JPH0551433A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JPH0551433A
JPH0551433A JP21329491A JP21329491A JPH0551433A JP H0551433 A JPH0551433 A JP H0551433A JP 21329491 A JP21329491 A JP 21329491A JP 21329491 A JP21329491 A JP 21329491A JP H0551433 A JPH0551433 A JP H0551433A
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prepreg
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Toshiharu Takada
俊治 高田
Eiichiro Saito
英一郎 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気用積層板等に有用な、吸湿性、接着力等
の特性とともに、耐熱性を総合的にバランスよく向上さ
せることのできるエポキシ樹脂組成物を提供する。 【構成】 (a) 次式で表わされる多官能エポキシ
樹脂、 【化1】 テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールA
型エポキシ樹脂とを反応させて得られる臭素化多官能エ
ポキシ樹脂とからなるエポキシ樹脂成分、 (b) ジシアンジアミド、 1分子中に2個以上のフェノール性OH基を有する
化合物、および 1分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族アミ
ン化合物 からなる硬化剤、並びに (c)硬化促進剤 を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、エポキシ樹脂組成物
に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、プ
リント配線板に加工する電気用積層板やプリプレグ等と
して有用な耐熱性エポキシ樹脂に関するものである。
【従来の技術】従来より、プリント配線板等に加工され
る電気用積層板には、各種の素材と構成からなるものが
知られており、たとえばガラス布などの基材にエポキシ
樹脂などの樹脂を含浸して乾燥することによってプリプ
レグを作成し、このプリプレグを所要枚数重ねるととも
に、必要に応じて銅箔などの金属箔をその片側または両
側に重ね、これを加熱加圧成形することによって製造さ
れたものが知られている。このような積層板について
は、プリント配線板の高密度実装、高集積化等の傾向が
強まるとともに、耐熱性、加工性等の諸特性についての
高度化が求められてきている。これらの課題のうちの一
つとして、耐熱性の向上は特に重要なものであり、これ
までにも種々の試みがなされてきており、たとえば積層
板を構成する樹脂として一般的なエポキシ樹脂の耐熱性
を高めることが検討されてきている。このような耐熱性
向上のための方法としては、エポキシ樹脂を多官能型と
してジシアンジアミドを硬化剤として使用することや、
硬化剤をDDS、DDM、アルキル化またはハロゲン化
DDMとして樹脂組成物を構成することや、エポキシ樹
脂をイミド樹脂で変性することが提案されている。また
最近では、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボ
ラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂等のフ
ェノール系樹脂を硬化剤として使用することも提案され
ている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の改良法には各々特徴があるものの、どうしても実用上
の欠点が避けられなかった。たとえば多官能エポキシ樹
脂とともにジシアンジアミドを硬化剤として使用する場
合には、Tg(ガラス転移点)や熱時の特性は良好とな
るものの、ジシアンジアミドに起因するCAF(電食
性)や耐熱限界(熱分解温度)の問題があり、さらに
は、吸湿性、吸湿後の半田耐熱性が十分でないという欠
点がある。硬化剤をDDS、DDM等とする場合には、
やはりTg等の耐熱性は良好となるものの、吸湿性が大
きく、また、プリプレグのライフが著しく短くなるとい
う欠点がある。エポキシ樹脂をイミド樹脂変性する場合
には、熱時機械特性の耐熱性は向上するものの、コスト
上昇が避けられず、その割に接着力が低下するという弊
害がある。さらには、フェノール性OH基を有するフェ
ノール系樹脂を硬化剤とする場合には、吸湿率が低く、
吸湿後の半田耐熱性が高く、プリプレグのライフも良く
なるものの、Tgが大きく低下したり、UV(紫外線)
や熱による変色、多層成形時の内層銅箔の化学処理面、
たとえば黒化処理面との接着力が十分でないという欠点
があった。そこでこの発明は、以上の通りの欠点を解消
するためになされたものであり、Tg、耐熱限界、吸湿
後の半田耐熱性、熱時機械特性等の耐熱性を全体として
バランス良く向上させ、また、プリプレグの保存安定性
をも向上させることのできるエポキシ樹脂組成物を提供
することを目的としている。
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、 (a) 次式で表わされる多官能エポキシ樹脂、
【化2】 テトラブロモビスフェノールAとビスフェノール
A型エポキシ樹脂とを反応させて得られる臭素化多官能
エポキシ樹脂、とからなるエポキシ樹脂成分、 (b) ジシアンジアミド、 1分子中に2個以上のフェノール性OH基を有す
る化合物、および 1分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族ア
ミン化合物 からなる硬化剤、並びに (c)硬化促進剤 を配合してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物を
提供する。この組成物は、優れた耐熱性を有するものと
してプリント配線板等の電気用積層板に有用なものであ
るが、その成分について説明すると、まず、(a)エポ
キシ樹脂成分については、前記した通りの化学構造から
なる多官能エポキシ樹脂と、臭素化多官能エポキシ樹
脂とからなるものを使用する。これらのエポキシ樹脂
のエポキシ当量は100〜1000(g/eq)程度とす
ることが好ましく、また、その使用比/について
は、当量比として、1/5 〜5/1 程度の範囲で適宜とする
ことができる。 (b)硬化剤については、まずジシアンジアミド(H
2 N−C(=NH)−NH−CN)に加えて、1分子
中に2個以上のフェノール性OH基を有する化合物を用
いる。この化合物としては、たとえば、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ポリビニル
フェノール、β−ナフトール等の低分子化合物や、フェ
ノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビ
スフェノールA型ノボラック樹脂、アルキルフェノール
ノボラック樹脂、フェノールとヒドロキシベンズアルデ
ヒドから合成させるトリフェニルメタン型の3官能型ノ
ボラック樹脂、さらには、それらの臭素化物等を例示す
ることができ、これらのフェノール性化合物または樹脂
は、何種類かを併用することもできる。また、硬化剤に
は、1分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族ア
ミン化合物を併用する。このための芳香族アミン化合物
としては、次式(1)
【化3】 で表わされるジアミノジフェニルメタン(DDM)、次
式(2)で表わされるその誘導体、
【化4】 (式中のR1 ,R2 ,R3 およびR4 は、各々、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル等の低級アルキル
基、もしくはハロゲン原子から選択され、同一または別
異のものとすることができる。)あるいは、次式(3)
【化5】 (n=1〜3)で表わされる芳香族ポリアミン等を用い
ることができる。これらのからなる硬化剤の配合
量については、エポキシ基1当量あたり、ジシアンジア
ミドは0.1 〜0.6 当量程度の範囲とすることが耐湿性
と、接着性の点から好ましく、フェノール性OH基を有
する化合物については、OH基を0.1 〜0.6 当量程度
の範囲とすることが、耐湿性、プリプレグライフとTg
の両立の点から好ましい。さらに、芳香族アミン化合物
のNH当量は、エポキシ基1当量あたり、0.1〜0.6当
量程度の範囲とすることがTgと吸湿後耐熱性の点から
好ましい。また、エポキシ樹脂1当量に対するこれら硬
化剤の割合は、2×++として当量比で1:0.8
〜1:1.2 の範囲とすることがTgと吸湿性の点から好
ましい。この3種の硬化剤については、ジシアンジア
ミドの持つ接着性の向上、多官能フェノール化合物
(樹脂)の持つ耐熱性、プリプレグの保存性の向上、
芳香族アミン化合物の持つTgの向上等という長所を相
乗的にさらに一層向上させ、かつ、各々の短所を補うと
いう特徴がある。たとえば、ジシアンジアミドの吸湿
性、電食性、多官能フェノール化合物(樹脂)のT
g、硬化物の着色、芳香族アミン化合物の吸湿耐熱
性、プリプレグ保存性の面等における短所を補い、長所
をより大きな効果として実現することを可能としてい
る。そして、これらの硬化剤3種は、あらかじめメチル
セロソルブなどのセロソルブ類、DMF、MEKなどの
溶剤の混合液に溶解させ、30〜150℃で10〜60
分加熱予備反応を行なわせることが、その潜在能力の向
上の点で好ましい。 (c)硬化促進剤については、これまでに知られている
イミダゾール化合物、第3級アミン化合物等から適宜に
選択して配合することができる。 このような(a)(b)(c)の各成分を配合するこの
発明のエポキシ樹脂組成物は、主に液状で基材物質に塗
布、含浸して、次いで乾燥することにより適用されるの
で、通常は、溶剤により希釈して用いられる。このため
の溶剤としてはメチルエチルケトン、アセトン、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、トル
エン、キシレン、DMF、DMAc等を用いることがで
き、これらを複数種を併用してもよい。希釈率は固型分
濃度50〜70%程度で使用するのが好ましい。このエ
ポキシ樹脂組成物はガラスクロス、ガラスペーパー、ク
ラフト紙、リンター紙、布等の適宜な基材に含浸し、乾
燥機中で120〜180℃の範囲で3〜10分間程度乾
燥することによりB−ステージ(半硬化)状態のプリプ
レグを得る。プリプレグは150 〜2000℃、10〜50kg
/cm2 の範囲で加熱・加圧して印刷配線用金属箔張積層
板を製造するのに用いられる。この場合の金属箔として
は、銅、アルミニウム、ステンレス等の適宜なものが使
用され、所要枚数のプリプレグとともに積層成形する。
また、多層板を製造する際には、エポキシ樹脂系材料で
は一般的に内層銅箔の表面を化学的に処理(黒化処理)
して酸化銅とするので成形時の温度は150 〜180 ℃とす
るのが好ましい。以下実施例に基づきこの発明を説明す
る。
【実施例】実施例1〜5 (比較例1〜3)表1に示した通りの成分配合組成から
なるエポキシ樹脂組成物を製造した。この組成物からな
るワニスをガラス布に含浸させてプリプレグとし、これ
を用いて1.6mm 両面銅箔積層板を製造した。この積層板
について、プリプレグライフ、吸湿後半田耐熱性、Tg
(TMA)およびプリプレグ上のジシアンジアミド析出
について評価した。その結果も表1に示した。この表1
の実施例1〜5の結果を、比較例と対比すると明らかな
ように、バランスの良い耐熱特性が得られている。な
お、表1中の評価基準は以下の通りである。プリプレグライフ 20℃、40%の保存で2ヶ月後に初期と同一成形条件
で成形を行ないボイド、カスレ等の発生がないこと。吸湿後半田耐熱性 C−168/40/90処理後に260℃の半田に浸漬
(20秒)し、フクレ、ミーズリング等の発生がないこ
と。そして評価結果は以下の通りとした。 A……極めて良好 B……良好 C……不良
【表1】 なお、表1中の注釈は以下のものを示している。 *1:VF−2803(三井石油化学(株)製)臭素含
有率19%、エポキシ当量4 20g/eq *2:日本化薬(株)製:ビス(4−アミノ−3,5 −ジ
エチルフェニル)メタン *3:イハラケミカル工業(株)製:ビス(4−アミノ
−3−エチル−5−メチルフ ェニル)メタン *4:東都化成(株)製:クレゾールノボラック樹脂 *5:三井石油化学(株)製:三官能樹脂
【化6】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明のエ
ポキシ樹脂組成物により、積層板の接着力、吸湿性等と
ともに、Tgをはじめとする耐熱性を総合的にバランス
よく向上させることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 エポキシ樹脂組成物
【特許請求の範囲】
【化1】 テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールA
型エポキシ樹脂とを反応させて得られる臭素化多官能エ
ポキシ樹脂、 とからなるエポキシ樹脂成分、 (b) ジシアンジアミド、 1分子中に2個以上のフェノール性OH基を有する
化合物、および 1分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族アミ
ン化合物 からなる硬化剤、並びに (c)硬化促進剤 を配合してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、エポキシ樹脂組成物
に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、プ
リント配線板に加工する電気用積層板やプリプレグ等と
して有用な耐熱性エポキシ樹脂に関するものである。
【従来の技術】従来より、プリント配線板等に加工され
る電気用積層板には、各種の素材と構成からなるものが
知られており、たとえばガラス布などの基材にエポキシ
樹脂などの樹脂を含浸して乾燥することによってプリプ
レグを作成し、このプリプレグを所要枚数重ねるととも
に、必要に応じて銅箔などの金属箔をその片側または両
側に重ね、これを加熱加圧成形することによって製造さ
れたものが知られている。このような積層板について
は、プリント配線板の高密度実装、高集積化等の傾向が
強まるとともに、耐熱性、加工性等の諸特性についての
高度化が求められてきている。これらの課題のうちの一
つとして、耐熱性の向上は特に重要なものであり、これ
までにも種々の試みがなされてきており、たとえば積層
板を構成する樹脂として一般的なエポキシ樹脂の耐熱性
を高めることが検討されてきている。このような耐熱性
向上のための方法としては、エポキシ樹脂を多官能型と
してジシアンジアミドを硬化剤として使用することや、
硬化剤をDDS、DDM、アルキル化またはハロゲン化
DDMとして樹脂組成物を構成することや、エポキシ樹
脂をイミド樹脂で変性することが提案されている。また
最近では、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボ
ラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂等のフ
ェノール系樹脂を硬化剤として使用することも提案され
ている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の改良法には各々特徴があるものの、どうしても実用上
の欠点が避けられなかった。たとえば多官能エポキシ樹
脂とともにジシアンジアミドを硬化剤として使用する場
合には、Tg(ガラス転移点)や熱時の特性は良好とな
るものの、ジシアンジアミドに起因するCAF(電食
性)や耐熱限界(熱分解温度)の問題があり、さらに
は、吸湿性、吸湿後の半田耐熱性が十分でないという欠
点がある。硬化剤をDDS、DDM等とする場合には、
やはりTg等の耐熱性は良好となるものの、吸湿性が大
きく、また、プリプレグのライフが著しく短くなるとい
う欠点がある。エポキシ樹脂をイミド樹脂変性する場合
には、熱時機械特性の耐熱性は向上するものの、コスト
上昇が避けられず、その割に接着力が低下するという弊
害がある。さらには、フェノール性OH基を有するフェ
ノール系樹脂を硬化剤とする場合には、吸湿率が低く、
吸湿後の半田耐熱性が高く、プリプレグのライフも良く
なるものの、Tgが大きく低下したり、UV(紫外線)
や熱による変色、多層成形時の内層銅箔の化学処理面、
たとえば黒化処理面との接着力が十分でないという欠点
があった。そこでこの発明は、以上の通りの欠点を解消
するためになされたものであり、Tg、耐熱限界、吸湿
後の半田耐熱性、熱時機械特性等の耐熱性を全体として
バランス良く向上させ、また、プリプレグの保存安定性
をも向上させることのできるエポキシ樹脂組成物を提供
することを目的としている。
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、 (a) 次式で表わされる多官能エポキシ樹脂、
【化2】 テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールA
型エポキシ樹脂とを反応させて得られる臭素化多官能エ
ポキシ樹脂、 とからなるエポキシ樹脂成分、 (b) ジシアンジアミド、 1分子中に2個以上のフェノール性OH基を有する
化合物、および 1分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族アミ
ン化合物 からなる硬化剤、並びに (c)硬化促進剤 を配合してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物を
提供する。この組成物は、優れた耐熱性を有するものと
してプリント配線板等の電気用積層板に有用なものであ
るが、その成分について説明すると、まず、(a)エポ
キシ樹脂成分については、前記した通りの化学構造から
なる多官能エポキシ樹脂と、臭素化多官能エポキシ樹
脂とからなるものを使用する。これらのエポキシ樹脂
のエポキシ当量は100〜1000(g/eq)程度とす
ることが好ましく、また、その使用比/について
は、当量比として、1/5 〜5/1 程度の範囲で適宜とする
ことができる。 (b)硬化剤については、まずジシアンジアミド(H
2 N−C(=NH)−NH−CN)に加えて、1分子
中に2個以上のフェノール性OH基を有する化合物を用
いる。この化合物としては、たとえば、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ポリビニル
フェノール、β−ナフトール等の低分子化合物や、フェ
ノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビ
スフェノールA型ノボラック樹脂、アルキルフェノール
ノボラック樹脂、フェノールとヒドロキシベンズアルデ
ヒドから合成させるトリフェニルメタン型の3官能型ノ
ボラック樹脂、さらには、それらの臭素化物等を例示す
ることができ、これらのフェノール性化合物または樹脂
は、何種類かを併用することもできる。また、硬化剤に
は、1分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族ア
ミン化合物を併用する。このための芳香族アミン化合物
としては、次式(1)
【化3】 で表わされるジアミノジフェニルメタン(DDM)、次
式(2)で表わされるその誘導体、
【化4】 (式中のR1 ,R2 ,R3 およびR4 は、各々、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル等の低級アルキル
基、もしくはハロゲン原子から選択され、同一または別
異のものとすることができる。)あるいは、次式(3)
【化5】 (n=1〜3)で表わされる芳香族ポリアミン等を用い
ることができる。これらのからなる硬化剤の配合
量については、エポキシ基1当量あたり、ジシアンジア
ミドは0.1 〜0.6 当量程度の範囲とすることが耐湿性
と、接着性の点から好ましく、フェノール性OH基を有
する化合物については、OH基を0.1 〜0.6 当量程度
の範囲とすることが、耐湿性、プリプレグライフとTg
の両立の点から好ましい。さらに、芳香族アミン化合物
のNH当量は、エポキシ基1当量あたり、0.1〜0.6当
量程度の範囲とすることがTgと吸湿後耐熱性の点から
好ましい。また、エポキシ樹脂1当量に対するこれら硬
化剤の割合は、2×++として当量比で1:0.8
〜1:1.2 の範囲とすることがTgと吸湿性の点から好
ましい。この3種の硬化剤については、ジシアンジア
ミドの持つ接着性の向上、多官能フェノール化合物
(樹脂)の持つ耐熱性、プリプレグの保存性の向上、
芳香族アミン化合物の持つTgの向上等という長所を相
乗的にさらに一層向上させ、かつ、各々の短所を補うと
いう特徴がある。たとえば、ジシアンジアミドの吸湿
性、電食性、多官能フェノール化合物(樹脂)のT
g、硬化物の着色、芳香族アミン化合物の吸湿耐熱
性、プリプレグ保存性の面等における短所を補い、長所
をより大きな効果として実現することを可能としてい
る。そして、これらの硬化剤3種は、あらかじめメチル
セロソルブなどのセロソルブ類、DMF、MEKなどの
溶剤の混合液に溶解させ、30〜150℃で10〜60
分加熱予備反応を行なわせることが、その潜在能力の向
上の点で好ましい。 (c)硬化促進剤については、これまでに知られている
イミダゾール化合物、第3級アミン化合物等から適宜に
選択して配合することができる。 このような(a)(b)(c)の各成分を配合するこの
発明のエポキシ樹脂組成物は、主に液状で基材物質に塗
布、含浸して、次いで乾燥することにより適用されるの
で、通常は、溶剤により希釈して用いられる。このため
の溶剤としてはメチルエチルケトン、アセトン、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、トル
エン、キシレン、DMF、DMAc等を用いることがで
き、これらを複数種を併用してもよい。希釈率は固型分
濃度50〜70%程度で使用するのが好ましい。このエ
ポキシ樹脂組成物はガラスクロス、ガラスペーパー、ク
ラフト紙、リンター紙、布等の適宜な基材に含浸し、乾
燥機中で120〜180℃の範囲で3〜10分間程度乾
燥することによりB−ステージ(半硬化)状態のプリプ
レグを得る。プリプレグは150 〜200 ℃、10〜50kg
/cm2 の範囲で加熱・加圧して印刷配線用金属箔張積層
板を製造するのに用いられる。この場合の金属箔として
は、銅、アルミニウム、ステンレス等の適宜なものが使
用され、所要枚数のプリプレグとともに積層成形する。
また、多層板を製造する際には、エポキシ樹脂系材料で
は一般的に内層銅箔の表面を化学的に処理(黒化処理)
して酸化銅とするので成形時の温度は150 〜180 ℃とす
るのが好ましい。以下実施例に基づきこの発明を説明す
る。
【実施例】実施例1〜5 (比較例1〜3)表1に示した通りの成分配合組成から
なるエポキシ樹脂組成物を製造した。この組成物からな
るワニスをガラス布に含浸させてプリプレグとし、これ
を用いて1.6mm 両面銅箔積層板を製造した。この積層板
について、プリプレグライフ、吸湿後半田耐熱性、Tg
(TMA)およびプリプレグ上のジシアンジアミド析出
について評価した。その結果も表1に示した。この表1
の実施例1〜5の結果を、比較例と対比すると明らかな
ように、バランスの良い耐熱特性が得られている。な
お、表1中の評価基準は以下の通りである。プリプレグライフ 20℃、40%の保存で3ヶ月後に初期と同一成形条件
で成形を行ないボイド、カスレ等の発生がないこと。吸湿後半田耐熱性 C−168/40/90処理後に260℃の半田に浸漬
(20秒)し、フクレ、ミーズリング等の発生がないこ
と。そして評価結果は以下の通りとした。 A……極めて良好 B……良好 C……不良
【表1】 なお、表1中の注釈は以下のものを示している。 *1:VF−2803(三井石油化学(株)製)臭素含
有率19%、エポキシ当量420g/eq *2:日本化薬(株)製:ビス(4−アミノ−3,5 −ジ
エチルフェニル)メタン *3:イハラケミカル工業(株)製:ビス(4−アミノ
−3−エチル−5−メチルフェニル)メタン *4:東都化成(株)製:クレゾールノボラック樹脂 *5:三井石油化学(株)製:三官能樹脂
【化6】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明のエ
ポキシ樹脂組成物により、積層板の接着力、吸湿性等と
ともに、Tgをはじめとする耐熱性を総合的にバランス
よく向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NJW 8416−4J H05K 1/03 J 7011−4E K 7011−4E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 次式で表わされる多官能エポ
    キシ樹脂、 【化1】 テトラブロモビスフェノールAとビスフェノール
    A型エポキシ樹脂とを反応させて得られる臭素化多官能
    エポキシ樹脂、 とからなるエポキシ樹脂成分、 (b) ジシアンジアミド、 1分子中に2個以上のフェノール性OH基を有す
    る化合物、および 1分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族ア
    ミン化合物 からなる硬化剤、並びに (c)硬化促進剤 を配合してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 硬化剤(b)があらかじめ溶解させて
    なる請求項1のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 硬化剤(b)の配合比が、エポキシ樹
    脂(a)1当量に対して、各々、0.1 〜0.6 当量であっ
    て、しかも、その割合が 2×++ として0.8 〜1.2 当量である請求項1または2のエポキ
    シ樹脂組成物。
JP3213294A 1991-08-26 1991-08-26 エポキシ樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3009947B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017014419A (ja) * 2015-07-02 2017-01-19 Dic株式会社 エポキシ樹脂組成物、硬化物、繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、及び繊維強化樹脂成形品の製造方法
JP2019123763A (ja) * 2018-01-12 2019-07-25 住友ベークライト株式会社 樹脂組成物、金属張積層板、アルミベース基板およびプリント配線板

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