JPH0550556A - 金属蒸着ポリオレフインフイルム - Google Patents

金属蒸着ポリオレフインフイルム

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JPH0550556A
JPH0550556A JP20814391A JP20814391A JPH0550556A JP H0550556 A JPH0550556 A JP H0550556A JP 20814391 A JP20814391 A JP 20814391A JP 20814391 A JP20814391 A JP 20814391A JP H0550556 A JPH0550556 A JP H0550556A
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propylene
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明の金属蒸着ポリオレフィンフィルムは、
ポリプロピレン樹脂とポリオレフィンランダム共重合体
とから構成されるポリオレフィンフィルムに、金属が蒸
着されており、該ポリオレフィンランダム共重合体が、
特定のエチレン系ランダム共重合体と、特定のプロピレ
ン系ランダム共重合体とを特定割合で含有するランダム
共重合体組成物であることを特徴としている。 【効果】本発明の金属蒸着ポリオレフィンフィルムは、
ポリプロピレン樹脂中に、ポリオレフィンランダム共重
合体が分散した状態になっているので、金属蒸着膜の接
着強度に優れるとともに、フィルムの低温での耐衝撃強
度も著しく向上するという効果があり、また、金属蒸着
面の輝度および光沢度が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、金属蒸着ポリオレフィン
フィルムに関し、さらに詳しくは、蒸着膜の接着強度、
金属蒸着面の輝度および光沢度が高い金属蒸着ポリオレ
フィンフィルムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、ポリプロピレンの優れた加
工性や材料特性と、蒸着フィルムの優れた装飾性、光線
遮断性等の特性とが活用されて、ポリプロピレン系フィ
ルムをベースフィルムとしてこれに金属を蒸着した金属
蒸着フイルムが包装用を主体に用途が拡大されている。
【0003】しかしながら、ポリプロピレンフィルムま
たはプロピレンを主成分とするエチレンまたは他のα-
オレフィンとの共重合体からなるフィルムは、無極性で
他の物質との接着性が劣っているため、これらのフィル
ムに金属蒸着した蒸着膜の接着力は極めて低い。したが
って、これらの金属蒸着フィルムは、後加工工程や使用
時に剥離してトラブルを生じ易く、用途範囲が大幅に制
限されるという欠点があった。
【0004】このような欠点を改良するため、従来から
種々の提案がなされている。たとえば、フィルム面をコ
ロナ放電、火炎処理等で処理して極性基を付与する方法
があるが、この方法だけでは金属とフィルムとの層間接
着力は不充分である。また、この処理面に接着剤をアン
カーコートした後金属を蒸着するという方法もあるが、
この方法は工程が複雑化し、かつ、コストが高いという
問題がある。
【0005】また特開昭63- 291929号公報、特開平3- 7
5140号公報には、ポリプロピレンに特定のエチレン・α
- オレフィン共重合体を配合して得られたフィルムに金
属蒸着をするということが示されている。しかしなが
ら、単にエチレン・α- オレフィンをポリプロピレンに
配合したのでは光沢度の低い金属蒸着フィルムしか得ら
れないという欠点があった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解消しようとするものであって、プロピレンを
主成分とするポリオレフィンフィルムに金属蒸着した、
蒸着膜の蒸着強度が充分に高く、かつ金属蒸着面の輝
度、光沢度が高い金属蒸着ポリオレフィンフィルムを提
供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る金属蒸着ポリオレフィンフ
ィルムは、(A)ポリプロピレン樹脂60〜99重量
%、および(B)ポリオレフィンランダム共重合体1〜
40重量%[成分(A)および(B)の合計量は100
重量%である]から構成されるポリオレフィンフィルム
に、金属が蒸着されている金属蒸着ポリオレフィンフィ
ルムであって、該ポリオレフィンランダム共重合体
(B)が、(I)エチレン含有量が60〜95モル%で
あり、MFR230 o Cが0.1〜50g/10分である、
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとから
なるエチレン系ランダム共重合体20〜95重量部と、
(II)プロピレン含有量が60〜95モル%であり、
MFR230 o C が0.1〜50g/10分であるプロピレ
ンとエチレンまたは炭素原子数4〜20のα- オレフィ
ンとからなるプロピレン系ランダム共重合体5〜80重
量部[成分(I)および(II)の合計量は100重量
部とする]とを含有するランダム共重合体であることを
特徴としている。
【0008】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る金属蒸着ポリ
オレフィンフィルムについて具体的に説明する。
【0009】ポリプロピレン樹脂(A) 本発明で用いられるポリプロピレン樹脂(A)は、プロ
ピレンの単独重合体、またはプロピレンとエチレンおよ
び/または他のα- オレフィンとの共重合体、たとえば
プロピレンとエチレン、1-ブテンなどとの2元または3
元以上のランダム共重合体またはブロツク共重合体また
はそれらの混合物(通常、プロピレン単位含有量90モ
ル%以上)であって、沸騰n-ヘプタン不溶分が90%以
上、好ましくは93%以上である。
【0010】このようなポリプロピレン樹脂(A)は、
典型的には固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒
成分から形成される触媒、あるいはこれら両成分および
電子供与体から形成される触媒を用いて製造することが
できる。
【0011】固体状チタン触媒成分としては、各種方法
で製造された三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物、
あるいはマグネシウム、ハロゲン、電子供与体、好まし
くは芳香族カルボン酸エステルまたはアルキル基含有エ
ーテルおよびチタンを必須成分とする、比表面積が好適
には100m2/g以上の担体付チタン触媒成分が挙げら
れる。特に後者の担体付触媒成分を用いて製造されたポ
リプロピレン樹脂が好適である。
【0012】有機金属化合物触媒成分としては、有機ア
ルミニウム化合物が好適であり、具体的には、トリアル
キルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、
アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミ
ニウムジハライドなどが挙げられる。これらの化合物の
うち、好適な有機金属化合物触媒成分は、使用する上記
チタン触媒成分の種類によって異なる。
【0013】電子供与体は、窒素、リン、イオウ、酸
素、ケイ素、ホウ素などを含む有機化合物であり、好適
な具体例としては、これらの元素を有する有機エステ
ル、有機エーテルなどを挙げることができる。
【0014】担体付触媒成分を用いたポリプロピレン樹
脂の製造方法に関しては、たとえば特開昭50- 108385
号、特開昭50- 126590号、特開昭51-20297号、特開昭51
-28189号、特開昭52- 151691号などの各公報に開示され
ている。
【0015】ポリオレフィンランダム共重合体(B) 本発明で用いられるポリオレフィンランダム共重合体
(B)は、特定のエチレン系ランダム共重合体(I)と
特定のプロピレン系ランダム共重合体(II)とを特定
割合で含有するランダム共重合体組成物である。
【0016】上記エチレン系ランダム共重合体(I)
は、エチレンから誘導される繰り返し単位を主な繰り返
し単位とする弾性共重合体であり、具体的には、エチレ
ンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのランダム
共重合体である。
【0017】このようなエチレン系ランダム共重合体
(I)を構成するエチレンから誘導される繰り返し単位
の含有率は、60〜95モル%の範囲内にあり、好まし
くは70〜90モル%の範囲内にある。このエチレン系
ランダム共重合体(I)中におけるエチレンから誘導さ
れる繰り返し単位の含有率を60モル%以上にすること
により、ブロッキング等が発生しにくくなり樹脂のハン
ドリング性が良好になる。また、この繰り返し単位の含
有率を95モル%以下にすることにより、金属蒸着膜の
接着強度を向上させることができ、また金属蒸着ポリオ
レフィンフィルムの耐衝撃強度を向上させることができ
る。
【0018】このエチレン系ランダム共重合体(I)を
構成するα- オレフィンから誘導される繰り返し単位
は、炭素原子数が3〜20、好ましくは3〜10、さら
に好ましくは3〜5のα- オレフィンから誘導される。
α-オレフィンの炭素原子数が20を超えると、金属蒸
着膜の接着強度の改良効果が不足する。
【0019】上記α- オレフィンとしては、具体的に
は、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチルペン
テン-1、3-メチルペンテン-1、ヘプテン-1、オクテン-1
およびデセン-1などが挙げられる。このようなα- オレ
フィンは単独で用いても良いし、また組合わせて用いて
も良い。
【0020】このエチレン系ランダム共重合体(I)中
における上記α- オレフィンから誘導される繰り返し単
位の含有率は、この共重合体(I)が二成分系である場
合には、必然的に、5〜40モル%の範囲内にあり、好
ましくは10〜30モル%の範囲内にある。
【0021】このようなエチレン系ランダム共重合体
(I)は、ゴム弾性を有する軟質共重合体であり、した
がって、この共重合体(I)の結晶化度は、通常は40
%以下、好ましくは20%以下である。
【0022】上記エチレン系ランダム共重合体(I)の
ASTM-D-1238に準拠して、230℃で測定した
メルトインデックス(MFR230 o C)は、0.1〜50
g/10分の範囲内にあることが必要である。本発明に
おいては、MFR230 o Cが0.1〜20g/10分の範囲
内にあるエチレン系ランダム共重合体が好ましい。MF
230 o Cが上記範囲外にあるエチレン系ランダム共重合
体を用いた場合には、本発明で用いられるポリオレフィ
ンランダム共重合体(B)をポリプロピレン中に分散さ
せるのが非常に困難となるため、金属蒸着膜の接着強度
の改良効果が見られない。
【0023】なお、本発明において、MFR230 o Cの値
は、特に限定しない限り上記のようにして測定した値で
ある。上記エチレン系ランダム共重合体(I)は単独
で、あるいは組合わせて使用することができる。
【0024】上記エチレン系ランダム共重合体(I)
は、たとえばバナジウム系触媒の存在下にエチレンとα
- オレフィンとを共重合させることにより製造すること
ができる。
【0025】この方法において使用されるバナジウム系
触媒としては、具体的には、三塩化バナジル、モノエト
キシ二塩化バナジル、トリエトキシバナジル、バナジウ
ムオキシジアセチルアセトネート、バナジウムトリアセ
チルアセトネートのようなバナジウム化合物と、有機ア
ルミニウム化合物との混合物などを挙げることができ
る。
【0026】このような触媒を用いたエチレン系ランダ
ム共重合体の製造方法の例を具体的に示すと、たとえ
ば、オキシ三塩化バナジウムとエチレンアルミニウムセ
スキクロリドとを触媒とし、ヘキサン溶媒中で、水素の
存在下に、エチレンと炭素原子数2〜20のα- オレフ
ィンの混合ガスを反応容器に連続的に供給しながら連続
重合を行なう。こうして生成される共重合体を含む反応
液を連続的に反応容器から抜き出し、この共重合体を含
む反応液から溶媒を分離することによって上記エチレン
系ランダム共重合体(I)を得ることができる。
【0027】たとえば上記のようにして製造されるエチ
レン系ランダム共重合体(I)について、GPCを用い
て重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)
を測定して両者の比(Mw/Mn)をとると、この値
は、通常は7以下、好ましくは3以下である。
【0028】本発明においては、上記エチレン系ランダ
ム共重合体(I)は、上記エチレン系ランダム共重合体
(I)およびプロピレン系ランダム共重合体(II)合
計量100重量部に対して20〜95重量部、好ましく
は30〜95重量部、さらに好ましくは40〜90重量
部の割合で用いられる。
【0029】上記プロピレン系ランダム共重合体(I
I)は、プロピレンから誘導される繰り返し単位を主な
繰り返し単位とする弾性共重合体であり、プロピレンと
エチレンまたは炭素原子数4〜20のα- オレフィンと
のランダム共重合体である。
【0030】このプロピレン系ランダム共重合体(I
I)中におけるプロピレンから誘導される繰り返し単位
の含有率は、60〜95モル%の範囲内、好ましくは7
0〜90モル%の範囲内にある。このプロピレン系ラン
ダム共重合体(II)中におけるプロピレンから誘導さ
れる繰り返し単位の含有率を60モル%以上にすること
により、ブロッキング等が発生しにくくなり樹脂のハン
ドリング性が良好になる。また、この繰り返し単位の含
有率を95モル%以下にすることにより、金属蒸着膜の
接着強度を有効に向上させることができる。
【0031】このプロピレン系ランダム共重合体(I
I)を構成するα- オレフィンから誘導される繰り返し
単位は、エチレンまたは炭素原子数が4〜20のα- オ
レフィン、好ましくはエチレン、炭素原子数が4〜10
のα- オレフィン、さらに好ましくはエチレン、炭素原
子数が4〜5のα- オレフィンから誘導される。α- オ
レフィンの炭素原子数が20を超えると、このプロピレ
ン系ランダム共重合体(II)のゴム的性質が小さくな
り、ランダム共重合体組成物による有効な耐衝撃性の改
良効果は望めない。
【0032】上記α- オレフィンとしては、具体的に
は、エチレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチルペンテ
ン-1、3-メチルペンテン-1、ヘプテン-1、オクテン-1お
よびデセン-1などが挙げられる。このようなα- オレフ
ィンは単独で用いても良いし、組合わせて用いても良
い。
【0033】このプロピレン系ランダム共重合体(I
I)中における上記α-オレフィンから誘導される繰り
返し単位の含有率は、このプロピレン系ランダム共重合
体(II)が二成分系である場合には、必然的に、5〜
40モル%の範囲内にあり、好ましくは10〜30モル
%の範囲内にある。
【0034】プロピレン系ランダム共重合体(II)
は、ポリプロピレン樹脂(A)中において、主にエチレ
ン系共重合体(I)とポリプロピレン樹脂(A)との相
溶化剤の役割をする。プロピレン系ランダム共重合体
(II)の結晶化度は、特に制限はないが、好ましくは
40%以下である。
【0035】このプロピレン系ランダム共重合体(I
I)のASTM-D-1238に準拠して230℃で測定
したメルトインデックス(MFR230 o C)は、0.1〜
50g/10分の範囲内にあることが必要である。本発
明においては、MFR230 o C が1〜20g/10分の範
囲内にあるプロピレン系ランダム共重合体を使用するこ
とが好ましい。MFR230 o C が上記範囲外にあるプロピ
レン系ランダム共重合体を用いた場合には、本発明のラ
ンダム共重合体組成物がポリプロピレン樹脂中への分散
が非常に困難になるため、金属蒸着膜の接着強度の改良
効果が見られない。
【0036】このようなポリプロピレン系ランダム共重
合体(II)は、たとえば固体状チタン触媒成分と有機
金属化合物触媒成分とから形成される触媒、あるいはこ
れら両成分と電子供与体とから形成される触媒を用いて
製造することができる。
【0037】このポリプロピレン系ランダム共重合体
(II)の製造方法で用いられる固体状チタン触媒成
分、有機金属化合物触媒成分および電子供与体について
は、ポリプロピレン樹脂(A)の製造方法で上述した固
体状チタン触媒成分、有機金属化合物触媒成分、電子供
与体と同様である。
【0038】本発明のランダム共重合体組成物を構成す
るプロピレン系ランダム共重合体(II)は、たとえ
ば、従来公知の方法で得られた担体付チタン系触媒、ト
リイソブチルアルミニウム、ジフェニルメトキシシラン
を使用し、ヘキサン溶媒中で、水素の存在下に、プロピ
レンと、上記炭素原子数2〜20のα- オレフィン(プ
ロピレンを除く)の混合ガスを連続的に供給しながら連
続重合することにより製造することができる。そして、
このようにして連続的に重合を行わせることにより得ら
れる反応液を反応装置から連続的に抜き出し、この反応
液から溶媒を分離することによってプロピレン系ランダ
ム共重合体(II)を得ることができる。
【0039】たとえば、上記のようにして製造されるプ
ロピレン系ランダム共重合体(II)について、GPC
を用いて重量平均分子量(Mw)および数平均分子量
(Mn)を測定して両者の比(Mw/Mn)をとると、
この値は、通常は10以下、好ましくは6以下である。
【0040】本発明においては、上記プロピレン系ラン
ダム共重合体(II)は、上記エチレン系ランダム共重
合体(I)およびプロピレン系ランダム共重合体(I
I)合計量100重量部に対して5〜80重量部、好ま
しくは5〜70重量部、さらに好ましくは10〜60重
量部の割合で用いられる。
【0041】本発明に係る金属蒸着ポリオレフィンフィ
ルムは、上記ポリプロピレン系樹脂(A)とポリオレフ
ィンランダム共重合体(B)とからなるポリオレフィン
フィルムをベースとしている。上記ポリオレフィンフィ
ルムを構成するポリプロピレン系樹脂(A)は、上記ポ
リプロピレン系樹脂(A)およびポリオレフィンランダ
ム共重合体(B)の合計量100重量%に対して60〜
99重量%、好ましくは70〜95重量%の割合で用い
られる。また上記ポリオレフィンフィルムを構成するポ
リオレフィンランダム共重合体(B)は、上記ポリプロ
ピレン系樹脂(A)およびポリオレフィンランダム共重
合体(B)の合計量100重量%に対して1〜40重量
%、好ましくは5〜30重量%の割合で用いられる。
【0042】上記ポリオレフィンフィルムを構成するポ
リオレフィンランダム共重合体(B)の量が1重量%未
満になると、金属蒸着膜の接着強度の改良効果が乏しく
なるため好ましくない。一方、ポリオレフィンランダム
共重合体(B)の量が40重量%を超えると、フィルム
成形性が極端に低下し、厚さムラや表面凹凸ムラが顕著
で巻き姿も劣り、均一な金属蒸着フィルムが得難いため
好ましくない。
【0043】本発明で用いられるポリプロピレン樹脂
(A)とポリオレフィンランダム共重合体(B)からな
る組成物中には、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、ブロ
ッキング防止剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわ
ない範囲で添加することができる。しかしながら、本発
明においては、金属蒸着膜の接着性、金属蒸着面の印刷
・ラミネート適性等を低下させないためには、表面に移
行しやすくてポリオレフィンフィルムまたは金属蒸着面
のぬれ適性を低下させるような物質は添加しないことが
望ましい。
【0044】本発明において、ポリプロピレン樹脂
(A)とポリオレフィンランダム共重合体(B)からな
るポリプロピレン系樹脂組成物を調製するには、従来公
知の任意の方法を採用することができ、たとえばV型ブ
レンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等の
混合機により混合する方法、および/または押出機、ミ
キシングロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の混
練機により混練する方法を組合わせて、あるいは単独で
採用し、各成分を混合すればよい。
【0045】金属蒸着膜の接着強度の改良効果および経
済性の点から、ペレット状ないし顆粒状のエチレン系ラ
ンダム共重合体(I)とペレット状ないし顆粒状のプロ
ピレン系ランダム共重合体(II)をタンブラー、リボ
ンブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機により混
合し押出機等を用いてペレット状の組成物とした後、ポ
リプロピレン樹脂(A)とタンブラー等で混合して、そ
のままフィルム成形するのが好ましい。勿論、ペレット
状に溶融混練したポリオレフィンランダム共重合体
(B)とポリプロピレン樹脂(A)とを混合した後押出
機等を用い、溶融混練してペレット状の組成物とした後
フィルム成形する方法も有用である。
【0046】本発明で用いられるポリオレフィンフィル
ムは、上記ポリプロピレン系樹脂組成物を原料として通
常のTダイ法またはインフレーション法で得られる未延
伸フィルムばかりでなく、上記未延伸フィルムを片側ま
たは両側の表層とする二層以上の積層フィルムをも包含
する。後者の場合、上記ポリプロピレン系樹脂組成物か
ら得られたフィルムの表面が金属蒸着の対象となる。本
発明においては、これらのポリオレフィンフィルムのう
ち、上記ポリプロピレン系樹脂組成物をTダイ法で溶融
押出しした後、冷却ロールで急冷してフィルム状に成形
し、次いで、得られたフィルムの少なくとも一方の面を
コロナ放電処理、プラズマ処理等の従来公知の方法また
は窒素等の不活性ガス中での処理等の応用手法を併用し
て表面処理して得た単層のポリオレフィンフィルム、お
よびこの単層のポリオレフィンフィルムを片側または両
側の表面層として有する積層フィルムを一軸ないし二軸
延伸した延伸ポリオレフィンフィルムが諸特性に優れ、
特に好ましい。
【0047】ポリオレフィンフィルム面への金属蒸着方
法としては、通常、原反フィルム(未蒸着のフィルム)
を10-3〜10-5mmHgの高真空装置内に置き、その
装置内でアルミニウム等の金属を熱して蒸発させ、放射
状に飛散する金属蒸気を表面処理されたフィルム表面に
付着させる真空蒸着法が一般的であるが、従来公知のス
パッタリング蒸着やイオンプレーティングによっても可
能である。
【0048】また、フィルムの表面処理面にエポキシ系
ないしウレタン系等のアンカーコート剤の薄膜を塗布し
た後これらの方法で蒸着しても良い。ポリオレフィンフ
ィルムに蒸着される金属としては、具体的には、アルミ
ニウム、金、銀、銅、ニッケル、クロム、ゲルマニウ
ム、セレン、チタン、スズ、亜鉛等が挙げられるが、そ
の経済性、安定性および実用性等からアルミニウムが好
ましい。
【0049】また、金属蒸着層の厚さは、通常50〜8
00オングストローム程度であり、両面、片面および部
分蒸着等も可能であり、さらに蒸着面に着色ないし保護
用にトップコートすることもできる。
【0050】
【発明の効果】本発明に係る金属蒸着ポリオレフィンフ
ィルムは、ポリプロピレン樹脂(A)中に、ポリオレフ
ィンランダム共重合体(B)が分散した状態になってい
るので、金属蒸着膜の接着強度に優れるとともに、フィ
ルムの低温での耐衝撃強度も著しく向上するという効果
がある。
【0051】また、本発明に係る金属蒸着ポリオレフィ
ンフィルムは、金属蒸着面の輝度および光沢度が高い。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、こ
れら実施例に限定されるものではない。
【0052】なお、実施例および比較例における物性の
測定方法および評価の基準は下記の通りである。 (1)金属蒸着膜の接着強度:フィルムに金属(アルミ
ニウム)を蒸着させた後、得られた金属蒸着フィルムを
湿度95%、温度40℃で24時間放置後、金属蒸着面
に市販のセロファン粘着テープ(23mm幅×65mm
長さ)を貼付し、手で粘着テープを剥離したときに、粘
着テープで剥離されずにフィルム面に付着したまま残っ
ているアルミニウムの面積によって下記の表1に示すよ
うな蒸着力のランク付をし、このランク付をもって金属
蒸着膜の接着強度を評価した。
【0053】
【表1】 (2)ヘイズ(Haze):ASTM-D-1003によ
り、未蒸着のフィルムのヘイズを測定した。この値が小
さい程透明性が良いことを意味する。 (3)金属光沢:ASTM-D-523の鏡面光沢度法に
準じ、感度1/10で測定した光沢度で示す。指示角は
20度で測定し、70以上を良とする。
【0054】
【実施例1】エチレン含有量81モル%、MFR230 o C
5.4g/10分のエチレン・プロピレンランダム共重
合体5重量部と、プロピレン含有量78モル%、MFR
230 o C 6.0g/10分、Tm110℃のプロピレン・
ブテン-1ランダム共重合体10重量部とをヘンシェルミ
キサーで混合し、この混合物を口径65mmの押出機を
用いて溶融混練した後ストランド状に押出し、さらにカ
ッターによりカットして組成物を得た。
【0055】次いで、この組成物15重量部とエチレン
含有量2.3モル%、MFR230 o C6.5g/10分、
融点(Tm)141℃のポリプロピレン樹脂85重量部
とをヘンシェルミキサーで混合し、得られた組成物を、
口径65mmの押出機およびTダイを用いて220℃で
溶融押出し、エアナイフおよび表面温度30℃の冷却ロ
ールで急冷してフィルム状に成形した後、両耳部をカッ
トして巻き取り、直ちにフィルムの片面にコロナ放電処
理を処理度が一定になるように調整しつつ施し、処理面
のぬれ指数が42dyn/cm、厚さ30μm、幅50
cmのロール状フィルムとした。このフィルムをスリッ
ターを用いて巻き返し、幅40cmに裁断した後、これ
を原反フィルムとして巻取り式の連続蒸着装置にセット
し、フィルムを連続的に繰り出しながら、10-4Tor
rの真空下でフィルムの処理面にアルミニウムを蒸着し
て巻き取り、蒸着膜の厚さが約400オングストローム
の片面アルミニウム蒸着フィルムを得た。
【0056】得られた金属蒸着フィルムの特性を表2に
示す。
【0057】
【実施例2〜12および比較例1〜5】表2に示す組成
に従って実施例1と同様にポリオレフィンフィルムを成
形し、さらに実施例1と同様にフィルム片面にアルミニ
ウムを蒸着し、片面アルミニウム蒸着フィルムを得た。
【0058】得られた金属蒸着フィルムの特性を表2に
示す。
【0059】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリプロピレン樹脂60〜99重量
    %、および(B)ポリオレフィンランダム共重合体1〜
    40重量%[成分(A)および(B)の合計量は100
    重量%である]から構成されるポリオレフィンフィルム
    に、金属が蒸着されている金属蒸着ポリオレフィンフィ
    ルムであって、 該ポリオレフィンランダム共重合体(B)が、 (I)エチレン含有量が60〜95モル%であり、MF
    230 o C が0.1〜50g/10分である、エチレンと
    炭素原子数3〜20のα- オレフィンとからなるエチレ
    ン系ランダム共重合体20〜95重量部と、 (II)プロピレン含有量が60〜95モル%であり、
    MFR230 o C が0.1〜50g/10分であるプロピレ
    ンとエチレンまたは炭素原子数4〜20のα- オレフィ
    ンとからなるプロピレン系ランダム共重合体5〜80重
    量部[成分(I)および(II)の合計量は100重量
    部とする]とを含有するランダム共重合体組成物である
    ことを特徴とする金属蒸着ポリオレフィンフィルム。
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