JP3638730B2 - コンクリート製品の吊下げ金具及びその挿着方法と吊下げ金具の挿着用インサートブッシュ - Google Patents
コンクリート製品の吊下げ金具及びその挿着方法と吊下げ金具の挿着用インサートブッシュ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はU字溝等のコンクリート製品の吊下げ金具及びその挿着方法と吊下げ金具の挿着用インサートブッシュに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、U字溝等のコンクリート製品の運搬、あるいは現場における敷設には、コンクリート製品の側壁に埋設した有底筒状のインサートブッシュに、吊下げ金具のシャフトを螺着しており、吊下げ金具のシャフトを完全にインサートブッシュに螺着すれば、吊下げ金具が作業時に抜けることはないが、インサートブッシュに吊下げ金具のシャフトが完全に螺着したかを視認することはできず、又そのシャフトを何度も回転させねばならないため、その螺着作業が面倒で、その作業を怠り、完全にシャフトがインサートブッシュに螺入していないと、コンクリート製品の吊り下げ作業時に、コンクリート製品の移動加重に耐えられず、吊下げ金具が抜ける恐れがあり、コンクリート製品の落下事故により作業者を危険に晒し、且つコンクリート製品に損傷を与える欠点を招来していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はインサートブッシュ内にワンタッチで挿着できると共に、その挿着完了状態を視認でき、しかも吊り下げ作業時にインサートブッシュ内から抜けない様にしたコンクリート製品の吊下げ金具及びその挿着方法と吊下げ金具の挿着用インサートブッシュを提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来技術に基づく、螺着による挿着作業の不便さ、シャフトの完全螺入の未確認、並びに前記不便さと完全螺入の未確認による吊り下げ作業時のコンクリート製品落下の危険性の課題に鑑み、略円筒状のシャフトの略中央外周に鍔部を外方突設すると共に、シャフトの基端部に抜止めキャップを装着し、該抜止めキャップと鍔部間にシャックルを挿着してなる吊下げ金具において、前記鍔部から先端部側へ所定長さ離隔したシャフトの周囲に、複数の抜止め突部を適宜手段にてシャフトの外方へ出没自在に設けることにより、コンクリート製品の側壁を貫通した挿着穴に、シャフトの鍔部より先端部を貫通挿着して、鍔部と抜止め突部間に側壁を保持する様にして、上記欠点を解決せんとしたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明すると、
1はU字溝等のコンクリート製品Wの側壁W1に貫設した挿着穴B1に、図9に示す様に、貫通挿着する吊下げ金具であり、該吊下げ金具1は図1乃至図5に示す様に、硬鋼製より成るシャックル2及びシャフト3にて構成されている。
【0006】
シャックル2は略U字状に形成してなり、その端部に円環部4、4aを設け、該円環部4、4aの貫通穴5、5aにシャフト3を挿通し、該シャフト3を軸としてシャックル2を回転自在となしている。
【0007】
シャフト3は、所定長さを有する略円筒状に形成してなり、該シャフト3の略中央外周に、略円環状の鍔部6を外方突設し、該鍔部6はその半径方向を平坦状に切削して一対の平行な平坦部6a、6bを設け、スパナ、レンチ等の工具で挟める様になしており、又シャフト3において、鍔部6より基端部側をシャックル2の挿着保持部7となし、又鍔部6より先端部側を挿着穴B1の挿入部8となしている。
【0008】
シャフト3は、その基端部にシャフト3より大径な抜止めキャップ9を装着してシャフト3の基端開口部を閉塞し、シャフト3の外径より大径な鍔部6と抜止めキャップ9間にシャックル2を挿着保持している。
【0009】
尚、10は所定長さを有する円筒状のカラーであり、該カラー10はシャフト3の基端部を外嵌しており、カラー10は必ずしもシャフト3に外嵌しなくても良い。
【0010】
11はシャフト3の挿着保持部7において、挿着されたシャックル2の端部間に突設した丸棒状の操作レバーであり、該操作レバー11はシャフト3の基端部側の半径方向の側面に貫設した軸線方向に長い一対の長穴12、12a を貫通突出し、長穴12、12a の長軸方向で移動自在となしている。
【0011】
又、13、13a …はシャフト3の挿入部8において、鍔部6から先端部側へ所定長さ離隔したシャフト3の円周方向に等間隔置きに3個設けた抜止め突部であり、該抜止め突部13、13a …はシャフト3内に配置してなり、前記操作レバー11によって、抜止め突部13、13a …を出没操作する様になしている。
【0012】
又、挿入部8における鍔部6から抜止め突部13、13a …までを挿着部8aとなし、該挿着部8aの距離Xを挿着穴B1の距離Lと同一となしている。
【0013】
14はシャフト3の先端開口部より突出した打ち抜き部であり、前記操作レバー11によって、打ち抜き部14をシャフト3の軸線方向で進退自在となす様に設けている。
【0014】
次に、シャフト3の内部構造を図6に基づいて説明すると、
先ず、抜止めキャップ9はシャフト3より大径の円盤状の閉塞面15を設け、該閉塞面15の内面中央に、外周に雄ねじを螺刻してなる円筒状の雄ねじ部16を突設してなり、該雄ねじ部16の内部をバネ受け18となしている。
【0015】
そして、抜止めキャップ9の雄ねじ部16をシャフト3の基端部内周に螺刻してなる雌ねじ部17に螺着して、シャフト3の基端部に抜止めキャップ9を装着している。
【0016】
19はシャフト3より短い略丸棒状に形成してなる棒体であり、該棒体19をシャフト3内に摺動自在に挿入すると共に、棒体19の基端部と前記バネ受け18間に圧縮コイル状のスプリング20を介在して、棒体19をシャフト3の先端部側へ付勢している。
【0017】
又、棒体19の基端部側の側面には、その軸芯に直交する貫通穴を設け、該貫通穴及び前記長穴12、12a に操作レバー11を貫通突出させて、該操作レバー11を棒体19に固定して設け、操作レバー11を長穴12、12a 内の長軸方向で移動自在となしている。
【0018】
操作レバー11が長穴12、12a の先端部側に当接した状態、即ち棒体19の最伸長状態において、棒体19における上記抜止め突部13、13a …に対応する部位は、棒体19の先端部に向かうに従い縮径してなる円錐部21を形成している。
【0019】
又、円錐部21の先端には、棒体19より細長な細軸部22をシャフト3の先端開口部から突出する様に連続形成し、該細軸部22は円錐部21からその中途部位までに、細軸部22よりも小径な括れ部23を設けている。
【0020】
24、24a …は抜止め突部13、13a …が出没する矩形状のスリットであり、該スリット24、24a …は挿入部8において、図1乃至図3にも示される様に、鍔部6より先端部側へ所定長さ(距離X)離隔した部位に、シャフト3の円周方向で等間隔置きに3個貫設している。
【0021】
又、前記スリット24、24a …と同一線上で所定間隔を置いたシャフト3の先端開口部周縁には、図1乃至図3にも示される様に、凹状の切欠25、25a …を形成している。
【0022】
26はスリット24、24a …から外方へ抜止め突部13、13a …を出没自在となす揺動片であり、該揺動片26は、所定長さを有する横長な略角柱形状の支軸部27の上面両端の夫々に、図1乃至図3にも示される抜止め突部13、13a …及び支点部28、28a …を図6の如く凸状に設け、抜止め部13、13a …と支点部28、28a …間に、シャフト3の肉厚以上の凹状の段落29を設けている。
【0023】
そして、同一線上にある前記スリット24、24a …及び切欠25、25a …の夫々に、抜止め突部13、13a …及び支点部28、28a …を配置し、切欠25、25a …夫々の対向面間に横架した支点軸30で揺動片26の支点部28、28a …を枢着し、支点部28、28a …を以て揺動片26を揺動自在となし、スリット24、24a …から抜止め突部13、13a …をシャフト3の外方より突出する様に出没自在となしている。
【0024】
又、揺動片26の抜止め突部13、13a …は、シャフト3の肉厚より高く形成すると共に、その上端部をシャフト3の基端部に向かうに従って上方傾斜する様に断面略三角形状に形成し、揺動片26における抜止め突部13、13a …の底部31を、前記円錐部21の母線M1に対応して傾斜状に設け、抜止め突部13、13a …の底部31に前記円錐部21を接離自在となしている。
【0025】
又、支点部28、28a …は、シャフト3の外周面より突出しない様に形成すると共に、揺動片26における支点部28、28a …の底部32を、打ち抜き部14における円錐台状の基端部33の母線M2に対応して傾斜状に設けている。
【0026】
打ち抜き部14は、図1乃至図3及び図5にも示される様に、シャフト3の外径と同一径の略円板状の基盤34からなり、該基盤34の一方の平面部にシャフト3の内径と底面径が略同一な略円錐台状の基端部33を膨出形成すると共に、該基端部33の中心に凹部35を形成し、該凹部35に細軸部22の先端を嵌合し、凹部35に直交するピン36で打ち抜き部14を細軸部22に固定している。
【0027】
又、基盤34の他方の平面部の周縁には、先端を鋭角となした断面略三角形状の円環部37を形成している。
【0028】
尚、打ち抜き部14は、基盤34の他方の平面部に円環部37を設けたものを示したが、図11及び図12に示す様に、円環部37を設けずに、基盤34の他方の平面部の周縁を斜めに切欠形成しても良い。
【0029】
Bは図7及び図8に示す様に、有底筒状に形成してなる合成樹脂製のインサートブッシュであり、該インサートブッシュBは、その内部を挿着穴B1となして、該挿着穴B1の内径をシャフト3の外径と略同径となすと共に、挿着穴B1の距離Lをコンクリート製品Wの埋設位置である側壁W1の肉厚に同寸となしている。
【0030】
又、インサートブッシュBの閉塞端面部B2は、その内面周縁B3を薄肉状に形成して離脱自在に設け、閉塞端面部B2を打抜くことにより、2次開口部B4を形成する様になし、又インサートブッシュBの外周には抜止め手段B5を設けている。
【0031】
抜止め手段B5について説明すると、B6はフランジであり、該フランジB6はインサートブッシュBの長さ方向の略中央寄りの外周に周設している。
【0032】
B7、B7' …は抜止突堤であり、該抜止突堤B7、B7' …はインサートブッシュBの円周方向を等間隔置きにして、且つフランジB6に直交すると共に、該フランジB6をオーバーラップする様にフランジB6と一体的に複数突設している。
【0033】
B8、B8' …は抜止突堤B7、B7' …に設けてなる段差であり、該段差B8、B8' …は抜止突堤B7、B7' …の略中央を最上段としてインサートブッシュBの開口部B9及び閉塞端面部B2の夫々に向かって段落形成している。
【0034】
そして、図9に示す如く、インサートブッシュBの閉塞端面部B2及び開口部B9端面が、側壁W1の両側面の夫々に面一に露出する様に、インサートブッシュBを側壁W1に埋設し、吊下げ金具1をインサートブッシュBの挿着穴B1に挿着する際は、閉塞端面部B2を打ち抜いて2次開口部B4を形成して挿着穴B1を貫通させ、該挿着穴B1にシャフト3を貫通挿着する。
【0035】
尚、インサートブッシュBの構成にあっては、要するにコンクリート製品Wの側壁W1を貫通した挿着穴B1を形成したものであれば良く、よって上記インサートブッシュBの如く、打ち抜き可能な閉塞端面部B2を設けたものでなくとも、閉塞端面部B2を形成しない筒抜けに形成したもの(図示せず)であっても良い。
【0036】
次に、吊下げ金具1における鍔部6から抜止め突部13、13a …(挿着部8a)までの距離Xよりも、コンクリート製品Wの側壁W1に貫設したインサートブッシュBにおける挿着穴B1の距離Lが短い場合に使用する長さ調整リングRについて説明する。
【0037】
長さ調整リングRは、合成樹脂製或いは金属製にして、後者の距離Lと合わせて前者の距離Xになる肉厚X−Lを有すると共に、中央にシャフト3の外径と略同径の貫通穴R1を設けた円環板状に形成してなり、図13に示す様に、コンクリート製品Wの側壁W1に埋設されたインサートブッシュBの2次開口部B4に貫通穴R1を合致させる様に、側壁W1に当接し、挿着部8aの距離Xと同一にして長さ調整する。
【0038】
次に、図14に示す様に、コンクリート製品Wの側壁W1に設けた挿着穴W2が、テーパー状の場合に使用するガイドブッシュGについて説明する。
【0039】
ガイドブッシュGは、挿着穴W2に合致した略円錐台状の外部形状を有すると共に、その内部に前記シャフト3の外径と略同径の貫通穴G1を形成してなり、図14に示す様に、前記挿着穴W2にガイドブッシュGを嵌入し、該ガイドブッシュGの貫通穴G1に吊下げ金具1を上記と同様な手段にて貫通挿着して側壁W1に固定する。
【0040】
そして、この場合においても、挿着穴W2の距離Lが、挿着部8aの距離Xに満たない場合には、図14の如く、肉厚X−Lの長さ調整リングRを上記と同様に使用する。
【0041】
尚、図14では、挿着穴W2の全長L1が、挿着部8aの距離Xに満たない場合で、長さ調整リングRを使用したものを示したが、挿着穴W2の全長L1と挿着部8aの距離Xが同一の場合は、当然長さ調整リングRを使用する必要はない。
【0042】
次に、インサートブッシュCの変形例について説明すると、
このインサートブッシュCは、合成樹脂製或いは金属製からなり、図15及び図16に示す様に、その基体C1を有底筒状に設けると共に、基体C1内部を挿着穴C2となして、該挿着穴C2の内径をシャフト3の外径と略同径となすと共に、インサートブッシュCの所定部位を円環状に膨出形成して、抜止め手段となる大径部C3を設けてなり、該大径部C3の内部は、断面凹状に形成され、吊下げ金具1の抜止め突部13、13a …を係止する立上部C4を設けている。
【0043】
尚、大径部C3における立上部C4の形成位置は、インサートブッシュCの開口部C5の端面から吊下げ金具1の挿着部8aの距離X以下に限られる。
【0044】
そして、図17に示す如く、インサートブッシュCを、その開口部C4の端面が側壁W1の一側面に面一に露出する様に、側壁W1に予め埋設する。
【0045】
次に本発明に係るコンクリート製品の吊下げ金具の挿着方法について説明すると、
吊下げ金具1の操作レバー11を、スプリング20の弾性力に抗して、シャフト3の基端部側へ引っ張り、棒体19をシャフト3内の基端部側へ移動させることにより、スリット24、24a …から突出している抜止め突部13、13a …が、円錐部21の傾斜する母線M1上を下向き方向へ摺接し、円錐部21が抜止め突部13、13a …の底部31から離隔して、棒体19の円錐部21の母線M1上にある抜止め突部13、13a …への押圧状態を解除し、抜止め突部13、13a …がシャフト3内へ没入すると共に、シャフト3の先端開口部より突出していた打ち抜き部14も、棒体19の移動に伴ってシャフト3の基端部側へ移動する。
【0046】
かかる状態において、シャフト3の先端部を側壁W1に埋設されたインサートブッシュBの開口部B9から挿着穴B1内へ挿入して、打ち抜き部14の円環部37の先端を、図9(a) に示す様に、インサートブッシュBの閉塞端面部B2における内面周縁B3に突き当てて押し出すと、内面周縁B3がインサートブッシュBより離脱して2次開口部B4が形成され、シャフト3は挿着穴B1を貫通する。
【0047】
そして、図9(b) に示す様に、シャフト3の鍔部6を、インサートブッシュBの開口部B9を露出する側壁W1の壁面に当接させると、シャフト3の挿着部8aが、挿着穴B1の距離Xと同一長さであるため、スリット24、24a …より先のシャフト3の先端部が、側壁W1の反対側に突出する。
【0048】
次いで、操作レバー11よるスプリング20への抗力を解除すると、図9(c) に示す様に、スプリング20の弾性力によって、棒体19はシャフト3の先端部側へ移動し、棒体19の円錐部21が抜止め突部13、13a …の底部31に接触すると、抜止め突部13、13a …は円錐部21の傾斜する母線M1上を上向き方向へ摺接し、これにより揺動片26は支点軸30を支点として揺動し、抜止め突部13、13a …を徐々にスリット24、24a …から外方へ押し出して突出させることにより、抜止め突部13、13a …をインサートブッシュBの二次開口部B4の端面に係止させ、シャフト3の鍔部6と抜止め突部13、13a …が抜止めとなって、吊下げ金具1が側壁W1に固定される。
【0049】
又、上記棒体19のシャフト3の先端部側への移動と同時に、打ち抜き部14は先端方へ突出する。
【0050】
そして、図10(a) に示す様に、コンクリート製品Wの両側壁W1に固定された吊下げ金具1のシャックル2間にワイヤロープを掛け渡して、該ワイヤロープにクレーン等のフックを掛止してコンクリート製品Wを吊るす。
【0051】
又、場合によっては、打ち抜き部14で、インサートブッシュBの閉塞端面部B2を打ち抜いて2次開口部B4を形成し、該2次開口部B4よりシャフト3を挿入して図10(b) に示す様に、側壁W1の内側に吊下げ金具1のシャックル2を配置する様になしても良い。
【0052】
尚、挿着穴B1から吊下げ金具1を離脱するには、操作レバー11をシャフト3の基端部側へ引っ張り、スリット24、24a …から突出していた抜止め突部13、13a …をシャフト3内へ没入させ、挿着穴B1よりシャフト3を引き抜く。
【0053】
又、吊下げ金具1における挿着部8aの距離Xよりも、コンクリート製品Wの側壁W1に貫設したインサートブッシュBにおける挿着穴B1の距離Lが短い場合には、図13に示す如く、肉厚X−Lの長さ調整リングRを、側壁W1の挿着穴B1の2次開口部B4側に当接し、挿着穴B1及び貫通穴R1を連続させ、かかる連続穴Hの長さを挿着部8aの距離Xと同一にし、連続穴Hに吊下げ金具1を上記と同様な手段にて貫通挿着して側壁W1に固定する。
【0054】
尚、図13では、側壁W1において、挿着穴B1の2次開口部B4が開口している側に長さ調整リングRを当接したもの示したが、開口部B9が開口している側に長さ調整リングRを当接しても良い。
【0055】
又、コンクリート製品Wの側壁W1に設けた挿着穴W2が、テーパー状の場合には、図14に示す様に、挿着穴W2にガイドブッシュGを嵌入し、該ガイドブッシュGの貫通穴G1に吊下げ金具1を上記と同様な手段にて貫通挿着して側壁W1に固定する。
【0056】
又、コンクリート製品Wの側壁W1に、図15及び図16に示す様なインサートブッシュCを埋設した場合、吊下げ金具1の操作レバー11をシャフト3の基端側へ引っ張った状態で、シャフト3先端部をインサートブッシュCの開口部C5から挿着穴C2内へ挿入し、シャフト3のスリット24、24a …形成部位が、挿着穴C2内に入った時点で、操作レバー11よるスプリング20への抗力を解除し、更にシャフト3の挿入を進行させ、スリット24、24a …が大径部C3に位置すると、抜止め突部13、13a …がシャフト3の外周より突出し、大径部C3における立上部C4に係止し、抜止め突部13、13a …が抜止めとなって、図17に示す様に吊下げ金具1が側壁W1に固定される。
【0057】
尚、インサートブッシュCの開口部C5端面から立上部C4の長さが、図17中一点鎖線で示す様に、シャフト3における挿着部8aの長さに等しい場合、吊下げ金具1は鍔部6と抜止め突部13、13a …が抜止めとなって、より強固に固定される。
【0058】
【発明の効果】
要するに本発明は、略円筒状のシャフト3の略中央外周に鍔部6を外方突設すると共に、シャフト3の基端部に抜止めキャップ9を装着し、該抜止めキャップ9と鍔部6間にシャックル2を挿着してなる吊下げ金具1において、前記シャフト3の内部に、先端部に円錐部21を設けた棒体19を摺動自在に挿入すると共に、シャフト3の先端部側へスプリング20にて付勢したので、スプリング20の弾性力によって常に円錐部21をシャフト3の先端部側へ押圧させられ、円錐部21に抜止め突部13、13a …を接触させて、該抜止め突部13、13a …をシャフト3の外方へ放射状に突出させることが出来る。
【0059】
又、シャフト3の基端部側の側面には、軸線方向に長い長穴12、12a を貫設し、該長穴12、12a を貫通突出すると共に、該長穴12、12a の長軸方向で移動自在となした操作レバー11を前記棒体19の基端部側の側面に設けたので、操作レバー11をスプリング20の弾性力に抗して長穴12、12a の基端部側へ移動させることにより、円錐部21を抜止め突部13、13a …より離隔させられ、円錐部21による抜止め突部13、13a …への押圧を解除して、抜止め突部13、13a …をシャフト3内に没入させられ、シャフト3の鍔部6より先端部を挿着穴B1に簡単に挿入できる。
【0060】
又、前記鍔部6より先端部側へ所定長さ離隔したシャフト3の円周方向に複数のスリット24、24a …を貫設し、該スリット24、24a …から外方へ出没自在となした抜止め突部13、13a …をシャフト3内に配置すると共に、抜止め突部13、13a …の底部31に前記円錐部21を接離自在となしたので、スプリング20の弾性力によって円錐部21をシャフト3の先端部側へ常に押圧して、抜止め突部13、13a …をスリット24、24a …から外方へ押し出して、抜止め突部13、13a …の突出状態を保持できるため、鍔部6と抜止め突部13、13a …間に挿着穴B1を挿着保持して挿着穴B1から抜けることを防止し、挿着穴B1を貫通したシャフト3の先端部の周囲より突出する抜止め突部13、13a …を視認することで、その挿着完了状態を確認でき、コンクリート製品Wの吊り下げ時の安全性を確保できる。
【0061】
又、操作レバー11によって円錐部21を抜止め突部13、13a …の底部31から離隔させることで抜止め突部13、13a …をシャフト3内に没入させられ、挿着穴B1にシャフト3を挿入可能な状態となし、シャフト3の挿着穴B1への貫通挿着及び挿着穴B1からの取り外し作業を、操作レバー11で抜止め突部13、13a …を出没させるだけのワンタッチ操作で簡単に行うことが出来、その作業効率を向上させられる。
【0062】
又、前記円錐部21の先端に、棒体19より細長な細軸部22をシャフト3の先端開口部から突出する様に連続形成し、前記細軸部22の先端に、シャフト3の外径と同一径の略円板状の基盤34からなる打ち抜き部14を固定したので、側壁W1の一方の壁面に離脱自在な閉塞端面部B2を設けた挿着穴B1に対し、吊下げ金具1を貫通挿着する場合、上記の如く操作レバー11で抜止め突部13、13a …をシャフト3内に没入させた状態で、挿着穴B1の開口部B9から打ち抜き部14を挿入し、該打ち抜き部14で閉塞端面部B2を打ち抜いて2次開口部B4を形成し、そのまま挿着穴B1をシャフト3で貫き通した後、抜止め突部13、13a …を突出させることで、シャフト3を挿着穴B1に貫通挿着でき、よって閉塞端面部B2を専用の打ち抜き具で、打ち抜き開口する必要なく、シャフト3を挿着穴B1に直接挿入するだけの1工程で効率良く、吊下げ金具1を側壁W1に簡単に固定できる。
【0063】
又、前記シャフト3において、鍔部6から抜止め突部13、13a …までの距離Xと、コンクリート製品Wの側壁W1に貫設した吊下げ金具1の挿着穴B1の距離Lを同一となしたので、上記手順で挿着穴B1にシャフト3を貫通するだけで、鍔部6と抜止め突部13、13a …間に側壁W1を隙間なく保持できるため、吊下げ金具1を側壁W1に安定的に固定できる。
【0064】
又、請求項1記載の吊下げ金具1における鍔部6から抜止め突部13、13a …までの距離Xよりも、コンクリート製品Wの側壁W1に貫設した吊下げ金具1の挿着穴B1の距離Lが短い場合において、後者の距離Lと合わせて前者の距離Xとなる肉厚X−Lを有し、且つシャフト3の外径と略同径の貫通穴R1を設けた円環板状の長さ調整リングRを、前記側壁W1に当接して、前記挿着穴B1に貫通穴R1を連続させ、かかる連続穴Hに前記吊下げ金具1を貫通挿着したので、例え鍔部6から抜止め突部13、13a …までの距離Xより、挿着穴B1の距離Lが短くても、長さ調整リングRを使用することで、鍔部6と抜止め突部13、13a …間に側壁W1を隙間なく保持できるため、吊下げ金具1を側壁W1に安定的に固定でき、又吊下げ金具1の固定状態において、突出している抜止め突部13、13a …は、長さ調整リングRに接触しているため、側壁W1の壁面を傷つけることもない。
【0065】
又、コンクリート製品Wの側壁W1に貫設した挿着穴W2がテーパー状の場合において、挿着穴W2に合致した外部形状を有すると共に、その内部に前記シャフト3の外径と略同径の貫通穴G1を形成したガイドブッシュGを、前記挿着穴W2に嵌入して、請求項1又は請求項2記載の吊下げ金具1を、前記貫通穴G1に貫通挿着したので、例え挿着穴W2がテーパー状であっても、ガイドブッシュGを使用することで、シャフト3を上記の様に貫通挿着可能な貫通穴G1を側壁W1に設けることが出来るため、吊下げ金具1を側壁W1に安定的に固定できる。
【0066】
又、有底筒状に形成した基体C1を設け、その開口部C5の端面を、コンクリート製品Wの側壁W1の一側面に露出する様に、側壁W1に予め埋設して、請求項1記載の吊下げ金具1を挿着固定するインサートブッシュCであって、該インサートブッシュCはその基体C1内部を挿着穴C2となし、該挿着穴C2の内径をシャフト3の外径と略同径となすと共に、基体C1の所定部位に円環状の大径部C3を膨出形成し、該大径部 C3 の内部は断面凹状に形成され、吊下げ金具1の抜止め突部 13 、 13a …を係止する立上部 C4 を設けたので、例え吊下げ金具1における鍔部6から抜止め突部13、13a …までの距離Xが、側壁W1の肉厚よりも短かったり、又側壁W1に貫通した挿着穴を設けることが出来ない場合であっても、側壁W1に予め上記インサートブッシュCを埋設すれば、該インサートブッシュCの大径部 C3 における立上部 C4に抜止め突部13、13a …を係止することができるため、吊下げ金具1を側壁W1に安定的に固定できる等その実用的効果甚だ大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンクリート製品の吊下げ金具の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の底面図である。
【図4】図1の右側面図である。
【図5】図1の左側面図である。
【図6】吊下げ金具の断面図である。
【図7】インサートブッシュの斜視図である。
【図8】インサートブッシュの断面図である。
【図9】吊下げ金具の挿着過程状態を示す図である。
【図10】吊下げ金具の使用状態を示す図である。
【図11】打ち抜き部の変形例を示す図である。
【図12】図11のA矢視図である。
【図13】長さ調整リングを使用した吊下げ金具の挿着状態を示す図である。
【図14】長さ調整リングとガイドブッシュを使用した吊下げ金具の挿着状態を示す図である。
【図15】インサートブッシュの変形例を示す斜視図である。
【図16】インサートブッシュの断面図である。
【図17】吊下げ金具の挿着状態を示す図である。
【符号の説明】
1 吊下げ金具
2 シャックル
3 シャフト
6 鍔部
9 抜止めキャップ
11 操作レバー
12、12a 長穴
13、13a … 抜止め突部
14 打ち抜き部
19 棒体
20 スプリング
21 円錐部
22 細軸部
24、24a … スリット
31 底部
34 基盤
Claims (5)
- 略円筒状のシャフトの略中央外周に鍔部を外方突設すると共に、シャフトの基端部に抜止めキャップを装着し、該抜止めキャップと鍔部間にシャックルを挿着してなる吊下げ金具において、前記シャフトの内部に、先端部に円錐部を設けた棒体を摺動自在に挿入すると共に、シャフトの先端部側へスプリングにて付勢し、又シャフトの基端部側の側面には、軸線方向に長い長穴を貫設し、該長穴を貫通突出すると共に、該長穴の長軸方向で移動自在となした操作レバーを前記棒体の基端部側の側面に設け、又前記鍔部より先端部側へ所定長さ離隔したシャフトの円周方向に複数のスリットを貫設し、該スリットから外方へ出没自在となした抜止め突部をシャフト内に配置すると共に、抜止め突部の底部に前記円錐部を接離自在となし、該円錐部の先端に、棒体より細長な細軸部をシャフトの先端開口部から突出する様に連続形成し、前記細軸部の先端に、シャフトの外径と同一径の略円板状の基盤からなる打ち抜き部を固定したことを特徴とするコンクリート製品の吊下げ金具。
- 前記シャフトにおいて、鍔部から抜止め突部までの距離と、コンクリート製品の側壁に貫設した吊下げ金具の挿着穴の距離を同一となしたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート製品の吊下げ金具。
- 請求項1記載の吊下げ金具における鍔部から抜止め突部までの距離よりも、コンクリート製品の側壁に貫設した吊下げ金具の挿着穴の距離が短い場合において、後者の距離と合わせて前者の距離となる肉厚を有し、且つシャフトの外径と略同径の貫通穴を設けた円環板状の長さ調整リングを、前記側壁に当接して、前記挿着穴に貫通穴を連続させ、かかる連続穴に前記吊下げ金具を貫通挿着したことを特徴とするコンクリート製品の吊下げ金具の挿着方法。
- コンクリート製品の側壁に貫設した挿着穴がテーパー状の場合において、挿着穴に合致した外部形状を有すると共に、その内部に前記シャフトの外径と略同径の貫通穴を形成したガイドブッシュを、前記挿着穴に嵌入して、請求項1又は請求項2記載の吊下げ金具を、前記貫通穴に貫通挿着したことを特徴とするコンクリート製品の吊下げ金具の挿着方法。
- 有底筒状に形成した基体を設け、その開口部の端面を、コンクリート製品の側壁の一側面に露出する様に、側壁に予め埋設して、請求項1記載の吊下げ金具を挿着固定するインサートブッシュであって、該インサートブッシュはその基体内部を挿着穴となし、該挿着穴の内径をシャフトの外径と略同径となすと共に、挿着穴の所定部位に円環状の大径部を膨出形成し、該大径部の内部は断面凹状に形成され、吊下げ金具の抜止め突部を係止する立上部を設けたことを特徴とする吊下げ金具の挿着用インサートブッシュ。
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- 1996-08-26 JP JP24406696A patent/JP3638730B2/ja not_active Expired - Fee Related
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