JPH0615740B2 - 導電性複合繊維を混用したカーペット - Google Patents

導電性複合繊維を混用したカーペット

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JPH0615740B2
JPH0615740B2 JP2015111A JP1511190A JPH0615740B2 JP H0615740 B2 JPH0615740 B2 JP H0615740B2 JP 2015111 A JP2015111 A JP 2015111A JP 1511190 A JP1511190 A JP 1511190A JP H0615740 B2 JPH0615740 B2 JP H0615740B2
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寛 内藤
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は導電性複合繊維及びそれを含んでなる制電性繊
維製品に関する。
(従来の技術) 導電性粒子例えば金属粒子、カーボンブラックなどを混
合したポリマーからなる導電層と繊維形成性ポリマーか
らなる非導電層とが接合された複合繊維は周知であり、
他の繊維に混用し制電性を付与する目的などに用いられ
ている。
しかしながらカーボブラックを混用した繊維は黒色又は
灰色に着色しているという欠点を有し、更にカーボンブ
ラックを紡糸材に多量に(導電性を与えるほど)混合す
ると構造粘性を示し流動性が著しく低下するだけでな
く、紡糸装置内にカーボンブラックが沈着し長時間安定
に紡糸することが困難である。
一方金属粒子については、粒径1μm以下、特に0.5μ
m以下のものを製造することは非常に困難で、超微粒子
は極めて高価で実用性が乏しい。更に金属粒子は粒径の
小さいものほど溶融混練や溶融紡糸時の高温高圧により
相互に融着(焼結)し粗大化又は金属塊として析出する
傾向があり、その混合物を溶融複合紡糸することは非常
に困難である。
米国特許第4,185,137号明細書には、芯成分中に酸化亜
鉛、ヨウ化銅、コロイド銀、コロイドグラファイト等を
30〜80%添加した導電性芯鞘型複合合成繊維が開示され
ている。しかしながらこれらの添加物粒子は均一な粒径
のものを入手し難いのみならず、ここに提案された繊維
の白度は艶消しされていない状態で反射率8%以上、最
高でも57%に過ぎず未だ満足すべきものとは言い難い。
特に、グレイに染色したカーペットで白度の評価をして
いるが、反射率57%では例えばベージュやピンクなどの
淡色に染色したカーペットではたて筋となって目立つの
で、実用上60%以上の白度が必要であり、更に70%以上
が望まれる。
特開昭53-92854号公報には合成重合体中に酸化第二錫で
表面をコーティングした酸化チタン微粒子を分散せしめ
た制電制合成重合体組成物を複合繊維の一成分となし得
ることが開示されている。酸化第二錫コーティング酸化
チタン微粒子は粒径の均一化は達成するが、重合体に対
する添加量が20重量%を越えると分散性が低下して凝集
するために紡糸不能となるという問題点がある。更にま
た、その少量の添加可能量とも相俟って、いわゆる制電
効果を奏し得ても導電効果とは程遠い。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、良好な可紡性を以て工業的容易且つ安
価に製造され且つ優れた白度を有するとともに高い導電
性と均質性とを備えた導電性複合繊維を少量混用するこ
とによって、色筋や混繊段がなく優れた制電性を有し、
人体帯電圧の低いカーペットを提供するにある。
(課題を解決するための手段) 即ち本発明のカーペットは、75重量%以上の金属酸化物
と25重量%以下の金属及び/又は上記金属酸化物と異な
る金属酸化物とよりなる導電性被膜を有し且つ0.5〜0.0
1μmの平均粒径を有する酸化チタン導電性粉末を適量
混合した結晶化度37%以上の熱可塑性重合体の導電層
と、繊維形成性重合体からなる非導電層とが接合されて
なる10Ω・cm程度以下の比抵抗を示す導電性複合繊維
を帯電性繊維パイルに0.1〜10重量%混用してなること
を特徴とする低い人体帯電圧を示すカーペットである。
上記酸化チタンの導電性被膜は、酸化亜鉛又は酸化錫を
主成分とするものが好ましく、また、繊維形成重合体と
してはポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ビニ
ル系ポリマー又はポリオレフィンが好適に用いられる。
さらに、本発明に適用される導電性複合繊維は延伸され
たものであることが特に好ましい。
(作用) 本発明に適用される繊維の特徴の1つは、導電性粒子と
して導電性被膜を有する酸化チタンを用いることにあ
る。導電性被膜としては、金属皮膜もあるが、金属皮膜
は酸化等によって劣化変性し易く不安定という欠点があ
る。金属酸化物の中には安定で導電性を有するものがあ
り、たとえば、酸化銅、酸化銀、酸化亜鉛、酸化カドミ
ウム、酸化錫、酸化鉛、酸化マンガン等が挙げられる。
特に、これら金属酸化物を主成分(75%以上)とし、そ
れに少量(25%以下)の第2成分を添加することにより
導電性を著しく高く(例えば103Ω・cm程度以下に)す
ることが出来て本発明の目的に好適である。上記第2成
分としては、例えば異種金属の酸化物又は/及び同種・
異種金属等が挙げられる。例えば、酸化銅/銅、酸化亜
鉛/酸化アルミニウム、酸化錫/酸化アンチモン、酸化
亜鉛/亜鉛、酸化アルミニウム/アルミニウム、酸化錫
/錫、酸化アンチモン/アンチモン及びそれらの酸化物
の一部が還元されたものを含有するもの等が好適であ
る。第2成分(導電性向上成分)の混入法や混入量は多
様であるが、導電性向上に有効且つ安定であれば上記以
外のどのようなものでもよい。
導電性金属酸化物皮膜を有する酸化チタンは、粉末状で
の比抵抗が104Ω・cm程度(オーダー)以下、特に102Ω
・cm程度(オーダー)以下が好ましく、101Ω・cm程度
(オーダー)以下が最も好ましい。実際に102Ω・cm〜1
0-2Ω・cm程度のものが得られており、本発明の目的に
好適に応用することが出来る(更に優れた導電性のもの
は一層好ましい)。
粉末の比抵抗は、直径1cmの円筒に10gの試料を詰め上
部からピストンによって200kgの圧力を加えて直流(0.1
〜1000V)を印加して測定する。
導電性粒子の粒径は小さいものが可紡性及び導電性の見
地から望ましい。例えば平均粒径1μm以下、特に0.7
μm以下、最も好ましくは0.5μm〜0.01μmのものが
使用される。粒径が小さいほどポリマーと混合した時、
ポリマー中における分散性に優れ、又混合物の導電性が
優れる。粒径1μm以上のものも全く使用不可能ではな
いが著しく性能が劣る。通常、酸化チタンは粒径0.2μ
m以下のものが白色顔料として商業生産されており、こ
れに導電性被膜を付加して、粒径0.3μm程度以下のも
のを得ることが出来る。
導電被膜は、例えば真空蒸着法や金属化合物(例えば有
機酸塩)を付着させ、焼成して酸化物にすることや、そ
れを部分還元することで形成することが出来る。導電被
膜は充分な導電性を有し且つ着色の少ないものが好まし
く、酸化亜鉛又は酸化錫を主成分とするものが好適で、
中でも酸化亜鉛を主成分とするものが着色が少なく最も
好ましい。
導電性粒子と混合し導電層を形成するポリマーとしては
公知のあらゆる熱可塑性重合体を使用し得る。例えばポ
リアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニル
系、ポリエーテル、ポリカーボネートなど多数のものが
挙げられる。このポリマーは繊維形成性のものが可紡性
の見地からは好ましいが、本発明の目的のためには可紡
性の劣るものも(複合紡糸可能であれば)使用し得る。
導電性の見地から、通常結晶化度40%以上のものが使用
され、好ましくは50%以上、最も望ましくは60%以上の
ものが好適である。
本発明者等の知見によれば、低結晶性(非結晶性を含
む)のポリマーと混合する場合は、導電性粒子の混合率
(重量比)を極めて高く、例えば80〜95%(重量)にし
なければ充分な導電性が得られないことが多い。これに
反し高結晶性のポリマーに混合する場合は比較的少ない
混合率、例えば50〜80%程度、特に50〜70%程度で充分
な導電性が得られることが多い。云うまでもく導電性粒
子の混合率が高いほど混合物の流動性が低下し紡糸が困
難となり、更に延伸性が得られる繊維の強伸度が低下す
る傾向があるので導電性粒子の混合率は低いほど好まし
い。すなわち結晶性の高いポリマーが好ましい。
結晶性の高いポリマーを用いたものが導電性が優れてい
る理由は不明であるが溶融時は粒子はポリマー中に均一
に分散しているが、冷却固化、或は延伸によりポリマー
の結晶化が進むと結晶部分から粒子が排除され結晶と結
晶との間へ粒子が濃縮され互いに接近又は接触し導電性
構造を形成するためと想像される。例えば導電性酸化チ
タン粉末(比抵抗12Ω・cm)75%、結晶性パラィン25%
からなる混合物は溶融時は絶縁体に近い高い抵抗(比抵
抗108Ω・cm以上)を示すが(流動パラフィンでも同
様)冷却固化(結晶化)した状態では優れた導電性(比
抵抗102〜104Ω・cm)を示す(これに反しカーボンブラ
ックの場合は、非結晶性ポリマーでも優れた導電性が得
られ、逆に高結晶性ポリマーでは結晶が粒子の連鎖を切
断するため導電性が劣る場合が多い)。
上記のように、導電性粒子が相互に接触又は極めて接近
している構造が、高い導電性を得るために好ましい。し
かしこのような構造は、紡糸された繊維を延伸する工程
により破壊・切断されることがある(逆に延伸によって
粒子が配列し導電性構造を成長させる場合もある)。
延伸による導電構造の破壊を防ぐ方法の1つは、導電層
を形成するポリマーの1部もしくは全部を非導電層ポリ
マーよりも低い融点の結晶性ポリマーとし、延伸を非導
電層ポリマーと低融点ポリマーの間の温度領域で行う方
法である。この方法では延伸中は低融点ポリマーは溶融
しており、その後冷却固化(結晶化)して上記導電構造
を成長させる。例えば非導電層ポリマーとして融点 150
℃以上のポリマーを用い、導電層ポリマーとして融点が
非導電層ポリマーのそれよりも30℃以上(より好ましく
は50℃以上、最も好ましくは80℃以上)低いものを組み
合わせて複合し、両ポリマーの融点の間の温度、例えば
50〜260℃、特に80〜200℃で延伸することが出来る。
第二の方法は、延伸によって破壊された導電性の構造
を、加熱・冷却により再成長させる方法である。例えば
延伸糸を低融点ポリマーの融点以上、非導電層ポリマー
の融点以下に温度に緊張下又は弛緩下で加熱し、次いで
冷却することにより、導電構造を再成長させることが出
来る。この場合も両ポリマーの融点は前記の範囲、すな
わち30℃以上の差があるものを組み合わせて複合する
が、より好ましくは50℃以上多いことが望ましい。繊維
の使用温度ではポリマーは固化(結晶化)していなくて
はならないから、低融点ポリマーの融点は40℃以上、好
ましくは80℃以上、最も好ましくは100℃以上であるこ
とが望ましく、すなわち熱処理温度は50〜260℃、特に8
0〜240℃が望ましい。一般に未延伸糸をあまり高温(15
0 ℃以上、特に200℃以上)で延伸することは困難な場
合が多いから、上記第1の方法よりも第2の方法が応用
範囲が広い。
導電性粒子の導電層における混合率は、粒子の導電性、
純度、構造、粒径、粒子の連鎖形成能及び混合されるポ
リマーの性質や種類、結晶化度によって変わるが、本発
明の構成になり前記に特定した粒径の導電性粒子の混合
率はポリマーに対して50〜85重量%、好ましくは60〜80
重量%程度で充分に分散し、得られる混合物は紡糸に適
した流動性を与えられる。85重量%を超えると、混合操
作が困難であり、得られる混合物の流動性が低下し紡糸
が困難となる。一方、50重量%未満では充分な導電性が
得にくくなる。また、80重量%以上では流動性が不足す
る傾向が現れるで流動性改善剤の使用が必要となること
が多い。
導電性チタン粒子の他に粒子の分散性、導電性、可紡性
などの改良を目的として異種の導電性粒子を併用するこ
とが出来る。例えば酸化錫、酸化亜鉛、酸化ジルコニウ
ム、酸化インジウム、酸化鉄、酸化ビスマス等の金属酸
化物(着色が少なく導電性の高いものが好ましい)、
銅、銀、ニッケル、鉄、アルミニウムその他の金属粒子
等を混用することが出来る。併用の場合は導電性酸化チ
タンの混合率は前記の範囲より少なくてもよい場合があ
るが、導電性の主成分(50%以上)は導電性酸化チタン
である。いずれにしても、複合繊維の導電層の比抵抗は
104Ω・cm程度以下にする必要があり、特に102Ω・cm以
下が最も好ましい。
導電層には、更に分散剤(例えばワックス類、ポリアル
キレノキシド類各種界面活性剤、有機電解質など)着色
剤、顔料、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)流
動性改善剤その他の添加剤を加えることが出来る。
複合繊維の非導電層(保護層)を形成する繊維形成重合
体としては溶融紡糸可能なあらゆるものが用いられる。
例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン
610 等のポリアミド、ポリエチレンテレフタート、ポリ
エチレノキシベンゾエート、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等
のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、等のポリビニル系ポリマー、及びこれらのポリマー
の共重合体や変性体等が用いられる。繊維形成性重合体
には顔料、着色料、安定剤、制電剤(ポリアルキレンオ
キシド類、各種界面活性剤など)等の添加剤を加えるこ
とが出来る。
導電性成分と非導電性成分との複合(接合)は、あらゆ
る形式が可能である。第1図〜第8図は代表的な複合形
式を示すもので(斜線部分は導電層を示す)第1図は芯
・鞘型(鞘が導電層のものも可)、第2図はサイドバイ
サイド型、第3図は3層型、第4図は放射型、第5図は
多重サイドバイサイド型、第6図は多芯型、第7図は多
層型、第8図は非円形芯型の例である。勿論上記以外の
任意の複合が可能であり、また繊維の輪郭は円形でもよ
く非円形でもよい。
複合繊維の横断面において導電層の占める面積比率すな
わち複合比率は任意である。繊維の白度のことは殆ど考
慮しなくてもよいからである。しかし一般に導電性粒子
を多量に混合した導電層は強度、伸度などに劣る傾向が
あり、一方導電層の比率が小さいと導電性が低下し不安
定になることがあるから複合比率は3〜80%、特に5〜
60%程度が好ましいことが多い。
(実施例) 以下実施例によって本発明を説明する。部及び%は特記
しない限り重量比を示す。
実施例1 平均粒径0.05μmの酸化チタンに対して酸化亜鉛被膜
(重量約15%)を形成したものに、酸化アルミニウム微
粒子(粒径0.02μm)を上記酸化亜鉛膜被覆酸化チタン
の重量を基準として4%混合焼成して導電性粉末A1
得た。粉末A1の平均粒径は0.06μm、比抵抗12Ω・c
m、殆ど白色(僅かに灰青色)である。
分子量約50,000、融点 102℃、結晶化度37%の低密度ポ
リエチレンをポリマーP1とする。分子量約48,000、融
点 130℃、結晶化度77%の高密度ポリエチレンをポリマ
ーP1とする。
分子量約63,000の結晶化度約55%、融点55℃のポリエチ
レンオキシドをポリマーP3とする。エチレンオキシド成
分75部/プロピレンオキシド成分25部からなる分子量約
20,000のランダム共重合物90部とビスヒドロキシエチル
テレフタレート10部とを三酸化アンチモン(600ppm)を
触媒として245℃で6時間減圧( 0.5Torr)下で重合し
て得た、常温で高粘度の液体(結晶化度0%)で分子量
約75,000のポリエーテルエステルをポリマーP4とす
る。
分子量約16,000、融点215℃、結晶化度45%のナイロン
6をポリマーP5とする。
ポリマーP1〜P5に粉末A1をそれぞれ60%、75%の混
合率で混練した混合ポリマーを芯部に、ポリマーP5
酸化チタンを1%混合したものを鞘部に用いて第1図の
ような構造で複合化1/10(断面積比)で複合し 270
℃、直径 0.3mmのオリフィスから紡出し、冷却・オイリ
ングして1,000m/minの速度で巻取り80℃のピン上で 3.1
倍に延伸して20デニール/3フィラメントの延伸糸Y1
〜Y10を得た。各繊維の芯部ポリマー及び導電粒子混合
率と、単糸の長さ1cm当たりの電気抵抗並びに比抵抗を
第1表に示す。同表より、結晶化度40%以下のポリマー
,Pを用いた糸は高い比抵抗を示すことが判る。
糸Y1〜Y10をそれぞれナイロン6の延伸糸(2,600d/14
4f)と合糸して巻縮加工し、合糸したものを4コースに
1本用い他の3コースはナイロン6巻縮加工糸(2,600d
/144f)を用いて表面パイルを形成したタフテッドカー
ペット(ループ)を製造した(混用率:0.19重量%)。
得られたカーペット上を革靴で歩行(25℃、20%RH)し
たときの人体帯電圧を測定した所、第2表の通りであっ
た。なお比較のためナイロン6巻縮糸のみからなるカー
ペット上を歩行したときの人体帯電圧を併記する。
注)人体帯電圧は3000V以下、特に2500V以下(絶対
値)が望ましい。
前記糸Y1〜Y4を150℃で3%弛緩させて熱処理を行っ
た糸をそれぞれHY1〜HY4と記す。HY1〜HY4の電気抵
抗並びに比抵抗は第3表の通りであり、導電性のかなり
の改良が認められた。
実施例2 平均粒径0.04μmの酸化チタン粒子に酸化錫の被膜(重
量約12%)を形成したものに、酸化アンチモン粒子(粒
径0.02μm)を5%混合焼成して得た導電性粉末をA2
とする。粉末A2の平均粒径は0.05μm、比抵抗9Ω・c
m、殆ど白色(僅かに灰青色)であった。
実施例1のポリマーP5を用い粉末A2を60%、70%混合
したものを導電層とし、ポリマーP5に酸化チタンを2
%混合したものを保護層とし、第3図のように複合(複
合化1/8)し、以下実施例1の糸Y9とほぼ同様に紡
糸延伸してそれぞれ糸Y11、Y12を得た。糸Y11、Y12
の電気抵抗はそれぞれ1.1×109Ω/cm(比抵抗:1.8×1
05Ω・cm)および8.5×109Ω/cm(比抵抗:1.3×104Ω
・cm)であった。
実施例3 実施例1の粒子A1及びポリマーP2からなり、粒子の混
合率70%の混合物を芯とし、分子量約18,000のポリエチ
レンフタレートを鞘として複合比1/9で第8図のよう
な横断面に複合し、直径0.25mm、278℃のオリフィスか
ら紡出しオイリングして1,500m/minの速度で巻取り、8
0℃で3.15倍に延伸し、更に緊張下180℃で熱処理して30
デニール/6フィラメントの延伸糸Y13を得た。糸Y13
の単糸の電気抵抗は1.0×1010Ω・cm(比抵抗:2.3×10
4Ω・cm)であった。
次に、糸Y13を通常のポリエチレンテレフタレート 150
デニール/48フィラメント延伸糸と合撚し、それを 150
デニール/48フィラメントポリエチレンテレフタレート
通常糸の丸編布10mm間隔で編込み、摩擦帯電圧を測定し
たところ3,000V前後であり、良好な制電圧を示した。
比較例 導電性粒子A1の含有率を20重量%に変更する以外は実
施例2と同様にして延伸糸Y14を製造した。糸Y14は比
抵抗は109〜1011Ω・cm程度であった。また、糸Y14
通常のナイロン6円伸糸150デニール/48フィラメント
の丸編布に10mm間隔で編み込み、摩擦帯電圧を測定した
ところ10,000V前後であり、制電効果は全く認められな
かった。
なお芯部に導電部分を配する複合繊維は、帯電した物体
が近くにあるときは鞘が絶縁破壊されコロナ放電により
除電するか、第8図のように芯部の横断面が1個以上の
尖端を有する形のときは上記絶縁破壊が起こり易く制電
性が優れている。このような尖端を形成するためには導
電粒子は粒径が小さいほど好ましく、粒径0.1μm以下
のものが最も好ましい。
導電層が繊維表面に露出しているものでも、例えば第3
図や第4図のように尖端を有するものがコロナ放電を起
こし易く導電性に優れており、これらに対しても同様に
粒径の小さいものが望ましい。
(発明の効果) 本発明に適用する上記導電性複合繊維は上述の構成によ
り、繊維形成性可塑性重合体に添加混合する導電性粒子
として導電性被膜を有する酸化チタンを用い、この導電
性被膜として、特に、金属酸化物を主成分(75%以上)
とし、それに少量(25%以下)の第2成分を添加するこ
とにより導電性を著しく高く(例えば104Ω・cm程度以
下に)することが出来るとともに、適宣に選択された粒
径と相俟って、得られた導電性粒子の熱可塑性重合体中
における分散性並びに可紡性を顕著に改善し且つ該重合
体の導電性を著しく増大させる効果を奏する。
又、本発明に適用する繊維は白色又は白色に近いもの
(反射率60%以上)であり且つ容易安価に製造すること
が出来、カーボンブラック系の導電糸が不適当であった
白色又は淡色の繊維製品の製造にも好適である。本発明
により上記繊維を連続フィラメント又はステーブル状で
他の帯電性の繊維、例えば通常のナイロン、ポリエステ
ル等の合成繊維、と適宜な比率で混用してなる混繊糸を
以てタフティングしたパイルを表面に有する本発明のカ
ーペットは優れた制電性を有し、低い人体帯電圧を示
す。通常、混用率は0.1〜10重量%程度であるが、勿論
目的によっては10〜100重量%や0.1重量%以下の混用率
が適用される場合がある。混合は混綿、合糸、合撚糸、
混紡交織、交編、その他公知のあらゆる手段で行われ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は本発明複合繊維の横断面の具体例であ
り、図中、斜線部は導電層を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−92854(JP,A) 特公 平1−22365(JP,B1) 特公 昭36−18337(JP,B1) 米国特許第4185137(US,A) 「工業材料」第16巻第7号(1968年)82 〜85頁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】75重量%以上の金属酸化物と25重量%以下
    の金属及び/又は上記金属酸化物と異なる金属酸化物と
    よりなる導電性被膜を有し且つ0.5〜0.01μmの平均粒
    径を有する酸化チタン導電性粉末を適量混合した結晶化
    度37%以上の熱可塑性重合体の導電層と、繊維形成性重
    合体からなる非導電層とが接合されてなる10Ω・cm程
    度以下の比抵抗を示す導電性複合繊維を帯電性繊維パイ
    ルに0.1〜10重量%混用してなることを特徴とする低人
    体帯電圧を示すカーペット。
  2. 【請求項2】酸化チタンの導電性被膜が酸化亜鉛又は酸
    化錫を主成分とするものである特許請求の範囲第1項記
    載のカーペット。
  3. 【請求項3】繊維形成性重合体がポリアミド、ポリエス
    テル、ポリエーテル、ビニル系ポリマー又はポリオレフ
    ィンである特許請求の範囲第1項記載のカーペット。
  4. 【請求項4】導電性複合繊維が延伸されたものである特
    許請求の範囲第1項記載のカーペット。
JP2015111A 1990-01-26 1990-01-26 導電性複合繊維を混用したカーペット Expired - Lifetime JPH0615740B2 (ja)

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「工業材料」第16巻第7号(1968年)82〜85頁

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