JPH054793A - 吊り下げ用係止具 - Google Patents

吊り下げ用係止具

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JPH054793A
JPH054793A JP32266491A JP32266491A JPH054793A JP H054793 A JPH054793 A JP H054793A JP 32266491 A JP32266491 A JP 32266491A JP 32266491 A JP32266491 A JP 32266491A JP H054793 A JPH054793 A JP H054793A
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Abstract

(57)【要約】 吊り下げ用係止具 【目的】 この発明はコンクリート製品内に埋設される
吊り下げ用係止具に関し、横吊り時においては吊下金具
の螺入量が浅い場合でも安全確実に吊下げ支持し得ると
ともに、垂直吊りに際しては吊下金具の着脱時間の短縮
化を図りつつ垂直吊りに必要な螺入量確保を容易かつ確
実に実現できることを目的とする。 【構成】 そのため、コンクリート製品C内に先端を露
出させて埋設される筒状固定部材1の外側面に、同固定
部材1がコンクリート製品Cから抜け出すことを防止す
るための抜止め部4,5を突出形成するとともに、前記
固定部材1の先端から同固定部材1の長さ方向に凹設し
た金具挿入孔1aの内周面には、同挿入孔1a内の中途
から奥の内周面に対して、少なくとも同挿入孔1aの内
径に相当する長さの雌ねじ3を螺刻するという構成を採
用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はコンクリート製品の吊
り下げ用係止具、より詳細にはコンクリート製品を移動
させるとき、同コンクリート製品をクレーン等で吊り下
げるためコンクリート製品内に埋設される吊り下げ用係
止具に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、型枠を使用して量産されるU字溝
等のコンクリート製品は大型化の傾向にある。そのた
め、これらのコンクリート製品の運搬、或いは現場にお
いて敷設を行なう場合、同製品に吊り上げ用ワイヤを巻
き付けて機械により同製品を吊り上げるといった手段が
とられていた。しかし、この手段においては、コンクリ
ート製品の外表面に前記ワイヤを掛けるだけの係止部を
設けることは実際上困難であるため、運搬、設置等の各
作業時にワイヤがコンクリート製品から外れるという危
険性があった。
【0003】また、コンクリート製品の製造時におい
て、吊り下げ金具を挿入するための吊り下げ用孔を予め
設けておく手段が提示されたが、この手段においては、
コンクリート製品の吊り下げ時において吊り下げ用孔の
一部にのみ過大な応力が集中し、コンクリート製品の弱
点である過大な引張力が加わって同孔部が破損し易いと
いう欠陥があった。
【0004】そこで、本出願人は実願昭58−6817
3号において図6〜図9に示すような吊り下げ用係止具
を提案した。この係止具は合成樹脂材料にて円筒状に形
成した固定部材21の外周面上に上下一対の断面H形状
をなす抜止め防止部材26を突出させ、さらに、同固定
部材21はその挿入孔25の長さ方向全体にわたって雌
ねじ25aを刻設したものである。同固定部材21はコ
ンクリート製品Cの製造時において、その外端開口部が
コンクリート製品Cの外側面と同一平面上に露出するよ
うに予め埋設され、同開口部21aから挿入孔25内に
長めのボルト33が螺入されるようになっていた。そし
て、図7、図8又は図9に示すように固定部材21から
外部に突出したボルト33の基端部に対してワイヤW等
に連結される金具Mを係止するようにコンクリート製品
Cはクレーン等のフックHから横吊り又は垂直吊りされ
るようになっている。
【0005】しかし、上記の係止具を使用してコンクリ
ート製品Cを横吊りするときに、作業者の不注意によっ
て、ボルト33が固定部材21の挿入孔25に対して充
分螺入されず、開口部21aの付近にのみ螺入された状
態でコンクリート製品Cをクレーンから吊り下げると、
固定部材21はコンクリート製品Cの重さによって、ボ
ルト33から離脱してコンクリート製品Cが落下する
等、事故の原因となる慮れがあった。
【0006】また、危険度の高い垂直吊りに際しては、
安全を期して、ボルト33を固定部材21の挿入孔25
内に完全に螺入していたため、そのねじ込み作業に手間
どって作業が煩雑になりがちであった。しかし、実際に
は、15mmの内径を有する挿入孔25にボルト33を
螺入するときは、20mmの長さの雌ねじ25aと係合
すれば約3000kgの重さに耐え得るものである。上
記のような値に基づいて、ボルト33を固定部材21の
挿入孔25内に螺入するときその螺入量が必要量に達し
ないときはボルト33が固定部材21から離脱して、事
故の原因となる。また、挿入孔25の長さを短縮するた
め、固定部材21の全長を短くすれば、コンクリート製
品C内における固定部材21の引抜き強度が弱まり、固
定部材21がコンクリート製品Cから離脱して、事故を
招来する結果となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述したよ
うに、コンクリート製品自身の弱点を補うとともに、横
吊り時においては作業者の不注意によってボルト等の吊
下金具が固定部材に浅く螺入されたままで吊上げられ
て、事故が起きる事を回避し、また垂直吊りに際しては
固定部材のコンクリート製品内における引抜き強度を弱
めることなく、作業の煩雑さを排除し、かつ吊下金具が
固定部材から離脱する危険を解決したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は上記した問題
点を解決するために、コンクリート製品内に先端を露出
させて埋設される筒状固定部材の外側面に、同固定部材
がコンクリート製品から抜け出すことを防止するための
抜止め防止部材を突出形成するとともに、前記固定部材
の先端から同固定部材の長さ方向に凹設した金具挿入孔
の内周面には、同挿入孔内の中途から奥の内周面に対し
て、少なくとも同挿入孔の内径に相当する長さの雌ねじ
を螺刻するという手段を採用したものである。
【0009】
【作用】この発明は上記の手段を採用したことによっ
て、吊下金具は固定部材の金具挿入孔内に深く螺入され
た後に、同挿入孔の内周面奥に形成された雌ねじに螺合
されることとなる。そして、前記雌ねじ部分全体への螺
合が完了すると、吊下金具は雌ねじに対してコンクリー
ト製品の垂直吊りに必要な長さ分の螺入量を確保したこ
とになる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の第1の実施例を図1〜図4
に従って詳述すると、1は例えばU字溝用ブロックB等
のコンクリート製品C側板S上端部内に埋設したほぼ円
筒状をなす合成樹脂製の固定部材、1aは同固定部材1
の後端閉塞部のみを残して、先端から長さ方向ほぼ全体
に渉って凹設した金具挿入孔である。前記固定部材1は
その先端開口部2がブロックBの側板Sの上端面と同一
平面上に露出するとともに、金具挿入孔1aの内周面に
はその中途から奥に雌ねじ3が刻設されている。なお、
この雌ねじ3の長さは後述する試験結果から明らかなよ
うに挿入孔1aの内径とともに、ブロックBの重量に従
って予め設定されるものであるが、本実施例においては
金具挿入孔1aの後半部全体に設けたものとする。
【0011】4は固定部材1の後端に突設した抜止め部
としての抜止めフランジ、5は特に図2に示すように先
端開口部2外縁後方から抜止めフランジ4へと後端側ほ
ど高くなるように傾斜しながらテーパ状に連続して延び
る4個の移動防止フィンであって、固定部材1の円周方
向において等間隔を置いて複数個配設されている。な
お、移動防止フィン5は固定部材1がブロックBから離
脱したり、ブロックB内で回動、ずれ等によって移動す
ることを防止するものであるが、前記テーパ面を備えた
ことにより抜止めフランジ4と共に固定部材1の抜止め
部としても作用する。また、前記抜止めフランジ4と移
動防止フィン5とは、固定部材1の最後端部において一
体的に連結されている。
【0012】6は前記固定部材1に外方から螺入した吊
下金具であって、外端部に設けた環状の係止部7と、同
係止部7から突出する丸棒状の雄ねじ部8とからなって
いる。なお、図1,図3に示すように吊下金具6はその
雄ねじ部8が、ブロックB内に埋設された固定部材1内
において、雌ねじ3と螺合して固定部材1に対して固定
される。また、図2に示すように、ブロックB外におい
て固定部材1の係止部7にはワイヤW等が通されクレー
ンのフック等によって吊り下げられる。
【0013】上記のように構成した吊り下げ用係止具を
使用してブロックBを垂直吊りしたとき、移動防止フィ
ン5は固定部材1上において、その長さ方向ほぼ全体及
び抜止めフランジ4上に形成されているので、ブロック
Bの自重、揺れ等の外力による応力が分散されるうえ
に、移動防止フィン5は後端側ほど高くなるようにテー
パ状に形成されているので、大きな外力が加わっても全
長で力を受けて欠損することはなく、固定部材1がブロ
ックBから離脱することを防止できる。
【0014】また、移動防止フィン5及び前記抜止めフ
ランジ4はクレーンからブロックBを吊り下げたとき固
定部材1に対して上方への力が加わって、同固定部材1
が外方へずれてブロックBから抜け出ることを防止して
いる。
【0015】さらに、移動防止フィン5はコンクリート
で固められているため、固定部材1に吊下金具6を強く
締めつけたとき、固定部材1に回動力が加わり、固定部
材1が回動して位置ずれするようなことが防止される。
【0016】さらに、前記金具挿入孔1aの内周面のう
ち開口部2側の前半部には雌ねじ3が形成されていない
ので作業者は吊下金具6の雄ねじ部8を固定部材1の金
具挿入孔1aに深く螺入したのち雌ねじ3に螺合すれば
よい。従って、吊下金具6の雄ねじ部を固定部材1の金
具挿入孔1a内周面の長さ方向全体にわたって螺入する
必要はなく、短かい距離をねじ込めば吊下金具6は固定
部材1に取付けられるため、作業は容易であり、また吊
下金具6の雄ねじ部8はブロックBを吊り下げるのに必
要な長さだけ金具挿入孔1aの雌ねじ3と螺合するため
ブロックBの重さによって吊下金具6が固定部材1から
離脱することはない。
【0017】このように構成した係止具の強度試験を行
ったところ、次のような結果を得た。まず、固定部材1
の雌ねじ3の引張強度についての結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】次に、ブロックB内における固定部材1の
引抜き強度についての結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】従って、上記の結果から雌ねじ3の長さは
少なくとも金具挿入孔1aの内径相当の長さを確保すれ
ば、前記引張強度及び引抜き強度のいずれをも満足させ
ることができ、重いブロックBを垂直吊りしたときでも
充分に耐え得るものであることが証明された。
【0022】なお、上記の構成において、吊下げ用係止
具はブロックBを垂直吊りする場合に限定して説明した
が、固定部材1を、その開口部2がブロックBの側板S
の側面に露出するように埋設してブロックBを横吊りす
ることも可能である。
【0023】横吊り時においても吊下金具6の雄ねじ部
8は固定部材1の金具挿入孔1a内へまず深く挿入され
た後に雌ねじ3と螺合される。すなわち、吊下金具6は
金具挿入孔1a内において前記雌ねじ3が形成されてい
ない開口部2側の前半部も含めてブロックBを横吊り支
持するのに充分な量だけ螺入量が確保される。そのた
め、前記雌ねじ3に対する雄ねじ部8の螺入量が浅いよ
うな場合でも横吊り時においてブロックBは落下するこ
となく、安全確実に吊下げ支持される。
【0024】さて、ここでブロックB内に固定部材1を
埋設する方法を述べる。9は図4に示すように、ブロッ
クBの製造過程において型枠Fの外側に配置したボルト
状の密閉部材であって、周方向においてほぼ反対方向へ
突出する一対の円柱状ハンドル10を有する頭部11
と、同頭部11の内側面から突出する雄ねじ部12より
成っている。また、型枠Fの側板の所望位置には、型枠
Fの内側に配置した前記固定部材1の金具挿入孔1aと
ほぼ同径の連通孔Aが透設され、この連通孔Aを通して
密閉部材9の雄ねじ部12が固定部材1の雌ねじ3に螺
入されるものである。
【0025】さて、前記固定部材1をブロックB内に埋
設するには固定部材1の開口部2と密閉部材9内端と
を、型枠Fの連通孔Aを通して互いに合致させたのち、
固定部材1の移動防止フィン5を回して両部材1,9を
組みつけ、図5に示すように密閉部材9のハンドル10
を強く締めつけ、固定部材1の先端面を型枠Fの連通孔
A周縁部に密着させて、型枠F内にセメントを流し込
む。固定部材1の先端面は型枠Fに対して気密的に接触
しているのでセメントが開口部2に漏入するおそれはな
い。
【0026】セメントが固まったのち、密閉部材9を固
定部材1から螺退させ、外側の型枠Fを取り外す。する
と、ブロックBの表面には固定部材1の先端開口部2が
面一に露出して開口しているため吊下金具6の雄ねじ部
8を固定部材1の雌ねじ3に螺合させれば吊下金具6が
固定部材1に強固に装着される。また、取り外しも吊下
金具6の雄ねじ部8を固定部材1の雌ねじ3から螺退す
るだけでよく、着脱作業は非常に簡単である。
【0027】また、図5(a)〜(d)はこの発明の第
2の実施例を示すものである。すなわち、図5(a)は
移動防止フィン5を固定部材1の先端開口部2からやや
後端寄りの位置から抜け止めフランジ4へと延びるよう
に形成し、さらに移動防止フィン5の長さ方向ほぼ中央
に段差部5aを設けて、係止具の使用時にブロックB内
における固定部材1の一層大きな抜け止め効果を図った
ものである。
【0028】また、図5(b)に示す移動防止用フィン
5を順に説明すると、固定部材1の開口部2の外周縁を
半径方向にやや突出させて突出端2aとし、その突出端
2aから抜け止めフランジ4へと傾斜して延びるように
移動防止フィン5を形成したものである。このように構
成すれば、固定部材1に吊下金具6の回動力が加わった
ときに、移動防止フィン5の位置ずれ防止効果は一層大
きなものとなる。
【0029】さらに図5(c)は固定部材1の開口部2
外周縁から抜け止めフランジ4へと傾斜して延びる移動
防止フィン5を示し、また図5(d)は固定部材1の後
半部に設けた台形状の移動防止フィン5を示すものであ
る。
【0030】なお、本発明は前記各実施例の構成に限定
されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲
内で任意に変更することも可能である。従って、例えば
固定部材1を多角筒状の固定部材としたり、抜止め部と
しての抜止めフランジ4を固定部材1の長さ方向ほぼ中
間に突出形成するようにしてもよい。さらに、前記雌ね
じ3は金具挿入孔1aの中途から奥の内周面において少
なくとも同挿入孔1aの内径相当の長さがあればよく、
特に同挿入孔1aの内端部に到達するまで螺刻してある
必要はない。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明は、金具挿
入孔の内周面に螺刻される雌ねじを、金具挿入孔の中途
から奥の内周面において少なくとも同挿入孔の内径に相
当する長さだけ螺刻したことにより、垂直吊りをする場
合における吊下金具の着脱時間の短縮化と垂直吊りに必
要な螺合量の確保を容易かつ確実に実現することができ
るとともに、横吊りをする場合においても、吊下金具は
金具挿入孔の中途まで挿入されてから同挿入孔内周面奥
の雌ねじに螺合されることとなり、同挿入孔内において
前記雌ねじが形成されていない開口部側の前半部も含め
て横吊り支持するのに充分な量だけ挿入量が確保される
ので、前記雌ねじに対する吊下金具の螺入量が浅いよう
な場合でも横吊り時にはコンクリート製品を落下させる
ことなく、安全確実に吊下げ支持することができるとい
う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の吊り下げ用係止具を示す断面図で
ある。
【図2】 吊り下げ用係止具の使用状態を示す正面図で
ある。
【図3】 吊り下げ用係止具の一部破断斜視図である。
【図4】 固定部材を型枠に装着し、かつブロック内に
埋設した状態を示す断面図である。
【図5】 (a)〜(d)はそれぞれ第2の実施例を示
す斜視図である。
【図6】 本出願人が先に提案した吊下げ用係止具を示
す斜視図である
【図7】 同じく、その正面図である。
【図8】 同じく、その使用状態を示す正面図である。
【図9】 同じく、別の使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 固定部材、1a 金具挿入孔、3 雌ねじ、4 抜
止め部としての抜止めフランジ、5 抜止め部としての
移動防止フィン、C コンクリート製品。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 コンクリート製品(C)内に先端を露出
    させて埋設される筒状固定部材(1)の外側面に、同固
    定部材(1)がコンクリート製品(C)から抜け出すこ
    とを防止するための抜止め部(4,5)を突出形成する
    とともに、前記固定部材(1)の先端から同固定部材
    (1)の長さ方向に凹設した金具挿入孔(1a)の内周
    面には、同挿入孔(1a)内の中途から奥の内周面に対
    して、少なくとも同挿入孔(1a)の内径に相当する長
    さの雌ねじ(3)を螺刻したことを特徴とするコンクリ
    ート製品の吊り下げ用係止具。
JP3322664A 1991-12-06 1991-12-06 吊り下げ用係止具 Expired - Lifetime JPH0747465B2 (ja)

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