JPH0553197B2

JPH0553197B2 -

Info

Publication number: JPH0553197B2
Application number: JP1230696A
Authority: JP
Inventors: Shigehisa Yamada; Hiromichi Ikebe
Original assignee: Cosmo Oil Co Ltd
Current assignee: Cosmo Oil Co Ltd
Priority date: 1989-09-06
Filing date: 1989-09-06
Publication date: 1993-08-09
Also published as: JPH0393894A

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野）本発明は無鉛高性能ガソリンに関し、詳しくは
特定された蒸留性状および特定された成分組成を
有する高速時における耐ノツク性、加速性、低温
時のプラグくすぶり性、始動性、低温運転性に優
れた無鉛で高性能なガソリンに関する。（従来の技術および発明が解決しようとする課
題）昭和62年にリサーチオクタン価が100を有する
無鉛の高オクタン価ガソリンが石油各社より一斉
に発売された。無鉛高オクタン価ガソリンについてなたとえば
蒸留性状とガソリンの成分組成を規定したもの
（特開昭63−289094）あるいは接触改質ガソリン、
アルキレート、イソペンタン、軽質ガソリンを必
須成分としたもの（特開昭63−317591）などが知
られている。しかしながらこれら無鉛高オクタン価ガソリン
は、リサーチ法オクタン価100以上を有する芳香
族分を主成分とする接触改質ガソリンを主体とし
ながら、一方この芳香族分の割合を出来るだけ下
げるため重要な飽和炭化水素であるアルキレート
を併用していることからリサーチ法オクタン価
99.5以上、かつ芳香族分が45容量％以下といつた
特徴を有する。これらの無鉛高オクタン価ガソリ
ンは、上記の理由により必然的に重質になり、例
えば70％蒸留留出温度が比較的高いものとなり、
芳香族分も45容量％以下ではあるものの、高オク
タン価を得るために36容量％以上とせざるをえな
かつた。しかし、芳香族分が36容量％以上となると低温
始動性が不十分となる。すなわち、気温のもつと
も低くなる２、３月においては−10℃以下に下が
ることもありこの様な場合、吸気系ならびにエン
ジン内も−10℃近くに冷やされており、プラグが
くすぶりその結果エンジンのかかりも悪く、また
アイドリング不安定や始動時の運転性全般に不満
足な点が見受けられた。又、70％蒸留留出温度が
高いと加速性、運転性、始動性等に不都合が生じ
る。このため、高性能化した無鉛ハイオクガソリン
の専用車に対応していくためにも上記課題を解決
した新たな品質を有するガソリンの登場が望まれ
ていた。（課題を解決するための手段）本発明者らはこれまでのガソリンの欠点を補い
上記の要求を満足する新ガソリンを開発すべく研
究を重ねた結果、含酸素燃料であるメチルターシ
ヤリーブチルエーテル（MTBE）のすぐれた燃
焼性をうまく引き出すよう配合成分種を選定し、
さらに細かく蒸留性状、組成を規定することによ
り極めて優れた性能を有する無鉛高性能ガソリン
が得られることを見い出し本発明を完成するに至
つた。すなわち、芳香族分が36容量％以上であつても
50容量％以下であれば含酸素燃料であるMTBE
を配合しておけば、そのすぐれた燃焼性により低
温時においてもプラグのくすぶりが防げることを
見い出し、さらに70％蒸留留出温度を一定温度以
下にすれば加速性、運転性等に悪影響を与えない
ことを見い出し本発明を完成した。すなわち本発明は、 (A) メチルターシヤリーブチルエーテル、 (B) リサーチ法オクタン価95.0以上、リード蒸気
圧0.3Kg／cm²以上および沸点範囲が28〜200℃で
あるかまたはそれから50〜100℃留分を少なく
とも一部取除いた接触改質ガソリン、 (C) リサーチ法オクタン価90.0以上、リード蒸気
圧0.5〜0.8Kg／cm²および沸点範囲20〜200℃で
ある接触分解ガソリン、を必須成分とし、リサーチ法オクタン価99.5以
上、モーター法オクタン価87.5以上、芳香族分50
容量％以下、オレフイン分25容量％以下かつ70℃
までの留出分が25容量％以上、50％留出量におけ
る留出温度が105℃以下かつ70％留出量における
留出温度が128℃以下であることを特徴とする無
鉛高性能ガソリン（以下「燃料油」という）と
上記ガソリン基材(A)、(B)と (D) リサーチ法オクタン価93以上、C₈留分が４
容量％以上のアルキレートを必須成分とし、リサーチ法オクタン価99.5以
上、モーター法オクタン価87.5以上、芳香族分50
容量％以下、オレフイン分25容量％以下かつ70℃
までの留出分が25容量％以上、50％留出量におけ
る留出温度が105℃以下かつ70％留出量における
留出温度が128℃以下であることを特徴とする無
鉛高性能ガソリン（以下「燃料油」という）に
存する。以下、本発明の内容をさらに詳細に説明する。本発明の燃料油は(A)(B)および(C)の３成分を必
須成分とし、燃料油は(A)(B)および(D)を必須成分
とするものである。ここで成分(A)のMTBEの製造法についてはい
くつか提案されており、例えば特公昭48−34803、
特開昭49−61109、特開昭50−58006等いずれの方
法からも得ることができる。しかし強酸性イオン
交換樹脂を触媒としてメタノールとイソブチレン
の反応生成物として得られるもので、純度95.0％
以上のものが好ましい。成分(B)の接触改質ガソリン（以下単に「改質ガ
ソリン」という。）は、一般に重質の直留ナフサ
などを、従来から広く知られている接触改質法
（プラツトフオーミング法、マグナフオーミング
法、アロマイジング法、レニフオーミング法、フ
ードリフオーミング法、ウルトラフオーミング
法、パワーフオーミング法など）により、水素気
流中で高温、加圧下で触媒（例えばアルミナ担体
に白金やロジウムと塩素とを担持したもの等）と
接触処理して得られるものであり、本発明ではリ
サーチ法オクタン価（以下「RON」という）約
95.0以上、好ましくは約98.0以上、リード蒸気圧
約0.3Kg／cm²以上、好ましくは0.5Kg／cm²以上、お
よび沸点範囲約28〜200℃、またはそれから約50
〜100℃留分を少なくとも一部取除いた改質ガソ
リンであれば、各種の接触改質法によつて得られ
たものを使用することができる。成分(C)の接触分解ガソリンは、灯・軽油から常
圧残油に至る広範囲の石油留分、好ましくは重質
軽油や減圧軽油を、従来から広く知られている接
触分解法、特に流動接触分解法（UOP法、シエ
ル二段式法、フレキシクラツキング法、ウルトラ
オルソフロー法、テキサコ法、ガルフ法、アルト
ラキヤツトクラツキング法、RCC法、HOC法な
ど）により、固体酸触媒（例えばシリカ・アルミ
ナ、あるいはシリカ・アルミナにゼオライトを配
合したもの等）を分解して得られる接触分解ガソ
リンである。本発明で様いる接触分解ガソリンと
しては、RON約90.0以上、たとえば約90.0〜
96.5、リード蒸気圧0.5〜0.8Kg／cm²、約20〜200℃
のフルレンジの蒸留範囲を持つ留分だけではなく
上記接触分解ガソリンを蒸留して軽質分と重質分
に分け、そのうちRON約90.0以上、たとえば約
90.0〜96.5、好ましくは約93.0以上、たとえば約
93.0〜96.5および沸点範囲約20〜150℃の性状を
有する軽質分も利用される。もちろん、約20〜
200℃のフルレンジの蒸留範囲を持つ留分と軽質
留分の組み合わせも可能である。成分(D)のアルキレートは、イソブタンと低級オ
レフイン（ブテン、プロピレンなど）を原料とし
て酸触媒（硫酸、フツ化水素、塩化アルミニウム
など）の存在下で反応させて得られるものであ
る。本発明では各種のアルキレートを(D)成分とし
て用いることができるが、C₈留分が40容量％以
上、好ましくは50容量％以上のものであることが
必要である。又該アルキレートは、RON約93以
上のものである。本発明の燃料油、はいずれもRON99.5以
上、好ましくは100以上、モーター法オクタン価
（以下「MON」という）87.5以上、芳香族分約50
容量％以下、好ましくは約46容量％以下、オレフ
イン分が約25容量％以下、好ましくは約20容量％
以下であり、かつ70℃までの留出量（ΔE70）が
約25容量％以上、50％留出量における留出温度
（T50）が約105℃以下、かつ70％留出量における
留出温度（T70）が約128℃以下の性状を有する
ものである。本発明の燃料油、は(A)、(B)、(C)あるいは
(A)、(B)、(D)の各成分を必須成分とするものであ
り、その配合割合は各成分の性状等により適宜選
択すればよい。つまり前述した組成、蒸留性状に
関する要求性能を満たすように配合すればよい。燃料油は通常(A)成分であるMTBEを約１〜
20容量％、(B)成分である改質ガソリンを約40〜65
容量％、(C)成分である接触分解ガソリンを約５〜
30容量％および／又は軽質接触分解ガソリンを約
３〜20容量％の範囲で適宜配合すればよい。燃料油は(A)成分であるMTBEを約１〜20容
量％、(B)成分である改質ガソリンを約40〜65容量
％、(D)成分であるアルキレートを約５〜35容量％
の範囲で適宜配合すればよい。 (A)成分のMTBEが約20容量％を越えるもので
は発熱量の低下による燃費の悪化、空燃比のずれ
によるキヤブ仕様車での燃費の悪化、排ガスへの
悪影響が生じる。燃料油、の芳香族分の含量が50容量％を越
えるものでは、燃料系統に使用されているゴムが
劣化したり、排気ガス中の有害物質が増加するな
どの問題が生ずる。また、ΔE70が25容量％未満
のものでは、たとえRONやMONが高いもので
あつても、始動性や低温運転性に劣る。また、50％留出量における留出温度が105℃を
越えると、あるいは70％留出量における留出温度
が128℃を越えると加速性、始動性、運転性が悪
くなる。燃料油は、(A)、(B)、(D)を必須成分とするが、
燃料油で用いるような接触分解ガソリンを含ん
でもかまわない。このような接触分解ガソリン
は、約１〜30容量％、および／あるいは軽質接触
分解ガソリンを約１〜20容量％の範囲で適宜含む
ことができる。さらに、燃料油、には必要に応じてフエノ
ール系、アミン系などの酸化防止剤、チオアミド
型化合物などの金属不活性化剤、有機りん系化合
物などの表面着火防止剤、こはく酸イミド、ポリ
アルキルアミン、ポリエーテルアミンなどの清浄
分散剤、多価アルコールおよびそのエーテルなど
の氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ
土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステルなど
の助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界
面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤およ
びアゾ染料などの着色剤など、公知の燃料油添加
剤を１種または数種組み合わせせ添加してもよ
い。これら燃料油添加剤の添加量は任意である
が、通常、その合計添加量が0.1重量％以下とな
るように添加するのが好ましい。またさらに、本発明の無鉛高オクタン価ガソリ
ンに、必要に応じてブタン、ブテン類、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ｔ−ブタノ
ールなどのアルコールやエチル−ｔ−ブチルエー
テルなどのエーテルなどの高いオクタン価を有す
る物質を添加してもよい。これらの物質の添加量
も任意であるが、通常は15重量％以下が好まし
い。（実施例）以下に本発明の内容を実施例および比較例によ
り更に詳しく説明するが、本発明はこれらによつ
て制限されるものではない。実施例１接触分解装置あるいは接触改質装置、常圧蒸留
装置から生成するブタン−ブテン類とリード蒸気
圧0.6Kg／cm²、RON102、初留点32℃、終点175
℃、50％留出温度119℃、芳香族分69.8容量％の
改質ガソリンとリード蒸気圧0.6Kg／cm²、
RON90.9、初留点39℃、終点184℃、50％留出温
度102℃、芳香族分20.0容量％の接触分解ガソリ
ンとRON95.8、初留点35℃、終点82℃、50％留
出温度49℃、芳香族分0.5容量％の軽質接触分解
ガソリンとMTBEを表１に示す配合比で配合す
ることにより表１に記載する性状のガソリンを得
た。実施例２実施例１に記載のブタン−ブテン類とリード蒸
気圧0.6Kg／cm²、RON100、初留点30℃、終点178
℃、50％留出温度112℃、芳香族分64容量％の改
質ガソリン、実施例１に記載と同一の性状を有す
る接触分解ガソリンとMTBEの配合により、表
１に示す性状のガソリンを得た。実施例３実施例１に記載したと同一のブタン−ブテン類
と実施例２に記載の改質ガソリンとRON95.7、
初留点40.5℃、終点190℃、50％留出温度104.5
℃、芳香族分０容量％、C₈留分が70容量％のア
ルキレートとMTBEの配合により表１に示す性
状のガソリンを得た。実施例４実施例１に記載のブタン−ブテン類とリード蒸
気圧0.6Kg／cm²、RON98、初留点28℃、終点175
℃、50％留出温度109.5℃、芳香族分58容量％の
改質ガソリンと実施例３に記載のアルキレートと
実施例１に記載のMTBEを配合して表１に示す
性状のガソリンを得た。比較例１実施例１に記載のブタン−ブテン類、改質ガソ
リン、接触分解ガソリン、MTBEの配合により
表１の性状のガソリンを得た。比較例２市販の無鉛高オクタン価ガソリンの性状を表１
に示す。これら実施例と比較例のガソリンを用いて以下
に述べる各種の性能評価試験を行なつた。その方
法を以下に記し、その結果を表２に示した。＜加速性試験＞総排気量1800c.c.、燃料噴射方式、過給方式、
DOHC、マニユアルトランスミツシヨン（Ａ
車）、総排気量1600c.c.、燃料噴射方式、過給方式、
OHC、マニユアルトランスミツシヨン（Ｂ車）、
総排気量2000c.c.、燃料噴射方式、過給方式、
OHC、オートマチツクトランスミツシヨン（Ｃ
車）について表２に配した走行条件下で到達車速
時間を比較した。＜プラグのくすぶり試験＞シヤーシーダイナモメータを使い、総排気量
1800c.c.、２プラグ、キヤブレター方式の車（Ｄ
車）を−10℃の試験温度下で58分間放置、２分始
動をくり返し試験を行ないそのプラグの絶縁抵抗
を測定することによりプラグのくすぶり汚損度を
測定した。10MΩ以下をくすぶりが発生したと判
定した。＜低温始動性試験＞シヤーシーダイナモメータを使い、−10℃の試
験温度下で総排気量1500c.c.、キヤブ仕様、オート
マチツクトランスミツシヨンのＥ車で始動秒数の
測定とアイドリング状態を観察した。＜運転性＞ CRC Report No.483に準拠して常温運転性
（20℃）を評価した。評価内容はサージ、もたつ
き、息つき、バツクフアイヤー、ストールなどが
中心である。評価方法としては、発生した現象の程度によつ
て与えられるデメリツト評価点数と評価内容に対
応した係数の積の和から評点を計算し判断した。
評点が小さい方が性能はすぐれている事を示す。

【表】

【表】（発明の効果）表２の各種性能結果から明らかなように、本発
明による無鉛高性能ガソリンは現在市販されてい
る無鉛ハイオクガソリンより加速性、低温時のく
すぶり、常温時の運転性などに特に優れ、全ての
性能面にわたりバランスよく卓越したガソリンで
ある。

Claims

【特許請求の範囲】１ (A) メチルターシヤリーブチルエーテル、 (B) リサーチ法オクタン価95.0以上、リード蒸気
圧0.3Kg／cm²以上および沸点範囲が28〜200℃で
あるかまたはそれから50〜100℃留分を少なく
とも一部取除いた接触改質ガソリン、 (C) リサーチ法オクタン価90.0以上、リード蒸気
圧0.5〜0.8Kg／cm²および沸点範囲20〜200℃で
ある接触分解ガソリン、を必須成分とし、リサーチ法オクタン価99.5以
上、モーター法オクタン価87.5以上、芳香族分50
容量％以下、オレフイン分25容量％以下かつ70℃
までの留出分が25容量％以上、50％留出量におけ
る留出温度が105℃以下かつ70％留出量における
留出温度が128℃以下であることを特徴とする無
鉛高性能ガソリン。２請求項１に記載のガソリン基材(A)、(B)と (D) リサーチ法オクタン価93以上、C₈留分が40
容量％以上のアルキレートを必須成分とし、リサーチ法オクタン価99.5以
上、モーター法オクタン価87.5以上、芳香族分50
容量％以下、オレフイン分25容量％以下かつ70℃
までの留出分が25容量％以上、50％留出量におけ
る留出温度が105℃以下かつ70％留出量における
留出温度が128℃以下であることを特徴とする無
鉛高性能ガソリン。