JPH0551870U - 油圧エレベータ制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】流量制御を行なう油圧式エレベータの制御装置
において、着床時の運転特性，着床レベル向上を図る。 【構成】通常、エレベータの乗りかごの速度制御は、か
ご速度検出装置９及び電動機速度検出装置１０の出力を
制御装置１１に入力して行なう。着床運転時には、流量
検出器４の出力を帰還し、この出力が所定値以下となっ
た時、かご１が停止したと検出すると共に、この出力が
所定値以下となるように油圧ポンプの回転数を制御しか
ごの位置を維持しながら逆止弁８を閉じる。 【効果】油圧式エレベータの停止ショックの少ない良好
な着床運転特性が得られると共に、着床レベルを向上す
ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、油圧エレベータの制御装置に係り、特に、油圧ポンプの駆動装置を 制御することにより直接あるいは間接にかごの速度を制御する油圧エレベータの 制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の装置は、油圧エレベータの制御方式として、流量制御弁による方式，ポ ンプ制御方式、及び、電動機回転制御方式がある。従来技術の主流は流量制御弁 による方式であったが、最近のパワーエレクトロニクスの進歩により、インバー タ装置による電動機回転数制御方式が提案されてきた。この方式は、インバータ 装置によって誘導電動機を広範囲に速度制御し、電動機の回転数を制御すること により、定吐出形ポンプの吐出量を可変制御するものである。この場合、油圧ポ ンプは可逆回転可能なポンプで、エレベータの上昇，下降運転共に、電動機を回 転制御することになる。

【０００３】 ところで、油圧ポンプには必ず漏れがあり、この漏れのために油圧ポンプの回 転数とかごの速度は比例関係とならない。この漏れ分を補正するバイアス値を与 えるために、例えば、特開平3−106785 号公報に記載のように、逆止弁と油圧シ リンダとの間に設けた第１の圧力検出器の出力と、逆止弁と油圧ポンプとの間に 設けた第２の圧力検出器の出力の偏差が所定値以下となったときにエレベータの 速度指令を発生するような方式が提案されてきた。

【０００４】 ところが、漏れ分を補正する為のバイアス値は起動時のショック防止を目的と している為、起動時はシリンダのパッキン抵抗、かごの昇降路抵抗等静止摩擦分 を加味して与えている。しかし、かごが動きだした後は、抵抗分は動摩擦抵抗値 となり、一般に静摩擦より小さくなる。従って、かご起動後において同一バイア ス値を与えると起動後はかご速度は上昇時はやや高め、下降時はやや低めとなる が実使用時問題ではない。しかし、着床時には抵抗差により目標停止位置に来て もかごは若干上昇しこれが着床誤差を大きくしてしまう。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術は、以上のように動摩擦抵抗値と静止摩擦抵抗値との差を考慮し ていないため、着床時には抵抗差により目標停止位置に来てもかごは若干上昇し これにより着床精度が悪くなるという問題点があった。

【０００６】 本考案の目的はかごの動きが止まったことを圧油の流量を検出することによっ て検出し、着床精度の良い油圧エレベータを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、油圧シリンダに供給あるいは排出される圧油の流 量を検出する為の流量検出器を設けたものである。この流量検出器により、油圧 シリンダに供給あるいは排出される圧油の流量を検出することによりエレベータ の停止の前後に、前記流量検出器の出力が所定値以下となるように前記電動機を 制御するようにしたものである。

【０００８】 又、本考案の他の実施例は、前記流量検出器の出力が所定値以下となったとき の油圧ポンプの回転数を保持するように前記電動機を制御するようにしたもので ある。

【０００９】

【作用】

油圧ポンプから油圧シリンダに供給あるいは排出された圧油の流量がある所定 値以下となった場合、かごの動きは停止したと判断できる。この時、圧油の流量 がある所定値以下を維持するように電動機を制御する。

【００１０】 又、本考案の別の考案は、前記流量検出器の出力が所定値以下となったときの 電動機の回転数を検出し、この時の油圧ポンプの回転数を保持するように電動機 を制御する。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１を用いて説明する。図１は本考案の全体構成で ある。乗かご１はプランジャ３の頂部に接続され、油圧シリンダ２内の作動軸を 給排する事によりプランジャ３を駆動し、乗かご１を昇降させる。乗かご１には 、ロープを介してかごの位置と速度を検出するかご速度検出装置９が取り付けて あり、エレベータの位置、速度信号として制御装置１１に送信される。逆止弁８ は常時は逆止弁として働き、下降時励磁コイル８ａが付勢されることにより、切 り替えられて逆方向に導通される電磁切り替え弁である。油圧ポンプ５は可逆回 転可能なポンプで一方のポートは逆止弁を介してシリンダ２に接続され、他方の ポートは油タンク７に接続されている。油圧ポンプ５は三相誘導電動機６により 駆動される。三相誘導電動機６はインバータを含む制御装置１１により回転制御 され、三相誘導電動機６は上昇時、及び、下降時共、運転制御する。なお、制御 装置１１は周知のベクトル制御を行うため、三相誘導電動機６の回転数を検出す る必要があり、三相誘導電動機６の軸に直結した電動機速度検出装置１０が取り 付けられている。

【００１２】 このような構成のこの考案による油圧エレベータの制御装置において、例えば 、エレベータの呼びが発生し、エレベータの起動指令が発生すると、起動時のシ ョックをやわらげるため第２の圧力検出装置１２の出力を第１の圧力検出装置 １３出力との偏差が所定値以下になるように、三相誘導電動機６の回転数を上昇 させる。その後、速度指令が発生されると、三相誘導電動機６は加速を始めやが て一定速度に達する。それに伴って、乗かご１は起動，加速し一定速度となる。 停止しようとする階の手前の所定の位置に達すると減速指令が発生し、三相誘導 電動機６は減速を始め、それに伴って、乗かご１は加速時と同様に減速を始める 。充分に減速し所定の位置に達したとき停止指令が発生し、三相誘導電動機６の 回転数を徐々に下げていくがこの時、流量検出器４の出力を帰還し、流量検出器 ４の出力が所定値以下となるまで三相誘導電動機６の回転数を下げる。流量検出 器４の出力が所定値以下となったところで乗かごが停止したことを検出し、この ときの流量検出器４の出力が所定値以下を維持するように三相誘導電動機６の回 転数を制御する。

【００１３】 又、本考案の他の実施例では、前項と同様にかごを停止させようとするときは 三相誘導電動機６の回転数を徐々に下げていくがこの時、流量検出器４の出力が 所定値以下となったところで乗かごが停止したことを検出し、この時の三相誘導 電動機６の回転数を保持するように制御する。

【００１４】 本考案の実施例において、流量検出器の代わりに圧力損失が判っている配管の 一方と、他方に圧力検出器を設けその差圧によって流量を検出しても同様の効果 が得られる。又、逆止弁と油圧シリンダとの間に設けた第１の圧力検出器１３の 出力と、逆止弁と油圧ポンプとの間に設けた第二の圧力検出器１２の差圧が一定 値以下となっていることをもって乗かごが停止したことを検出することも考えら れる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案によれば、着床精度の改善ができ、良好な運転特性が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の油圧エレベータの系統図。

【符号の説明】

１…乗かご、２…油圧シリンダ、３…プランジャ、４…
流量検出器、５…油圧ポンプ、６…三相誘導電動機、７
…油タンク、８…逆止弁、８ａ…励磁コイル、９…かご
速度検出装置、１０…電動機速度検出装置、１１…制御
装置、１２…第２の圧力検出装置、１３…第１の圧力検
出装置。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】油圧シリンダ，油圧ポンプ，電動機，制御
   装置及び油圧シリンダに直接あるいは間接に支持された
   かごで構成し、制御装置で速度指令を発生して、その信
   号で電動機を制御することにより油圧ポンプを制御し、
   油圧ポンプで流量制御された圧油を油圧シリンダに供給
   あるいは排出して直接あるいは間接にかごの速度を制御
   する油圧エレベータにおいて、流量検出装置を備えたこ
   とを特徴とする油圧エレベータの制御装置。
2. 【請求項２】請求項１において、エレベータが停止する
   前後に、前記流量検出器の出力が所定値以下となるよう
   に前記電動機を制御する油圧エレベータの制御装置。
3. 【請求項３】請求項１において、エレベータが停止する
   前後に、前記流量検出器の出力が所定値以下となった時
   の油圧ポンプの回転数を保持するよう前記電動機を制御
   する油圧エレベータの制御装置。