JP4268743B2 - 合成樹脂製パレット - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物の保管、運搬等に使用される合成樹脂製パレットに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、デッキボードの裏面に桁部が形成されている、合成樹脂製パレットの半製品である同一形状の上部スキッドの桁部の下端面と、下部スキッドの桁部の上端面を、互いに溶着することにより製造された合成樹脂製パレットにおいて、図５及び図６に示されているように、上記上部スキッド１及び下部スキッド２を、更に二等分した同一形状の上部半スキッド部材１ａと下部半スキッド部材２ａを、射出成形等により成形し、この２個の上部半スキッド部材１ａと２個の下部半スキッド部材２ａを、それぞれ、上部半スキッド部材１ａの桁部１ｂの下端面と下部半スキッド部材２ａの桁部２ｂの上端面、横方向に並設された上部半スキッド部材１ａの相対する側面１ｃ及び横方向に並設された下部半スキッド部材２ａの相対する側面２ｃにおいて溶着することにより製造された合成樹脂製パレットが知られている（例えば、実開昭５８−２９９２７号、特開平９−１１００３９号公報等）。）
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の合成樹脂製パレットにおいては、上に位置する横方向に並設された２個の上部半スキッド部材１ａの相対する側面１ｃ同士の垂直溶着面ｈ１と、下に位置する横方向に並設された２個の下部半スキッド部材２ａの側面２ｃ同士の垂直溶着面ｈ２とが、合成樹脂製パレットの中央において一致しており、従って、合成樹脂製パレットの中央に、上下方向に連続した垂直な溶着面Ｈが存在することになる。
【０００４】
ところで、フォークリフトのフォークを、合成樹脂製パレットのフォーク差し込み孔Ｆに挿入して、合成樹脂製パレットを持ち上げ、運搬したり、或いは、自動倉庫等の棚に、合成樹脂製パレットの両側部を載置して、合成樹脂製パレットに載置された荷物を保管するような場合には、合成樹脂製パレットの中央領域に大きな負荷がかかり、合成樹脂製パレットの中央領域が撓んで、変形することがあるが、従来の合成樹脂製パレットのように、中央に、上下方向に連続した垂直な溶着面Ｈが存在すると、溶着面Ｈは強度的に弱いので、この部分で合成樹脂製パレットが損傷したり、破壊するという問題があった。
【０００５】
本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂製パレットが有する課題を解決することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、互いに平行な一対の側部桁と該側部桁間に形成され、且つ、前記側部桁に平行な中間桁とを有する合成樹脂製パレットにおいて、合成樹脂製パレットを構成する上部デッキボードが、側部桁部或いは中間桁部に沿って分割された複数のスキッド部材から構成されており、同様に、前記合成樹脂製パレットを構成する下部デッキボードが、側部桁部或いは中間桁部に沿って分割された複数のスキッド部材から構成されており、上部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の側面同士を溶着するとともに、下部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の側面同士を溶着し、更に、上部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の下端面と下部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の上端面とを溶着することにより、合成樹脂製パレットが形成された際には、上部デッキボードを構成するスキッド部材の相対する側面の垂直溶着面と、下部デッキボードを構成するスキッド部材の相対する側面の垂直溶着面とが、上下方向に一致することがなく、水平方向にずれて位置するとともに、前記相対する側面の垂直溶着面が、側部桁或いは中間桁内に位置するように構成したものである。
【０００７】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【０００８】
先ず最初に、一例として、２方差しの合成樹脂製パレットが示されている図１及び図２を用いて、本発明の実施例について説明する。
【０００９】
合成樹脂製パレットＰは、射出成形等により一体に成形された４個のスキッド部材１０〜１３により構成されている。上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０は、合成樹脂製パレットＰの一方の側部桁ｐ１を構成する側部桁部１０ａと、合成樹脂製パレットＰの中間桁ｐ２の一部を構成する部分中間桁部１０ｂを有しており、また、スキッド部材１０とともに上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１１も、同様に、合成樹脂製パレットＰのもう一方の側部桁ｐ１を構成する側部桁部１１ａと、合成樹脂製パレットＰの中間桁ｐ２の一部を構成する部分中間桁部１１ｂとを有している。そして、スキッド部材１０の部分中間桁部１０ｂの横幅（側部桁ｐ１の長手方向に垂直な方向の幅）ｗ１は、スキッド部材１１の部分中間桁部１１ｂの横幅（側部桁ｐ１の長手方向に垂直な方向の幅）ｗ２より、広く形成されている。
【００１０】
また、合成樹脂製パレットＰの下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２は、合成樹脂製パレットＰの一方の側部桁ｐ１を構成する側部桁部１２ａと、合成樹脂製パレットＰの中間桁ｐ２の一部を構成する部分中間桁部１２ｂを有しており、また、スキッド部材１２とともに下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１３も、同様に、合成樹脂製パレットＰのもう一方の側部桁ｐ１を構成する側部桁部１３ａと、合成樹脂製パレットＰの中間桁ｐ２の一部を構成する部分中間桁部１３ｂとを有している。そして、スキッド部材１２の部分中間桁部１２ｂの横幅（側部桁ｐ１の長手方向に垂直な方向の幅）ｗ３は、スキッド部材１３の部分中間桁部１３ｂの横幅（側部桁ｐ１の長手方向に垂直な方向の幅）ｗ４より、狭く形成されている。
【００１１】
合成樹脂製パレットＰを製造する際には、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０、１１を、横方向に並設するとともに、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２、１３を、横方向に並設するが、この際、幅広の部分中間桁部１０ｂを有する上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０の下に、巾狭の部分中間桁部１２ｂを有する下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２が位置するとともに、巾狭の部分中間桁部１１ｂを有する上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１１の下に、幅広の部分中間桁部１３ｂを有する下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１３が位置するように配置する。
【００１２】
そして、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０、１１と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２、１３とが、上述したような位置関係になるように、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０の側部桁部１０ａの下端面と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２の側部桁部１２ａの上端面とを溶着し、また、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１１の側部桁部１１ａの下端面と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１３の側部桁部１３ａの上端面とを溶着し、更に、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０の部分中間桁部１０ｂの下端面と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２の部分中間桁部１２ｂの上端面及び同じく下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１３の部分中間桁部１３ｂの上端面とを溶着し、更にまた、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１１の部分中間桁部１１ｂの下端面と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１３の部分中間桁部１３ｂの上端面とを溶着する。更に、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０、１１の相対する側面１０ｃ、１１ｃ同士及び下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２、１３の相対する側面１２ｃ、１３ｃ同士を、それぞれ、溶着することにより、合成樹脂製パレットＰが製造されることになる。
【００１３】
上述したようにして合成樹脂製パレットＰを製造することにより、図２に示されているように、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０、１１の相対する側面１０ｃ、１１ｃの垂直溶着面ｈ１と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２、１３の相対する側面１２ｃ、１３ｃの垂直溶着面ｈ２が、水平方向にずれることになり、従って、合成樹脂製パレットＰの垂直な溶着面が、上下方向に一直線でなく、不連続となるので、合成樹脂製パレットＰの中央に位置する連続した垂直な溶着面Ｈを有する上述した従来の合成樹脂製パレットに比べ、強度の増加した合成樹脂製パレットＰを製造することができる。
【００１４】
図３及び図４に示されている実施例においては、上部デッキボードＰ’を形成する上部スキッドが、中央部下面に、合成樹脂製パレットＰの中間桁を構成する中間桁部１４ａを有するとともに、その両端部下面には、中間桁部１４ａに平行な、合成樹脂製パレットＰの側部桁ｐ１の一部を形成する部分側部桁部１４ｂを有する中央スキッド部材１４と、上記の中央スキッド部材１４の部分側部桁部１４ｂと共働して、合成樹脂製パレットＰの側部桁ｐ１を形成する部分側部桁部のみからなる端部スキッド部材１５とから構成されている。
【００１５】
また、下部デッキボードＰ”を形成する下部スキッドが、図５に示されているように、上述した従来の下部スキッドを二等分した、同一形状の下部半スキッド部材１６（図５には、符号２ａとして示されている。）によりを構成されている。そして、下部半スキッド部材１６は、合成樹脂製パレットＰの一方の側部桁ｐ１を構成する側部桁部１６ａと、合成樹脂製パレットＰの中間桁ｐ２の一部を構成する部分中間桁部１６ｂとを有している。
【００１６】
合成樹脂製パレットＰを製造する際には、上部デッキボードＰ’を形成する中央スキッド部材１４の中間桁部１４ａの下端面と、一対の下部デッキボードＰ”を形成する下部半スキッド部材１６の部分中間桁部１６ｂの上端面とを溶着するとともに、下部半スキッド部材１６の相対する側面１６ｃ同士を溶着する。また、上部デッキボードＰ’を形成する中央スキッド部材１４の部分側部桁部１４ｂの下端面と、下部デッキボードＰ”を形成する下部半スキッド部材１６の側部桁部１６ａの上端面とを溶着する。更に、合成樹脂製パレットＰの側部桁ｐ１を形成する部分側部桁部のみからなる端部スキッド部材１５の下端面１５ａと、下部デッキボードＰ”を形成する下部半スキッド部材１６の側部桁部１６ａの上端面とを溶着する。更に、端部スキッド部材１５の中央スキッド部材１４側の側面１５ｂと、中央スキッド部材１４の側面１４ｃとを溶着することにより、合成樹脂製パレットＰを製造する。
【００１７】
上述したようにして合成樹脂製パレットＰを製造することにより、図４に示されているように、上部デッキボードＰ’を形成する中央スキッド部材１４の側面１４ｃと端部スキッド部材１５の側面１５ｂとの垂直溶着面ｈ１は、合成樹脂製パレットＰの側部桁ｐ１内に位置し、また、下部デッキボードＰ”を形成する下部半スキッド部材１６の相対する側面１６ｃの垂直溶着面ｈ２が、合成樹脂製パレットＰの中央に位置するので、上部デッキボードＰ’の垂直溶着面ｈ１と、下部デッキボードＰ”の垂直溶着面ｈ２が上下方向に一致するようなことがなく、水平方向にずれて存在し、従って、合成樹脂製パレットＰの垂直な溶着面が不連続となるので、合成樹脂製パレットの中央に位置する連続した垂直な溶着面Ｈを有する上述した従来の合成樹脂製パレットに比べ、強度の増加した合成樹脂製パレットＰを製造することができる。
【００１８】
なお、本発明の実施例を、２例、示したが、上部デッキボードＰ’の垂直溶着面ｈ１と、下部デッキボードＰ”の垂直溶着面ｈ２が上下方向に一致するようなことがなく、合成樹脂製パレットＰの垂直な溶着面が不連続となるようなものであれば、上部デッキボードＰ’及び下部デッキボードＰ”を形成するスキッドは、種々の形状のものが考えられる。また、上述した実施例には、２方差しの合成樹脂製パレットが示されているが、当然のことながら、本発明は、４方差しの合成樹脂製パレットにも適用することができるものである。
【００１９】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【００２０】
上部デッキボードを形成するスキッド部材の相対する側面の垂直溶着面と、下部デッキボードを形成するスキッド部材の相対する側面の垂直溶着面とが、ずれて存在するので、従って、合成樹脂製パレットの中央に位置する連続した垂直な溶着面を有する従来の合成樹脂製パレットに比べ、強度の増加した合成樹脂製パレットを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の合成樹脂製パレットを構成するスキッドの配置を示す斜視図である。
【図２】図２は本発明の合成樹脂製パレットの正面図である。
【図３】図３は本発明の別の実施例の合成樹脂製パレットを構成するスキッドの配置を示す斜視図である。
【図４】図４は本発明の別の実施例の合成樹脂製パレットの正面図である。
【図５】図５は従来の合成樹脂製パレットを構成するスキッドの配置を示す斜視図である。
【図６】図６は従来の合成樹脂製パレットの正面図である。
【符号の説明】
Ｐ・・・・・・・・・・・・合成樹脂製パレット
Ｐ’・・・・・・・・・・・上部デッキボード
Ｐ”・・・・・・・・・・・下部デッキボード
ｈ１、ｈ２・・・・・・・・垂直溶着面
ｐ１・・・・・・・・・・・側部桁
ｐ２・・・・・・・・・・・中間桁
１０〜１６・・・・・・・・スキッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物の保管、運搬等に使用される合成樹脂製パレットに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、デッキボードの裏面に桁部が形成されている、合成樹脂製パレットの半製品である同一形状の上部スキッドの桁部の下端面と、下部スキッドの桁部の上端面を、互いに溶着することにより製造された合成樹脂製パレットにおいて、図５及び図６に示されているように、上記上部スキッド１及び下部スキッド２を、更に二等分した同一形状の上部半スキッド部材１ａと下部半スキッド部材２ａを、射出成形等により成形し、この２個の上部半スキッド部材１ａと２個の下部半スキッド部材２ａを、それぞれ、上部半スキッド部材１ａの桁部１ｂの下端面と下部半スキッド部材２ａの桁部２ｂの上端面、横方向に並設された上部半スキッド部材１ａの相対する側面１ｃ及び横方向に並設された下部半スキッド部材２ａの相対する側面２ｃにおいて溶着することにより製造された合成樹脂製パレットが知られている（例えば、実開昭５８−２９９２７号、特開平９−１１００３９号公報等）。）
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の合成樹脂製パレットにおいては、上に位置する横方向に並設された２個の上部半スキッド部材１ａの相対する側面１ｃ同士の垂直溶着面ｈ１と、下に位置する横方向に並設された２個の下部半スキッド部材２ａの側面２ｃ同士の垂直溶着面ｈ２とが、合成樹脂製パレットの中央において一致しており、従って、合成樹脂製パレットの中央に、上下方向に連続した垂直な溶着面Ｈが存在することになる。
【０００４】
ところで、フォークリフトのフォークを、合成樹脂製パレットのフォーク差し込み孔Ｆに挿入して、合成樹脂製パレットを持ち上げ、運搬したり、或いは、自動倉庫等の棚に、合成樹脂製パレットの両側部を載置して、合成樹脂製パレットに載置された荷物を保管するような場合には、合成樹脂製パレットの中央領域に大きな負荷がかかり、合成樹脂製パレットの中央領域が撓んで、変形することがあるが、従来の合成樹脂製パレットのように、中央に、上下方向に連続した垂直な溶着面Ｈが存在すると、溶着面Ｈは強度的に弱いので、この部分で合成樹脂製パレットが損傷したり、破壊するという問題があった。
【０００５】
本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂製パレットが有する課題を解決することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、互いに平行な一対の側部桁と該側部桁間に形成され、且つ、前記側部桁に平行な中間桁とを有する合成樹脂製パレットにおいて、合成樹脂製パレットを構成する上部デッキボードが、側部桁部或いは中間桁部に沿って分割された複数のスキッド部材から構成されており、同様に、前記合成樹脂製パレットを構成する下部デッキボードが、側部桁部或いは中間桁部に沿って分割された複数のスキッド部材から構成されており、上部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の側面同士を溶着するとともに、下部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の側面同士を溶着し、更に、上部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の下端面と下部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の上端面とを溶着することにより、合成樹脂製パレットが形成された際には、上部デッキボードを構成するスキッド部材の相対する側面の垂直溶着面と、下部デッキボードを構成するスキッド部材の相対する側面の垂直溶着面とが、上下方向に一致することがなく、水平方向にずれて位置するとともに、前記相対する側面の垂直溶着面が、側部桁或いは中間桁内に位置するように構成したものである。
【０００７】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【０００８】
先ず最初に、一例として、２方差しの合成樹脂製パレットが示されている図１及び図２を用いて、本発明の実施例について説明する。
【０００９】
合成樹脂製パレットＰは、射出成形等により一体に成形された４個のスキッド部材１０〜１３により構成されている。上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０は、合成樹脂製パレットＰの一方の側部桁ｐ１を構成する側部桁部１０ａと、合成樹脂製パレットＰの中間桁ｐ２の一部を構成する部分中間桁部１０ｂを有しており、また、スキッド部材１０とともに上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１１も、同様に、合成樹脂製パレットＰのもう一方の側部桁ｐ１を構成する側部桁部１１ａと、合成樹脂製パレットＰの中間桁ｐ２の一部を構成する部分中間桁部１１ｂとを有している。そして、スキッド部材１０の部分中間桁部１０ｂの横幅（側部桁ｐ１の長手方向に垂直な方向の幅）ｗ１は、スキッド部材１１の部分中間桁部１１ｂの横幅（側部桁ｐ１の長手方向に垂直な方向の幅）ｗ２より、広く形成されている。
【００１０】
また、合成樹脂製パレットＰの下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２は、合成樹脂製パレットＰの一方の側部桁ｐ１を構成する側部桁部１２ａと、合成樹脂製パレットＰの中間桁ｐ２の一部を構成する部分中間桁部１２ｂを有しており、また、スキッド部材１２とともに下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１３も、同様に、合成樹脂製パレットＰのもう一方の側部桁ｐ１を構成する側部桁部１３ａと、合成樹脂製パレットＰの中間桁ｐ２の一部を構成する部分中間桁部１３ｂとを有している。そして、スキッド部材１２の部分中間桁部１２ｂの横幅（側部桁ｐ１の長手方向に垂直な方向の幅）ｗ３は、スキッド部材１３の部分中間桁部１３ｂの横幅（側部桁ｐ１の長手方向に垂直な方向の幅）ｗ４より、狭く形成されている。
【００１１】
合成樹脂製パレットＰを製造する際には、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０、１１を、横方向に並設するとともに、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２、１３を、横方向に並設するが、この際、幅広の部分中間桁部１０ｂを有する上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０の下に、巾狭の部分中間桁部１２ｂを有する下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２が位置するとともに、巾狭の部分中間桁部１１ｂを有する上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１１の下に、幅広の部分中間桁部１３ｂを有する下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１３が位置するように配置する。
【００１２】
そして、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０、１１と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２、１３とが、上述したような位置関係になるように、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０の側部桁部１０ａの下端面と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２の側部桁部１２ａの上端面とを溶着し、また、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１１の側部桁部１１ａの下端面と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１３の側部桁部１３ａの上端面とを溶着し、更に、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０の部分中間桁部１０ｂの下端面と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２の部分中間桁部１２ｂの上端面及び同じく下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１３の部分中間桁部１３ｂの上端面とを溶着し、更にまた、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１１の部分中間桁部１１ｂの下端面と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１３の部分中間桁部１３ｂの上端面とを溶着する。更に、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０、１１の相対する側面１０ｃ、１１ｃ同士及び下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２、１３の相対する側面１２ｃ、１３ｃ同士を、それぞれ、溶着することにより、合成樹脂製パレットＰが製造されることになる。
【００１３】
上述したようにして合成樹脂製パレットＰを製造することにより、図２に示されているように、上部デッキボードＰ’を形成するスキッド部材１０、１１の相対する側面１０ｃ、１１ｃの垂直溶着面ｈ１と、下部デッキボードＰ”を形成するスキッド部材１２、１３の相対する側面１２ｃ、１３ｃの垂直溶着面ｈ２が、水平方向にずれることになり、従って、合成樹脂製パレットＰの垂直な溶着面が、上下方向に一直線でなく、不連続となるので、合成樹脂製パレットＰの中央に位置する連続した垂直な溶着面Ｈを有する上述した従来の合成樹脂製パレットに比べ、強度の増加した合成樹脂製パレットＰを製造することができる。
【００１４】
図３及び図４に示されている実施例においては、上部デッキボードＰ’を形成する上部スキッドが、中央部下面に、合成樹脂製パレットＰの中間桁を構成する中間桁部１４ａを有するとともに、その両端部下面には、中間桁部１４ａに平行な、合成樹脂製パレットＰの側部桁ｐ１の一部を形成する部分側部桁部１４ｂを有する中央スキッド部材１４と、上記の中央スキッド部材１４の部分側部桁部１４ｂと共働して、合成樹脂製パレットＰの側部桁ｐ１を形成する部分側部桁部のみからなる端部スキッド部材１５とから構成されている。
【００１５】
また、下部デッキボードＰ”を形成する下部スキッドが、図５に示されているように、上述した従来の下部スキッドを二等分した、同一形状の下部半スキッド部材１６（図５には、符号２ａとして示されている。）によりを構成されている。そして、下部半スキッド部材１６は、合成樹脂製パレットＰの一方の側部桁ｐ１を構成する側部桁部１６ａと、合成樹脂製パレットＰの中間桁ｐ２の一部を構成する部分中間桁部１６ｂとを有している。
【００１６】
合成樹脂製パレットＰを製造する際には、上部デッキボードＰ’を形成する中央スキッド部材１４の中間桁部１４ａの下端面と、一対の下部デッキボードＰ”を形成する下部半スキッド部材１６の部分中間桁部１６ｂの上端面とを溶着するとともに、下部半スキッド部材１６の相対する側面１６ｃ同士を溶着する。また、上部デッキボードＰ’を形成する中央スキッド部材１４の部分側部桁部１４ｂの下端面と、下部デッキボードＰ”を形成する下部半スキッド部材１６の側部桁部１６ａの上端面とを溶着する。更に、合成樹脂製パレットＰの側部桁ｐ１を形成する部分側部桁部のみからなる端部スキッド部材１５の下端面１５ａと、下部デッキボードＰ”を形成する下部半スキッド部材１６の側部桁部１６ａの上端面とを溶着する。更に、端部スキッド部材１５の中央スキッド部材１４側の側面１５ｂと、中央スキッド部材１４の側面１４ｃとを溶着することにより、合成樹脂製パレットＰを製造する。
【００１７】
上述したようにして合成樹脂製パレットＰを製造することにより、図４に示されているように、上部デッキボードＰ’を形成する中央スキッド部材１４の側面１４ｃと端部スキッド部材１５の側面１５ｂとの垂直溶着面ｈ１は、合成樹脂製パレットＰの側部桁ｐ１内に位置し、また、下部デッキボードＰ”を形成する下部半スキッド部材１６の相対する側面１６ｃの垂直溶着面ｈ２が、合成樹脂製パレットＰの中央に位置するので、上部デッキボードＰ’の垂直溶着面ｈ１と、下部デッキボードＰ”の垂直溶着面ｈ２が上下方向に一致するようなことがなく、水平方向にずれて存在し、従って、合成樹脂製パレットＰの垂直な溶着面が不連続となるので、合成樹脂製パレットの中央に位置する連続した垂直な溶着面Ｈを有する上述した従来の合成樹脂製パレットに比べ、強度の増加した合成樹脂製パレットＰを製造することができる。
【００１８】
なお、本発明の実施例を、２例、示したが、上部デッキボードＰ’の垂直溶着面ｈ１と、下部デッキボードＰ”の垂直溶着面ｈ２が上下方向に一致するようなことがなく、合成樹脂製パレットＰの垂直な溶着面が不連続となるようなものであれば、上部デッキボードＰ’及び下部デッキボードＰ”を形成するスキッドは、種々の形状のものが考えられる。また、上述した実施例には、２方差しの合成樹脂製パレットが示されているが、当然のことながら、本発明は、４方差しの合成樹脂製パレットにも適用することができるものである。
【００１９】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【００２０】
上部デッキボードを形成するスキッド部材の相対する側面の垂直溶着面と、下部デッキボードを形成するスキッド部材の相対する側面の垂直溶着面とが、ずれて存在するので、従って、合成樹脂製パレットの中央に位置する連続した垂直な溶着面を有する従来の合成樹脂製パレットに比べ、強度の増加した合成樹脂製パレットを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の合成樹脂製パレットを構成するスキッドの配置を示す斜視図である。
【図２】図２は本発明の合成樹脂製パレットの正面図である。
【図３】図３は本発明の別の実施例の合成樹脂製パレットを構成するスキッドの配置を示す斜視図である。
【図４】図４は本発明の別の実施例の合成樹脂製パレットの正面図である。
【図５】図５は従来の合成樹脂製パレットを構成するスキッドの配置を示す斜視図である。
【図６】図６は従来の合成樹脂製パレットの正面図である。
【符号の説明】
Ｐ・・・・・・・・・・・・合成樹脂製パレット
Ｐ’・・・・・・・・・・・上部デッキボード
Ｐ”・・・・・・・・・・・下部デッキボード
ｈ１、ｈ２・・・・・・・・垂直溶着面
ｐ１・・・・・・・・・・・側部桁
ｐ２・・・・・・・・・・・中間桁
１０〜１６・・・・・・・・スキッド
Claims (1)
- 互いに平行な一対の側部桁と該側部桁間に形成され、且つ、前記側部桁に平行な中間桁とを有する合成樹脂製パレットにおいて、合成樹脂製パレットを構成する上部デッキボードが、側部桁部或いは中間桁部に沿って分割された複数のスキッド部材から構成されており、同様に、前記合成樹脂製パレットを構成する下部デッキボードが、側部桁部或いは中間桁部に沿って分割された複数のスキッド部材から構成されており、上部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の側面同士を溶着するとともに、下部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の側面同士を溶着し、更に、上部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の下端面と下部デッキボードを構成する複数のスキッド部材の上端面とを溶着することにより、合成樹脂製パレットが形成された際には、上部デッキボードを構成するスキッド部材の相対する側面の垂直溶着面と、下部デッキボードを構成するスキッド部材の相対する側面の垂直溶着面とが、上下方向に一致することがなく、水平方向にずれて位置するとともに、前記相対する側面の垂直溶着面が、側部桁或いは中間桁内に位置するように構成されていることを特徴とする合成樹脂製パレット。
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