JPH0551811A - 導電性複合繊維 - Google Patents

導電性複合繊維

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JPH0551811A
JPH0551811A JP23030291A JP23030291A JPH0551811A JP H0551811 A JPH0551811 A JP H0551811A JP 23030291 A JP23030291 A JP 23030291A JP 23030291 A JP23030291 A JP 23030291A JP H0551811 A JPH0551811 A JP H0551811A
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conductive
fiber
oxide
polymer
particles
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JP23030291A
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Masao Matsui
雅夫 松井
Hiroshi Naito
寛 内藤
Taneo Okamoto
種男 岡本
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた白度と導電性とを有する熱可塑性重合
体の繊維を良好な可紡性を以て工業的有利に提供する。 【構成】 熱可塑性重合体50〜15重量%とその中に均一
に分散した導電性粒子50〜85重量%とからなり104 Ω・
cm程度以下の比抵抗を有する導電層と、繊維形成性熱可
塑性重合体非導電層とが繊維軸に沿って複合された導電
性複合繊維。上記導電性粒子は導電性被膜を有する平均
粒径1μm 以下の酸化チタン粒子であって、該被膜は50
重量%以上の金属酸化物、好ましくは酸化亜鉛又は酸化
錫と50重量%以下の金属及び/又は該金属酸化物と異な
る金属酸化物とより形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性複合繊維に関す
る。
【0002】
【従来の技術】導電性粒子例えば金属粒子、カーボンブ
ラックなどを混合したポリマーからなる導電層と繊維形
成性ポリマーからなる非導電層とが接合された複合繊維
は周知であり、他の繊維に混用し制電性を付与する目的
などに用いられている。
【0003】しかしながらカーボンブラックを混合した
繊維は黒色又は灰色に着色しているという欠点を有し、
更にカーボンブラックを紡糸材に多量に(導電性を与え
るほど)混合すると構造粘性を示し流動性が著しく低下
するだけでなく、紡糸装置内にカーボンブラックが沈着
し長時間安定に紡糸することが困難である。
【0004】特開昭57−5920号公報には、カーボンブラ
ックを混合した繊維の着色を改善するため非導電層に白
色顔料の酸化チタンを10重量%以上混合して白度を向上
させること(反射率25〜30%の灰色)が開示されている
が、白色又は淡色の繊維製品に混用した場合黒筋とな
り、尚用途が制限されるという問題点が残る。
【0005】一方金属粒子については、粒径1μm 以
下、特に 0.5μm 以下のものを製造することは非常に困
難で、超微粒子は極めて高価で実用性が乏しい。更に金
属粒子は粒径の小さいものほど溶融混練や溶融紡糸時の
高温高圧により相互に融着(焼結)し粗大化又は金属塊
として析出する傾向があり、その混合物を溶融複合紡糸
することは非常に困難である。
【0006】米国特許第 4,185,137号明細書には、芯成
分中に酸化亜鉛、ヨウ化銅、コロイド銀、コロイドグラ
ファイト等を30〜83%添加した導電性芯鞘型複合合成繊
維が開示されている。しかしながらこれらの添加物粒子
は均一な粒径のものを入手し難いのみならず、ここに提
案された繊維の白度は艶消しされていない状態で反射率
8%以上、最高でも57%に過ぎず未だ満足すべきものと
は言い難い。
【0007】特開昭53-92854号公報には合成重合体中に
酸化第二錫で表面をコーティングした酸化チタン微粒子
を分散せしめた制電性合成重合体組成物を複合繊維の一
成分となし得ることが開示されている。酸化第二錫コー
ティング酸化チタン微粒子は粒径の均一化は達成する
が、重合体に対する添加量が20重量%を越えると分散性
が低下して凝集するために紡糸不能となるという問題点
がある。更にまた、その少量の添加可能量とも相俟っ
て、いわゆる制電効果を奏し得ても導電効果とは程遠
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た白度を有するとともに高い導電性と均質性とを備えた
導電性複合繊維を良好な可紡性を以て工業的容易且つ安
価に提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、繊維形成
性重合体からなる非導電層と、熱可塑性重合体50〜15重
量%と導電性被膜を有する平均粒径1μm 以下の酸化チ
タン粒子50〜85重量%とからなり且つ104 Ω・cm程度以
下の比抵抗を有する導電層とが繊維横断面において95:
5〜40:60の面積比率で接合されてなり、且つ前記導電
性被膜が50重量%以上の金属酸化物と50重量%以下の金
属及び/又は該金属酸化物と異なる金属酸化物とより形
成されている導電性複合繊維にある。
【0010】
【作用】本発明繊維の特徴の1つは、導電性粒子として
導電性被膜を有する酸化チタンを用いることにある。導
電性被膜としては、金属皮膜もあるが、金属皮膜は酸化
等によって劣化変性し易く不安定という欠点がある。金
属酸化物の中には安定で導電性を有するものがあり、た
とえば、酸化銅、酸化銀、酸化亜鉛、酸化カドミウム、
酸化錫、酸化鉛、酸化マンガン等が挙げられる。特に、
これら金属酸化物を主成分(50%以上、特に75%以上)
とし、それに少量(50%以下)の第2成分を添加するこ
とにより導電性を著しく高く(例えば103 Ω・cm程度以
下に)することが出来て本発明の目的に好適である。上
記第2成分としては、例えば異種金属の酸化物又は/及
び同種・異種金属等が挙げられる。例えば、酸化銅/
銅、酸化亜鉛/酸化アルミニウム、酸化錫/酸化アンチ
モン、酸化亜鉛/亜鉛、酸化アルミニウム/アルミニウ
ム、酸化錫/錫、酸化アンチモン/アンチモン及びそれ
らの酸化物の一部が還元されたものを含有するもの等が
好適である。第2成分(導電性向上成分)の混入法や混
入量は多様であるが、導電性向上に有効且つ安定であれ
ば上記以外のどのようなものでもよい。
【0011】導電性金属酸化物皮膜を有する酸化チタン
は、粉末状での比抵抗が104 Ω・cm程度(オーダー)以
下、特に102 Ω・cm程度(オーダー)以下が好ましく、
101 Ω・cm程度(オーダー)以下が最も好ましい。実際
に102 Ω・cm〜10-2Ω・cm程度のものが得られており、
本発明の目的に好適に応用することが出来る(更に優れ
た導電性のものは一層好ましい)。
【0012】粉末の比抵抗は、直径1cmの円筒に10gの
試料を詰め上部からピストンによって 200kgの圧力を加
えて直流( 0.1〜1000V)を印加して測定する。
【0013】導電性粒子の粒径は小さいものが可紡性及
び導電性の見地から望ましい。例えば平均粒径1μm 以
下、特に 0.7μm 以下、最も好ましくは 0.5μm 〜0.01
μmのものが使用される。粒径が小さいほどポリマーと
混合した時、ポリマー中における分散性に優れ、又混合
物の導電性が優れる。粒径1μm 以上のものも全く使用
不可能ではないが著しく性能が劣る。通常、酸化チタン
は粒径 0.2μm 以下のものが白色顔料として商業生産さ
れており、これに導電性被膜を付加して、粒径0.3 μm
程度以下のものを得ることが出来る。
【0014】導電被膜は、例えば真空蒸着法や金属化合
物(例えば有機酸塩)を付着させ、焼成して酸化物にす
ることや、それを部分還元することで形成することが出
来る。導電被膜は充分な導電性を有し且つ着色の少ない
ものが好ましく、酸化亜鉛又は酸化錫を主成分とするも
のが好適で、中でも酸化亜鉛を主成分とするものが着色
が少なく最も好ましい。
【0015】導電性粒子と混合し導電層を形成するポリ
マーとしては公知のあらゆる熱可塑性重合体を使用し得
る。例えばポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィ
ン、ポリビニル系、ポリエーテル、ポリカーボネートな
ど多数のものが挙げられる。このポリマーは繊維形成性
のものが可紡性の見地からは好ましいが、本発明の目的
のためには可紡性の劣るものも(複合紡糸可能であれ
ば)使用し得る。導電性の見地から、結晶化度40%以上
のものが使用され、好ましくは50%以上、最も望ましく
は60%以上のものが好適である。
【0016】本発明者等の知見によれば、低結晶性(非
結晶性を含む)のポリマーと混合する場合は、導電性粒
子の混合率(重量比)を極めて高く、例えば80〜95%
(重量)にしなければ充分な導電性が得られないことが
多い。これに反し高結晶性のポリマーに混合する場合は
比較的少ない混合率、例えば50〜80%程度、特に50〜70
%程度で充分な導電性が得られることが多い。云うまで
もなく導電性粒子の混合率が高いほど混合物の流動性が
低下し紡糸が困難となり、更に延伸性や得られる繊維の
強伸度が低下する傾向があるので導電性粒子の混合率は
低いほど好ましい。すなわち結晶性の高いポリマーが好
ましい。
【0017】結晶性の高いポリマーを用いたものが導電
性が優れている理由は不明であるが溶融時は粒子はポリ
マー中に均一に分散しているが、冷却固化、或は延伸に
よりポリマーの結晶化が進むと結晶部分から粒子が排除
され結晶と結晶との間へ粒子が濃縮され互いに接近又は
接触し導電性構造を形成するためと想像される。例えば
導電性酸化チタン粉末(比抵抗12Ω・cm)75%、結晶性
パラフィン25%からなる混合物は溶融時は絶縁体に近い
高い抵抗(比抵抗108 Ω・cm以上)を示すが(流動パラ
フィンでも同様)冷却固化(結晶化)した状態では優れ
た導電性(比抵抗102 〜104 Ω・cm)を示す(これに反
しカ−ボンブラックの場合は、非結晶性ポリマーでも優
れた導電性が得られ、逆に高結晶性ポリマーでは結晶が
粒子の連鎖を切断するため導電性が劣る場合が多い)。
【0018】上記のように、導電性粒子が相互に接触又
は極めて接近している構造が、高い導電性を得るために
好ましい。しかしこのような構造は、紡糸された繊維を
延伸する工程により破壊・切断されることがある(逆に
延伸によって粒子が配列し導電性構造を成長させる場合
もある)。
【0019】延伸による導電構造の破壊を防ぐ方法の1
つは、導電層を形成するポリマーの1部もしくは全部を
非導電層ポリマーよりも低い融点の結晶性ポリマーと
し、延伸を非導電層ポリマーと低融点ポリマーの間の温
度領域で行う方法である。この方法では延伸中は低融点
ポリマーは溶融しており、その後冷却固化(結晶化)し
て上記導電構造を成長させる。例えば非導電層ポリマー
として融点150℃以上のポリマーを用い、導電層ポリマ
ーとして融点が非導電層ポリマーのそれよりも30℃以上
(より好ましくは50℃以上、最も好ましくは80℃以上)
低いものを組み合わせて複合し、両ポリマーの融点の間
の温度、例えば50〜 260℃、特に80〜 200℃で延伸する
ことが出来る。
【0020】第二の方法は、延伸によって破壊された導
電性構造を、加熱・冷却により再成長させる方法であ
る。例えば延伸糸を低融点ポリマーの融点以上、非導電
層ポリマーの融点以下の温度に緊張下又は弛緩下で加熱
し、次いで冷却することにより、導電構造を再成長させ
ることが出来る。この場合も両ポリマーの融点は前記の
範囲、すなわち30℃以上の差があるものを組み合わせて
複合するが、より好ましくは50℃以上多いことが望まし
い。繊維の使用温度ではポリマーは固化(結晶化)して
いなくてはならないから、低融点ポリマーの融点は40℃
以上、好ましくは80℃以上、最も好ましくは 100℃以上
であることが望ましく、すなわち熱処理温度は50〜 260
℃、特に80〜 240℃が望ましい。一般に未延伸糸をあま
り高温( 150℃以上、特に 200℃以上)で延伸すること
は困難な場合が多いから、上記第1の方法よりも第2の
方法が応用範囲が広い。
【0021】導電性粒子の導電層における混合率は、粒
子の導電性、純度、構造、粒径、粒子の連鎖形成能及び
混合されるポリマーの性質や種類、結晶化度によって変
わるが、本発明の構成になり前記に特定した粒径の導電
性粒子の混合率はポリマーに対して50〜85重量%、好ま
しくは60〜80重量%程度で充分に分散し、得られる混合
物は紡糸に適した流動性を与えられる。85重量%を超え
ると、混合操作が困難であり、得られる混合物の流動性
が低下し紡糸が困難となる。一方、50重量%未満では充
分な導電性が得にくくなる。また、80重量%以上では流
動性が不足する傾向が現れるので流動性改善剤の使用が
必要となることが多い。
【0022】導電性チタン粒子の他に粒子の分散性、導
電性、可紡性などの改良を目的として異種の導電性粒子
を併用することが出来る。例えば酸化錫、酸化亜鉛、酸
化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化鉄、酸化ビスマ
ス等の金属酸化物(着色が少なく導電性の高いものが好
ましい)、銅、銀、ニッケル、鉄、アルミニウムその他
の金属粒子等を混用することが出来る。併用の場合は導
電性酸化チタンの混合率は前記の範囲より少なくてもよ
い場合があるが、導電性粒子の主成分(50%以上)は導
電性酸化チタンである。いずれにしても、複合繊維の導
電層の比抵抗は104 Ω・cm程度以下にする必要があり、
特に102 Ω・cm以下が最も好ましい。
【0023】導電層には、更に分散剤(例えばワックス
類、ポリアルキレノキシド類各種界面活性剤、有機電解
質など)着色剤、顔料、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸
収剤など)流動性改善剤その他の添加剤を加えることが
出来る。
【0024】複合繊維の非導電層(保護層)を形成する
繊維形成重合体としては溶融紡糸可能なあらゆるものが
用いられる。例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン
12、ナイロン610 等のポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレノキシベンゾエート、ポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、
ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、等のポリビニル系ポリマー、及びこ
れらのポリマーの共重合体や変性体等が用いられる。繊
維形成性重合体には顔料、着色料、安定剤、制電剤(ポ
リアルキレンオキシド類、各種界面活性剤など)等の添
加剤を加えることが出来る。
【0025】導電性成分としては非導電性成分との複合
(接合)は、あらゆる形式が可能である。図1〜図8は
代表的な複合形式を示すもので(斜線部分は導電層を示
す)図1は芯・鞘型(鞘が導電層のものも可)、図2は
サイドバイサイド型、図3は3層型、図4は放射型、図
5は多重サイドバイサイド型、図6は多芯型、図7は多
層型、図8は非円形芯型の例である。勿論上記以外の任
意の複合が可能であり、また繊維の輪郭は円形でもよく
非円形でもよい。
【0026】複合繊維の横断面において導電層の占める
面積比率すなわち複合比率は任意である。繊維の白度の
ことは殆ど考慮しなくてもよいからである。しかし一般
に導電性粒子を多量に混合した導電層は強度、伸度など
に劣る傾向があり、一方導電層の比率が小さいと導電性
が低下し不安定になることがあるから複合比率は3〜80
%、特に5〜60%程度が好ましいことが多い。
【0027】
【実施例】以下実施例によって本発明を説明する。部及
び%は特記しない限り重量比を示す。
【0028】実施例1 平均粒径0.05μm の酸化チタンに対して酸化亜鉛被膜
(重量約15%)を形成したものに、酸化アルミニウム微
粒子(粒径0.02μm )を4%混合焼成して導電性粉末A
1 を得た。粉末A1 の平均粒径は0.06μm 、比抵抗12Ω
・cm、殆ど白色(僅かに灰青色)である。
【0029】分子量約50,000、融点 102℃、結晶化度37
%の低密度ポリエチレンをポリマーP1 とする。分子量
約48,000、融点 130℃、結晶化度77%の高密度ポリエチ
レンをポリマーP2 とする。
【0030】分子量約63,000の結晶化度約55%、融点55
℃のポリエチレンオキシドをポリマーP3 とする。エチ
レンオキシド成分75部/プロピレンオキシド成分25部か
らなる分子量約20,000のランダム共重合物90部とビスヒ
ドロキシエチルテレフタレート10部とを三酸化アンチモ
ン(600ppm)を触媒として 245℃で6時間減圧( 0.5To
rr)下で重合して得た、常温で高粘度の液体(結晶化度
0%)で分子量約75,000のポリエーテルエステルをポリ
マーP4 とする。
【0031】分子量約16,000、融点 215℃、結晶化度45
%のナイロン6をポリマーP5 とする。
【0032】ポリマーP1 〜P5 に粉末A1 をそれぞれ
60%、75%の混合率で混練した混合ポリマーを芯部に、
ポリマーP5 に酸化チタンを1%混合したものを鞘部に
用いて図1のような構造で複合比1/10(断面積比)で
複合し 270℃、直径 0.3mmのオリフィスから紡出し、冷
却・オイリングして1,000m/minの速度で巻取り80℃のピ
ン上で 3.1倍に延伸して20デニール/3フィラメントの
延伸糸Y1 〜Y10を得た。各繊維の芯部ポリマー及び導
電粒子混合率と、単糸の長さ1cm当たりの電気抵抗を表
1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】糸Y1 〜Y10をそれぞれナイロン6の延伸
糸(2,600d/144f)と合糸して巻縮加工し、合糸したも
のを4コースに1本用い他の3コースはナイロン6巻縮
加工糸(2,600d/144f)を用いてタフテッドカーペット
(ループ)を製造した。得られたカーペット上を革靴で
歩行(25℃、20%RH)したときの人体帯電圧を測定した
所、表2の通りであった。なお比較のためナイロン6巻
縮糸のみからなるカーペット上を歩行したときの人体帯
電圧を併記する。
【0035】
【表2】
【0036】前記糸Y1 〜Y4 を 150℃で3%弛緩させ
て熱処理を行った糸をそれぞれHY1 〜HY4 と記す。HY1
〜HY4 の電気抵抗は表3の通りであり、導電性のかなり
の改良が認められた。
【0037】
【表3】
【0038】実施例2 平均粒径0.04μm の酸化チタン粒子に酸化錫の被膜(重
量約12%)を形成したものに、酸化アンチモン粒子(粒
径0.02μm )を5%混合焼成して得た導電性粉末をA2
とする。粉末A2 の平均粒径は0.05μm 、比抵抗9Ω・
cm、殆ど白色(僅かに灰青色)であった。
【0039】実施例1のポリマーP5 を用い粉末A2
60%、70%混合したものを導電層とし、ポリマーP5
酸化チタンを2%混合したものを保護層とし、図3のよ
うに複合(複合比1/8)し、以下実施例1の糸Y9
ほぼ同様に紡糸延伸してそれぞれ糸Y11、Y12を得た。
糸Y11、Y12の電気抵抗はそれぞれ 1.1×109 Ω/cmで
あった。
【0040】実施例3 実施例1の粒子A1 及びポリマーP2 からなり、粒子の
混合率70%の混合物を芯とし、分子量約18,000のポリエ
チレンフタレートを鞘として複合比1/9で図8のよう
な横断面に複合し、直径0.25mm、 278℃のオリフィスか
ら紡出しオイリングして 1,500m /min の速度で巻取
り、80℃で3.15倍に延伸し、更に緊張下 180℃で熱処理
して30デニール/6フィラメントの延伸糸Y13を得た。
糸Y13の単糸の電気抵抗は 1.0×1010Ω/cmであった。
【0041】次に、糸Y13を通常のポリエチレンテレフ
タレート 150デニール/48フィラメント延伸糸と合撚
し、それを 150デニール/48フィラメントポリエチレン
テレフタレート通常糸の丸編布に10mm間隔で編込み、摩
擦帯電圧を測定したところ3000V前後であり、良好な制
電性を示した。
【0042】なお芯部に導電部分を配する複合繊維は、
帯電した物体が近くにあるときは鞘が絶縁破壊されコロ
ナ放電により除電するが、図8のように芯部の横断面が
1個以上の尖端を有する形のときは上記絶縁破壊が起こ
り易く制電性が優れている。このような尖端を形成する
ためには導電粒子は粒径が小さいほど好ましく、粒径0.
1μm 以下のものが最も好ましい。
【0043】導電層が繊維表面に露出しているもので
も、例えば図3や図4のように尖端を有するものがコロ
ナ放電を起こし易く導電性に優れており、これらに対し
ても同様に粒径の小さいものが望ましい。
【0044】
【発明の効果】本発明の導電性複合繊維は上述の構成に
より、繊維形成性熱可塑性重合体に添加混合する導電性
粒子として導電性被膜を有する酸化チタンを用い、この
導電性被膜として、特に、金属酸化物を主成分(50%以
上、特に75%以上)とし、それに少量(50%以下)の第
2成分を添加することにより導電性を著しく高く(例え
ば104 Ω・cm程度以下に)することが出来るとともに、
適宜に選択された粒径と相俟って、得られた導電性粒子
の熱可塑性重合体中における分散性並びに可紡性を顕著
に改善し且つ該重合体の導電性を著しく増大させる効果
を奏する。
【0045】又、本発明繊維は白色又は白色に近いもの
(反射率60%以上)であり且つ容易に製造することが出
来、カーボンブラック系の導電糸が不適当であった白色
又は淡色の繊維製品の製造にも好適である。本発明繊維
は連続フィラメント又はステープル状で他の帯電性の繊
維と混用して繊維製品に制電性を付与することが出来
る。通常、混用率は 0.1〜10%程度であるが、勿論目的
によっては10〜 100%や0.1%以下の混用率が適用され
る場合がある。混合は混綿、合糸、合撚糸、混紡交織、
交編、その他公知のあらゆる手段で行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明複合繊維の横断面の具体例である。
【図2】本発明複合繊維の横断面の具体例である。
【図3】本発明複合繊維の横断面の具体例である。
【図4】本発明複合繊維の横断面の具体例である。
【図5】本発明複合繊維の横断面の具体例である。
【図6】本発明複合繊維の横断面の具体例である。
【図7】本発明複合繊維の横断面の具体例である。
【図8】本発明複合繊維の横断面の具体例である。図に
おいて斜線部は導電層を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維形成性重合体からなる非導電層と、
    熱可塑性重合体50〜15重量%と導電性被膜を有する平均
    粒径1μm 以下の酸化チタン粒子50〜85重量%とからな
    り且つ104 Ω・cm程度以下の比抵抗を有する導電層とが
    繊維横断面において95:5〜40:60の面積比率で接合さ
    れてなり、且つ前記導電性被膜が50重量%以上の金属酸
    化物と50重量%以下の金属及び/又は該金属酸化物と異
    なる金属酸化物とより形成されていることを特徴とする
    導電性複合繊維。
  2. 【請求項2】 酸化チタンの導電性被膜が酸化亜鉛又は
    酸化錫を主成分とするものである請求項1記載の繊維。
  3. 【請求項3】 繊維形成性重合体がポリアミド、ポリエ
    ステル、ポリエーテル、ビニル系ポリマー又はポリオレ
    フィンである請求項1記載の繊維。
  4. 【請求項4】 導電性複合繊維が延伸されたものである
    請求項1、2または3項記載の繊維。
JP23030291A 1980-02-09 1991-09-10 導電性複合繊維 Pending JPH0551811A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115012056A (zh) * 2022-06-30 2022-09-06 江南大学 一种聚酰胺56抗静电纤维及其制备方法

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