JPH0551753A - プラズマcvd法及び装置 - Google Patents

プラズマcvd法及び装置

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JPH0551753A
JPH0551753A JP21112691A JP21112691A JPH0551753A JP H0551753 A JPH0551753 A JP H0551753A JP 21112691 A JP21112691 A JP 21112691A JP 21112691 A JP21112691 A JP 21112691A JP H0551753 A JPH0551753 A JP H0551753A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原料ガスをプラズマ化し、基板上に薄膜を形
成するプラズマCVD法及び装置において、成膜反応に
寄与するラジカル種の生成を妨げず、しかもダスト発生
の原因となるラジカル種の発生を選択的に抑制して、所
望の成膜速度を維持したまま、ダストの基板上成膜部へ
の付着を抑制する。 【構成】 原料ガスをプラズマ化し、基板上に薄膜を形
成するプラズマCVD法及び装置において、前記原料ガ
スのプラズマ化を、所定周波数の高周波電力に1KHz
以下の第1のパルス変調及び該変調より短い周期をもつ
第2のパルス変調を重畳させた高周波電力を印加して行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原料ガスをプラズマ化
し、基板上に薄膜を形成するプラズマCVD法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマCVDは、アモルファスシリコ
ン(a−Si)太陽電池、液晶表示装置等の各種薄膜デ
バイスの形成に広く利用されている。このプラズマCV
Dでは、成膜基板上にダストが付着することを防止する
ため、プラズマCVD装置の成膜室への基板搬送系や成
膜室における基板の各配置を、ダスト発生が少なくなる
ように工夫している。また、ダスト発生を抑制するた
め、成膜条件を工夫したり、成膜室への基板の設置時や
装置の運転の合間に成膜室内電極や基板搬送系等を清掃
することも行われており、これらによって例えば液晶表
示基板上の成膜ではかなりの効果があがっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラズ
マCVDにより、例えば原料ガスにSiH4 を使ってガ
ラス等の基板上に(a−Si)膜を形成すると、たとえ
前述の如く、ダスト発生の少ない条件を設定しても、該
成膜中に基板にダストが付着する。これは、本発明者の
研究によると、たとえ、ダストが生成される最低のミニ
マムダストの条件で成膜しても、その成膜中に、なお、
基板に近い領域のプラズマにミニマムダストが蓄積され
るからである。
【0004】前記原料ガスSiH4 を例にとると、これ
がプラズマ化されることによりSiH3 ラジカル、Si
2 ラジカル、SiHラジカルが生成されるが、(a−
Si)膜の形成には主としてSiH3 ラジカルが寄与
し、SiH2 ラジカルやSiHラジカルといった低シラ
ン系ラジカルはSiH4 と反応して高次シランSixH
yが生成され、これがダストパーティクルになると考え
られる。
【0005】そこで本発明は、原料ガスをプラズマ化
し、基板上に薄膜を形成するプラズマCVD法及び装置
において、成膜反応に寄与するラジカル種の生成を妨げ
ず、しかもダスト発生の原因となるラジカル種の発生を
選択的に抑制して、所望の成膜速度を維持したまま、ダ
ストの基板上成膜部への付着、混入を抑制することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】プラズマCVDの反応過
程を支配するプラズマ中には、前述のとおり多くのラジ
カルが存在し、また、イオンが存在する。プラズマ中に
おけるエネルギー交換、ラジカル生成の主役は電子であ
り、電界により加速された電子が、イオンや中性粒子と
衝突を繰り返し、多種多様のイオン、ラジカルが生成さ
れる。従ってブラズマCVD法及び装置においては、イ
オン、ラジカル制御は電子(エネルギー又は密度)制御
により制御でき、これを制御することで、生成される各
種ラジカルのうち、成膜反応に不必要なラジカルの発生
を抑制し、成膜反応に必要なラジカルのみを増加させ得
ると考えられる。
【0007】そこで本発明者はさらに研究を重ね、プラ
ズマ中における電子温度又は密度は生成される各種ラジ
カルの密度の空間分布により決定されること、換言する
と、プラズマ中における電子温度が各種イオン、ラジカ
ルの生成に関係することに着目するとともに、各種ラジ
カル密度の比はブラズマ発生のための高周波入力(RF
入力)のオン時、オフ時からの時間遷移を持つこと、す
なわち、例えば原料ガスがSiH4 の場合、成膜反応に
利用すべきSiH3ラジカルは、プラズマ発生のための
高周波入力オンにより、ダスト発生の原因となるSiH
2 ラジカルやSiHラジカルとともに増加するが、高周
波入力オフ後、SiH3 ラジカルは寿命が比較的長いの
に対し、SiH2 ラジカルやSiHラジカルは寿命が短
いことに着目した。さらに、電子温度或いは密度は、図
5に示すように、高周波入力オンにともない急速に立ち
上がり、再び急速に降下して一定となることに着目し、
結論として、原料ガスへの高周波電力印加の時間間隔を
制御することで成膜反応に不必要なラジカルの発生を選
択的に抑制し、成膜反応に必要なラジカルのみを選択的
に増加させ得ることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、前記目的を達成する
ため、原料ガスをプラズマ化し、基板上に薄膜を形成す
るプラズマCVD法において、前記原料ガスのプラズマ
化を、所定周波数の高周波電力に1KHz以下の第1の
パルス変調及び該変調より短い周期をもつ第2のパルス
変調を重畳させた高周波電力の印加により行うことを特
徴とするプラズマCVD法、及び原料ガスをプラズマ化
し、基板上に薄膜を形成するプラズマCVD装置におい
て、前記原料ガスのプラズマ化のための高周波電力印加
手段が、所定周波数の高周波電力に1KHz以下の第1
のパルス変調及び該変調より短い周期をもつ第2のパル
ス変調を重畳させる手段を含んでいることを特徴とする
プラズマCVD装置を提供するものである。
【0009】前記変調条件は、原料ガス流量、成膜室、
基板温度、原料ガス種等の多くのパラメーターにより、
随時変化させる必要があるが、一般的には、前記第1の
パルス変調は1KHz以下の条件とすることが考えられ
る。周期が1KHzより短いと、不必要なラジカル種発
生を抑制し難い。一方、必要なラジカル種を十分増加さ
せる上で、例えば400Hz以上とすることが考えられ
る。また、必要なラジカル種を選択的に増加させ、不必
要なラジカル種の発生、残存を選択的に抑制するうえ
で、前記第2のパルス変調におけるオンタイムT1を
0.5μsec<T1<100μsecの範囲で、オフ
タイムT2を3μsec<T2<100μsecの範囲
で選択決定することが代表的な例として考えられる。
【0010】
【作用】本発明のプラズマCVD法及び装置によると、
所定周波数の高周波電力に1KHz以下の第1のパルス
変調及び該変調より短い周期をもつ第2のパルス変調を
重畳させた高周波電力が原料ガスに印加されることで、
成膜反応に必要なラジカル種が選択的に発生、増加する
一方、成膜反応に不必要なラジカル種の発生が抑制され
た状態で、基板上に所望の薄膜が形成される。成膜中、
成膜反応に不必要なラジカル種の発生が抑制されること
でダストパーティクルの発生率は激減し、且つ、成膜反
応に必要なラジカル種は選択的に発生、増加することで
所望の成膜速度が得られる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明方法の実施に使用するプラズマCV
D装置の一例の概略断面を示している。図示の装置は、
真空チャンバ1、該チャンバに電磁弁21を介して接続
した真空ポンプ2、チャンバ1内に設置した電極3、
4、チャンバ1に接続した成膜用ガス源5及び電磁弁6
1を介して接続したベント用ガス源6を備えている。
【0012】電極3は接地電極であり、これには成膜温
度調節用のヒータ31が付設されている。電極4にはそ
れ自体既に知られているマッチングボックス8を介して
高周波電源7から高周波電圧が印加される。これら電極
3、4は、基板9へのダスト付着を少なくするため、い
ずれも垂直に配置してある。
【0013】高周波電源7は、任意の高周波パルス変調
が可能な高周波信号発生器71及び高周波増幅器(RF
パワーアンプ)72を有しており、本発明に従って、所
定周波数の高周波に400Hz〜1KHzの第1のパル
ス変調及び該変調より短い周期をもつ第2のパルス変調
を重畳させた高周波電力を印加できるように構成してあ
る。第2のパルス変調では、本発明に従い、オンタイム
(On−Time)T1を0.5μsec<T1<10
0μsecの範囲から、オフタイム(Off−Tim
e)T2を3μsec<T2<100μsecの範囲か
ら選択決定できる。
【0014】第1パルス変調による高周波入力のオン、
オフ状態は図2の(A)に示すようになり、第2パルス
変調による高周波入力のオン、オフ状態は図2の(B)
下段に示すようになる。以上説明した装置によると、本
発明方法は次のように実施される。先ず、成膜すべき基
板9を装着したトレー10を電極3上に設置する。しか
るのち、チャンバ1内を電磁弁21の開成とポンプ2の
運転にて所定圧まで真空引きし、成膜用ガス源5から成
膜用原料ガスをチャンバ内に導入する。次いで、電源7
にてこのガスに第1及び第2パルス変調された高周波電
圧を印加し、プラズマ化させ、基板9上に成膜させる。
成膜後、電磁弁61を開いてベントガス源6からチャン
バ内へベントガス(例えばN2 ガス)を導入してベント
処理したのち、基板9をチャンバ1から取り出す。或い
は、チャンバ1内の真空を維持したまま、基板9をトレ
ー10ごと、次のプロセスチャンバへ移動させることも
考えられる。
【0015】前記成膜中、原料ガスには、第1及び第2
パルス変調された高周波電力が印加されるので、成膜反
応に必要なラジカル種が選択的に発生、増加する一方、
成膜反応に不必要なラジカル種の発生が抑制された状態
で、基板上に所望の薄膜が形成される。成膜中、成膜反
応に不必要なラジカル種の発生が抑制されることでダス
トパーティクルの発生率は激減し、且つ、成膜反応に必
要なラジカル種は選択的に発生、増加することで成膜速
度が向上し、また、プラズマ温度或いは密度の制御によ
り良質な成膜を行える。
【0016】なお、第1パルス変調のみを行うときは、
図2の(A)に示すように、ダストパーティクルの発生
率は高いが、第2パルス変調も重畳するときは、図2の
(B)に示すように、ダストパーティクルの発生率は著
しく低下する。また、前記実施例によると、原料ガス流
量やプラズマ発生のための投入パワーを増加させても、
ダスト発生率の増加を引き起こさないので、それだけ成
膜速度を向上させることができる。
【0017】前記パルス変調におけるパルスOn−Of
f時間(即ち、電子温度)の最適条件で成膜した膜は、
物理的特性(バンドギャップ、キャリア移動度等)の安
定した特性が得られる。以上説明した方法及び装置に基
づき、次の具体的条件でガラス基板上に厚さ500〜1
000Åのアモルファスシリコン(a−Si)膜を形成
したところ、該膜上に実用上問題となるダストの付着は
殆ど見られず、成膜時間もパルス変調無しで、他の条件
を同一とした成膜時より短縮された。
【0018】ガラス基板 :10cm角、成膜時温度2
00〜250℃ 電極3、4 :300mm角 高周波電力 :200〜500W 13.56MHz 第1パルス変調条件 :400〜1000Hz 第2パルス変調 :オンタイムT1 10μsec オフタイムT2 20μsec チャンバ1の成膜時真空度 :0.5〜1Torr 原料ガス :シラン、水素、不活性ガス 400scc
m以下 成膜に要した時間 :5〜10分 その他 :基板−電極間隔 4cm なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
他にも種々の態様で実施できる。例えば、高周波電源7
は、図3や図4に示すように構成してもよく、或いは、
さらに他の構成としてもよい。
【0019】図3に示すものは、高周波信号発生器73
からの第1パルス変調された高周波出力を、アナログス
イッチAS、RFパワーアンプ74及びマッチングボッ
クス81を介して供給するように構成する一方、アナロ
グスイッチASを、位相同期回路75にてパルス信号の
同期をとりつつパルス信号発生器76にて操作すること
で第2パルス変調を行うようにしたものである。
【0020】図4に示すものは、高周波信号発生器77
からの高周波出力をアナログスイッチAS1及びAS2
を介してRFパワーアンプ78及びマッチングポックス
82を介して供給するように構成する一方、アナログス
イッチAS1及びAS2を、位相同期回路79にてパル
ス信号の同期をとりつつパルス信号発生器801、80
2にて操作することで第1及び第2パルス変調を行うよ
うにしたものである。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明プラズマCV
D法及び装置には次のような利点がある。 成膜反応に寄与するラジカル種の生成を妨げず、し
かもダスト発生の原因となるラジカル種の発生を選択的
に抑制して、所望の成膜速度を維持したまま、ダストの
基板上成膜部への付着、混入を抑制することができる。 ガス流量や、原料ガスプラズマ化のための投入パワ
ーを増加させても、ダストの発生率の増加を引き起こさ
ないので、それだけ成膜速度を向上させることができ
る。 装置の大幅な改造を必要としないため、装置コス
ト、成膜コストが安価に抑制される。 ダストの発生が抑制されるため、装置のメインテナ
ンス性の向上が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法の実施に使用するプラズマC
VD装置の一例の概略断面図である。
【図2】高周波電力のパルス変調の様子を示す図であ
る。
【図3】高周波電源の他の例のブロック回路図である。
【図4】高周波電源のさらに他の例のブロック回路図で
ある。
【図5】高周波入力オン後の電子温度の時間的変化を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 2 真空ポンプ 21 電磁弁 3 接地電極 4 高周波電極 5 成膜用原料ガス源 6 ベントガス源 61 電磁弁 7 高周波電源 71 高周波信号発生器 72 RFパワーアンプ 73 高周波パルス信号発生器 74 RFパワーアンプ 75 位相同期回路 76 パルス信号発生器 AS アナログスイッチ 81 マッチングボックス 77 高周波信号発生器 78 RFパワーアンプ 79 位相同期回路 801、802 パルス信号発生器 AS1、AS2 アナログスイッチ 82 マッチングボックス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスをプラズマ化し、基板上に薄膜
    を形成するプラズマCVD法において、前記原料ガスの
    プラズマ化を、所定周波数の高周波電力に1KHz以下
    の第1のパルス変調及び該変調より短い周期をもつ第2
    のパルス変調を重畳させた高周波電力の印加により行う
    ことを特徴とするプラズマCVD法。
  2. 【請求項2】 前記第2のパルス変調におけるオンタイ
    ムT1が0.5μsec<T1<100μsecの範囲
    にあり、オフタイムT2が3μsec<T2<100μ
    secの範囲にある請求項1記載のプラズマCVD法。
  3. 【請求項3】 原料ガスをプラズマ化し、基板上に薄膜
    を形成するプラズマCVD装置において、前記原料ガス
    のプラズマ化のための高周波電力印加手段が、所定周波
    数の高周波電力に1KHz以下の第1のパルス変調及び
    該変調より短い周期をもつ第2のパルス変調を重畳させ
    る手段を含んでいることを特徴とするプラズマCVD装
    置。
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