６ｂにより操作部１ａに締付けて、操作部１ａとワイヤ
挟持具６ａとでブレーキワイヤ５の一端側を挟持するこ
とにより、ブレーキワイヤ５を操作部１ａに連結するよ
うにしてある。

【０００８】連結部材７は、仕様表示部材１５を備える
連結ワイヤ７ａと、この連結ワイヤ７ａの一端側に連結
した円板状部材７ｂとで作成してある。そして、連結ワ
イヤ７ａの円板状部材７ｂとは反対側の端部を、ワイヤ
エンド（図示せず）の利用によってブレーキアーム２の
操作部２ａに連結できるように構成すると共に、円板状
部材７ｂでブレーキワイヤ５の途中箇所に対する連結部
を形成することにより、連結部材７の一端側のブレーキ
アーム２の操作部２ａに対する連結が可能で、かつ、他
端側のブレーキワイヤ５の途中箇所に対する連結が可能
で、連結部材７によるブレーキワイヤ５の途中箇所と操
作部２ａとの連結が可能になるようにしてある。連結部
材７のブレーキワイヤ５に対する連結部７ｂを構成する
に、図１および図２に示すように、ブレーキワイヤ５を
第１ワイヤ挿通孔１６と、規制具取付け孔に兼用の第２
ワイヤ挿通孔１７とに挿通させることにより、ブレーキ
ワイヤ５と円板状部材とが連結部材７の長手方向に掛止
するところの連結状態になるように、ワイヤ掛止式に構
成してある。すなわち、ブレーキワイヤ５の挿通操作を
するだけで操作簡単に連結状態が得られるようにしてあ
る。規制具８を、図１に示す如くブレーキワイヤ５が摺
動可能に挿通するように形成し、かつ、一端側が円板状
部材７ｂの第２ワイヤ挿通孔１７に挿入したパイプ体で
作成することにより、さらに、ブレーキワイヤ５の連結
部材７が連結する箇所Ｗと、ブレーキアーム２の操作部
２ａの連結部材７が連結する箇所Ｂとの間隔Ｌ２の長
さ、および、第２ワイヤ挿通孔１７の深さ等を考慮し
て、規制具８の長さを適正長さにすることにより、ブレ
ーキ入り操作のためにブレーキワイヤ５が引張り操作状
態になり、ブレーキワイヤ５が円板状部材７ｂのワイヤ
ガイド溝１８の内部で屈曲したり、ワイヤ挿通孔１６，
１７に挿通して円板状部材７ｂに掛止していることに起
因して、ワイヤ張力のために円板状部材７ｂをブレーキ
アーム１の側に移動させる方向の操作力が発生するにも
かかわらず、かつ、連結部材７とブレーキワイヤ５の連
結が連結部材７のワイヤ５に対する摺動の可能な連結で
あるにもかかわらず、ブレーキワイヤ５における前記連
結箇所Ｗと、ブレーキアーム１の操作部１ａに対する連
結箇所Ａとの間隔Ｌ１がブレーキアーム２側の前記間隔
Ｌ２と同一またはほぼ同一に設定の設定間隔になり、ブ
レーキアーム１と２が同時に同一制動力のブレーキ入り
になる連動状態で作動するように、規制具８が前記間隔
Ｌ１の規制をするように構成してある。すなわち、ブレ
ーキワイヤ５が引張り操作状態になった際には、ブレー
キワイヤ５の張力による円板状部材７ｂのブレーキアー
ム１側への移動操作に起因して、規制具８の一端側が、
図２に示す如く円板状部材７ｂへの連結によって連結部
材７に突張り作用すると共に、規制具８の他端側が、図
３に示す如くブレーキアーム１の操作部１ａの側面に接
当することによってブレーキアーム１に突張り作用し、
規制具８がブレーキアーム２を反力部として円板状部材
７ｂを前記間隔Ｌ１以上に操作部２ａに接近しないよう
に突張り支持するのである。また、この実施構成のブレ
ーキにあっては、ブレーキワイヤ５が切断しても、ブレ
ーキワイヤ５や連結部材７がタイヤにのって巻付くトラ
ブルが発生しにくくなる。すなわち、ブレーキワイヤ５
が切断すると、ブレーキアーム１および２がリターンス
プリングの作用で車体外側に揺動作動し、このアーム揺
動によりブレーキアーム１に付着残在するブレーキワイ
ヤ部分が規制具８から抜け外れて車輪の横外側に放出さ
れ、連結部材７や規制具８がブレーキアーム２に付いて
車輪の横外側に放出されるのである。

【０００９】いずれものブレーキシュー３，４は、取付
け具１９または２０の締付け、およおび締付け解除操作
と、ブレーキシュー３，４の摺動操作とをすることによ
って、ブレーキアーム１または２に対して取付け位置調
節できるように構成してある。すなわち、ブレーキレバ
ー９をブレーキ入り側に操作した状態で、前記連結箇所
Ｗが車輪リム１２の左右方向での中心線Ｃ上に位置する
ように、ブレーキシュー３および４のブレーキアーム１
または２に対する取付け位置を調節することにより、一
対のブレーキアーム１，２が同時に同一制動力の入り状
態になるところの適正連動状態になるのである。

【００１０】〔別実施例〕連結部材としては、上記実施
例の如きワイヤ式を採用する他、ロッドで成る等の各種
形式のものを採用して実施してもよい。連結部材のブレ
ーキワイヤ５に対する連結部としては、フック式やリン
グ式を採用してもよい。すなわち、ブレーキワイヤとの
掛止操作をするだけで連結できる形式のものであればよ
く、これらをワイヤ掛止式連結部７ｂと総称する。規制
具としては、ブレーキワイヤ５と平行して連結部材とブ
レーキアームの間に位置する棒状部材を採用したり、連
結部材やブレーキアームに対して接当や係止あるいは連
結によって突張り作用する構成のものを採用して実施し
てもよい。

【００１１】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】キャリパーブレーキの正面図

【図２】連結部材のワイヤ連結部の断面図

【図３】ブレーキアームの背面図

【符号の説明】

１，２ ブレーキアーム １ａ，２ａ 操作部 ５ ブレーキワイヤ ６ ワイヤ連結部 ７ 連結部材 ７ｂ ワイヤ掛止式連結部 ８ 規制具 ９ ブレーキレバー Ａ，Ｗ 連結箇所 Ｌ１ 間隔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対のブレーキアーム（１),（２）の一
   方のブレーキアーム（１）の操作部（１ａ）に、ブレー
   キレバー（９）によって操作されるブレーキワイヤ
   （５）を連結するワイヤ連結部（６）を備え、 一対の前記ブレーキアーム（１),（２）の他方のブレー
   キアーム（２）の操作部（２ａ）に一端側を連結し、前
   記ブレーキワイヤ（５）の途中箇所に他端側をワイヤ掛
   止式連結部（７ｂ）で連結することによって、他方の前
   記ブレーキアーム（２）を前記ブレーキワイヤ（５）に
   連動させる連結部材（７）を備え、 前記ブレーキワイヤ（５）の前記連結部材（７）に対す
   る連結箇所（Ｗ）と、一方の前記ブレーキアーム（１）
   の前記操作部（１ａ）に対する連結箇所（Ａ）との間隔
   （Ｌ１）が、前記ブレーキワイヤ（５）の引張り操作状
   態で設定間隔になる状態に、前記間隔（Ｌ１）を規制す
   る規制具（８）を備えてあるセンタープル式キャリパー
   ブレーキ。