JPH0551516B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、揺動式三輪車を駐車した際に、後輪
のロツクと、前車体の左右揺動、すなわちスイン
グロツクと、前一輪の操向輪のステアリング機構
のロツクとを、同時に行なうことができるパーキ
ング装置に関するものである。

従来の技術 後二輪の駆動輪を有する後車体に、前一輪の操
向輪を有する前車体を左右へ揺動自在に連結した
従来の揺動式三輪車においては、パーキングレバ
ーを操作することにより、後輪をロツクするとと
もに前車体の左右揺動を制止して、該三輪車を駐
車し、盗難を防止していた。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記従来技術においては、後輪の
ロツクと前車体の揺動制止はできても、前一輪の
操向輪は左右へ自由に旋回でき、車体を駐車中確
固と固定することができなかつた。

本発明はこのような不都合を解消した揺動式三
輪車パーキング装置の改良に係り、その目的とす
るところは、駐車時に車体を確固と固定すること
ができる操作性の優れたパーキング装置を供する
点にある。

問題点を解決するための手段および作用 本発明は上記目的に沿つた、前一輪の操向輪を
有する前車体と、後二輪の駆動輪を有する後車体
と、該前車体および後車体を左右揺動自在に連結
する連結部とを備える揺動式三輪車において、前
車体に操作子を設け、該操作子に前記駆動輪のロ
ツク機構および前記揺動連結部のロツク機構を連
結するとともにさらにヘツドパイプ近傍に設けた
前記操向輪のステアリングロツク機構も連結し、
前記操作子により、駆動輪のロツク機構、揺動連
結部のロツク機構、およびステアリングロツク機
構を同時に作動させることを特徴とする揺動式三
輪車のパーキング装置であつて、前車体に取り付
けられたパーキングロツクレバーを操作すること
によりパーキングケーブルを介して、後車体の駆
動輪と前記連結部を同時にロツクし、この操作
で、さらにヘツドパイプ近傍に設けたステアリン
グロツクプレートにステアリングロツク機構のス
トツパーピンを圧接係合状態にするものである。

実施例 以下第１図ないし第１２図に図示された本発明
の一実施例について説明する。

１は揺動式自動三輪車で同三輪車１では、１個
の操向輪３を有する前車体２と、２後輪の駆動輪
８を有する後車体７とは、連結部９を介して前車
体が左右へ揺動自在に連結されている。

また前記連結部９には、前車体２のフレーム４
と一体のブラケツト５に軸６を介して前端が枢支
された上下揺動自在なジヨイントケース１０内に
軸受部１２とナイトハルト機構１３とが設けら
れ、三輪車１の前後方向へ指向した揺動軸１１
が、前記軸受部１２およびナイトハルト機構１３
に左右へ回動自在に枢支されるとともに同ナイト
ハルト機構１３により弾性的に中立状態に復帰す
るように支持される。しかしてジヨイントケース
１０と車体フレーム４の間に、前車体２の上下揺
動やわらげる緩衝機５ａが介設される。

さらにナイトハルト機構１３は、ジヨイントケ
ース１０に一体に固着されたアウタ１４と、揺動
軸１１に一体に嵌着されたインナ１５と、同アウ
タ１４およびインナ１５に中心対称に介装された
ダンパーラバー１６とよりなり、インナ１１の回
転角が増大するにつれて同インナ１１を中立に戻
そうとする復元力が非線型的に増大するようなば
ね特性を前記ナイトハルト機構１３は有してい
る。

さらにまた第４図ないし第５図に図示されるよ
うに、揺動軸１１の前端にスイングロツクプレー
ト１７が一体に固着され、動スイングロツクプレ
ート１７には10°毎に係止溝１８が５個所設けら
れ、同スイングロツクプレート１７の端面に相対
してストツパー１９がピン１９ａを中心に回動自
在に枢着されており、同ストツパー１９がスイン
グロツクプレート１７に接近した時に、同ストツ
パー１９の先端係止片２０が係止溝１８のいずれ
かに係合されていて、揺動軸１１が回転しないよ
うに固定される。

またストツパー１９はリンク２１を介してピン
２２ａを中心として回転するアーム２２に連結
し、同アーム２２はパーキングケーブル２３に結
着する。

さらにパワーユニツト２４内では、エンジン２
５の回転トルクはベルト２６を介してドリブンプ
ーリ２７に伝達され、同ドリブンプーリ２７へ伝
達されたトルクは遠心クラツチ２８、減速歯車装
置２９およびデイフアレンシヤルクラツチ３０を
介して駆動輪８に伝達されるようになつている。

しかして、第６図ないし第７図に図示されるよ
うに、パワーユニツト２４の動力伝達系統におけ
る減速歯車装置２９中にパーキングギヤ３１が介
装され、同パーキングギヤ３１の周面に相対して
ロツクアーム３３がピン３３ａを中心に回動自在
に枢着されている。

また前記ロツクアーム３３の先端はリンク３５
を介してアーム３６に連結され、同アーム３６は
図示されないスプリング機構を介してレバー３７
に連結され、同レバー３７の先端にパーキングケ
ーブル２３が結着されており、パーキングケーブ
ル２３が矢印Ａ方向へ引かれると、レバー３７は
リターンスプリング３８のばね力に抗して矢印Ａ
方向へピン３７ａを中心に回転され、アーム３６
もこれに対応してピン３７ａを中心に回転され
て、リンク３５を介してロツクアーム３３に伝達
され、同ロツクアーム３３はパーキングギヤ３１
へ接近する方向へ回転されて、先端突起３４がパ
ーキングギヤ３１の溝３２に係止固定されるよう
になつている。

さらに前記パーキングケーブル２３は、第１図
および第８図に図示されるように、後車体７より
前車体２のステアリングパイプ３９の上端近くに
延長され、同パーキングケーブル２３の上端はケ
ーブルジヨイント４０を介してリンクアーム４１
に連結する。

さらにまたリンクアーム４１はステアリングパ
イプ３９に上下へピン４１ｃを中心に回動自在に
枢支され、その上方でロツク機構を作動する操作
子であるパーキングロツクレバー４３が上下にピ
ン４３ａを中心に回動自在に枢着され、リンクア
ーム４１の受け片４２にパーキングロツクレバー
４３のローラ４４が係合されており、第８図に図
示されるように、パーキングロツクレバー４３の
先端が下方に位置した状態では、ローラ４４が上
方へ位置して受け片４２が上方へ位置し、ケーブ
ルジヨイント４０は下方へ下降されて、パーキン
グケーブル２３は繰り出され、逆に第９図に図示
されるように、パーキングロツクレバー４３の先
端が上方へ引上げられた状態では、ローラ４４に
より受け片４２が下方へ押下げられ、これに対応
してケーブルジヨイント４０は上方へ上昇され
て、パーキングケーブル２３は引上げられるよう
になつている。

また前車体２のヘツドパイプ４５の上端にステ
アリングロツクプレート４６が一体に固着され、
同ロツクプレート４６に円孔４７が１個または２
個以上（周方向へ等間隔に）設けられ、同ロツク
プレート４６の上方に位置してステアリングパイ
プ３９にストツパーホルダー４８が一体に固着さ
れ、同ホルダー４８にストツパーパーピン４９が
上下へ摺動自在に嵌装されており、同ストツパー
ピン４９が円孔４７に嵌合されると、ステアリン
グパイプ３９が固定されるようになつている。

さらにストツパーホルダー４８にピン５１を中
心にしてアーム５０が回動自在に枢着され、同ア
ーム５０の後端５０ａは連結ピン５５を介してス
トツパーピン４９に枢着する。

さらにまたロツド５３の上端がリンクアーム４
１の前部４１ａに枢着されるとともに、ロツド５
３の下端はアーム５０の長孔５２に遊嵌され、ピ
ン５１に巻装されたスプリング５４の一端は、ス
トツパーピン４９の連結ピン５５に係合されると
ともに、同スプリング５４の他端はロツド５３の
下端に係合されており、ロツド５３が上方へ引上
げられて、第１１図に図示されるようにストツパ
ーピン４９がステアリングロツクプレート４６の
円孔４７または溝と一致しない場合に、スプリン
グ５４のみが弾性変形し、ロツド５３、アーム５
０およびストツパーピン４９に無理な力が働かな
いようになつている。

第１図ないし第１２図に図示の実施例は前記し
たように構成されているので、パーキングロツク
レバー４３を第８図に図示するように下方へ回動
させた状態では、ケーブルジヨイント４０および
ロツド５３は下方へ押下げられ、パーキングケー
ブル２３はリターンスプリング３８のばね力によ
り繰り出され、第２図および第４図に図示される
ように、ストツパー１９の係止片２０がスイング
ロツクプレート１７の係止溝１８より外されると
ともに、第６図に図示されるように、ロツクアー
ム３３の先端突起３４がパーキングギヤ３１の溝
３２より外され、しかも第１０図に図示されるよ
うに、ストツパーピン４９の下端はステアリング
ロツクプレート４６より上方へ引離され、従つて
揺動式自動三輪車１では、駆動輪８が回転可能と
なるとともに、前車体２は後車体７に対して左右
へ揺動可能となり、しかもハンドル５６が左右へ
操舵可能となり、かくして走行可能となる。

しかして駐車しようとする場合には、第９図に
図示されるように、パーキングロツクレバー４３
を上方へ引上げれば、ケーブルジヨイント４０お
よびロツド５３は上方へ引上げられ、バーキング
ケーブル２３はリターンスプリング３８のばね力
に抗して上方および前方へ引出され、第５図に図
示されるように、ストツパー１９の係止片２０が
スイングロツクプレート１７の係止溝１８に係合
されるとともに、第７図に図示されるように、ロ
ツクアーム３３の先端突起３４がパーキングギヤ
３１の溝３２に係合されるので、駆動輪８がロツ
クされるとともに、前車体２は後車体７に一体に
係合されてスイングロツクされる。またこれと同
時にストツパーピン４９がステアリングロツクプ
レート４６の円孔４７の直上に位置しておれば、
すなわち対応位置にあれば、第１２図に図示され
るようにロツド５３の上昇に対応してストツパー
ピン４９が円孔４７に突入して係合され、ハンド
ル５６もロツクされる。しかしながらストツパー
ピン４９が円孔４７の直上に位置していなけれ
ば、第１１図に図示されるように、スプリング５
４のみが弾性変形し、同スプリング５４のばね力
でストツパーピン４９の先端がステアリングロツ
クプレート４６に圧接されており、この状態で
は、ハンドル５６を左右へ僅かに旋回させれば、
ストツパーピン４９がステアリングロツクプレー
ト４６の円孔４７に合致した時に、第１２図に図
示されるように同円孔４７に係合され、ハンドル
５６もロツクされる。

このように前記実施例では、パーキングロツク
レバー４３を操作することにより、駆動輪８のロ
ツク、アンロツク、前車体２のスイングロツク、
アンロツクおよびハンドルロツク、アンロツクを
一度に行なうことができ、これらの操作を簡単に
遂行することができる。

またハンドル５６を所定の方向に指向させなく
ても、ロツク可能状態となり、その後ハンドル５
６を左右へ僅かに旋回させれば、自動的にハンド
ルロツクが行なわれる。

第１図ないし第１２図に図示の実施例では、ロ
ツド５３の上端をケーブルジヨイント４０の枢着
側と同じ側のリンクアーム部片４１ａに枢着した
が、第１３図ないし第１７図に図示するように、
ロツド５３の上端をケーブルジヨイント４０の枢
着側と反対側のリンクアーム部片４１ｂに枢着
し、同ロツド５３の下端にストツパーピン５７を
上下に摺動自在に取付け、同ストツパーピン５７
の上端に係止ピン５８を嵌着し、同ストツパーピ
ン５７の拡大部５７ａとロツド５３の下端とにコ
イルスプリング５９を介装し、同ストツパーピン
５７の拡大部５７ａをガイドスリーブ６０に摺動
自在に嵌合してもよく、このような実施例では、
前記第１図ないし第１２図に図示の実施例と同様
な作用効果を奏することができ、しかもアーム５
０を必要としないため、構造が簡単でコンパクト
となり、コストが安くなる。

発明の効果 本発明は、前記したように前一輪の操向輪を有
する前車体と、後二輪を有する後車体と、同前車
体および後車体を左右揺動自在に連結する連結部
とを備える揺動式三輪車において、前記駆動輪の
ロツクおよび前記揺動連結部のロツクを同時に行
なうパーキングロツクレバーに前記したような操
向輪のステアリングロツク機構を連結したため、
揺動式三輪車を駐車した際に、駆動輪のロツクと
前車体の左右揺動ロツクとステアリングロツクお
よびそれらのアンロツクを、前記パーキングロツ
クレバーの操作のみによりワンタツチで極めて簡
単にかつ確実に行なうことができ、しかも車体を
確固と固定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るパーキング装置の一実施
例を備えた揺動式自動三輪車の側面図、第２図は
その要部平面図、第３図は第２図の−線に沿
つて裁断した横断正面図、第４図および第５図は
スイングロツク部分の側面図で、第４図はアンロ
ツク状態を、第５図はロツク状態を示し、第６図
および第７図は駆動輪のロツク部分の側面図で、
第６図はアンロツク状態を、第７図はロツク状態
をそれぞれ示し、第８図および第９図はパーキン
グロツクレバーの側面図で、第８図はアンロツク
操作状態を第９図はロツク操作状態をそれぞれ示
し、第１０図ないし第１２図はハンドルロツク部
分の縦断側面図で、第１０図はアンロツク状態
を、第１１図はロツク操作状態でロツクされてい
ない状態を、第１２図はロツク状態をそれぞれ示
し、第１３図および第１４図は他の実施例におけ
るパーキングロツクレバーの側面図で第１３図は
アンロツク操作状態を示し、第１４図はそのロツ
ク操作状態を示し、第１５図ないし第１７図は同
実施例の要部縦断側面図で、第１５図はアンロツ
ク状態を、第１６図はロツク操作状態でロツクさ
れていない状態を、第１７図はロツク状態をそれ
ぞれ示している。 １……揺動式三輪車、２……前車体、３……操
向輪、７……後車体、８……駆動輪、９……連結
部、１１……揺動軸、１７……スイングロツクプ
レート、１９……ストツパー、２３……パーキン
グケーブル、３１……パーキングギヤ、３３……
ロツクアーム、３８……リターンスプリング、３
９……ステアリングパイプ、４１……リンクアー
ム、４３……パーキングロツクレバー、４５……
ヘツドパイプ、４６……ステアリングロツクプレ
ート、４７……円孔、４９……ストツパーピン、
５０……アーム、５３……ロツド、５７……スト
ツパーピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 前一輪の操向輪を有する前車体と、後二輪の
   駆動輪を有する後車体と、該前車体および後車体
   を左右揺動自在に連結する連結部とを備える揺動
   式三輪車において、前車体に操作子を設け、該操
   作子に前記駆動輪のロツク機構および前記揺動連
   結部のロツク機構を連結するとともにさらにヘツ
   ドパイプ近傍に設けた前記操向輪のステアリング
   ロツク機構も連結し、前記操作子により、駆動輪
   のロツク機構、揺動連結部のロツク機構、および
   ステアリングロツク機構を同時に作動させること
   を特徴とする揺動式三輪車のパーキング装置。