JPH0556534A - 電線のストリツプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 切込み精度の向上を図り、振動等の発生を防
止し、電線の被覆屑を吸引ノズルで真空吸引して四方へ
飛散しないようにして電線のストリップを高精度に形成
する。 【構成】 一対の可動案内レール２一端部の枠体５に一
対のガイド杆６を垂直に並設し、ガイド杆６にカッタ９
ａ、９ｂを有するカッタ摺動体７、８を互いに向き合っ
て嵌装し、枠体５の一端部に揺動槓杆２１を支軸２２で
揺動自在に枢着し、揺動槓杆２１の一端部２１ａ及び一
方のカッタ摺動体７とを連杆２３で連結すると共に切込
シリンダー装置１２で往復動とし、揺動槓杆２１の他端
部２１ｂ及び他方のカッタ摺動体８とを連結杆２５で連
結し、枠体５の中程に一対の案内杆２７を外方へ水平に
並設し、案内杆２７に摺動体２９を跨がってノズルシリ
ンダー装置３０で往復動するようにし、摺動体２９に吸
引ノズル３２を有する吸引ダクト３１を枠体５を貫通し
て電線の被覆屑を吸引するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動車内の配
線等に使用される被覆電線のような電線やケーブルの端
部にストリップを形成する電線のストリップ装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】既に提案されているこの種の電線のスト
リップ装置は、図３及び図４に示されるように構成され
ている。

【０００３】即ち、図３及び図４において、機枠（図示
されず）と一体にして互いに向き合った両側枠ａの間に
は、上下一対の案内レールｂが水平に並設されており、
この両案内レールｂには、ブロック状をなす各カッタホ
ルダｃが互いに向き合って摺動自在に嵌装されている。
又、この各カッタホルダｃの各上部には、各カッタブレ
ードｄが各ブラケットｅを介して互いに向き合い薄肉被
覆電線のような電線Ｗやケーブルの端部に、図４に示さ
れるように、ストリップＷａを形成するように設けられ
ており、上記各カッタホルダｃの各中程には、各縦溝ｆ
1を有する凹窩部ｆが垂直に形成されている。さらに、
上記両側枠ａの間に位置する上記機枠には、互いに噛合
う扇形歯車ｇ、ｈが各支軸ｇ1 、ｈ1 で回動自在に軸装
されており、上記各縦溝ｆ1 の位置する扇形歯車ｇ、ｈ
の一部には、各ローラｉ、ｊが各縦溝ｆ1 に緩く嵌合す
るように各ピンｉ1 、ｊ1 で枢着されている。さらに
又、上記一方の扇形歯車ｇの一部には、例えば、エアシ
リンダー装置のようなシリンダー装置ｋの出力軸ｋ1 が
ピン軸ｍで連結されており、このシリンダー装置ｋの基
部は、上記機枠に連結されている。

【０００４】従って、上述した電線のストリップ装置
は、薄肉被覆電線のような電線Ｗの端部にストリップＷ
ａを形成するとき、上記シリンダー装置ｋを駆動して出
力軸ｋ1 を下方へ引くことにより、このシリンダー装置
ｋの出力軸ｋ1 にピン軸ｍで連結された一方の扇形歯車
ｇを支軸ｇ1 の周りに右旋することにより、この扇形歯
車ｇに噛合う他の扇形歯車ｈを互いに内方へ回動するか
ら、この両扇形歯車ｇ、ｈに枢着された各ローラｉ、ｊ
を互いに内方へ水平移動する。すると、この各ローラ
ｉ、ｊはこれらを保持する各縦溝ｆ1 を介して上記各カ
ッタホルダｃを上記各案内レールｂに沿って互いに内方
へ水平移動するから、この上記各カッタホルダｃと一体
の各カッタブレードｄが互いに薄肉被覆電線のような電
線Ｗの端部に切込みを形成し、しかる後、上記電線Ｗを
軸方向へ引くことにより、この電線Ｗの被覆Ｗｃを剥離
して、電線Ｗの端部にストリップＷａを形成している
（図４参照）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た電線のストリップ装置は、扇形歯車ｇ、ｈのバックラ
ッシュに起因して、このバックラッシュの間隙により薄
肉被覆電線のような電線のストリップを高精度に切込み
して形成することが困難であるばかりでなく、扇形歯車
ｇ、ｈのバックラッシュによる振動や騒音が発生し、さ
らに、扇形歯車ｇ、ｈの歯間に電線ＷのストリップＷａ
を形成する際に生じる電線Ｗの被覆屑Ｗｃが入り込み、
ストリップＷａを高精度に切込み形成することが難し
く、さらに、電線の外径（太さの変化）や被覆層の厚さ
に伴って電線の切込量を調整することが困難である等の
問題がある。

【０００６】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、歯車のバックラッシュによる切込み精度
の低下や振動騒音の発生を防止すると共に、電線のスト
リップを形成する際に生じる電線の被覆屑を吸引ノズル
で真空吸引して四方へ飛散しないようにし、歯車の歯間
に入り込むのを解消して薄肉被覆電線のような電線やケ
ーブルのストリップを高精度に切込み形成するようにし
た電線のストリップ装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、機枠に一対の
可動案内レールをストリップシリンダー装置で往復動す
るように水平に並設し、この両可動案内レールの一端部
に枠体を設け、この枠体に一対のガイド杆を垂直に並設
し、この両ガイド杆に各カッタを有するカッタ摺動体を
互いに向き合って嵌装し、上記枠体の一端部に揺動槓杆
を支軸で揺動自在に枢着し、この揺動槓杆の一端部及び
上記一方のカッタ摺動体とを連杆で連結すると共に切込
シリンダー装置で往復動するように設け、上記揺動槓杆
の他端部及び上記他方のカッタ摺動体とを連結杆で連結
し、上記枠体の中程に一対の案内杆を外方へ水平に並設
し、この両案内杆に摺動体を跨がってノズルシリンダー
装置で往復動するように設け、この摺動体に吸引ノズル
を有する吸引ダクトを上記枠体を貫通して電線の被覆屑
を吸引するように設けたものである。

【０００８】

【作用】本発明は、電線の端部にストリップを形成する
とき、ストリップシリンダー装置を往動すると、このス
トリップシリンダー装置の出力軸で可動案内レールを押
動して所定の位置に停止し、次に、切込シリンダー装置
を駆動し、この切込シリンダー装置の出力軸で連杆とこ
れに連結している上記一方のカッタ摺動体を下方へ往動
すると同時に揺動槓杆を支軸の周りに往動し、この揺動
槓杆に連結している連結杆を介して上記他方のカッタ摺
動体を上方へ往動し、このカッタ摺動体と上記一方のカ
ッタ摺動体とを互いに寄せ合うことにより、この両カッ
タ摺動体の両カッタで電線の端部に切込みを形成し、同
時に、上記ノズルシリンダー装置を往動し、上記吸引ダ
クトの吸引ノズルを電線の被覆屑を吸引するように上記
電線の端部へ挿入し、しかる後、上記ストリップシリン
ダー装置を復動し、このストリップシリンダー装置の出
力軸で可動案内レールを復動して所定の位置に停止し、
この電線Ｗの被覆Ｗｃを剥離して、電線の端部にストリ
ップを形成すると共に、同時に、上記ノズルシリンダー
装置を復動することにより、上記吸引ダクトの吸引ノズ
ルの吸引力で電線の被覆屑を吸引し、歯車のバックラッ
シュによる切込み精度の低下や振動騒音の発生を防止す
ると共に、歯車の歯間に電線のストリップを形成する際
に生じる電線の被覆屑を入り込むのを解消するようにし
て電線等のストリップの切込みを高精度に形成するもの
である。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を図示のー実施例について説明
する。

【００１０】図１及び図２において、符号１は、縦長に
形成された機枠であって、この機枠１の上下には、一対
の可動案内レール２が往復動するように摺動自在に水平
に並設されており、この両可動案内レール２の外端部に
は、支持体３が取付けられている。又、この支持体３の
中程には、ストリップシリンダー装置４が水平にして設
けられており、このストリップシリンダー装置４の出力
軸４ａは、上記機枠１の側壁１ａに固定されている。さ
らに、上記両可動案内レール２の内端部には、コ字状を
なす細長い枠体５が垂直にして設けられており、この枠
体５の上下部５ａ、５ｂには、一対のガイド杆６が垂直
に並設されている。さらに又、この両ガイド杆６には、
一対のカッタ摺動体７、８が互いに向き合って嵌装され
ており、この両カッタ摺動体７、８の側面には、各カッ
タ９ａ、９ｂが電線Ｗの被覆Ｗｃに切込みを形成するよ
うに互いに向き合って交換できるように取付けられてい
る。

【００１１】一方、上記枠体５の上部５ａには、保持台
１０が前後一対のリブ１１を介して水平に設けられてお
り、この保持台１０には、切込シリンダー装置１２が設
置されている。又、この切込シリンダー装置１２の傍ら
の上記保持台１０には、電線Ｗの切込調整装置１３が設
けられている。

【００１２】即ち、図２において、上記保持台１０に
は、箱型のケース１４が取付けられており、このケース
１４には、調整螺杆１５が上記保持台１４を貫通して回
転自在に軸装されている。又、この調整螺杆１５の上端
部には、ロックレバー１６が設けられており、上記調整
螺杆１５の下端部は、後述する連結杆２５の作動ストロ
ークの位置規制するようになっている。さらに、上記調
整螺杆１５の中程には、ウオームホイール１７が螺装さ
れており、このウオームホイール１７に噛合うウオーム
ギヤ１８には、調整目盛１９が共軸一体にして軸装され
ており、この調整目盛１９の外側の上記ケース１４に
は、示標２０が付設されている。

【００１３】従って、上記電線Ｗの切込調整装置１３
は、電線Ｗの切込量を電線の太さや被覆の厚さに応じて
調整するとき、予め、上記ロックレバー１６を手で緩
め、しかる後、上記調整目盛１９を指先で回すことによ
り、上記ウオームギヤ１８を回転して、これに噛合うウ
オームホイール１７を回し、このウオームホイール１７
を螺装している上記調整螺杆１５を上方若しくは下方へ
移動して上記調整螺杆１５の下端部を連結杆２５の作動
ストロークの位置規制するようになっている。

【００１４】他方、図２に示されるように、上記リブ１
１の中程の各軸受１１ａには、揺動槓杆２１が支軸２２
で揺動自在に枢着されており、この揺動槓杆２１のホー
ク部２１ａ及び上記一方のカッタ摺動体７とは、連杆２
３が各ピン２４ａ、２４ｂで連結すると共に上記切込シ
リンダー装置１２の出力軸１２ａに往復動するように連
結されている。又、上記揺動槓杆２１の他端部２１ｂ及
び上記他方のカッタ摺動体８とは、連結杆２５が各ピン
２６ａ、２６ｂで連結でされており、上記揺動槓杆２１
が支軸２２の周りに一往復動することにより、上記連杆
２３及び連結杆２５を介して上記両カッタ摺動体７、８
を互に近付けたり、互に離れるようになっている。

【００１５】又一方、図１に示されるように、上記枠体
５の中程の外側には、一対の案内杆２７が外方へ水平に
並設されており、この案内杆２７の外端部には、支持枠
２８が取付けられている。又、この両案内杆２７には、
摺動体２９が跨がって摺動自在に嵌装されており、この
摺動体２９には、ノズルシリンダー装置３０が設けられ
ている。さらに、このノズルシリンダー装置３０の出力
軸３０ａは、上記支持枠２８に固定されており、上記ノ
ズルシリンダー装置３０が駆動すると、上記摺動体２９
は両案内杆２７に沿って往復動するようになっている。
さらに、上記摺動体２９には、吸引ダクト３１が上記枠
体５を貫通して電線Ｗの被覆屑Ｗｃを真空吸引するよう
に設けられており、この吸引ダクト３１の先端部には、
吸引ノズル３２が電線Ｗの端部を挿入するように付設さ
れている。

【００１６】以下、本発明の作用について説明する。

【００１７】従って、今、電線Ｗの端部にストリップＷ
ａを形成するとき、上記ストリップシリンダー装置４が
往動すると、このストリップシリンダー装置４の出力軸
４ａで支持体３と一体の両可動案内レール２を往動して
所定の位置に停止し、次に、上記切込シリンダー装置１
２が駆動すると、この切込シリンダー装置１２の出力軸
１２ａで連杆２３とこれに連結している上記一方のカッ
タ摺動体７を下方へ往動すると同時に、上記揺動槓杆２
１を作動するから、この揺動槓杆２１は支軸２２の周り
に回動し、この揺動槓杆２１に連結している連結杆２５
を介して上記他方のカッタ摺動体８を上方へ往動し、こ
のカッタ摺動体８と上記一方のカッタ摺動体７とを互い
に寄せ合うことにより、この両カッタ摺動体７、８の両
カッタ９ａ、９ｂで電線Ｗの端部に切込みを形成する
と、同時に、上記ノズルシリンダー装置３０を往動する
と、上記摺動体２９の吸引ダクト３１の吸引ノズル３２
を電線Ｗの被覆屑Ｗｃを真空吸引するように上記電線Ｗ
の端部へ挿入し、しかる後、上記ストリップシリンダー
装置４を復動することにより、このストリップシリンダ
ー装置４の出力軸４ａで可動案内レール２を復動して所
定の位置に停止することにより、この電線Ｗの被覆Ｗｃ
を剥離して、電線Ｗの端部にストリップＷｂを形成す
る、同時に、上記吸引ノズル３２の真空吸引力で電線Ｗ
の被覆屑Ｗｃを吸引した後、上記ノズルシリンダー装置
３０を復動する。これにより、既に提案されているこの
種の装置のように、歯車のバックラッシュによる切込み
精度の低下や振動騒音の発生を防止すると共に、歯車の
歯間に電線のストリップを形成する際に生じる電線の被
覆屑を四方へ飛散して摺動部等に入り込むのを解消して
薄肉被覆電線のような電線等のストリップを高精度に形
成するものである。

【００１８】なお、上記切込シリンダー装置１２を復動
することにより、上記両カッタ摺動体７．８は元の位置
に復帰する。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、機枠
に一対の可動案内レールをストリップシリンダー装置で
往復動するように水平に並設し、この両可動案内レール
の一端部に枠体を設け、この枠体に一対のガイド杆を垂
直に並設し、この両ガイド杆に各カッタを有するカッタ
摺動体を互いに向き合って嵌装し、上記枠体の一端部に
揺動槓杆を支軸で揺動自在に枢着し、この揺動槓杆の一
端部及び上記一方のカッタ摺動体とを連杆で連結すると
共に切込シリンダー装置で往復動するように設け、上記
揺動槓杆の他端部及び上記他方のカッタ摺動体とを連結
杆で連結し、上記枠体の中程に一対の案内杆を外方へ水
平に並設し、この両案内杆に摺動体を跨がってノズルシ
リンダー装置で往復動するように設け、この摺動体に吸
引ノズルを有する吸引ダクトを上記枠体を貫通して電線
の被覆屑を吸引するように設けてあるので、歯車のバッ
クラッシュによる切込み精度の低下や振動騒音の発生を
防止することができるばかりでなく、電線の被覆屑を吸
引ノズルで真空吸引して四方へ飛散しないようにし、歯
車の歯間や摺動部等に電線のストリップ形成する際に生
じる電線の被覆屑を入り込むのを解消して薄肉被覆電線
のような電線のストリップを高精度に形成することがで
きる等の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による電線のストリップ装置の要部を示
す側面図。

【図２】本発明による電線のストリップ装置の要部を示
す正面図。

【図３】既に提案されている電線のストリップ切断装置
の要部を示す正面図。

【図４】電線のストリップした状態を示す側面図。

【符号の説明】

１ 側枠 ２ 可動案内レール ４ ストリップシリンダー装置 ５ 枠体 ６ ガイド杆 ７、８ カッタ摺動体 ９ａ、９ｂ カッタ ２１ 揺動槓杆 ２２ 支軸 ２３ 連杆 ２５ 連結杆 ２７ 案内杆 ２９ 摺動体 ３０ ノズルシリンダー装置 ３１ 吸引ダクト ３２ 吸引ノズル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機枠にストリップシリンダー装置で往復動
   するように水平に並設された一対の可動案内レールと、
   この両可動案内レールの一端部に設けられた枠体と、こ
   の枠体に垂直に並設された一対のガイド杆と、この両ガ
   イド杆に互いに向き合って嵌装された各カッタを有する
   カッタ摺動体と、上記枠体の一端部に支軸で揺動自在に
   枢着された揺動槓杆と、この揺動槓杆の一端部及び上記
   一方のカッタ摺動体とを連結すると共に切込シリンダー
   装置で往復動するように設けられた連杆と、上記揺動槓
   杆の他端部及び上記他方のカッタ摺動体とを連結する連
   結杆と、上記枠体の中程に外方へ水平に並設された一対
   の案内杆と、この両案内杆に跨がってノズルシリンダー
   装置で往復動するように設けられた摺動体と、この摺動
   体に上記枠体を貫通して電線の被覆屑を吸引するように
   設けられた吸引ノズルを有する吸引ダクトとを具備した
   ことを特徴とする電線のストリップ装置。