JPH0545853Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はクラツチレリーズ機構の改良に係り、
特にクラツチ装置断続用プツシヤーの抜け止めを
可能にし且つクラツチ装置への組付けを容易に行
うことができるようにしたクラツチレリーズ機構
に関するものである。

［従来の技術］ 従来のクラツチレリーズ機構を第３図によつて
説明すると、１はチエンジレバー（図示省略）の
支点軸で、この支点軸１の他端部にレリーズレバ
ー２が固定されている。レリーズレバー２の先端
部にはピン３が固設され、ピン３は外周にニード
ルベアリング４が装着されて第４図に示す可動側
レリーズカム５の外周におけるＶ溝６の半円形の
底６ａに係合されている。可動側レリーズカム５
はレリーズシヤフト７上に螺合した固定側レリー
ズカム８（第５図）の円筒部８′上に、円筒部
５′を介して回動可能且つ摺動可能に支持されて
いる。この可動側レリーズカム５は固定側レリー
ズカム８（第５図）と対向していて、両レリーズ
カム５，８の対向面の等角三方位置に第４図及び
第５図に示されるように夫々凹部５ａ，８ａが設
けられ、この凹部５ａ，８ａ間に第３図に示す如
くベアリングボール９が挟持されている。ベアリ
ングボール９は２枚の環状板１０，１０′の打抜
き孔１１，１１′に保持され、２枚の環状板１０，
１０′は重合溶接され、一方の環状板１０′の内周
側に形成された円筒部１２を介して可動側レリー
ズカム５の円筒部５ａに回動可能に支持されてい
る。前記レリーズシヤフト７はその基端部がクラ
ツチカバー１３の透孔１４に貫通され、クラツチ
カバー１３の外面側よりレリーズシヤフト７にワ
ツシヤ１５が嵌装され、ナツト１６が締付けられ
て固定されている。。可動側レリーズカム５の円
筒部５ａの後端は、クラツチ装置１７のオペレー
テイングプレート１８にベアリング１９を介して
嵌合したプツシヤー２０に当接されている。前記
固定側レリーズカム８の外周には二又の挟持部２
１が設けられ、この二又の挟持部２１には、クラ
ツチカバー１３の透孔２２に貫通され、ナツト２
３にて締付固定されたピン２４が挿通係合されて
いる。

このように構成されたクラツチレリーズ機構
は、変速時チエンジレバー（図示せず）のアツプ
又はダウンの踏み込み回動により、その支点軸１
が回転し、レリーズレバー２が回転すると、その
先端のピン３が可動側レリーズカム５を回転する
ので、該可動側レリーズカム５の凹部５ａに嵌ま
り合つているベアリングボール９が周方向に移動
して固定側レリーズカム８の凹部８ａより外れて
フラツト面にのり上げられる結果、可動側レリー
ズカム５は凹部８ａの深さ分だけ固定側レリーズ
カム８の円筒部８′上を前進摺動してプツシヤー
２０を押圧し、オペレーテイングプレート１８を
押出してクラツチ装置１７を切断することにな
る。

チエンジレバー（図示せず）のアツプ又はダウ
ン変速の踏み込みを解くと、リターンスプリング
（図示せず）により逆に回動し、その支点軸１が
逆回転し、レリーズレバー２が逆回転する。その
結果レリーズレバー２の先端のピン３が可動側レ
リーズカム５を逆回転するので、該可動側レリー
ズカム５の凹部５ａに嵌まり合つているベアリン
グボール９が周方向に逆移動して固定側レリーズ
カム８の凹部８ａに嵌まり合う。従つて、可動側
レリーズカム５は凹部８ａの深さ分だけ固定側レ
リーズカム８の円筒部８′上を後退摺動するので、
プツシヤー２０は解放され、オペレーテイングプ
レート１８が復帰してクラツチ装置１７が接続さ
れることになる。先行技術として、例えば実開昭
58−67132号がある。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、上記従来のクラツチレリーズ機構
は、多数の部品から構成されているので、順次部
品を組付けていくことが甚だ面倒である。またク
ラツチ装置断続用プツシヤー２０は、可動側レリ
ーズカム５の前進摺動により押圧され、後退摺動
より解放されるので、オペレーテイングプレート
１８から抜け出ることがある。しかもこのクラツ
チ装置断続用プツシヤー２０をオペレーテイング
プレート１８にベアリング１９を介して嵌合しな
いと、レリーズシヤフト７、可動側レリーズカム
５、ベアリングボール９、固定側レリーズカム
８、ピン２４等の組付けができないので、作業性
が悪いものである。

［考案の目的］ 本考案は上記諸事情に鑑みてなされたもので、
クラツチ装置断続用プツシヤーがオペレーテイン
グプレートから抜け出るのを防止し、しかもクラ
ツチ装置断続用プツシヤーをレリーズシヤフト、
可動側レリーズカム、ベアリングボール、固定側
レリーズカムと予め組合せ結合してユニツト化し
て、主要部品を一挙に組付けることができるよう
にしたクラツチレリーズ機構を提供することを目
的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 上記不具合を解決するための本考案のクラツチ
レリーズ機構は、前記従来のクラツチレリーズ機
構に於けるクラツチ装置断続用プツシヤーを、外
周中間と内周後部にフランジを有する円筒状にな
し、前部外周がベアリングを介してオペレーテイ
ングプレートに嵌合し、内部にレリーズシヤフト
の先端部を挿通してその先端に取付けたサークリ
ツプと内周後部のフランジとの間にスプリングを
張設し、後部内周に固定側レリーズカムの円筒部
を嵌合し、後端面に可動側レリーズカムが当接し
たものである。

［作用］ 上記の如く本考案のクラツチレリーズ機構は、
クラツチ装置断続用プツシヤーがレリーズシヤフ
トの先端部に装着されて、可動側レリーズカム、
ベアリングボール、固定側レリーズカム等と一体
的に組付けられているので、これらの部品を予め
組付けてユニツト化し、これをクラツチカバーに
取付けてから組付ければクラツチレリーズ機構の
主要部品が一挙に組付けることができて、極めて
作業性が良い。

また、上述の如くクラツチ装置断続用プツシヤ
ーがレリーズシヤフトの先端部に装着されてオペ
レーテイングプレートにベアリングを介して嵌合
されているので、クラツチ装置断続用プツシヤー
の押圧を解放しても該プツシヤーはオペレーテイ
ングプレート側より抜け出ることがなく、クラツ
チ装置の断続動作が円滑に行われる。

［実施例］ 本考案のクラツチレリーズ機構の一実施例を第
１図の横断平面図によつて説明する。図中第３図
と同一符号は同一物を示すので、その説明を省略
する。本考案のクラツチレリーズ機構は、第３図
に示されるクラツチ装置断続用プツシヤー２０
を、外周中間にフランジ３０を有し、内周後部に
フランジ３１を有する円筒状のクラツチ装置断続
用プツシヤー３２に代えたもので、このクラツチ
装置断続用プツシヤー３２の前部外周をベアリン
グ１９を介してオペレーテイングプレート１８に
嵌合し、内部に長さを長くしたレリーズシヤフト
７′の先端部を挿通してその先端に取付けたサー
クリツプ３３と内周後部のフランジ３１との間に
スプリング３４を張設し、後部内周に固定側レリ
ーズカム８の円筒部８′を嵌合し、後端面に可動
側レリーズカム５を当接している。

このように構成されたクラツチレリーズ機構は
チエンジレバーのアツプとダウンの変速時、前述
の従来のクラツチレリーズ機構と同一作動して、
クラツチ装置１７の断続が行われるが、この時ク
ラツチ装置断続用プツシヤー３２は、オペレーテ
イングプレート１８に嵌合したまま固定側レリー
ズカム８の円筒部８′上をスプリング３４に抗し
て前進摺動してオペレーテイングプレート１８を
押し出し、またスプリング３４の復元力により後
退摺動してオペレーテイングプレート１８を復帰
させることになる。従つて、このクラツチ装置１
７の断続においてプツシヤー３２はオペレーテイ
ングプレート１８より抜け出ることがなく、クラ
ツチ装置１７の断続動作が円滑に行われる。

また本考案のクラツチレリーズ機構は、上述の
如くクラツチ装置断続用プツシヤー３２がレリー
ズシヤフト７′の先端部に装着されて可動側レリ
ーズカム５、ベアリングボール９、固定側レリー
ズカム８と一体的にレリーズシヤフト７′に組込
まれているので、これら部品は順次個々に組付け
ていくことなく、予め第２図に示す如く組込んで
ユニツト化し、これをクラツチカバー１３に取付
けてから一挙に組付けると作業能率が著しく向上
する。即ち、第１図においてプツシヤー３２をベ
アリング１９を介してオペレーテイングプレート
１８に嵌合すると同時に可動側レリーズカム５の
外周のＶ溝６の半円形の底６ａに、レリーズレバ
ー２の先端のピン３を係合する。そしてクラツチ
カバー１３の透孔１４に貫通されているレリーズ
シヤフト７′の基端部をナツト１６を締付けて固
定し、且つクラツチカバー１３の透孔２２に貫通
したピン２４を固定側レリーズカム８の外周の二
又の挟持部２１に挿通係合すると、クラツチレリ
ーズ機構の主要部品が一挙に組付けられることと
なり、作業能率が向上する。

［考案の効果］ 以上詳記した通り本考案のクラツチレリーズ機
構は、クラツチ装置断続用プツシヤーがレリーズ
シヤフトの先端部に装着された状態でオペレーテ
イングプレートに嵌合されているので、クラツチ
装置の断続動作時オペレーテイングプレートより
抜け出ることがなく、クラツチ装置の断続を円滑
に行うことができる。

またクラツチ装置断続用プツシヤーがレリーズ
シヤフトの先端部に装着されて可動側レリーズカ
ム、ベアリングボール、固定側レリーズカムと一
体的にレリーズシヤフトに組付けられているの
で、これらの部品を予めレリーズシヤフトに組込
んでユニツト化し、これをクラツチカバーに取付
けてからは組付ければ、クラツチレリーズ機構の
主要部品一挙に組付けることができて、作業能率
が著しく向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のクラツチレリーズ機構の一実
施例を示す横断平面図、第２図は本考案のクラツ
チレリーズ機構の主要部品をユニツト化した状態
を示す図、第３図は従来のクラツチレリーズ機構
を示す横断平面図、第４図は第３図のＡ−Ａ線矢
視図、第５図は第３図のＢ−Ｂ線矢視図である。 １……チエンジレバーの支点軸、２……レリー
ズレバー、３……ピン、５……可動側レリーズカ
ム、７′……レリーズシヤフト、８……固定側レ
リーズカム、８′……円筒部、９……ベアリング
ボール、１３……クラツチカバー、１７……クラ
ツチ装置、１８……オペレーテイングプレート、
１９……ベアリング、２４……ピン、３０，３１
……フランジ、３２……クラツチ装置断続用プツ
シヤー、３３……サークリツプ、３４……スプリ
ング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チエンジレバーの支点軸に固設されたレリーズ
   レバーと、該レリーズレバーの先端のピンに係合
   されクラツチカバーに支持されたレリーズシヤフ
   トと同心に回動可能且つ摺動可能に支持された可
   動側レリーズカムと、該可動側レリーズカムの摺
   動により動作するクラツチ装置断続用プツシヤー
   と、前記可動側レリーズカムに対向してレリーズ
   シヤフトに固定された固定側レリーズカムと、該
   固定側レリーズカムと可動側レリーズカムとの間
   に挟持されたベアリングボールと、前記固定側レ
   リーズカムに係合されクラツチカバーに支持され
   たピンとより成るクラツチレリーズ機構に於い
   て、前記可動側レリーズカムの摺動により動作す
   るクラツチ装置断続用プツシヤーが、外周中間と
   内周後部にフランジを有する円筒状になされ、前
   部外周がベアリングを介してオペレーテイングプ
   レートに嵌合され、内部にレリーズシヤフトの先
   端部が挿通されてその先端に取付けたサークリツ
   プと内周後部のフランジとの間にスプリングが張
   設され、後部内周に固定側レリーズカムの円筒部
   が嵌合され、後端面に可動側レリーズカムが当接
   されていることを特徴とするクラツチレリーズ機
   構。