JPH0557688B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車等のドアロツクにおいて、各
種の回動部材の少なくとも一つの位置を検知する
スイツチ装置に関するものである。

〔従来の技術〕

近年、車両ドアを閉じたときに、電動モータが
自動的に作動して、シートベルトを移動させ、こ
れによつて搭乗者を座席に拘束する、いわゆるパ
ツシブ方式のシートベルト装置が提供されてい
る。

このようなシートベルト装置においては、ドア
の開閉を電気的に検知する検知装置が必要であ
り、このために、従来、ドアと係合して作動する
ドア開閉検知スイツチを車両ボデイに取付けたも
のや、ドアロツク装置に検知スイツチを設けたも
のが知られている。

後者のものとしては、例えば実公昭61−22011
号公報に開示されている検知スイツチがある。

これは、第４図に示すように、車体側のストラ
イカ（図示略）と係脱するラツチ部材Ｌの上方
に、検知スイツチＳを設け、これより突出してい
る上下動可能な電気接点切換用突子Ａが、ラツチ
部材Ｌの外周カム面と摺接して、ドアの開閉を検
知しうるようになつている。

また、特公昭61−49471号公報において、従来
技術として記載されている検知スイツチは、ラツ
チ部材の回転軸と同軸方向にロータリスイツチを
設け、ラツチ部材が回動すると、ロータリスイツ
チが作動して、ドアの開閉を検知するものであ
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述の車両ボデイに検知スイツチを取付けたも
のでは、車両が衝突して、ドアまたはボデイが変
形すると、スイツチの誤作動により、シートベル
トが自動的に搭乗者から外れて、本来の機能を損
なうおそれがある。

第４図に示す、ラツチ部材の外周カム面に、検
知スイツチＳの電気接点切換用突子Ａが摺接する
ものでは、カム面に対する切換用突子の追従性を
良くするために設けられている検知スイツチ内の
スプリング（図示略）、または突子自身が、寒冷
地での使用時における凍結や、又は粉塵等の異物
の侵入などにより、突子の円滑な上下動がなされ
ず、ラツチ部材の外周カム面との追従性が悪くな
つて、シートベルト装置を誤作動させるおそれが
あつた。

また、ラツチ部材の回転軸と同軸方向にロータ
リスイツチを設けたものでは、ドアロツクの厚さ
が厚くなつて、必然的にドアの厚さも厚くなるう
え、ロータリスイツチがドアロツクの外に設けら
れていたので、防水、防塵の面でも問題があつ
た。

本発明は、上記問題点を解決するために開発さ
れたもので、従来のドアロツクを厚型にすること
なく容易に適用し得るとともに、誤作動がなく、
信頼性の高い検知スイツチ装置の提供を目的とし
ている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点に解決するための具体的手段は、ボ
デイに軸着され、かつドアの施解錠操作等を行な
う各種の回動部材を備えるドアロツクにおいて、
前記ボデイにおける前記回動部材のいずれかの軸
の一側方に、回転軸が予め定めた角度だけ回転す
ることにより接点が開閉するようにしたロータリ
スイツチを、前記回転軸が回動部材の軸とほぼ平
行をなすようにして装着し、かつ前記回転軸と回
動部材とを、回動部材のいずれの方向への回動に
も回転力を回転軸に直接的に伝え、回転軸を同期
して回動させる連係手段を介して互いに連結した
ことを特徴とするものである。

〔作用〕

ドアロツクに具備された回動部材がいずれの方
向に回動する場合でも、これに連係手段を介して
連結されたロータリスイツチの回転軸は、常に強
制的にいずれの方向にも、回転させられるので、
たとえロータリスイツチが凍結したとしても、そ
の凍結をドアの開閉力等により強制的に解除する
ことができる。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を、図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図は、本発明の検知スイツチ装
置を適用したドアロツクのラツチ側の正面図であ
る。

ドアロツク１の後面には、ベースプレート２の
後面に配置された公知の施解錠機構（図示略）が
設けられており、ベースプレート２の前面には、
硬質合成樹脂により成形された前方に開口する箱
状のボデイ３が固着されている。

このボデイ３には、取付時において前面を隠蔽
するカバープレート（図示略）が被着される。

ボデイ３の中間部には、車体側に固着されたス
トライカ８が進入するための案内溝３ａが横方向
に形成され、この案内溝３ａの上方に位置する軸
４をもつて、二股状のラツチ部材５が枢着されて
いる。

ラツチ部材５の左右の足片５ａ，５ｂの先端
は、軸４の中心よりほぼ等距離にあり、右方の足
片５ｂはフルラツチ爪を、また左方の足片５ａは
ハーフラツチ爪を形成し、ラツチ部材５が軸４を
中心として図示２点鎖線のように回動したとき、
足片５ｂは、案内溝３ａ上方のボデイ３の適所に
設けられたストツパ６に当接し、ストライカ８の
進入が可能となる。

案内溝３ａの下方には、ベースプレート２を貫
通して後面の施解錠機構側に突出するポール７が
枢支され、このポール７には、ほぼ半月形の爪部
材７ａが一体的に固着されている。

施解錠機構側に突出するポール７には、図示し
ないオープンレバーが枢着され、従つて、爪部材
７ａは、オープンレバーと連動して回動し、ラツ
チ部材５の回動を拘束する係止部材の作用をなし
ている。

ドアが閉じられると、ストライカ８は、図示２
点鎖線のように、ラツチ部材５の両足片５ａ，５
ｂ間に完全に係合して案内溝３ａの奥部に保持さ
れ、このとき、右方の足片５ｂの先端部は爪部材
７ａと係合して、第１図における反時計方向への
ラツチ部材５の回動が阻止され、ラツチ部材５は
フルラツチ位置となる。

また、いわゆる半ドアの状態では、足片５ａの
内方先端部５ｃが爪部材７ａと係合してハーフラ
ツチ位置となり、ストライカ８が、両足片５ａ，
５ｂ間に浅く係合した状態に保持される。

爪部材７ａが、ラツチ部材５先端の回動軌跡か
ら完全に外れると、ラツチ部材５の拘束が解除さ
れて、ストライカ８は開放可能状態となる。

図中９は、ラツチ部材５を常時反時計方向に付
勢するねじりスプリングであり、また、１０は、
ストライカ８の衝撃緩衝用弾性部材である。

以上のように構成されたドアロツク１におい
て、ドアの開閉検知スイツチ装置は、次のような
構成となつている。

すなわち、ラツチ部材５の左上方にあたるボデ
イ３の内底部に、ロータリスイツチ１１をネジ１
２をもつて固定するとともに、ラツチ部材５に
は、これを枢着している軸４の右方に、ピン穴１
３を設け、このピン穴１３とロータリスイツチ１
１間に、リンクレバー１４とアーム１５とからな
る連係手段としてのリンク機構を介設してある。

リンクレバー１４には、第２図に示すように、
その両端下方にピン１４とそれより長めのガイド
ピン１４ｂとが一体的に固着されており、ピン１
４ａは、ラツチ部材５に形成されたピン穴１３
に、またガイドピン１４ｂは、アーム１５の先端
部に形成されたピン穴１５ａにそれぞれ枢嵌され
て、互いに揺動自在に連結されている。

ガイドピン１４ｂは、アーム１５のピン穴１５
ａを貫通して下方に突出するようにしてあり、こ
の突出したガイドピン１４ｂは、ボデイ３の上方
に形成されたガイド溝１６と係合し、これに案内
されてスライドするようになつている。

アーム１５の基端部には、ほぼ方形状の連結穴
１５ｂが形成され、その連結穴１５ｂは、ロータ
リスイツチ１１の回転軸１１ａの先端に突出形成
された方形軸１１ｂに固嵌されている。

リンクレバー１４及びアーム１５からなるリン
ク機構は、前述したボデイ３の前面に被着された
カバープレートにより覆われており、夫々の嵌合
関係がこれによつて維持されている。

なお、ロータリスイツチ１１としては、例え
ば、本願出願人が先に、実願昭61−156744号にお
いて提案している小型で密閉型のロータリスイツ
チを用いるのが望ましい。このスイツチは、スイ
ツチ本体に嵌挿された回転軸１１ａが、所定の角
度回転したとき、内部の電気接点が開閉作動し
て、信号を発するようにしたものであるが、これ
以外の公知のロータリスイツチでも勿論構わな
い。

以上のように構成されたドアの開閉検知スイツ
チ装置において、ラツチ部材５が、第１図実線の
如くフルラツチ位置に回動したときには、ロータ
リスイツチ１１の回転軸１１ａが、リンクレバー
１４、アーム１５からなるリンク機構により、第
１図の時計方向に回転して、ドア閉の信号を発
し、またラツチ部材５が、フルラツチ位置から第
１図の反時計方向に若干回動することにより、ド
ア開の信号を発する。

なお、ラツチ部材５が、図示２点鎖線のよう
に、ストツパ６に当接する開放位置まで回動した
とき、回転軸１１ａが、リンク機構により、反時
計方向に所定角度回転させられて、ドア開の信号
を発するようになる。

次に、本発明の他の実施例について説明する。

第３図は、ドア開閉検知スイツチ装置を、上述
のボデイ３の後面に固着されたベースプレート２
と同様のベースプレート１９に、軸１８をもつて
枢着された施解錠レバー１７と連結した例を示
す。

この施解錠レバー１７は、図示しないノブレバ
ーに連係されて、キー操作又はノブ操作により、
ドアロツク１を施錠状態とする第３図に実線で示
す施錠位置と、ドアロツク１を解錠状態とする第
３図２点鎖線で示す解錠位置とに、軸１８を中心
として回動することができる。

ロータリスイツチ１１は、施解錠レバー１７の
下方のベースプレート１９に固定され、回転軸１
１ａに基端部が固嵌されたアーム２０の先端部に
突設したピン２１を、施解錠レバー１７に穿設し
た軸１８と直交する方向を向く長孔１７ａに係合
させて、施解錠レバー１７に連結されている。

なお、上記アーム２０、ピン２１、及び長孔１
７ａにより、連係手段を構成している。

これにより、施解錠レバー１７が施錠位置から
解錠位置、又はその逆方向に回動させられること
により、回動軸１１ａも連動して、ドアの施解錠
信号が発せられる。

なお、本検知スイツチ装置は、上記ラツチ部材
５又は施解錠レバー１７と係合させる以外、ノブ
レバーや、その他解錠又は開閉時に動作する他の
回動部材と組合せて、その回動部材の位置を検知
することができる。

上記実施例において、回転軸１１ａを回転させ
る手段に、リンクレバー１４とアーム１５からな
るリンク機構を用いたが、１本のアームにより連
結して、部品点数を少なくすることもできる。

〔発明の効果〕

本発明の検知スイツチ装置によれば、ロータリ
スイツチの回転軸と回動部材の軸とを、互いに側
方に離間して並設したので、従来のようなラツチ
等回動部材の軸方向にロータリスイツチを配設し
たもののように、ドアロツクが厚くなるようなこ
とはなく、従つてドアが厚くならない利点があ
る。

また、回動部材とロータリスイツチとを、回動
部材のいずれの方向への回動にも回転力を回転軸
に直接的に伝え、回転軸を同期して回転させる連
係手段を介して連結したので、万一、ドアロツク
内のスイツチあるいはその周辺部が凍結したり、
異物の進入があつても、ドアの開閉力等により強
制的にスイツチが作動させられるので、ドアロツ
クにおける回動部材の位置検知が確実となり、こ
の装置と連動する各種の装置の故障や誤動作等が
なく、位置検知の信頼性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明を適用したドアロツク装置の
ラツチ側の正面図、第２図は、同じく要部の分解
斜視図、第３図は、本発明の他の実施例を示す施
解錠機構側の正面図第４図は、従来の検知スイツ
チを備えるドアロツクの正面図である。 １……ドアロツク ３……ボデイ ５……ラツ
チ部材 ７……ポール １１……ロータリスイツ
チ １１ａ……回転軸 １４……リンクレバー
１５……アーム １７……施解錠レバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ボデイに軸着され、かつドアの施解錠操作等
   を行なう各種の回動部材を備えるドアロツクにお
   いて、前記ボデイにおける前記回動部材のいずれ
   かの軸の一側方に、回転軸が予め定めた角度だけ
   回転することにより接点が開閉するようにしたロ
   ータリスイツチを、前記回転軸が回動部材の軸と
   ほぼ平行をなすようにして装着し、かつ前記回転
   軸と回動部材とを、回動部材のいずれの方向への
   回動にも回転力を回転軸に直接的に伝え、回転軸
   を同期して回動させる連係手段を介して互いに連
   結したことを特徴とするドアロツクにおける回動
   部材の位置検知スイツチ装置。 ２ 回動部材が、ドアが枢着されている車体側に
   設けられたストライカと係脱するラツチ部材であ
   る特許請求の範囲第１項に記載のドアロツクにお
   ける回動部材の位置検知スイツチ装置。 ３ 回動部材が、ドアロツクを施錠状態とする施
   錠位置と、ドアロツクを解錠状態とする解錠位置
   とに回動可能とした施解錠レバーである特許請求
   の範囲第１項に記載のドアロツクにおける回動部
   材の位置検知スイツチ装置。 ４ 連係手段が、ロータリスイツチの回転軸に固
   嵌したアームと、該アームの先端部に一端が枢嵌
   され、かつ他端を回動部材の偏心部に枢着したリ
   ンクレバーとからなるリンク機構である特許請求
   の範囲第１項又は第２項に記載のドアロツクにお
   ける回動部材の位置検知スイツチ装置。 ５ 連係手段が、ロータリースイツチの回転軸に
   固嵌したアームと、該アームの先端部に突設した
   ピンと、施解錠レバーに穿設された、前記ピンが
   係合する長孔とからなつている特許請求の範囲第
   １項又は第３項に記載のドアロツクにおける回動
   部材の位置検知スイツチ装置。