JPH0547073Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はフオークリフト用プラスチツク製パ
レツトに係り、水平方向に分割成形した上部成形
部材と下部成形部材を突き合わせて一体に溶着す
るプラスチツク製パレツトに関する。

（従来の技術） 荷物の保管、運搬に使用されるフオークリフト
用プラスチツク製パレツトは耐久性に優れてお
り、耐腐食性、耐汚染性に優れていることから、
広く使用されている。

これらのプラスチツク製パレツトは主に射出成
形により一体的に成形されるか、二以上に分割成
形した部材を突き合わせて溶着することによつて
成形されている。

そしてこれらの製造方法にはそれぞれ一長一短
があり、パレツトの用途、種類によつて選択され
るが、いずれの成形方による場合にも補強リブ
は、平面においてパレツト側面と平行な格子状に
形成されている。

第３図は桁の略中央で水平に分割した上下成形
部材を溶着した従来のパレツトを示す斜視図であ
る。

パレツト１は分割成形した上部成形部材２と下
部成形部材３とをその突き合わせ面４で一体に溶
着したものであり、四隅とその中間、及びパレツ
ト１の中央部にそれぞれ桁５，６及び７が設けら
れており、桁４，５の間をフオーク挿入口８とさ
れている。

そして、上部デツキボード２ａ及び下部デツキ
ボード３ａの外面は平滑面に形成されているが、
内面には補強リブ１０がそれぞれデツキボードと
一体に設けられている。この補強リブ１０は格子
状リブによつて形成されている。即ち、補強リブ
１０はパレツトの側面と平行、即ち、フオークの
挿入方向と直交する方向に設けたリブ１０ａと、
パレツトの側面と直交する、即ち、フオークの挿
入方向と同一方向に設けたリブ１０ｂによつて形
成されている。１１は上部デツキボード部に設け
た開孔である。

このように、デツキボード内面の補強リブ１０
を格子状に形成するのは、フオークリフトでの運
搬時にパレツトが撓む間口方向、即ち、フオーク
の挿入方向と直交する方向に設けるのが補強リブ
としての機能上有利だからである。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、補強リブをパレツト側面と同一
方向の格子状補強リブとした従来のパレツトには
次のような問題がある。

即ち、上部デツキボード２ａ及び下部デツキボ
ード３ａの内面に形成される補強リブ１０はフオ
ーク挿入口７に露出して成形されるから、フオー
クを差し込む際にフオーク先端が側面に平行なリ
ブ１０ａに衝突することがある。フオーク先端が
衝突するとリブ１０ａを破損するとともに、衝撃
により荷崩れの恐れがある。

また、成形部材２及び３を別途分割成形する際
に、中央部に設けたダイレクトゲートのみにより
射出成形する場合には、ゲートから最も遠い四隅
部への樹脂の流れが悪くなり、充填不足が生じや
すいる。

さらに、フオークで運搬する際に補強リブだけ
では全体が撓んで変形する。これはデツキボード
が変形することによつて桁も変形するからであ
る。

この考案はかかる現況に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところはフオーク挿入の際、
リブに衝突する恐れが少なく、パレツト全体の変
形量を小さくし、しかも、樹脂の流れをスムーズ
にして充填不足による問題を解消するプラスチツ
ク製パレツトを提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） そこで、この考案におけるパレツトは上記目的
を達成するため次のような構成とした。

即ち、水平方向に分割成形した上部成形部材と
下部成形部材とを溶着してなり、上部デツキボー
ド部及び下部デツキボード部の内面に補強リブを
設けてなる四方差しプラスチツク製パレツトにお
いて、前記補強リブをパレツトの側面に対して斜
め方向に設けた斜め格子状リブとするとともに、
パレツトのほぼ中心を通つて対角に延び、かつ中
央部の桁と四隅の桁とを連結する補強リブを他の
補強リブと同一高さであるが幅を広く形成したも
のである。

（作用） 斜め格子状補強リブが、挿入したフオークを滑
らせて案内するとともに、間口方向の撓みに対し
ても充分な補強作用として働く。

また、対角に延びる補強リブを他の補強リブと
同一高さであるが幅を広く形成したので全体の変
形量が小さくなり、さらに、ゲートから最も遠い
四隅にもスムーズに樹脂が流れ、充填不足を防止
する。

（実施例） 以下に、この考案を実施例に基づき詳細に説明
する。

第１図はパレツトの溶着前の斜視図、第２図は
内面構造を示す成形部材の平面図である。

パレツトは上部成形部材２０と下部成形部材２
１とからなり、各成形部材２０，２１は四隅とそ
の中間部、及び中央部に設けた桁２２ａ，２２
ｂ，２３ａ，２３ｂ及び２４ａ，２４ｂの突き合
わせ面を溶着することによつて桁２２，２３及び
２４が形成され、桁２３と２４の間をフオーク挿
入口２５とされている。

各桁２２，２３及び２４内には補強用桁内リブ
２６ａ，２６ｂが設けられている。各桁内の四隅
には桁の全高に亙り、略三角形状の中空体を形成
する補強板を設けてもよい。

そして、上部成形部材２０、下部成形部材２１
の外面は平滑面とされ、また、デツキボード部２
７，２８の内面には補強リブ２７ａ，２８ａが設
けられている。

この考案のパレツトは補強リブ２７ａ，２８ａ
をパレツトの側面に対して斜め方向に設けた格子
状リブとしたことを特徴の１つとする。

補強リブ２７ａ，２８ａは側面に対して約45度
の角度で形成するのが好ましい。このように、斜
め格子状補強リブ２７ａ，２８ａとすることによ
つて、いずれの方向の補強リブも撓み防止のため
に協同して機能するから、パレツトの曲げ強度が
一層向上する。

さらに、上記斜め格子状補強リブ２７ａ，２８
ａのうち、パレツトのほぼ中心を通つて対角に延
び中央部の桁２４ａ，２４ｂと四隅の桁２２ａ，
２２ｂとを連結している補強リブ２７ｂ，２８ｂ
を他の補強リブ２７ａ，２８ａと同一高さである
が幅を広く形成する。このように、パレツトの四
隅に延び、かつ中央部の桁２４ａ，２４ｂと四隅
の桁２２ａ，２２ｂとを連結する補強リブ２７
ｂ，２８ｂを他のリブよりも幅を広く形成したか
ら、他の格子状リブと相まつてパレツト全体の変
形量を小さくすることができる。これは桁の変形
を小さくすることによつてデツキボードの変形を
押さえることができるからである。また、中央ゲ
ートと最も遠い四隅とを太い補強リブ２７ｂ，２
８ｂで連結することによつて樹脂の流れがスムー
ズになる。

１１はデツキボード部に設けた開孔で、洗浄の
水はけ孔として好適である。

（考案の効果） この考案は上述の通り構成されているので、次
のような効果を奏することができる。

斜め格子状補強リブにより、フオークの先端が
衝突することなく滑りながら案内されるから、フ
オークリフトによる運搬作業が容易である。

また、従来は一方向の補強リブのみが撓み防止
の作用を有するが、斜め格子状補強リブとするこ
とによりいずれの方向の補強リブも協同して撓み
防止作用を有するので、パレツトの曲げ強度が一
層向上する。

さらに、対角に延びるリブを他の補強リブより
も太く形成したので、分割成形部材を中央部に設
けたダイレクトゲートのみにより射出成形する場
合にも最も遠い四隅に樹脂がスムーズに流れ、充
填不足の問題を解消した。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの考案の実施例を示し、
第１図はパレツトの溶着前の斜視図、第２図は内
部構造を示す分割成形部材の平面図、第３図は従
来のパレツトを示す斜視図である。 ２０は上部成形部材、２１は下部成形部材、２
２，２３，２４は桁、２５はフオーク挿入口、２
６は桁内リブ、２７ａ，２８ａは斜め格子状補強
リブ、２７ｂ，２８ｂは対角補強リブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 水平方向に分割成形した上部成形部材と下部成
   形部材とを溶着してなり、上部デツキボード部及
   び下部デツキボード部の内面に補強リブを設けて
   なる四方差しプラスチツク製パレツトにおいて、 前記補強リブをパレツトの側面に対して斜め方
   向に設けた斜め格子状補強板リブとするととも
   に、パレツトのほぼ中心を通つて対角に延びかつ
   中央部の桁と四隅の桁とを連結する補強リブを他
   の補強リブと同一高さであるが幅を広く形成した
   ことを特徴とするプラスチツク製パレツト。