JP3965307B2 - 合成樹脂製パレット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品の運搬、移送、保管等に使用される合成樹脂製パレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上部デッキと下部デッキの4つの角部を連結する隅桁と、上部デッキと下部デッキの各辺の中間部を連結する4つの中間桁と、上部デッキと下部デッキの中央部を連結する1つの中央桁とからなり、隅桁と中間桁の間及び中間桁と中央桁の間に、それぞれ、フォーク挿入空間部が形成された合成樹脂製パレットが知られている。
【0003】
上述した隅桁と中間桁とは、縦横に走るリブからなるリブ部、或いは、裏面に、縦横に走るリブが形成された板状の桟部で連結されており、また、上述した中間桁と中央桁も、同様に、縦横に走るリブからなるリブ部、或いは、裏面に、縦横に走るリブが形成された板状の桟部で連結されている。
【0004】
上述した隅桁と中間桁及び中間桁と中央桁とを連結するリブ部或いは桟部を構成するリブのリブピッチ(隣り合うリブの間隔)は、ほぼ同一ピッチに形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の合成樹脂製パレットにおいては、隅桁と中間桁及び中間桁と中央桁とを連結するリブ部或いは桟部を構成するリブのリブピッチが、ほぼ同一ピッチに形成されており、合成樹脂製パレットの撓みとリブピッチを考慮し、効果的にリブを配置した合成樹脂製パレットは知られていない。そして、合成樹脂製パレットの強度や剛性を高めるために、全てのリブのリブピッチを狭めることが考えられるが、全てのリブのリブピッチを狭めると、リブの本数が多くなり、従って、合成樹脂製パレットの重量が増加したり、金型構造が複雑化し、ひいては、合成樹脂製パレットのコストが上昇するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂製パレットが有する課題を解決することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、デッキの四隅に配置された隅桁と、該隅桁の間に配置された中間桁と、デッキの中央に配置された中央桁とを有するとともに、隅桁と中間桁間及び中間桁と中央桁間には、それぞれ、連結リブと該連結リブと直交するように交差する交差リブとからなるリブ部が形成されている合成樹脂製パレットにおいて、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチと交差リブのリブピッチとが、ほぼ同じリブピッチに形成されており、また、中間桁と中央桁間に形成されたリブ部を構成する交差リブのリブピッチが、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチ及び交差リブのリブピッチとほぼ同じに形成されており、更に、中間桁と中央桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチを、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチより、狭く形成したものであり、第2には、デッキの四隅に配置された隅桁と、該隅桁の間に配置された中間桁と、デッキの中央に配置された中央桁とを有するとともに、隅桁と中間桁間及び中間桁と中央桁間には、それぞれ、連結リブと該連結リブと直交するように交差する交差リブとからなるリブ部が形成されている合成樹脂製パレットにおいて、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチと交差リブのリブピッチとが、ほぼ同じリブピッチに形成されており、また、中間桁と中央桁間に形成されたリブ部を構成する交差リブのリブピッチが、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチ及び交差リブのリブピッチとほぼ同じに形成されており、更に、所定の間隙を置いて配設された棚に載置される中間桁と中央桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチのみを、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチ及び棚に載置されていない中間桁と中央桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチより、狭く形成したものである。
【0008】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0009】
1は、上部デッキであり、2は、下部デッキである。上部デッキ1と下部デッキ2とは、上部デッキ1及び下部デッキ2の4つの角部を連結する隅桁3と、上部デッキ1と下部デッキ2の各辺の中間部を連結する4つの中間桁4と、上部デッキ1と下部デッキ2の中央部を連結する1つの中央桁5とにより連結されている。そして、隅桁3と中間桁4の間及び中間桁4と中央桁5の間に、それぞれ、フォーク挿入空間部6が形成されている。
【0010】
隅桁3と中間桁4とを連結するリブ部7は、隅桁3と中間桁4とを連結する複数の連結リブ7aと、連結リブ7aと直交するように交差する交差リブ7bとにより構成されており、連結リブ7aのリブピッチ(隣り合うリブの間隔)と交差リブ7bのリブピッチとは、比較的、大きく、且つ、ほぼ同じリブピッチに形成されている。
【0011】
中間桁4と中央桁5とを連結するリブ部8も、上述した隅桁3と中間桁4とを連結するリブ部7と同様に、中間桁4と中央桁5とを連結する複数の連結リブ8aと、連結リブ8aと直交するように交差する交差リブ8bとにより構成されている。そして、本実施例においては、中間桁4と中央桁5とを連結する連結リブ8aと交差する交差リブ8bのリブピッチは、上述した隅桁3と中間桁4間に形成されたリブ部7を構成する交差リブ7bのリブピッチとほぼ同じであるが、中間桁4と中央桁5とを連結する連結リブ8aのリブピッチは、上述した隅桁3と中間桁4とを連結する連結リブ7aのリブピッチより、狭く構成されており、従って、中間桁4と中央桁5とを連結する連結リブ8aの本数は、隅桁3と中間桁4とを連結する連結リブ7aの本数より多くなるように構成されている。
【0012】
上述したように、中間桁4と中央桁5とを連結する連結リブ8aのリブピッチp4を、隅桁3と中間桁4とを連結する連結リブ7aのリブピッチp1より狭くし、連結リブ8aの本数を増やすことにより、中間桁4と中央桁5とを連結するリブ部8の強度、及び、中間桁4と中央桁5とを連結する連結リブ8aの全体の曲げ剛性を高めることができる。
【0013】
上述したように構成することにより、最も撓み易い合成樹脂製パレットの中央部の強度や曲げ剛性を高めることができ、従って、最も撓み易い合成樹脂製パレットの中央部の撓みを抑制することができる。
【0014】
合成樹脂製パレットの平面形状が、ほぼ正方形の場合には、中間桁4と中央桁5とを連結する4つの全てのリブ部8を構成する連結リブ8aのリブピッチを、隅桁3と中間桁4とを連結する連結リブ7aのリブピッチより狭く構成することが好ましい。
【0015】
また、合成樹脂製パレットの平面形状が、ほぼ長方形である場合には、合成樹脂製パレットの長辺に沿って配設されている中間桁4と中央桁5とを連結するリブ部8を構成する連結リブ8aのリブピッチのみを、隅桁3と中間桁4とを連結する連結リブ7aのリブピッチより狭く構成することが好ましい。このように構成することにより、強度や曲げ剛性が、合成樹脂製パレットの短辺側に比べて小さな合成樹脂製パレットの長辺側の強度や曲げ剛性を、合成樹脂製パレットの重量増加を抑制しつつ、効果的に高めることができる。
【0016】
更に、合成樹脂製パレットの平面形状が、ほぼ正方形か、ほぼ長方形か等に限らず、合成樹脂製パレットが、自動倉庫等に、所定の間隙を置いて配設された棚間に載置される場合には、図2に示されているように、棚間に架橋される中間桁4と中央桁5とを連結するリブ部8を構成する連結リブ8aのリブピッチのみを、隅桁3と中間桁4とを連結する連結リブ7aのリブピッチより狭く構成する。このように構成することにより、合成樹脂製パレットの重量増加を抑制しつつ、効果的に、棚間に載置された合成樹脂製パレットの撓みを防止することができる。
【0017】
上述した実施例には、隅桁3と中間桁4と中央桁5とを有し、隅桁3と中間桁4の間及び中間桁4と中央桁5の間に、それぞれ、フォーク挿入空間部6が形成されている、所謂、四方差しの合成樹脂製パレットが示されているが、上部デッキ1と下部デッキ2とが、一方の相対する辺に沿って形成された2つの側部桁と、2個の側部桁の中央部に、側部桁と平行に形成された1つの中間桁とにより連結された、所謂、2方差しの合成樹脂製パレットにも、本発明を適用することができる。
【0018】
上述した2方差しの合成樹脂製パレットを、自動倉庫等に配設された棚間に載置する場合には、通常は、棚間には側部桁と中間桁とが架橋するが、棚に、側部桁が載置され、棚の長手方向に対して、側部桁及び中間桁が、ほぼ平行になるように載置される場合がある。このような場合には、側部桁と中間桁を連結する連結リブのリブピッチを、側部桁及び中間桁とほぼ平行で、連結リブと交差する交差リブのリブピッチより狭くすることにより、合成樹脂製パレットの重量増加を抑制しつつ、効果的に、棚間に載置された合成樹脂製パレットの撓みを防止することができる。
【0019】
本発明は、射出成形等により、一体的に製造される合成樹脂製パレットに適用することも、また、上部スキッドと下部スキッドとを、それぞれ別々に、射出成形等により成形し、その後、上部スキッドの桁部端部と下部スキッドの桁部端部とを溶着することにより製造される溶着パレットに適用することもできる。
【0020】
なお、上述した実施例には、隅桁3と中間桁4とを連結するリブ部7及び中間桁4と中央桁5とを連結するリブ部8が、連結リブ7a、8aと交差リブ7b、8bとからなるリブ構造に形成されている例が示されているが、隅桁3と中間桁4及び中間桁4と中央桁5とを、裏面に、上記のような連結リブ7a、8aと交差リブ7b、8bリブが形成された板状の桟部により構成することもできる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0022】
中間桁と中央桁とを連結する連結リブのリブピッチを、隅桁と中間桁とを連結する連結リブのリブピッチより、狭くしたので、最も撓み易い合成樹脂製パレットの中央部の強度や曲げ剛性を高めることができる。
【0023】
中間桁と中央桁とを連結する連結リブのリブピッチを、隅桁と中間桁とを連結する連結リブのリブピッチより、狭くしたので、合成樹脂製パレットの重量増加を抑制しつつ、効果的に、撓みを防止することができる。
【0024】
所定の間隙を置いて配設された棚間に架橋される中間桁と中央桁とを連結するリブ部を構成する連結リブのリブピッチのみを、他の桁を連結する連結リブのリブピッチより狭くしたので、合成樹脂製パレットの重量増加を抑制しつつ、効果的に、棚間に載置された合成樹脂製パレットの撓みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の合成樹脂製パレットの斜視図である。
【図2】図2は本発明の別の実施例の合成樹脂製パレットの斜視図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・上部デッキ
2・・・・・・・・・・・・・下部デッキ
3・・・・・・・・・・・・・隅桁
3・・・・・・・・・・・・・中間桁
5・・・・・・・・・・・・・中央桁
7、8・・・・・・・・・・・リブ部
7a、8a・・・・・・・・・連結リブ
7b、8b・・・・・・・・・交差リブ
Claims (2)
- デッキの四隅に配置された隅桁と、該隅桁の間に配置された中間桁と、デッキの中央に配置された中央桁とを有するとともに、隅桁と中間桁間及び中間桁と中央桁間には、それぞれ、連結リブと該連結リブと直交するように交差する交差リブとからなるリブ部が形成されている合成樹脂製パレットにおいて、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチと交差リブのリブピッチとが、ほぼ同じリブピッチに形成されており、また、中間桁と中央桁間に形成されたリブ部を構成する交差リブのリブピッチが、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチ及び交差リブのリブピッチとほぼ同じに形成されており、更に、中間桁と中央桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチが、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチより、狭く形成されていることを特徴とする合成樹脂製パレット。
- デッキの四隅に配置された隅桁と、該隅桁の間に配置された中間桁と、デッキの中央に配置された中央桁とを有するとともに、隅桁と中間桁間及び中間桁と中央桁間には、それぞれ、連結リブと該連結リブと直交するように交差する交差リブとからなるリブ部が形成されている合成樹脂製パレットにおいて、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチと交差リブのリブピッチとが、ほぼ同じリブピッチに形成されており、また、中間桁と中央桁間に形成されたリブ部を構成する交差リブのリブピッチが、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチ及び交差リブのリブピッチとほぼ同じに形成されており、更に、所定の間隙を置いて配設された棚に載置される中間桁と中央桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチのみが、隅桁と中間桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチ及び棚に載置されていない中間桁と中央桁間に形成されたリブ部を構成する連結リブのリブピッチより、狭く形成されていることを特徴とする合成樹脂製パレット。
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- 2002-02-20 JP JP2002043090A patent/JP3965307B2/ja not_active Expired - Lifetime
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