JPH055218Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、後輪の前方に、単一のダンパと該ダ
ンパの下端に設けたプログレツシイブリンクとに
より構成するリアクシヨンユニツトを備え、該プ
ログレツシイブリンクをリアフオークのピボツト
に近い前部空間に位置させると共に、前後方向に
シリンダを有するＶ型エンジンを搭載した自動２
輪車のＶ型エンジン用排気装置に関する。

（従来の技術） 従来この種の排気装置として、例えば実公昭61
−60249号公報に記載のものが知られている。こ
のものは、リアフオークの前部空間の下側に排気
チヤンバを設け、Ｖ型エンジンの後部シリンダに
接続する後方排気用排気管を該前部空間の上方か
ら下方へ通して該排気チヤンバに接続するように
している。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、最近の自動２輪車は、いわゆるマス
の集中化を図るべく重量物であるリアクツシヨン
ユニツトを後輪の前方に配置して、走行性能を向
上するようにしている。したがつて、このような
自動２輪車の車体に上記従来の排気装置を組合わ
せた場合、該リアクシヨンユニツトを車体中心線
上に配置すると、後方排気用排気管の取廻しスペ
ースが著しく狭くなり、該リアクツシヨンユニツ
トと後方排気用排気管とが干渉するおそれがあ
る。

本考案は、リアクツシヨンユニツトを車体中心
線に対し駆動装置側にオフセツトして設け、後方
排気用排気管の取廻しスペースを駆動側と反対方
向に確保することにより、リアフオークの前部空
間に該後方排気用排気管を通し、かつ該排気管の
湾曲を大きくし可能な限り排気管長を長くして、
前後に配置した各シリンダの出力バランスを均一
にする自動２輪車のＶ型エンジン用排気装置を提
供することをその目的とする。

（作用） リアクツシヨンユニツトを車体中心線に対し駆
動装置側へオフセツトして設けることにより、リ
ヤフオークの前部空間に後方排気用排気管を通す
ための十分なスペースを確保でき、かつ、該前部
空間にも車幅方向に十分な空間が生じて該後方排
気用排気管の湾曲を大きくとることができる。

また、該後方排気用排気管の湾曲を大きくとつ
ても、走行中に上下方向に揺動する駆動装置に対
しリアクツシヨンユニツトを挟んで反対側位置す
る該後方排気用排気管は、該駆動装置に干渉する
心配がない。

（実施例） 第１図ないし第３図を参照して、１は自動２輪
車の車体、２及び３はそれぞれ前輪と後輪とを示
す。

該車体１の中央下部にはＶ型２気筒のエンジン
４が搭載され、該エンジン４には、前後の気筒か
らそれぞれ前方排気用排気管５及び後方排気用排
気管６が延び、該両排気管５，６の後端は、該エ
ンジン４の後方に設けた排気チヤンバ７を介して
消音器８に接続されている。

エンジン４と後輪３との間には、リアクツシヨ
ンユニツト９が設けられ、該車体１のリアサスペ
ンシヨンの主要部を構成している。該リアクツシ
ヨンユニツト９は、上部のダンパ１０と該ダンパ
１０の下端に連結される下部のプログレツシイブ
リンク１１とで構成され、車体１の中心線に対し
駆動装置たる駆動チエーン１２側、すなわち車体
１の進行方向左側にオフセツトして設けられてい
る。

ダンパ１０の上端は、メインフレーム１３に固
着されドーム状に形成したピボツトプレート１４
の頂部に回動自在に軸支され、下端は、プログレ
ツシイブリンク１１を構成する第１リンク１１ａ
の中間に回動自在に連結されている。

プログレツシイブリンク１１は、一端をリアフ
オーク１５に固定される前記第１リンク１１ａと
一端を車体１に固定される第２リンク１１ｂとを
連結して、いわゆるトグルジヨイントを構成し、
前記ダンパ１０との相乗効果により２次曲線的ク
ツシヨン特性を持たせるようにしている。また、
プログレツシイブリンク１１は、リヤフオーク１
５のガセツト１６とピボツト１７とで囲まれるリ
ヤフオーク１５の前部空間１８の左寄りに位置す
るように設けられる。

エンジン４は、Ｖ型に構成した前部シリンダ４
ａと後部シリンダ４ｂとを有し、該前部シリンダ
４ａには、前方へ取り出し湾曲して車体１右側の
下部後方へ延びる前記前方排気用排気管５が接続
され、後部シリンダ４ｂには、後方へ取り出し下
部後方へ延びる前記後方排気用排気管６が接続さ
れている。

第２図及び第３図に示す如く、前方排気用排気
管５は、エンジン４の下部右側を迂回し、後方排
気用排気管６は、ダンパ１０とピボツトプレート
１４との間の空間を右寄りに湾曲し前記前部空間
１８の右寄りを上方から下方に通つて、該前部空
間１８の下側に設けた消音器８の前部から力瘤状
に膨らんだ形状の排気チヤンバ７に接続する。更
に、該後方排気用排気管６は、前記右寄りの湾曲
部６ａを形成すると共に、図示しないが、該排気
チヤンバ７で折曲して所定の長さを持たせるよう
にしている。

以上の構成により、後方排気用排気管６は、前
部空間１８に十分な通過スペースを確保すること
ができると共に、リアクツシヨンユニツト９を左
側にオフセツトした分、左右方向に前記湾曲部６
ａを形成するための空間を広く取ることができ、
排気管長を長くすることができる。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、リアクツシヨン
ユニツトを駆動装置側にオフセツトして設け、後
方排気用排気管の取廻しスペースを車幅方向に十
分取ることにより、該後方排気用排気管を湾曲さ
せ該駆動装置に干渉することなくその排気管長を
最大長く取ることができ、前方排気用排気管の排
気管長との差を極力小さくして、各シリンダの出
力バランスを均一にする効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した自動２輪車の側面
図、第２図は第１図の−線断面図、第３図は
第２図の−線断面図である。 １……車体、３……後輪、４……エンジン、５
……前方排気用排気管、６……後方排気用排気
管、６ａ……湾曲部、７……排気チヤンバ、９…
…リアクツシヨンユニツト、１０……ダンパ、１
１……プログレツシイブリンク、１２……駆動チ
エーン、１５……リアフオーク、１７……ピボツ
ト、１８……前部空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後輪の前方に、単一のダンパと該ダンパの下端
   に設けたプログレツシイブリンクとにより構成す
   るリアクツシヨンユニツトを備え、該プログレツ
   シイブリンクをリアフオークのピボツトに近い前
   部空間に位置させると共に、前後方向にシリンダ
   を有するＶ型エンジンを搭載し、該Ｖ型エンジン
   の前後のシリンダにそれぞれ接続した前方排気用
   排気管と後方排気用排気管とを、該前部空間の下
   側に設けた排気チヤンバで合流させた自動２輪車
   のＶ型エンジン用排気装置において、前記リアク
   ツシヨンユニツトを車体中心線に対し駆動装置側
   にオフセツトして設け、前記後方排気用排気管
   を、車体中心線を挟んで前記プログレツシイブリ
   ンクに対し反対側に、前記前部空間の上方から下
   方へ通したことを特徴とする自動２輪車のＶ型エ
   ンジン用排気装置。