JPH0122366B2 - - Google Patents

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JPH0122366B2
JPH0122366B2 JP4265481A JP4265481A JPH0122366B2 JP H0122366 B2 JPH0122366 B2 JP H0122366B2 JP 4265481 A JP4265481 A JP 4265481A JP 4265481 A JP4265481 A JP 4265481A JP H0122366 B2 JPH0122366 B2 JP H0122366B2
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conductive
particles
fiber
conductive layer
polymer
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Masao Matsui
Taneo Okamoto
Hiroshi Naito
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は導電性複合繊維に関する。 導電性粒子例えば金属粒子、カーボンブラツク
などを混合したポリマーからなる導電層と繊維形
成性ポリマーとからなる保護層(非導電層)とが
接合された複合繊維は周知であり、他の繊維に混
用し制電性を付与する目的などに用いられてい
る。しかしながらカーボンブラツクを混合した繊
維は黒色又は灰色に着色しているという欠点を有
し、更にカーボンブラツクを紡糸材に多量に(導
電性を与えるほど)混合すると構造粘性を示し流
動性が著しく低下するだけでなく、紡糸装置内に
カーボンブラツクが沈着し長時間安定に紡糸する
ことが困難である。 一方金属粒子については粒径1μm以下、特に
0.5μm以下のものを製造することは非常に困難
で、超微粒子は極めて高価で実用性が乏しい。更
に金属粒子は粒径の小さいものほど溶融混練が溶
融紡糸時の高温高圧により相互に融着(焼結)し
粗大化又は金属塊として析出する傾向があり、そ
の混合物を溶融複合紡糸することは非常に困難で
ある。 本発明の目的は、着色が少なく且つ製造が比較
的容易な導電性複合繊維を提供するにある。 本発明は繊維形成性ポリマーからなる保護層
と、導電性金属酸化物粒子を含有し且つ前記繊維
形成性ポリマーと親和性の乏しい結晶化度60%以
上のポリマーとからなる導電層とが接合されてな
り、前記導電層の繊維表面積占有率が20%以下
で、且つ横断面に於いて前記導電層が略一様な幅
又は幅を広げつつ挿入されてなり、その挿入深さ
が直径の1/4〜3/4である導電性複合繊維である。 本発明において、導電性金属酸化物粒子とは、
導電性金属酸化物に由来する導電性を有する微細
な粒子であり、具体的には導電性金属酸化物を主
成分(50重量%以上)とする粒子及び導電性金属
酸化物の皮膜を有する粒子を云う。 金属酸化物の多くのものは絶縁体又は半導体で
あつて本発明の目的に充分な導電性を示さないこ
とが多い。しかしながら、例えば、金属酸化物に
適当な第2成分(不純物)を少量(50%以下、特
に25%以下)添加するなどの方法により、導電性
を強化し、本発明の目的に充分な導電性を有する
ものが得られる。例えば酸化亜鉛(ZnO)粉末に
対しアルミニウム、カリウム、インジウム、ゲル
マニウム、錫などの酸化物、水酸化物又は無機酸
塩などの粉末を少量混合し、還元性雰囲気中等で
焼成することにより導電性酸化亜鉛粉末を得るこ
とが出来る。同様に酸化錫(SnO2)粉末に対し
てアンチモン酸化物等を少量混合し焼成すること
により導電性酸化錫の粉末を得ることが出来る。
それらの添加された第2成分は、加熱によつて拡
散浸透し金属酸化物(主成分)/異種金属酸化物
(第2成分)の固溶体を形成し導電性が発現され
るものと推測される。また金属酸化物の1部が還
元され、生じた金属元素が第2成分の機能(導電
性強化)を有する場合もある。勿論上記以外のど
のような第2成分でも、導電性を強め、白度を著
しく低下させず、更に水、熱、光及び通常の繊維
に使用される化学薬品に対して安定な導電性粒子
が得られるものであれば本発明の目的に使用し得
る。 導電性金属酸化物としては、上記の酸化亜鉛又
は酸化錫が導電性、白度及び安定性に優れており
最も好ましいが、これら以外の金属酸化物でも導
電性白度、安定性が充分なものは本発明の目的に
使用し得る。そのようなものとしては例えば酸化
インジウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウ
ムなどがあげられる。 また導電性金属酸化物の皮膜を有する粒子とし
ては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、
酸化鉄(Fe2O3・Fe3O4等)酸化アルミニウム
(Al2O3)、酸化マグネシウムなどの金属酸化物粒
子又はシリカ(SiO2)などの無機化合物粒子の
表面に前記導電性金属酸化物の皮膜を形成したも
のがあげられる。同様に導電性酸化銅又は亜酸化
銅の皮膜も優れた導電性を示すが、着色度がやゝ
高いという欠点がある(皮膜を充分薄くすれば着
色は改良される)。 導電性金属酸化物粒子の導電性は、粉末状での
比抵抗が104Ω・cm程度(オーダー)以下、特に
102Ω・cm程度以下が好ましく、101Ω・cm程度以
下が最も好ましい。実際に102Ω・cm〜10-2Ω・
cm程度のものが得られ、本発明の目的に好適に応
用することが出来る。(更に優れた導電性のもの
は一層好ましい。)粉末の比抵抗(体積抵抗率)
は、直径1cm絶縁体の円筒に試料を5gr詰め上
部からピストンによつて200Kgの圧力を加え、直
流電圧(例えば0.001〜1000V)を印加して(電
流1mA以下で)測定する。 導電性金属酸化物粒子は白度の高いもの、すな
わち粉末での反射率が40%以上、好ましくは50%
以上、最も好ましくは60%以上のものが望まれ
る。前記の導電性酸化亜鉛では反射率が60%以
上、特に80%以上のものを得ることが出来、導電
性酸化錫では反射率が50%以上、特に60%以上の
ものを得ることが出来る。また導電性酸化亜鉛や
導電性酸化錫の皮膜を有する酸化チタン粒子では
反射率が60〜90%程度のものを得ることが出来
る。これに対してカーボンブラツク粉末の反射率
は10%程度であり、金属鉄微粒子(平均粒径
0.05μm)の反射率は20%程度である。 粉末の反射率は、酸化マグネシウム粉末の反射
率を100%として較正した、反射光度計によつて
測定することが出来る。 導電性金属酸化物粒子は充分小さい粒径のもの
でなくてはならない。平均粒径が1〜2μmのも
のも使用不可能ではないが、通常平均粒径が1μ
m以下、特に0.5μm以下、最も好ましくは0.3μm
以下のものが用いられる。粒径が小さいほど結合
材ポリマーと混合したときより少ない混合率で高
い導電性を示す場合が多い。 導電層は充分な導電性を有していなくてはなら
ない。一般に導電層は107Ω・cm程度以下、特に
106Ω・cm程度以下の比抵抗を有することが必要
であり、104Ω・cm以下が特に好ましく、102Ω・
cm以下が最も好ましい。 第10図は導電性金属酸化物粒子とポリマー
(結合材)の混合物の混合率と比抵抗の関係の例
を示すものである。曲線Aは粒径0.25μmの導電
粒子と再結晶性ポリマー(ポリエチレン)混合物
の例で混合率が65%程度以上で充分な導電性を示
す。図において実線は混合物が加熱により流動可
能な領域を示し、点線は加熱では流動困難な領域
を示す。 すなわち点Mは加熱流動可能な混合率の上限で
あり、それ以上の混合率では、溶剤、可塑剤など
の低粘度物質すなわち流動性改善剤を使用(添
加)しなくてはならない。 第10図の曲線Cは非結晶性のポリマーと上記
粒子(粒径0.25μm)の混合率と比抵抗の関係の
具体例である。図から判るように非結晶性のポリ
マーを用いると導電粒子の混合率を極めて高く
(80%以上)しなくてはならないが、そうすると
混合物は流動性を失ない紡糸が極めて困難又は不
可能となる。 第10図の曲線Bは粒径0.01μmの導電粒子と
高結晶性ポリマー(ポリエチレン)との混合率と
比抵抗の関係の具体例である。粒径が極めて小さ
いと図のように低い混合率(30〜55%)ですぐれ
た導電性を示す。粒径の小さい粒子が高い導電性
を示すのは、粒子が連鎖構造を形成し易いためと
想像される。他方粒径の小さい粒子は極めて凝集
し易くポリマー中への分散(均一混合)が非常に
困難で、得られる混合物はしばしば粒子が凝集し
た塊状物を含み、しかも流動性や曳糸性(紡糸
性)が劣る傾向が認められる。曲線Dは粒径
0.25μmの粒子と粒径0.01μmの粒子の1/1(重
量比)の混合物と、高結晶性ポリマーとの混合物
の例で、曲線Aと曲線Bとの中間に位置し、両粒
子の平均的な挙動を示している。この混合粒子系
では、導電性や流動性がかなり改善されるが、均
一分散の困難性や曳糸性についてはなお問題が残
る。 一方、粒径が0.05μm〜0.12μm程度の粒子の挙
動は、前記の0.25μmの粒子と0.01μmの粒子の混
合系に似ており、両粒子の中間的なものであつて
導電性に優れるが、均一分散が困難で曳糸性が劣
る傾向が認められる。 結局、ポリマー中への分散が比較的容易で、得
られる混合物の均一性、流動性及び曳糸性にすぐ
れ、取扱いが容易である点で粒径0.25μm前後の
もの、すなわち0.13μm〜0.45μm程度、特に0.15μ
m〜0.35μm程度のものが最も実用性が高い。 ここで粒径とは単粒子の重量平均直径である。
すなわち電子顕微鏡で観測し単粒子に分離して多
数の(1000個程度)粒子の直径(長径と短径の平
均値)を測定し、0.01μm間隔で分画した粒径分
布を求め、それから式()及び()によつて
重量平均粒径を求める。 但し Ni:i番目の分画の粒子数 Wi:i番目の分画の粒子の重量 粒子重量W=π/6ρD3 () 但し ρ:粒子の密度 D:粒子の直径 さて、前述のように、本発明者等は導電性金属
酸化物粒子とポリマー(結合材)との混合物の導
電性が、ポリマーの結晶性と深い関係があること
を見出した。その別の例を示せば、導電性酸化亜
鉛微粉末(粒径0.3μm、比抵抗33Ω・cm)75%、
結晶性パラフインを25%からなる混合物は溶融時
は絶縁体に近い高い抵抗(比抵抗108Ω・cm以上)
を示すが(流動バラフインでも同様)冷却固化
(結晶化)した状態ではすぐれた導電性(比抵抗
102〜104Ω・cm)を示す。 一方、多量に合成繊維用に商業生産されている
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリ
アミド、ポリエチレンテレフタレート(以下
PETと記す)、ポリブチレンテレフタレートなど
のポリエステル及びポリアクリロニトリル系ポリ
マーなどは、中程度の結晶性すなわち20〜50%
(密度法)の結晶化度を示すが、前記の導電性金
属酸化物粒子、特に最も実用性の高い粒径0.25μ
m前後のものと混合した場合、未延伸状態では優
れた導電性が得られるが、その導電性は延伸によ
つて多くの場合著しく低下し、実質的に導電性が
失なわれる傾向が見出された。 これに反し、結晶性ポリエチレン(密度0.92〜
0.96程度、結晶化度60〜95%程度)、結晶性ポリ
プロピレン(密度0.90〜0.93程度、結晶化度60〜
90%程度)、ポリオキシメチレン(密度1.39〜
1.41程度、結晶化度60〜90%程度)などと前記導
電性金属化合物粒子とを混合したものは、導電性
の延伸による低下が比較的少ない。すなわち高結
晶ポリマー、特に結晶化度が60%以上のものは導
電層形成用ポリマーとして好ましく、結晶化度70
%以上のものは最も好ましい。 ここで結晶化度は次の方法によつて求める。す
なわち導電複合糸を製造する条件と出来るだけ同
じ条件で、試料ポリマーを紡糸、延伸、熱処理し
たときの結晶化度を測定する。結晶化度の測定法
は種々の方法があるが、ここでは密度法又はX線
回折法による。密度法では結晶化度は式()に
よつて算出する。 1/ρ=X/ρc+(1−X)/ρa() 但し ρ:試料の密度 X:結晶化度(X=1のときは100%) ρc:結晶部分の密度 ρa:非結晶部分の密度 代表的な繊維形成性ポリマーの(延伸時の)結
晶の密度ρc及び非晶部分の密度ρaを第1表に示
す。
【表】 密度法が適用出来ないポリマーではX線回折法
によつて式()によつて求める。 X=Ic/Ic+Ia () 但し Ic:結晶による散乱の強度 Ia:非晶部分による散乱(ハロー)の強度 結晶化度の高いポリマーとしては前記のポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレンの
他に、ポリエチレンオキシド及びその誘導体(例
えばポリエチレンオキシド/PETのブロツクコ
ポリマー)、ポリビニルアルコール、ポリカプロ
ラクトンなどがあげられる。これらの高結晶性ポ
リマーは水溶性であつたり融点が低いために実用
性の見地からは劣つているが、低温で使用する製
品や水にさらされない製品においては有用であ
る。 一方、保護層を形成するポリマーとしては、多
量に商業生産されているナイロン66、ナイロン6
などのポリアミド、PET、ポリエチレンオキシ
ベンゾエート、ポリブチレンテレタレートなどの
ポリエステル、ポリアクリルニトリルなどのポリ
ビニル系ポリマー及びポリプロピレンなどのポリ
オレフインが好適である。特にポリアミド、ポリ
エステル、ポリアクリロニトリル系等のポリマー
は現在最も多く合成繊維に使用されており、染色
性、耐熱性その他の糸質の点から保護層用のポリ
マーとして最適である。 しかしながら上記保護層ポリマーに好適なポリ
アミド、ポリエステル及びポリアクリロニトリル
系ポリマーは、前述の導電層用に好適な高結晶性
ポリマーと親和性が乏しく複合防糸したときの相
互接着性に劣り延伸等により剥離する傾向があ
る。両成分の剥離を防ぐため、導電層を芯とし保
護層を鞘として複合紡糸することが考えられるが
一般に導電層が表面に露出していない導電繊維は
制電性が劣る(繊維学会誌1981年2月号P100〜
105参照)。本発明は、これら多くの問題点を解決
した新規な白度及び制電性の優れた導電性繊維及
びその製造法提供するものである。 第1図〜第3図は保護層1と導電層2とからな
る複合繊維の横断面の例である。第1図は鞘芯型
の例で、芯に導電層があるため制電性が劣る。第
2図はサイドバイサイド型の例で、両成分の親和
性が低いと容易に剥離を生ずる。第3図の繊維は
鞘が局部的に薄くなつているため第1図のものよ
りも制電性が改善されるが、第2図のように導電
層が露出しているものにくらべて制電性が劣る。 第4図〜第9図は本発明の実施例を示すもの
で、すべて導電性2は繊維の表面に露出(表面積
の1部を占有)している。しかも導電層が保護層
内部に向つてほゞ一様の巾を保ちつつ、或いは巾
を拡大しつゝ挿入されているという特殊な複合構
造をとつているために導電層2と保護層1とは剥
離を生じにくく、仮に成分間に剥離が生じても両
成分が分離することはほとんどない。 導電層2の横断面の形は第4図のように直線状
でもよく、第5図のようにジグザグ状その他の曲
線でもよく、第6図〜第7図のように枝分れして
いてもよい。また第8図〜第9図のように内部に
向つて太くなつているものも好ましい。第9図で
はくびれ部分からみると内部に向つて拡がつてお
り、両成分の剥離を充分防いでいる。 両成分の剥離又は分離に対する抵抗は、接合面
積の大きいほど強い。また或程度導電層が深く挿
入されている方がよい。例えば第4図、第5図、
第6図、第7図、第9図では進入する長さは繊維
の直径の1/2程度であり、第8図では直径の2/5程
度である。この挿入深さは直径(非円形の繊維で
は同面積の円の直径)の1/5〜4/5、特に1/4〜3/4
の範囲が好ましい。 導電層の複合比(断面積占有率)は任意である
が、通常1〜40%、特に2〜20%、最も多くの場
合3〜10%が好適である。第4図の例では約4%
である。 導電層の露出度すなわち表面積占有率は30%以
下である。占有率が小さくても制電性はほとんど
変らない上に剥離性は大巾に改善されるからであ
る。通常この占有率は好ましくは20%以下、特に
10%以下が好ましく、1〜7%程度が最も好まし
い。第4図〜第7図の例ではこの占有率が2〜3
%程度である。 本発明の繊維の横断面(輪郭)は円形でもよく
非円形でもよい。また導電層の数は単数でもよく
複数でもよい。第8図は複数の例である。 導電性金属酸化物粒子の導電層における混合率
は、粒子の導電性、純度、構造、粒径、粒子の連
鎖形成能及び混合されるポリマーの性質や種類結
晶度などによつて変るが、通常30〜85%(重量)
程度の範囲内であり、多くの場合40〜80%程度で
ある。(80%以上では流動性が不足するので流動
性改善剤(低粘度物質)の使用が必要となること
が多い。 導電性金属酸化物粒子の他に、粒子の分散性、
導電性、可紡性などの改良を目的として異種の導
電性粒子を併用することが出来る。例えば銅、
銀、ニツケル、鉄、アルミニウムその他の金属粒
子などを混用することが出来る。併用の場合は酸
化亜鉛の混合率は前記の範囲より少なくてもよい
場合があるが、導電性粒子の主成分(50%以上)
は酸化亜鉛である。いずれにせよ、複数繊維の導
電層の比抵抗は一般に107Ω・cm程度以下、特に
106Ω・cm程度以下にする必要があり、特に104
Ω・cm以下が好ましく、102Ω・cm以下が最も好
ましい。 導電性成分には、更に分散剤(例えばワツクス
類、ポリアルキレンオキシド類、各種界面活性
剤、有機電解質など)着色剤、顔料、安定剤(酸
化防止剤、紫外線吸収剤など)流動性改善剤(低
粘度物質)その他の添加剤を加えることが出来
る。 複合繊維の繊維形成性成分としては、紡糸可能
なあらゆるものが用いられる。中でもナイロン
6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン610など
のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンオキシベンゾエート、ポリブチレンテ
レフタレートなどのポリエステル、ポリアクリロ
ニトリル及びそれらのポリマーの共重合体や変性
体が特に好適である。繊維形成性ポリマーには、
艶消剤、顔料、着色料、安定剤、制電剤(ポリア
ルキレンオキシド類、各種界面活性剤など)など
の添加剤を加えることが出来る。 導電性金属酸化物を用いる導電層は、かなり多
量の導電性粒子を含有するために、すなわち結合
材としてのポリマーの含有量が少ないために、そ
の機械的強度が劣り脆くなる傾向がある。このた
めに延伸や摩擦によつて導電層が破壊され導電性
が失なわれる恐れがあるが、本発明の複合繊維で
は導電層が保護層の中に深く挿入されているため
保護効果が高く導電性の耐久性が高い。 しかしながら導電性の外力や熱に対する耐久性
を改良するためには、保護層ポリマーと導電層ポ
リマーの相互親和性を高めることが更に好まし
い。この目的のために両ポリマーの1方もしくは
双方に第3成分を混合又は共重合してその親和性
や接着性を改善することが出来る。例えばポリオ
レフインとポリアミドの親和性を高めるためにポ
リオレフインにアミド基、アミノ基、カルボキシ
ル基、スルフオン基などを導入したりそれらの基
をもつ変性ポリオレフインを少量(例えば30%以
下)混合することが有効である。同様にポリオレ
フインと芳香族ポリエステルとの親和性や接着性
を改善するために、両者のブロツクコポリマー
(例えばカルボキシル基をもつポリエチレンをポ
リエステルに共重合したもの)を一方もしくは双
方に混合することが出来る。 本発明の複合繊維は通常の溶融・乾式又は湿式
の複合紡糸法によつて容易に製造することが出来
る。また、本発明の繊維の別の製造法は、保護層
を鞘に、導電層を芯に、鞘芯型に複合紡糸した後
外力を加えて芯を連続的又は断続的に露出させる
方法である。外力を加える方法としては仮撚法が
最も有効であるが、他にも例えば延伸ピン上で延
伸することやナイフエツジに擦過する方法などが
ある。外力を加えて芯を露出させる目的には、第
1図のような鞘の厚みが一様な複合構造よりも、
第3図のような鞘の1ケ所又は複数個所が局部的
に薄くなつているような構造の方が好ましい。こ
の鞘の最薄部の厚みは薄いほど芯が露出し易い。
すなわち鞘の最薄部の厚みが繊維の直径(断面が
非円形の場合は同面積の円の直径)の1/5以下、
特に1/10以下、最も好ましくは1/15以下のものが
好適である。この方法の特色は、複合紡糸が芯鞘
型のため比較的容易であること、及び得られる繊
維の導電層の露出度を極めて少なく(例えば3%
以下)することが出来、その離脱を効果的に防止
し得ることにある。 第8図は第3図の複合繊維を延伸後仮撚によつ
て芯の導電層を露出させたものの例である。同図
において導電層2は表面まで露出しており、導電
層2′は表面の外まで露出している。 本発明の複合繊維は白色又は白色に近いもの例
えば白度(反射率)60%以上のものを容易に製造
することが出来、カーボンブラツク系の導電糸が
不適当であつた白色又は淡色の繊維製品の製造に
も好適であり、又連続フイラメント又はステープ
ル状で、巻縮しない状態又は巻縮した状態で、他
の帯電性の天然繊維又は人造繊維と混用して繊維
製品に制電性を付与することが出来る。通常混用
率は0.1〜10%程度であるが勿論目的によつては
10〜100%や0.1%以下の混合用率が適用される場
合がある。混合は、混綿、合糸、合撚糸、混紡、
交織、交編その他公知のあらゆる手段で行なわれ
る。 以下実施例によつて本発明を説明する。部及び
%は特記しない限り重量比を示す。 実施例 1 表面に酸化錫(SnO2)皮膜を有する酸化チタ
ン粒子に対して0.75%の酸化アンチモンを混合焼
成した導電性化した粒子をA1とする。A1の平均
粒径は0.25μm(粒径のバラツキ範囲は0.20〜
0.30μmで比較的揃つている)、酸化錫の含有率は
15%、比抵抗6.3Ω・cm、外観は白色に近い淡灰
青色で白度(光反射率)は86%である。 酸化亜鉛粒子に対して3%の酸化アルミニウム
を混合焼成して導電体化した粒子をA2とする。
A2の平均粒径は0.20μm(バラツキ範囲0.15 0.5μ
m)、比抵抗33Ω・cm、外観は白色に近い淡灰青
色で白度は81%である。 上記導電性粒子A1及びA2を用い、第2表に示
す各種のポリマーと混合する。
【表】 ポリマーP1〜P4の粉末と、導電性粒子A1〜A2
を、種々の組合せで導電性粒子の混合率75%で混
合し更に溶融混練して第3表に示す10種の導電性
ポリマーを得た。但しポリマーP1〜P3に混合す
るときは、粒子分散剤としてポリエチレンオキシ
ド/ポリブチレンオキシドのブロツク共重合物で
(共重合比3/1)分子量4000のものを粒子に対
して0.3%添加し、ポリマーP4に混合するときは
分散剤としてステアリン酸マグネシウム塩を粒子
に対して0.5%添加した。
【表】 分子量16000のナイロン6に艶消剤として酸化
チタン粒子を1.8%添加したものを保護成分とし、
導電ポリマーCP11を導電成分とし、両成分を第
4図のような複合構造で溶融複合紡糸した。すな
わち両成分の複合比(体積)を19/1とし255℃、
直径0.25mmのオリフイスから紡出し、冷却オイリ
ングしながら800m/minの速度で巻取り、85℃
で3.1倍延伸して得た30d/4fの延伸糸を糸Y11と
する。糸Y11において導電層2の表面積占有率は
約2.5%である。 糸Y11と同様にして、艶消剤を含むナイロン6
と第3表の各種導電性ポリマーを組合せて用いて
得た複合糸の未延伸糸及び延伸糸の導電性を第4
表に示す。導電性は長さ10cmの単糸10本を束ねて
両端を金属端子と導電性接着剤で接着し、1000V
の直流電圧を印加して抵抗値を測り、これを単糸
1本の1cm当りの電気抵抗とし、それから比抵抗
を算出する。
【表】 第4表から明らかなように本発明の繊維は、未
延伸糸、延伸糸共に、単糸の1cm当りの電気抵抗
1012Ω・cm程度以下、比抵抗106Ω・cm程度以下
で優れた導電性を示す。なおY11〜Y42のすべて
の糸の白度(光反射率)は70〜90%であり、良好
である。 なおポリオレフイン(例えばP1、P2、P3な
ど)はポリアミド(例えばナイロン6)に対して
親和性が乏しい。そのため、複合繊維に強い歪を
加えたりポリオレフインの融点以上に加熱したり
すると、成分間の剥離や離脱、或いは導電層の切
断が生じることがある。この傾向は導電層の露出
度(表面積占有率)を小さくし、且つ保護層への
進入深さを大きくすることによりかなり改善され
る。一方、ポリオレフインに(例えば上記P1、
P2、P3に)ポリアミドの相互親和性改善剤を少
量混合することにより、更に改善することが可能
である。 ポリオレフインに混合する親和性改善剤の例と
しては、カルボキシル基を有する所謂酸化ポリエ
チレン(例えばエチレン/マレイン酸共重合物)
で、酸価10〜30程度、分子量1000〜20000程度の
変性ポリエチレン及び分子量1000〜20000程度の
ポリアミドがあげられる。混合率はポリオレフイ
ンに対して1〜30%程度、特に2〜20%程度が好
適である。この混合率が大きすぎるとポリオレフ
インの結晶性を低下させるので適切な混合率を選
ぶ必要がある。 同様に親和性改善剤の別の例としては、カルボ
キシル基及びNa、K、Mn、Znなどの陽イオン
性の金属を含有する所謂アイオノマーがあり、例
えばDupont社(米国)のSurlyn Aがあげられ
る。このアイオノマーは、導電層だけでなく、保
護層へも混合し、両者の親和性改善をはかること
が出来る。混合率は前記変性ポリエチレンと同様
である。 同様にポリオレフインに分子量1000〜20000程
度のポリエステルを1〜30%程度混合し、ポリエ
ステルに対する親和性を改善することが出来る。 実施例 2 分子量15000、延伸熱処理時の結晶化度46%、
融点257℃のPETをポリマーP5とする。ポリマー
P5と実施例1の導電性粒子A1又はA2とを溶融混
練して得た導電粒子混合率75%の導電性ポリマー
を夫々CP51及びCP52とする。但し混合時に導電
性粒子に対して実施例1に示したポリエチレンオ
キシド/ポリブチレンオキシドブロツク共重合体
を分散剤として0.3%添加した。 分子量15000のPETで艶消剤として酸化チタン
粒子を0.7%含むものを保護成分とし、上記導電
性ポリマーCP51を導電性成分とし、両者を第6
図のような複合構造で溶融複合紡糸した。すなわ
ち両成分の複合比(体積)を11/1とし、275℃
で直径0.25mmのオリフイスから紡出し、1400m/
minの速度で巻取り90゜で3.2倍延伸し、緊張下で
150℃のヒーターに接触させた後巻取つた。得ら
れた25デニール/5フイラメントの延伸糸を糸
YP51とする。糸Y51において導電層2の表面積
占有率は約3.5%である。糸Y51と同様にして、
但し導電性ポリマーCP52を用いて得た延伸糸を
糸Y52とする。 同様に保護層に前記PETを用い、導電層に実
施例1の導電性ポリマーCP11、CP12、CP21、
CP22、CP31、CP41を夫々用いて得た延伸糸を
夫々YP11、YP12、YP21、YP22、YP31、
YP32、とする。糸YP11〜YP52の未延伸糸及び
延伸熱処理糸の導電性を第5表に示す。
【表】 実施例 3 分子量15000のPETを保護層成分とし、実施例
1の導電性成分CP11又はCP31を芯成分として第
3図のように複合し、実施例2の糸YP11と同様
に紡糸延伸熱処理して得た延伸糸を糸YS11及び
YS31とする。 PETの通常の150d/48fの延伸糸を糸YOとす
る糸YOと上記YS11とを合糸したものを糸YO11
とし、YS31と合糸したものをYO31とする。糸
YS11を210℃で撚数2400T/Mで仮撚したものを
糸YF11とする。糸YS31を同様に仮撚したものを
糸YF31とする。 PETの通常の150d/48fの仮撚糸で丸編物を作
り、その編物に、6mm間隔(10本に1本の割合)
で上記導電糸を含む糸を混入(導電糸混入率約
1.6%)して各種の編物を得た。この編物をよく
洗濯乾燥し、湿度33%RH、25℃雰囲気中でその
摩擦帯電圧を測定した。測定法は本発明者等が、
特願昭54−126189号にて提案方法で、摩擦布はウ
ール布であり、摩擦1分後の帯電圧を読取つた。
各試料の制電性は第6表の通りである。
【表】
【表】 糸YS11及び糸YS31を含む糸を仮撚したものは
第8図に示すように導電複合糸の芯が仮撚によつ
て繊維表面露出し制電性が優れていた。これに反
し芯が露出していない導電糸を用いたものは導電
性はかなりすぐれているにもかゝわらず制電性が
劣つた。
【図面の簡単な説明】
第1図は芯鞘型、第2図はサイドバイサイド
型、第3図は複数の芯を有する複合繊維の横断面
の例である。第4図〜第9図は本発明繊維の横断
面の具体例である。第10図は導電性金属酸化物
粒子と結合材ポリマーとの混合物の粒子混合率と
電気抵抗の関係の具体例を示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 繊維形成性ポリマーからなる保護層と、導電
    性金属酸化物粒子を含有し且つ前記繊維形成性ポ
    リマーと親和性の乏しい結晶化度60%以上のポリ
    マーとからなる導電層とが接合されてなり、前記
    導電層の繊維表面積占有率が20%以下で、且つ横
    断面に於いて前記導電層が略一様な幅又は幅を広
    げつつ挿入されてなり、その挿入深さが直径の1/
    4〜3/4である導電性複合繊維。 2 導電層が曲線状又は枝分れ状で挿入されてい
    る特許請求の範囲第一項記載の繊維。 3 導電性を形成するポリマーが結晶化度70%以
    上のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシ
    メチレン及びそれらの誘導体の群から選ばれたも
    のであり、繊維形成性ポリマーがポリアミド、ポ
    リエステル、アクリル系ポリマーからなる群から
    選ばれたものである特許請求の範囲第1項記載の
    繊維。 4 導電層及び保護層の少なくとも一方が、相互
    親和性改善剤を含有するものである特許請求の範
    囲第1項記載の繊維。 5 導電性金属酸化物粒子が酸化亜鉛、酸化錫、
    酸化インジウム、酸化亜鉛皮膜を有する粒子、酸
    化錫皮膜を有する粒子、酸化インジウム皮膜を有
    する粒子で且つ粒径が0.1〜0.5μmのものである
    特許請求の範囲第1項記載の繊維。
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