JPH1199980A - 低床式フロアを有する自動二輪車 - Google Patents

低床式フロアを有する自動二輪車

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JPH1199980A
JPH1199980A JP9265946A JP26594697A JPH1199980A JP H1199980 A JPH1199980 A JP H1199980A JP 9265946 A JP9265946 A JP 9265946A JP 26594697 A JP26594697 A JP 26594697A JP H1199980 A JPH1199980 A JP H1199980A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平対向型内燃機関を備えた低床式フロアを
有する自動二輪車において、フロア部の足またぎ性の向
上、エアクリーナケースの容積の増大、車両の低重心化
を図る。 【解決手段】 低床式フロア2を有する自動二輪車1
が、水平対向型内燃機関3を備え、該水平対向型内燃機
関3の対向する左右シリンダ4l 、4r が、左右のフロ
ア2l 、2r 前方にそれぞれ配置され、変速機ケース7
が、フロアトンネルA内に配置され、吸気系統(エアク
リーナケース27、気化器28)が、水平対向型内燃機関3
の上方の車体カバー5a 内に配置されたことを特徴とす
る低床式フロア2を有する自動二輪車1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、低床式フロア
を有する自動二輪車に関し、特に水平対向型内燃機関を
備えた低床式フロアを有する自動二輪車において、該水
平対向型内燃機関の各シリンダ、吸気系統および変速機
ケースの配置構造に工夫を施した低床式フロアを有する
自動二輪車に関する。
【0002】
【従来技術】水平対向型内燃機関を備えた低床式フロア
を有する自動二輪車として、特公昭37−16106号
公報に記載されたものがある。このものにおいては、水
平対向型内燃機関を前輪フェンダーと前部車体カバーと
の間に配置し、該水平対向型内燃機関の後方位置に変速
機構を連結して、これをフロアトンネル内部に包容させ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の低床式フロ
アを有する自動二輪車においては、水平対向型内燃機関
の後方位置に連結された変速機構をフロアトンネル内部
に包容させているので、フロアトンネル部を低くするこ
とができ、フロアスペースが拡大されて、フロア部の足
またぎ性も、ほぼ良好である。
【0004】しかしながら、水平対向型内燃機関の吸気
系統の配置構造については、特に考慮されておらず、広
いフロアスペースを確保し、フロア部の足またぎ性を維
持しつつ、大容積のエアクリーナを水平対向型内燃機関
の近くに配置する構造について、何ら示唆するものでは
ない。
【0005】
【課題を解決するための手段および効果】本願の発明
は、前記のような課題を解決した低床式フロアを有する
自動二輪車に関わり、その請求項1に記載された発明
は、低床式フロアを有する自動二輪車が、水平対向型内
燃機関を備え、前記水平対向型内燃機関の対向する左右
シリンダが、左右のフロア前方にそれぞれ配置され、変
速機ケースが、フロアトンネル内に配置され、吸気系統
が、前記水平対向型内燃機関の上方の車体カバー内に配
置されたことを特徴とする低床式フロアを有する自動二
輪車である。
【0006】請求項1に記載された発明は、前記のよう
に構成されているので、変速機ケースは、フロアトンネ
ル内に配置され、吸気系統のエアクリーナケース等は、
該変速機ケースより前方の車体カバー(前部車体カバ
ー)内に配置されることになり、この結果、フロアスペ
ースが拡大されて、フロア部の足またぎ性が向上する。
【0007】また、請求項2記載のように請求項1記載
の発明を構成することにより、吸気系統のエアクリーナ
ケースは、水平対向型内燃機関の上方の車体カバー(前
部車体カバー)内であって、ヘッドパイプから左右に分
岐したメインフレームと該車体カバーとにより囲まれて
前方に広がる側面視後方下がりの三角形状をなした空間
内に配置されるので、エアクリーナケースの収容空間
は、その前方が高く、後方が低くなり、フロア上部の足
またぎ部を低くすることができる。この結果、フロアス
ペースがさらに拡大されて、フロア部の足またぎ性がさ
らに向上する。
【0008】また、エアクリーナケースが配置される前
記空間は、メインフレームと車体カバー(前部車体カバ
ー)とにより囲まれて前方に広がる十分なスペースを有
する空間であるので、エアクリーナケースの容積を十分
に大きく取ることができ、水平対向型内燃機関の排気量
の増大が可能になる。
【0009】さらに、水平対向型内燃機関の対向する左
右シリンダが、左右のフロア前方にそれぞれ配置され、
フロア上部の足またぎ部が、前記のとおり、低くされる
ので、自動二輪車の低重心化を図ることができ、これに
より、操縦安定性と振動特性とに優れた車両が得られ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図4に図示され
る本願の請求項1および請求項2に記載された発明の一
実施形態について説明する。図1は、本実施形態におけ
る低床式フロアを有する自動二輪車の左側面図、図2
は、その平面図、図3は、フロアトンネル内の機器レイ
アウトを説明するための図、図4は、前部車体カバー内
の機器レイアウトを説明するための図である。
【0011】図1および図2において、低床式フロア2
を有する自動二輪車1は、該低床式フロア2より車両前
方(図1、図2において左方)に、水平対向型2気筒内
燃機関3を備えており、該水平対向型2気筒内燃機関3
の車両進行方向に見て左右(図2において上下)の各シ
リンダ4l 、4r は、左右の各フロア2l 、2r の車両
前方に配置されて、車体カバー5の前方部分をなす前部
車体カバー5a により覆われている。左右のフロア2l
、2r の各幅は、車両の前方より後方の方が広がるよ
うにして、それぞれ形成されている。
【0012】水平対向型2気筒内燃機関3のクランクケ
ース6は、左右のシリンダ4l 、4r に挟まれて、車両
の幅方向中央に位置しており、該クランクケース6に隣
接する変速機ケース7は、図3に図示されるように、車
体カバー5のフロア部分をなすフロア部車体カバー5b
により形成された鞍形状のフロアトンネルA内に配置さ
れ、これら両ケースは、連結されて一体化されている。
【0013】前記のようにして連結されて一体化された
クランクケース6と変速機ケース7とは、本自動二輪車
1のフレームの一部(中央部分)を構成しており、クラ
ンクケース6と変速機ケース7との連結部の近傍の該変
速機ケース7の前方上方左右側壁部には、フロア2の前
方位置で、メインフレーム8の下端部がボルトにより連
結、固着されている。該メインフレーム8は、後方の後
述するリアフォーク14の方まで延びていないので、フロ
ア2のスペースを広くとることができる。
【0014】該メインフレーム8は、ヘッドパイプ9か
ら左右に分岐されて、左右メインフレーム部分8l、8
r とされ、変速機ケース7の前方上方部の左右側壁ま
で、それぞれ斜め下方に延出され、そこに、前記のよう
にして連結、固着されている。
【0015】ヘッドパイプ9には、周知のように、フロ
ントフォーク10と一体のステアリングステム11が挿通さ
れ、該ステアリングステム11と一体に回動するハンドル
12により、前輪13の操向がなされるようになっている。
【0016】変速機ケース7の後端部には、その左右側
に、支持腕15l 、15r が後方に向けて延設されており、
これら支持腕15l 、15r に、リアフォーク14の左右アー
ム部14l 、14r の前端部が、左右側それぞれにおいて、
回動自在に連結されている。
【0017】リアフォーク14の左側アーム部14l は、比
較的寸法大の円筒状に形成され、その内部を、変速機ケ
ース7を出た変速機の出力軸とユニバーサルジョイント
を介して連結されたシャフトが縦走しており、該シャフ
トの端部には、傘歯車が一体に取り付けられ、該傘歯車
と、後輪16の回転軸側に取り付けられた傘歯車とが噛み
合い、これにより、水平対向型2気筒内燃機関3により
発生された原動力が、後輪16に伝達されるようになって
いる(図示されず)。リアフォーク14の右側ブランチ部
14r の後端部は、後輪16の支持軸を支持している。
【0018】リアフォーク14の前端は、左右のフロア2
l 、2r に挟まれて、これらの内側に位置するようにし
て形成されているので、リアフォーク14の前端が、左右
のフロア2l 、2r と干渉することはない。特に、ユニ
バーサルジョイント部は、左側のフロア2l と干渉する
ことはない。これにより、左右のフロア2l 、2r のス
ペースを広くとることが可能である。
【0019】リアフォーク14の変速機ケース7に対する
揺動は、車幅方向中央部において、リアフォーク14と変
速機ケース7との間に懸け渡された緩衝器17によって吸
収される。該緩衝器17の前端部は、変速機ケース7の後
端部上方の角部に枢支され、その後端部は、リアフォー
ク14の前後方向中央よりやや前端寄りにその中央部が回
動自在に支持されたL字状リンク18の一端に、ピンによ
り回動自在に連結され、該L字状リンク18の他端は、変
速機ケース7の後端部下方にその一端が枢支されたリン
ク19の他端に、ピンにより回動自在に連結されている。
【0020】変速機ケース7の後方部であって、リアフ
ォーク14より上方部には、複数本の曲管および直管によ
り枠組みされたリアフレームパイプ構造20が、変速機ケ
ース7の上面の連結点21(左右2個所)および後部の連
結点22(左右2個所)において、該変速機ケース7に揺
動不能に取り付けられている。
【0021】該リアフレームパイプ構造20に支持され
て、ダブルシート23の下方部には、バッテリ24と燃料タ
ンク25とが前後に並べて設けられ、また、後輪16の左右
両側には、ヘルメット26の載置台が設けられている。ダ
ブルシート23も、該リアフレームパイプ構造20に支持さ
れている。
【0022】リアフレームパイプ構造20の後半部分は、
フロア部車体カバー5b に続く後部車体カバー5c によ
り覆われている。該後部車体カバー5c は、図示されな
い下方の枢支部を中心にして開閉可能にされており、該
後部車体カバー5c の上部を持ってこれを外方に開くこ
とにより、ヘルメット26の取出しと収納が可能である。
【0023】水平対向型2気筒内燃機関3の吸気系統
は、エアクリーナケース27と気化器28とを備え、これら
は、水平対向型2気筒内燃機関3の上方の前部車体カバ
ー5a内に収納、配置されている。
【0024】また、エアクリーナケース27は、水平対向
型2気筒内燃機関3の上方の前部車体カバー5a 内であ
って、メインフレーム8の左右メインフレーム部分8
l、8r と該前部車体カバー5a とにより囲まれて前方
に広がる側面視後方下がりの三角形状をなした空間B内
に配置されている。
【0025】該空間Bは、その前方が、側面視ヘッドパ
イプ9に至るまでの、比較的広い空間であるので、該空
間B内に配置されるエアクリーナケース27は、その容積
を十分に大きく取ることが可能である。
【0026】なお、エアクリーナケース27、気化器28、
水平対向型2気筒内燃機関3(左右シリンダ4l 、4r
、クランクケース6)、メインフレーム8(左右メイ
ンフレーム部分8l、8r )、前部車体カバー5a 間の
車両前方方向に見た配置関係の概要が、図4に図示され
ている。
【0027】前輪13の上方部であって、前部車体カバー
5a 内には、フロントフォーク10を挟んだ左右両側に、
ラジエータ29l、29r が、また、それらより前方で、ヘ
ッドライト35と前輪13のフェンダーとにより挟まれた空
間の車幅方向中央部に、オイルクーラ30が、それぞれ設
けられており、これらは、詳細には図示されないパイプ
ラインにより、水平対向型2気筒内燃機関3の左右シリ
ンダ4l 、4r もしくはクランクケース6に連結されて
いる。
【0028】ラジエータ29l 、29r の対のコア部分は、
車両前後方向の前方側が高く、後方側に広がったハの字
状に配置され、また、オイルクーラ30のコア部分は、車
両前後方向の前方側がやや低く、車幅方向に沿って配置
され、これらは、いずれも、前部車体カバー5a の前端
に形成された空気取入口31および該前部車体カバー5a
の前方下方の中央開口部(前輪13を部分的に収容する部
分)から流入する走行風により、効果的に冷却される。
【0029】水平対向型2気筒内燃機関3の左右シリン
ダ4l 、4r には、また、排気管32l 、32r の一端が連
結されており、これら排気管32l 、32r の他端は合体さ
れて、マフラー33に連結されている。34は、スタンドで
ある。
【0030】本実施形態は、前記のように構成されてい
るので、次のような効果を奏することができる。変速機
ケース7は、フロア部車体カバー5b により形成される
フロアトンネルA内に配置され、吸気系統のエアクリー
ナケース27等は、該変速機ケース7より前方に配置され
ているので、左右フロア2l 、2r の上方およびダブル
シート23の直ぐ前方に広がるフロアスペースが拡大され
て、フロア部の足またぎ性が向上する。
【0031】殊に、吸気系統のエアクリーナケース27
は、水平対向型2気筒内燃機関3の上方の前部車体カバ
ー5a 内であって、ヘッドパイプ9から左右に分岐した
メインフレーム8の左右メインフレーム部分8l、8r
と前部車体カバー5a とにより囲まれて前方に広がる側
面視後方下がりの三角形状をなした空間B内に配置され
ているので、エアクリーナケース27の収容空間は、その
前方が高く、後方が低くなり、フロア2上部の足またぎ
部を低くすることができる。これにより、フロアスペー
スがさらに拡大されて、フロア部の足またぎ性がさらに
向上する。
【0032】さらに、左右メインフレーム部分8l、8
r は、後方のリアフォーク14の方まで延びておらず、か
つ、リアフォーク14の前端は、左右のフロア2l 、2r
に挟まれて、これらの内側に位置するようにして形成さ
れているので、この面からも、フロアスペースが拡大さ
れて、フロア部の足またぎ性がさらに向上する。
【0033】また、エアクリーナケース27が配置される
前記空間Bは、その前方が、側面視ヘッドパイプ9に至
るまでの比較的広いスペースを有する空間であるので、
エアクリーナケース27の容積を十分に大きく取ることが
でき、水平対向型2気筒内燃機関3の排気量の増大が可
能になる。
【0034】また、水平対向型2気筒内燃機関3の対向
する左右シリンダ4l 、4r が、左右のフロア2l 、2
r の前方にそれぞれ配置され、フロア2上部の足またぎ
部が、前記のとおり、低くされるので、自動二輪車1の
低重心化を図ることができ、これにより、操縦安定性と
振動特性とに優れた車両が得ることができる。
【0035】さらに、ラジエータ29l 、29r およびオイ
ルクーラ30は、前輪13、前部車体カバー5a 、フロント
フォーク10およびヘッドライト35等により制約された空
間内に合理的に配置され、しかも、これらは、いずれ
も、前部車体カバー5a の前端に形成された空気取入口
31および該前部車体カバー5a の前方下方の中央開口部
から勢いよく流入する走行風により、効果的に冷却され
るので、水平対向型2気筒内燃機関3の性能が向上す
る。
【0036】本実施形態における低床式フロアを有する
自動二輪車は、水平対向型2気筒内燃機関3を備えたも
のとされたが、これに限定されず、これより多い気筒数
を有する水平対向型内燃機関を備えたものであってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1および請求項2に記載された発
明の一実施形態における低床式フロアを有する自動二輪
車の左側面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】図1の実施形態において、フロアトンネル内の
機器レイアウトを説明するための図である。
【図4】図1の実施形態において、前部車体カバー内の
機器レイアウトを説明するための図である。
【符号の説明】
1…自動二輪車、2…(低床式)フロア、2l 、2r …
左右フロア、3…水平対向型2気筒内燃機関、4l 、4
r …左右シリンダ、5…車体カバー、5a 、5b、5c
…前部、フロア部、後部車体カバー、6…クランクケー
ス、7…変速機ケース、8…メインフレーム、8l 、8
r …左右メインフレーム部分、9…ヘッドパイプ、10…
フロントフォーク、11…ステアリングステム、12…ハン
ドル、13…前輪、14…リアフォーク、14l 、14r …左右
アーム部、15l 、15r …左右支持腕、16…後輪、17…緩
衝器、18…L字状リンク、19…リンク、20…リアフレー
ムパイプ構造、21、22…連結点、23…ダブルシート、24
…バッテリ、25…燃料タンク、26…ヘルメット、27…エ
アクリーナケース、28…気化器、29l 、29r …左右ラジ
エータ、30…オイルクーラ、31…空気取入口、32l 、32
r …左右排気管、33…マフラー、34…スタンド、35…ヘ
ッドライト、A…フロアトンネル、B…空間。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低床式フロアを有する自動二輪車が、水
    平対向型内燃機関を備え、 前記水平対向型内燃機関の対向する左右シリンダが、左
    右のフロア前方にそれぞれ配置され、 変速機ケースが、フロアトンネル内に配置され、 吸気系統が、前記水平対向型内燃機関の上方の車体カバ
    ー内に配置されたことを特徴とする低床式フロアを有す
    る自動二輪車。
  2. 【請求項2】 メインフレームが、ヘッドパイプから左
    右に分岐されて前記変速機ケースまで斜め下方に延出さ
    れ、 前記吸気系統のエアクリーナケースが、前記水平対向型
    内燃機関の上方の車体カバー内であって、前記メインフ
    レームと前記車体カバーとにより囲まれて前方に広がる
    側面視後方下がりの三角形状をなした空間内に、配置さ
    れたことを特徴とする請求項1記載の低床式フロアを有
    する自動二輪車。
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