JPH0545126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ツールバーに設けた取付ケースに複
数の作業機を装着して、作物条間の管理作業を広
い作業巾で行うことができるようにした乗用型管
理作業機に係るものである。

〔従来の技術〕

従来、圃場における作物条間の管理作業は、例
えば、所謂田押車をして圃場内を歩行する水稲の
中耕除草作業のように人力によることが多く作業
が重労働であつたため、近時は中耕ロータ、施肥
機などの複数の作業機を走行機体のツールバーに
装着した動力式の管理作業機が使用されるように
なつている。

〔本考案が解決しようとする問題点〕

ところが従来の動力式管理作業機では、複数の
作業機によつて多条間の管理作業を広い作業巾で
一度に行うことはできるが、作業機を装着した左
右に長いツールバーは、左右両端を折畳んでも、
折畳み位置に強固に支持するのが難しいので、ツ
ールバーを簡単かつ確実に折畳むことができず、
このため機体の左右幅員が大きくなつて、路上走
行時や機体の運搬格納時に支障を生じ、また畦畔
近くまで作業が進んだときに、残り条数に対応し
て作業条数を調節するのが難しく、円滑に管理作
業を行うことができない欠点があつた。

本考案は上記の如き実情に鑑み、これらの問題
点を解決すべく創案されたものであつて、多条間
の管理作業を複数の作業機により広い作業巾で一
度に行うことができるものでありながら、複数の
作業機を装着したツールバーを、簡単かつ確実に
折畳むことができて、路上走行時や機体の運搬格
納時に何等支障を生ずることはなく、しかも畦畔
近くでは残り条数に対応して作業条数を自由に調
節して円滑に作物条間の管理作業を行うことがで
きる乗用型管理作業機を提供しようとするもので
ある。

〔問題を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するための本考案が講じた
技術的手段は、走行機体に設けたツールバーに複
数の取付ケースを設け、該取付ケースの下端側に
作業機を装着した作物条間の管理作業機であつ
て、上記取付ケースをツールバーに上下回動固定
自在に装着し、上記ツールバーを機体側に支持さ
れた固定ツールバーと、該固定ツールバーに連結
される回動自在の可動ツールバーとで機体後方に
折畳み可能に構成するとと共に、上記可動ツール
バーには固定ツールバーを上下から挟む連結部材
を固着し、かつ該連結部材に可動ツールバーを回
動位置と非回動位置とに固定する固定手段を設け
て、ツールバーの折畳み時には、回動位置の可動
ツールバーが、該可動ツールバーに設けた取付ケ
ースを機体の内側上方に支持可能に構成したこと
を特徴とするものである。

〔考案の作用〕

したがつて本考案によれば、固定ツールバーに
連結された可動ツールバーを機体後方に回動させ
れば、可動ツールバーに固着した連結部材が固定
ツールバーを上下から挟むとともに、連結部材に
設けた固定手段が、可動ツールバーを回動位置に
固定するので、ツールバーを簡単に折畳むことが
できる。そして可動ツールバーに設けた取付ケー
スを上方に回動固定すれば、機体の内側上方に支
持できるので、機体の幅員が小さくなつて、路上
走行時や機体の運搬格納時に何等支障を生ずるこ
とはない。また作物条間の管理作業を行うに当
り、作物条に沿つて機体を走行させれば、取付ケ
ースの先端に装着した複数の作業機が圃場面を走
行して多条の植付条間の管理作業を一行程で行う
ことができる。そして畦畔近くまで作業が進んだ
ときには、所望する取付ケースを上方に回動して
作業機を非作用位置に固定すれば、残り条数に対
応して容易に作業条数を調節できて、円滑に作業
条間の管理作業を行うことができる。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を添付した中耕ロータを装
着した管理作業機の図面に基いて詳述する。１は
田植機等の走行機体であつて、機体の後部に昇降
リンク２を介して左右方向のツールバー３が昇降
自在に装着されており、該ツールバー３には下方
に垂下する取付ケース４が所定間隔を存して上下
回動自在に装着されている。上記取付ケース４の
上端部には、案内溝５を存するガイドプレート６
が装着され、ガイドプレート６の上方には、ツー
ルバー３を貫通して上下動するピン７が弾機８を
介して下方に付勢弾持されていて、取付ケース４
が下方に垂下した通常の作用位置では、ピン７先
端の面取部７ａが案内溝５に嵌入して取付ケース
４を固定する（第８図参照）。そしてピン７を弾
機に抗して引き上げ、取付ケース４を上方に回動
させてからピン７をガイドプレート６の端縁６ａ
に係止させれば取付ケース４を上動した水平姿勢
に折畳み固定できるようになつている。

上記取付ケース４には後方に突出した支持アー
ム９を設け、該支持アーム９に固定した左右方向
のパイプ１０に、中耕ロータ１１を備えた複数の
作業機１２が取付ケース４の下端側に位置して上
下摺動自在でしかも上方に回動固定自在に装着さ
れている。すなわち、パイプ１０に嵌装した回動
パイプ１３に断面形状六角の支柱１４を溶着し、
該支柱１４に断面形状六角のアウタ１５を上下摺
動自在に嵌装して、該アウタ１５にアーム１６を
介して固定した左右のプレート１７，１７の対向
間に中耕ロータ１１を回転自在に軸支することに
より作業機１２が構成されている。そしてパイプ
１０に設けた取付孔１８に固定ピン１９を挿入し
て、作業機１２を下方に垂下した作業位置と上方
に回動させた非作用位置とにパイプ１０を軸心と
して回動固定自在となつている。２０はアウタ１
５の抜け止めピンである。

また前記ツールバー３は昇降リンク２に支持さ
れた固定ツールバー３ａと、左右両端側の可動ツ
ールバー３ｂとによつて構成されており、支点軸
２１を軸心として可動ツールバー３ｂが機体の後
方に回動自在となつている。そして第６図イ，ロ
に示すように可動ツールバー３ｂの基端部に、固
定ツールバー３ａを上下から挟むように連結部材
２２，２２が固着されていて、連結部材２２，２
２の先端部に挿通される固定手段としての連結ピ
ン２３を固定ツールバー３ａの後面側に設けた連
結部２４に挿通すれば、可動ツールバー３ｂを非
回動位置に固定して固定ツールバー３ａと可動ツ
ールバー３ｂとを直線状に連結することができ、
連結ピン２３を固定ツールバー３ａの前面側に設
けた連結部２５に挿通すれば可動ツールバー３ｂ
を回動位置に固定して機体の後方内側に折畳むこ
とができる。このとき左右両端側の可動ツールバ
ー３ｂに装着された取付ケース４は、可動ツール
バー３ｂの回動位置から機体を内側上方に持上げ
て水平姿勢に支持可能になつている。２６は地表
面を滑走するソリ体である。 上記の如き構成に
おいて、作物条間の中耕作業を行うに当り、取付
ケース４と作業機１２とを下方に回動固定した状
態で走行機体１を作物条に沿つて走行させれば、
田面に接した作業機１２の中耕ロータ１１は、爪
１１ａが田面に突きささりながら回転して土壌を
反転させ、土壌を活性化するのと同時に除草を行
うことができる。このとき作業機１２は断面形状
六角の支柱１４に沿つて上下に摺動するので進行
方向を一定に保持することができ、しかも田面に
は作業機１２の重量のみが作用することになつ
て、作業機１２に機体の重量が作用して中耕ロー
タ１１が土中に深く没入するようなことはなく、
常に適正な深さだけ田面の土壌を反転して円滑に
中耕作業を行うことができる。そして畦畔近くま
で作業が進んで、残り条数が少くなつたときに
は、取付ケース４を上方に回動させてピン７で固
定すれば、取付ケース４に装着した作業機１２の
数だけの作業条数を減少させることができ、更に
下動位置の取付ケース４に装着された作業機１２
を、パイプ１０を軸心として適宜上方に回動さ
せ、ピン１９により非作用位置に固定すれば、作
業条数を一条づつ減少させることができるので、
残り条数に対応して容易に全体の作業条数を調節
することができる。そして路上走行時や、機体の
運搬格納時には、可動ツールバー３ｂを回動させ
て機体の後方の回動位置とすれば、可動ツールバ
ー３ｂに固着した連結部材２２，２２が固定ツー
ルバー３ａを常に上下から挟むとともに、固定ツ
ールバー３ａの先端部に挿通し連結ピン２３が、
可動ツールバー３ｂを確実に固定するので、回動
位置の可動ツールバー３ｂは固定ツールバー３ａ
により強固に支持される。したがつてツールバー
３を簡単かつ確実に折畳むことができ、さらに可
動ツールバー３ｂに装着された取付ケース４を機
体の内側上方に持上げて水平姿勢に固定すれば、
作業機１２は機体の外側に突出しない位置に安定
した状態で支持されるので、機体全体の幅員が小
さくなつて路上走行の邪魔になることはなく、ま
た機体格納時にも殊更広いスペースを用意するこ
となく、従来の格納場所に容易に格納することが
できる。

〔考案の効果〕

これを要するに本考案は、走行機体に設けたツ
ールバーに複数の取付ケースを設け、該取付ケー
スの下端側に作業機を装着した作物条間の管理作
業機であつて、上記取付ケースをツールバーに上
下回動固定自在に装着し、上記ツールバーを機体
側に支持された固定ツールバーと、該固定ツール
バーに連結される回動自在の可動ツールバーとで
機体後方に折畳み可能に構成するとと共に、上記
可動ツールバーには固定ツールバーを上下から挟
む連結部材を固着し、かつ該連結部材に可動ツー
ルバーを回動位置と非回動位置とに固定する固定
手段を設けて、ツールバーの折畳み時には、回動
位置の可動ツールバーが、該可動ツールバーに設
けた取付ケースを機体の内側上方に支持可能に構
成したから、ツールバーに設けた取付ケースに、
複数の作業機を装着して、多条間の管理作業を広
い作業巾で一度に行うことができるものでありな
がら、可動ツールバーを機体後方に回動させれ
ば、固定ツールバーを上下から挟む連結部材と、
連結部材に設けた固定手段とによつて可動ツール
バーを回動位置に強固に固定することができるの
で、ツールバーを簡単かつ確実に折畳みことがで
きる。そして可動ツールバーに設けた取付ケース
は、回動位置に固定された可動ツールバーで、機
体内側上方に安定した状態で支持されるので、機
体の幅員を小さくすることができて、路上走行時
や機体の運搬格納時に、何等支障を生ずることは
ない。また作物条間の管理作業中、畦畔近くまで
作業が進んだときには、所望する取付ケースを上
方に回動固定すれば、取付けケースに装着した作
業機の数だけ作業条数を減少させることができる
ので、残り条数に対応して容易に全体の作業条数
を調節して作物条間の管理作業を広い作業巾で円
滑にかつ能率よく行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る乗用型管理作業機の実施例
を示すものであつて、第１図は全体側面図、第２
図は要部の背面図、第３図は要部の斜視図、第４
図は作業機の斜視図、第５図は折畳んだ状態のツ
ールバーを示す平面図、第６図イ，ロは第５図の
要部を拡大した平面図および背面図、第７図は上
動した状態の取付ケースを示す側面図、第８図
イ，ロ，ハは第７図の作用説明図、第９図は同上
斜視図である。 図中、１……走行機体、３……ツールバー、３
ａ……固定ツールバー、３ｂ……可動ツールバ
ー、４……取付ケース、１２……作業機、２２…
…連結部材、２３……連結ピン、２４，２５……
連結部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行機体に設けたツールバーに複数の取付ケー
   スを設け、該取付ケースの下端側に作業機を装着
   した作物条間の管理作業機であつて、上記取付ケ
   ースをツールバーに上下回動固定自在に装着し、
   上記ツールバーを機体側に支持された固定ツール
   バーと、該固定ツールバーに連結される回動自在
   の可動ツールバーとで機体後方に折畳み可能に構
   成すると共に、上記可動ツールバーには固定ツー
   ルバーを上下から挟む連結部材を固着し、かつ該
   連結部材に可動ツールバーを回動位置と非回動位
   置とに固定する固定手段を設けて、ツールバーの
   折畳み時には、回動位置の可動ツールバーが、該
   可動ツールバーに設けた取付ケースを機体の内方
   側上方に支持可能に構成したことを特徴とする乗
   用型管理作業機。