JPH0549467U - 車両用回転シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作荷重の増加を来すことなく、シート本体
Ｓのストローク量を少なくして搭載性を高めることので
きる車両用回転シートを提供すること。 【構成】 車体フロアに固定したロアレール３１と同レ
ール３１に摺動可能に組付けたアッパレール３２を有す
る一対のシートトラック３０、車体フロアに沿って回転
可能に両アッパレール３２に組付けた回転体４０、回転
体４０に載置して固定したシート本体Ｓ、嵌合部６１ａ
を有し車体フロアに固定したガイドプレート６１、及び
嵌合部６１ａに摺動可能に嵌合する被嵌合部５７を有し
回転体４０に連結されて一体に回転するレバー５６を備
え、嵌合部６１ａの形状をアッパレール３２の摺動方向
に直交する方向へ進行する波形に形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両用回転シートに関し、より詳しくは車室内壁等がシート回転の妨 げとならないように、シートが回転しながら所定方向へ移動する回転シートに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

この種のシートの一形式として図に示すように、車体フロアに固定したベース フレーム１０、このフレーム１０に固定したロアレール１１と同レール１１に摺 動可能に組付けたアッパレール１２を有する一対のシートトラック１３、車体フ ロアに沿って回転可能に両アッパレール１２に組付けた回転体１４、回転体１４ と一体に回動するように一端を回転体１４の中心部にブラケット１５を介して固 着したレバー１６、及び一端を同レバー１６に枢着し、他端をベースフレーム１ ０に枢着したリンク１７を備え、回転体１４にシート本体を載置して固定した回 転シートが知られている。

【０００３】 かかる構成によれば、シート本体を回転したとき、回転体１４と一体にレバー １６が回動し、リンク１７がベースフレーム１０の連結部を支点にして回動する 。これに伴い、リンク１７のレバー１６側連結部がアッパレール１２の摺動方向 に沿って変位するので、回転体１４及びこれと一体のシート本体も同方向へ移動 し、１８０度回転させるとシート本体は反転した状態で元位置に復帰する。

【０００４】 このように、シート本体が回転しながらシートトラック１３に沿って移動する ので、車室内壁等によって妨げられることなく、シート本体の向きを反転させる ことが可能となる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記した従来の回転シートにおいては、シート本体を反転させるに 必要な同本体のストローク量はリンク１７の長さによって定まる。一方、リンク １７の長さはシート本体を回転させるときの操作荷重に影響を及ぼし、リンク１ ７が短過ぎると操作荷重が大きくなって操作性が悪くなる。このため、リンク１ ７を長めに設定して操作荷重を軽くすると、シート本体のストローク量が過大に なり、限られた車室スペースに回転シートを搭載することが困難になる。

【０００６】 本考案はかかる問題点に鑑み、操作荷重の増加を来すことなく、シート本体の ストローク量を少なくして搭載性を高めることのできる車両用回転シートを提供 することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る車両用回転シートは、車体フロアに固定したロアレールと同レー ルに摺動可能に組付けたアッパレールを有する一対のシートトラック、前記車体 フロアに沿って回転可能に前記両アッパレールに組付けた回転体、同回転体に載 置して固定したシート本体、嵌合部を有し前記車体フロアに固定したガイドプレ ート、及び前記嵌合部に摺動可能に嵌合する被嵌合部を有し前記回転体に連結さ れて一体に回転するレバーを備え、前記嵌合部の形状を前記アッパレールの摺動 方向に直交する方向へ進行する波形に形成したことを特徴とする。

【０００８】

【考案の作用・効果】

上記構成によれば、シート本体を回転したとき、回転体とレバーが一体に回転 し、レバーの嵌合部がガイドプレートの被嵌合部に沿って摺動する。それに伴い 、アッパレールが摺動して回転体及びシート本体がシートトラックに沿って移動 する。

【０００９】 しかして本考案によれば、被嵌合部の形状をアッパレールの摺動方向に直交す る波形にしたので、回転体がアッパレールの摺動方向に沿って変位すると同時に 、嵌合部も波形の高さ方向、すなわちアッパレールの摺動方向に沿って変位する 。従って、回転体の変位方向に対し嵌合部の変位方向が逆になるようにスリット を配置することにより、回転体の回転中心と嵌合部の間隔を短くすることなく、 回転体の変位量すなわち、シート本体のストローク量を嵌合部の変位量だけ少な くできるので、回転シートの搭載性が向上する。

【００１０】

【実施例】

以下に本考案を図面に基づき説明するに、図１には本考案の一実施例に係る車 両用回転シートの主要部が、また図２にはシート本体が示されている。当該シー トは車体フロアに固定したベースフレーム２０、ベースフレーム２０に固定した 一対のシートトラック３０、両シートトラック３０に組付けた回転体４０及び回 転体４０に載置して固定したシート本体Ｓを備えている。

【００１１】 各シートトラック３０はベースフレーム２０に固定したロアレール３１と、同 レール３１に長手方向へ摺動可能に組付けたアッパレール３２及びアッパレール ３２をロアレール３１に対し解除可能にロックするシートトラックロック機構３ ３を備え、車体フロアの左右方向に沿って配置されている。

【００１２】 シートトラックロック機構３３は図３に詳細に示すように、アッパレール３２ にブラケット３４を介して回転可能に組付けたシャフト３５、ロアレール３１の 底面に固着したロックプレート３６、シャフト３５に固着され一体に回動するロ ックレバー３７、シャフト３５に回動可能に組付けたリモートレバー３８を備え 、ロックプレート３６にはロックレバー３７の先端部が離脱可能に係合する係合 孔３６ａが形成され、シャフト３５は図示しないテンションスプリングによりロ ックレバー３７が係合孔３６ａに係合する方向へ回動付勢されている。また、リ モートレバー３８はロックレバー３７に係合する爪部３８ａを有し、ワイヤケー ブル３９を介して後述する回転ロックレバー４８に連結されている。

【００１３】 シートトラックロック機構３３はかかる構成からなり、ロックレバー３７の先 端部がロックプレート３６の係合孔３６ａに係合してアッパレール３２がロアレ ール３１にロックされる。また、ワイヤケーブル３９を引くと、リモートレバー ３８が図３において時計方向に回動し、ロックレバー３７がリモートレバー３８ と一体に回動して係合孔３６ａから離脱するので、アッパレール３２のロックが 解除され、ロアレール３１に沿って摺動可能となる。

【００１４】 回転体４０は、ロアパネル４１及びリング状のガイドパネル４２とアッパパネ ル４３を有し、ロアパネル４１はブラケット４４を介してシートトラック３０の アッパレール３２に固定され、ガイドパネル４２は図４に拡大して図示するよう に、ボルト４５でロアパネル４１に固定されている。ロアパネル４１にはガイド 溝４６ａを設けたリング状の合成樹脂製ガイドピース４６がガイドパネル４２に より固定されている。一方、アッパパネル４３内壁部にはＬ字形の係合金具４３ ａが溶接して固着されている。アッパパネル４３はこの係合金具４３ａをガイド ピース４６のガイド溝４６ａに摺動可能に係合させることによりロアパネル４１ に回転可能に組付けられている。そして、アッパパネル４３にブラケット４７を 介してシート本体Ｓが固定されている。

【００１５】 アッパパネル４３の上面には回転ロックレバー４８がピン４９を支点にして回 動可能に組付けられている。このロックレバー４８の内端はワイヤケーブル３９ を介してシートトラックロック機構３３に連結されている。また、内端にはスト ッパピン５０が植設されている。一方、ロアパネル４１にはストッパピン５０が 離脱可能に係合する２個のロックブラケット５１，５２が固着されている。アッ パパネル４３はロックレバー４８のストッパピン５０がロックブラケット５１， ５２に係合することによりロアパネル４１に対しロックされる。また、回転ロッ クハンドル４８を回動操作すると、ストッパピン５０がロックブラケット５１， ５２から離脱するので、アッパパネル４３が回転可能となり、同時にワイヤケー ブル３９が引かれてシートトラックロック機構３３のロックレバー３７が回動す るので、アッパレール３２が摺動可能となる。これら両ロックブラケット５１， ５２のうち、ロックブラケット５１はロックピン５０が係合したときシート本体 Ｓが車体の前後方向に沿ってまっすぐ前方を向いた位置に位置決めされるように ロアパネル４１の所定部位に取付つけられている。一方、ロックブラケット５２ はロックブラケット５１に対しアッパパネル４３の回転方向に沿って１８０度位 相がずれた位置に取付けられ、シート本体Ｓを反転した位置に位置決めできる。

【００１６】 アッパパネル４３の上面には連結用ブラケット５３の端部が溶接して固定され ている。このブラケット５３はアッパパネル４３の回転中心に対向する部位に取 付穴５３ａを有し、図５に拡大して図示するように、取付穴５３ａに嵌着したボ ルト５４と同ボルト５４に螺合するダブルナット５５により、レバー５６の内端 がアッパパネル４３と一体に回転するように連結用ブラケット５３に締着されて いる。このレバー５６の外端に植設したガイドピン５７にはブッシュ５８が嵌着 され、ワッシャ５９とナット６０で抜け止めされている。一方、ベースフレーム ２０にはブッシュ５８が摺動可能に嵌合するスリット６１ａを形成したガイドプ レート６１が固着されている。このスリット６１ａはアッパレール３２の摺動方 向と直交する方向、すなわち前後方向に沿って進行する波形を有し、かつこの波 形は回転体４０の回転中心となるボルト５４を通りアッパレール３２の摺動方向 に平行な直線が線対称軸となるように配列されている。

【００１７】 本実施例に係る車両用回転シートは以上の構成からなり、ロックレバー４８を 回動操作すると同レバー４８の端部がロックブラケット５１から外れてアッパパ ネル４３のロックが解除され、同時にワイヤーケーブル３９が引かれるので、シ ートトラックロック機構３３のロックレバー３７が回動してアッパレール３２の ロックが解除される。そこで、シート本体Ｓを回転させると、アッパパネル４３ と一体にレバー５６が回動し、図６の（Ａ）〜（Ｅ）に模式的に示すようにガイ ドピン５７がスリット６１ａに沿って後方（図において右方向）へ摺動する。こ れに伴い、アッパレール３２がロアレール３１に沿って摺動するので、回転体４ ０の回転中心５４がシートトラック３０に沿って左右方向（図において上下方向 ）へ変位する。その際、回転中心５４はガイドピン５７がスリット６１ａの頂部 を通るとき（図６のＢ，Ｄ参照）ストローク端に達する。こうして、回転体４０ 及びこれと一体のシート本体Ｓが回転しながらシートトラック３０に沿って往復 移動し、１８０度回転すると、ロックレバー４８のロックピン５０がロックブラ ケット５２に係合するので、反転した状態で元位置にロックされる。

【００１８】 しかして、シート本体Ｓの回転に伴い回転体４０の回転中心５４がシートトラ ック３０に沿って変位するとき、ガイドピン５７もスリット６１ａの波形の高さ 方向、すなわちシートトラック３０に沿って変位し、かつ、回転中心５４の変位 方向とガイドピン５７の変位方向が互いに逆になっているので、回転中心５４の 変位量がガイドピン５７の変位量だけ減少し、その分、シート本体の最大ストロ ーク量ｌ（図６のＢ，Ｃ参照）が少なくなる。

【００１９】 このように本実施例によれば、スリット６１ａを波形にすることにより、シー ト本体Ｓの回転に伴う最大ストローク量ｌを回転中心５４とガイドピン５７間の 間隔を短くすることなく、少なくできるので、操作荷重の増加を来すことなく搭 載性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係る車両用回転シートの
主要部を示す分解斜視図である。

【図２】 同シートの本体を示す斜視図である。

【図３】 図１の３ー３線から切断した断面図である。

【図４】 図１の４ー４線から切断した断面図である。

【図５】 同シートに設けた連結用ブラケットとレバー
及びガイドプレートの結合を示す断面図である。

【図６】 同シートの作用説明図である。

【図７】 従来の回転シートの主要部を示す分解斜視図
である。

【符号の説明】

２０…ベースフレーム、３０…シートトラック、３１…
ロアレール、３２…アッパレール、３３…シートトラッ
クロック機構、３５…シャフト、３６…ロックプレー
ト、３７…ロックレバー、３８…リモートレバー、３９
…ワイヤケーブル、４０…回転体、４１…ロアパネル、
４２…ガイドパネル、４３…アッパパネル、４３ａ…係
合金具、４６…ガイドピース、４８…回転ロックレバ
ー、５０…ロックピン、５１，５２…ロックブラケッ
ト、５３…連結用ブラケット、５６…レバー、５７…ガ
イドピン、６１…ガイドプレート、６１ａ…スリット、
Ｓ…シート本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体フロアに固定したロアレールと同レ
   ールに摺動可能に組付けたアッパレールを有する一対の
   シートトラック、前記車体フロアに沿って回転可能に前
   記両アッパレールに組付けた回転体、同回転体に載置し
   て固定したシート本体、嵌合部を有し前記車体フロアに
   固定したガイドプレート、及び前記嵌合部に摺動可能に
   嵌合する被嵌合部を有し前記回転体に連結されて一体に
   回転するレバーを備え、前記嵌合部の形状を前記アッパ
   レールの摺動方向に直交する方向へ進行する波形に形成
   したことを特徴とする車両用回転シート。