JPH0549138A - 電気接続箱のカバー取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カバー開閉時におけるカバーと接続箱内の電
気部品との干渉を防止すると共に、電気接続箱の防水性
等を向上させる。 【構成】 カバー２と接続箱本体１との何れか一方に回
動用軸部８を突設し、何れか他方に、回動用軸部に対す
る支承部１２，１４を有するスライド用ガイド１１を設
け、回動用軸部とスライド用ガイドとをスライド自在に
係合させ、カバーを接続箱本体に対してスライド式に閉
止可能とした構造を基本とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気接続箱内の電気部
品とカバーとの干渉を防止すると共に、防水性等の向上
を図った電気接続箱のカバー取付構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図１２は、実開平２−１０７２１号公報
に記載された従来の電気接続箱Ｂのカバー取付構造を示
す分解斜視図、図１３は、図１２のＣ−Ｃ断面図であ
る。図で、２３は、合成樹脂製の接続箱本体、２４は、
同じくカバーを示し、該接続箱本体２３の外側壁（後
壁）２５の上部には、略半円筒状の支承部２６を設け、
該カバー２４の外側壁（後壁）２７の下部には、一対の
耳状片２８，２８と中央の支板２９に支えられた回動用
軸部３０を斜め下方に突設してある。該回動用軸部３０
は、支承部２６の開口３１から支承部２６内に押し込
み、回動自在に嵌合させる。

【０００３】図１４は、カバー２４を回動させる状態を
示す側面図である。接続箱本体２３には電気部品である
リレー３２を突出して装着してある。また、該カバー２
４の側壁３３及び前壁３４には、下方に向けて短い防水
用のスカート部３３ａ，３４ａを延設し、該前壁３４に
は、接続箱本体２３の前壁３５の係止突起３６に対する
ロック片３７を設けてある。

【０００４】しかしながら、上記従来の構造にあって
は、リレー３２の配設位置を接続箱本体２３の前壁３５
寄りにすると、カバー２４を回動閉止する際に、カバー
２４の前壁３４がリレー３２の頭部３２ａに干渉して、
カバー２４が閉まらなくなるという欠点があった。そこ
で、リレー３２を内側寄りに設置せざるを得ず、リレー
３２の配設位置の自由度が減少すると共に、電気接続箱
Ｂに間隔Ｌ₂ のデッドスペースが生じていた。

【０００５】また、カバー２４が軸部３０を中心として
回動する構造のゆえに、カバー２４の後壁２７に防水用
の長いスカート部を延設できないばかりか、図１２、１
３に示す如く、支承部２６の上半部２６ａを挿入する切
欠孔３９を設けねばならないために、防水性が悪いとい
う問題もあった。さらに、図１４に示す如く、接続箱本
体２３に接続された電線４０をカバー２４に設けた開口
部４１から外部に導出させる場合には、カバー閉止時に
電線４０を噛み込み易いという問題もあった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した点
に鑑み、カバーの閉止に際してリレー等の電気部品に干
渉することがなく、電気部品の配設の自由度を増した
り、電気接続箱のデッドスペースを減らすことができ、
さらには、防水性が良好で、且つ電線を噛み込むことの
ないカバー取付構造を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、カバーと接続箱本体との何れか一方に回
動用軸部を突設し、何れか他方に、該回動用軸部に対す
る支承部を有するスライド用ガイドを設け、該回動用軸
部と該スライド用ガイドとをスライド自在に係合させ、
該カバーを該接続箱本体に対してスライド式に閉止可能
とした構造を基本とする。

【０００８】

【作用】カバーの閉止に際しては、先ず、回動用軸部と
スライド用ガイドとを係合させた状態で、何れか一方を
上方にスライドさせ、支承部を係合させた該回動用軸部
を支点としてカバーを回動させる。ここでカバーが接続
箱本体に対して高い位置にあるので、電気部品等との干
渉等の不具合が起こらない。次に、該カバーを接続箱本
体の下方に向けてスライドさせて閉止させる。

【０００９】

【実施例】図１は、本発明に係る電気接続箱Ａのカバー
取付構造の一実施例を示す分解斜視図である。図で、１
は、合成樹脂製の接続箱本体、２は、同じく合成樹脂製
のカバーを示す。該カバー２の前後及び両側の四面の外
壁３，４…には、接続箱本体１の外周壁５，６…上に嵌
合する防水用のスカート部３ａ，４ａ…を一体に延設し
てあり、該スカート部（後壁外面）３ａの中央には、リ
ブ７を垂下突設し、該リブ７の下端に、左右に突出した
一対の円柱状の回動用軸部８，８を一体に設けてある。
該リブ７の縦方向には、後述する接続箱本体１側のガイ
ド突条９に対する係合溝１０を形成してある。

【００１０】また、接続箱本体１の後壁外面５には、縦
方向に、前記回動用軸部８に対するスライド用ガイド１
１を設けてある。すなわち、該スライド用ガイド１１
は、後壁５の下部中央に、該軸部８に対する湾曲した受
け面１２ａを有する下側支承部１２を突設し、該下側支
承部１２に、上方へ向かうガイド板１３を一体に設け、
該ガイド板１３の上半部に、上部自由端に該軸部８，８
に対する上側支承部１４，１４を有する左右一対の可撓
アーム１５，１５を形成し、該一対の可撓アーム１５，
１５の間すなわち該ガイド板１３の中央に、前記リブ７
の係合溝１０にスライド係合可能なガイド突条９を設け
てなるものである。

【００１１】ここで、該可撓アーム１５の上部自由端す
なわち上側支承部１４は、接続箱本体１の後壁５とは切
り離されており、前記上側支承部１４の外側に形成され
た湾曲面１４ｂに沿って回動用軸部８をスライド用ガイ
ド１１内へ挿入可能となっている。また、該一対の可撓
アームの間の切欠されたガイド板端面２２は、カバー２
のリブ７に対する回動停止部である。

【００１２】そして、図２に示すように、スライド用ガ
イド１１のガイド突条９にカバー２のリブ７の係合溝１
０をスライド嵌合させて、カバー２を接続箱本体１に垂
直にスライド閉止させる。ここで回動用軸部８は、上側
支承部１４から下側支承部１２まで（ストロークＳ）ス
ライドして、該下側支承部１２に支持される。

【００１３】図３は、カバー２の閉止状態を示し、接続
箱本体１の前壁１７の係止突起１８にカバー２のロック
片１９が係合してロックされる。ここでカバー２の前後
左右のスカート部３ａ，４ａ，２０ａが接続箱本体１を
深く覆うから、水等の侵入が確実に防止される。図で、
１６は、接続箱本体１の下部を覆うアンダーカバーを示
す。

【００１４】カバー２の開扉に際しては、先ず、図４に
示すように、ロック１８，１９を解除し、回動用軸部８
をスライド用ガイド１１内で上方にスライドさせて、カ
バー２を上方に引き上げる。次に、図５に示すように、
上側支承部１４に当接させた軸部８を支点としてカバー
２を開扉する。ここでカバー２が接続箱本体１の上方に
引き上げられているから、接続箱本体１に立設したリレ
ー等の電気部品２１にスカート部２０ａが干渉すること
がない。

【００１５】これは、カバー２の閉止時においても同様
であり、すなわち、上側支承部１４に軸部８を当接させ
た状態でカバー２を閉止方向に回動させるから、電気部
品２１に対してカバー２の位置が高く、カバー２と電気
部品２１の干渉が起こらない。それゆえ、接続箱本体１
の前壁１７と電気部品２１との距離Ｌ₁ を短縮でき、電
気部品２１の配設位置の自由度の向上や電気接続箱Ａ自
体のコンパクト化が可能となる。

【００１６】図６は、本発明に係る電気接続箱Ａ′のカ
バー取付構造の他の実施例を示す分解斜視図である。こ
の構造は、接続箱本体４５に一対の回動用軸部４６，４
６を突設し、カバー４７に、該回動用軸部４６に対する
支承部４８を有する一対のスライド用ガイド４９，４９
を設けたことを特徴とする。

【００１７】すなわち、接続箱本体４５の後壁５０に突
設した左右各一対の支持片５１，５１の間に前記回動用
軸部４６を連設し、カバー４７の後壁５２の下端部に前
記スライド用ガイド４９を垂下させて一体に設けてあ
る。該スライド用ガイド４９の先端部には、外向きに鉤
状に屈曲させた前記支承部４８を形成してある。

【００１８】また、該スライド用ガイド４９の中間部に
は、該回動用軸部４６に対する外向きの係止突起５３を
設けてある。該係止突起５３は、回動用軸部４６の上側
に仮係止され、さらに押し込まれて該回動用軸部４６の
下側に本係止されるように、その突出高さを設定してあ
る。該カバー４７と接続箱本体４５との前壁５４，５５
には、それぞれカバー４７を閉止するための係止部材５
６，５７を設けてあり、該係止部材５６，５７相互の当
接状態（係合直前）において、該係止突起５３が回動用
軸部４６に仮係止されるように、高さ方向の位置を設定
してある。

【００１９】各係止部材５６，５７は、図７に示す如
く、接続箱本体４５側の矩形筒状の差込部５８に、係止
突起５９を有する可撓片６０を切欠して設け、該差込部
５８に対するカバー４７側の柱状の係合部６１に、該係
止突起５９に対する係止段部６２を設けたものである。
また、該カバー４７の後壁５２から上壁６３にかけて
は、接続箱本体４５内のコネクタ部６４に接続された多
数の電線６５に対する導出用の切欠部６６を設けてあ
る。

【００２０】図８〜図９は、カバー４７のスライド用ガ
イド４９を接続箱本体４５の回動用軸部４６に係合させ
て、回動及びスライド閉止させる状態を示すものであ
る。すなわち、図８の如くスライド用ガイド４９の先端
の支承部４８を回動用軸部４６に係合させることによ
り、カバー４７を接続箱本体４５に対して高い位置で回
動させることができ、電線６５をカバー４７内の広い空
間に収納させることができる。従って、電線６５のはみ
出しが防止される。次いで、図９の如く、カバー４７を
水平な状態で下方にスライドさせる。

【００２１】それによって、図１０に示す如く、スライ
ド用ガイド４９の係止突起５３が回動用軸部４６の上側
面に当接する。この状態で、前記したカバー４７と接続
箱本体４５との係止部材５６，５７は相互に当接して
（係合直前の状態となり）、該係止突起５３と伴にカバ
ー４７を水平の状態に保持する。従って、図１１に示す
ようなカバー４７の閉止に際して、該係止部材５６，５
７相互の係合をスムーズに行わせることができる。それ
に伴って、該係止突起５３は、回動用軸部４６を乗り越
えて、該回動用軸部４６の下側面に当接し、係止部材５
６，５７と伴にカバー４７を強固に固定する。なお、電
気接続箱Ａ′は、上記実施例のような正六面体の形状の
ものに限らず、平行四辺形状のものであっても、本発明
のカバー取付構造を適用可能である。

【００２２】

【発明の効果】以上の如くに、本発明によれば、カバー
を接続箱本体に対して高い位置に引き上げて回動させる
ことにより、カバーが開閉時に接続箱本体内の電気部品
や電線と干渉することを防止でき、従って、電気部品の
配設位置の自由度を増したり、接続箱本体のデッドスペ
ースを減らして電気接続箱自体をコンパクトにすること
ができる。さらに、カバーの前後左右の四面に長いスカ
ート部を設けることができるから、水等の侵入を防止で
き、電気部品の保護を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電気接続箱のカバー取付構造の一
実施例を示す分解斜視図である。

【図２】同じく作用を示す斜視図である。

【図３】同じくカバー閉止状態を示す要部切欠側面図で
ある。

【図４】同じくカバーを開扉する際の要部切欠側面図で
ある。

【図５】同じくカバー開閉状態を示す要部切欠側面図で
ある。

【図６】本発明に係る電気接続箱のカバー取付構造の他
の実施例を示す分解斜視図である。

【図７】同じくカバーと接続箱本体との係止部材を示す
分解斜視図である。

【図８】同じくカバーの回動状態を示す斜視図である。

【図９】同じくカバーをスライド閉止させる状態を示す
斜視図である。

【図１０】同じくカバーの仮保持状態を示す要部斜視図
である。

【図１１】同じくカバー係止状態を示す要部斜視図であ
る。

【図１２】従来の電気接続箱のカバー取付構造を示す分
解斜視図である。

【図１３】図１２のＣ−Ｃ断面図である。

【図１４】同じくカバー開閉状態を示す要部切欠側面図
である。

【符号の説明】

Ａ，Ａ′ 電気接続箱 １，４５ 接続箱本体 ２，４７ カバー ７ リブ ８，４６ 回動用軸部 ９ ガイド突条 １０ 係合溝 １１，４９ スライド用ガイド １２ 下側支承部 １４ 上側支承部 １５ 可撓アーム ４８ 支承部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カバーと接続箱本体との何れか一方に回
   動用軸部を突設し、何れか他方に、該回動用軸部に対す
   る支承部を有するスライド用ガイドを設け、該回動用軸
   部と該スライド用ガイドとをスライド自在に係合させ、
   該カバーを該接続箱本体に対してスライド式に閉止可能
   としたことを特徴とする電気接続箱のカバー取付構造。
2. 【請求項２】 前記スライド用ガイドに、自由端部を有
   する可撓アームを形成し、該自由端部から前記回動用軸
   部を挿着可能とした請求項１記載の電気接続箱のカバー
   取付構造。
3. 【請求項３】 前記カバーないし接続箱本体に、前記回
   動用軸部を連繋したリブを設け、該リブに、前記スライ
   ド用ガイドのガイド突条に対する係合溝を設けてなる請
   求項１，２記載の電気接続箱のカバー取付構造。