JPH0544538U - 印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホイールケースのがたつきを防止でき且つホ
イールカセットの装着を円滑に行い得るような印字装置
を提供すること。 【構成】 キャリッジ本体３１の後端部には略Ｌ字状の
左右一対の板バネ５３が固定され、この板バス５３の腕
部５３ａの上部は後方へ湾曲状に形成され、ホイールカ
セット３６が装着される際にホイールカセット３６を前
方へ案内するように構成されている。また、リリース時
には、板バネ５３が後方へ移動した支持壁５１の後端で
後方へ押動されて上方より装着されるホイールカセット
３６に干渉しないように構成されている。使用時には、
板バネ５３がホイールケース３５の下端部分のプラテン
２０側の後面に当接してホイールケース３５をホイール
保持部に弾性付勢するように構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、印字装置に関し、特にその活字ホイールを収容したホイールケース のガタつきを防止する為の機構を改善したものに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、活字ホイール式の印字装置は、図４に示すように、一般に左右方向に延 びるプラテン２０と、プラテン２０に平行なガイド軸１４及びガイド部材１５に 案内支持されプラテン２０に沿って移動駆動されるキャリッジ３０と、活字ホイ ール３４とこれを収容するホイールケース３５とからなるホイールカセット３６ とを備えており、キャリッジ３０には、図示外の活字打撃機構やリボンカセット ３７、ホイールカセット３６を着脱自在に装着する為のホイール保持部が設けら れている。尚、符号１１は機枠のサイドフレーム、符号１２は機枠の底板、符号 ３１はキャリッジ本体、符号３３はリボンガイド、符号３２はペーパーガイドで ある。

【０００３】 ホイール保持部について説明すると、ホイール駆動モータ（図示略）を取付け るモータホルダ４０はこれに固着された連結板４１を介してガイド軸１４に回動 可能に支持され、モータホルダ４０に固着された軸受け部材４２にはスピンドル ４５が設けられ、スピンドル４５にはホイール駆動モータの出力軸のギヤに噛合 するギヤ部４３ａを有するギヤ部材４３が固定され、スピンドル４５の先端部に は活字ホイール３４の軸穴に係合する係合部４６が形成され、モータホルダ４０ にはホイールケース３５の下端部を支持する支持壁５１と、ゴム部材４８を介し てホイールケース３５の前面を押さえる押え部４９と、ホイールケース３５の左 右両端部を位置規制する規制部（図示略）とが設けられ、またリボンガイド３３ にはホイールケース３５の上部後面に当接する当接部５０が設けられ、またキャ リッジ本体３１の後壁１００にはホイールケース３５の下端部後面を位置規制す る規制部１０１が設けられている。

【０００４】 前記ホイールカセット３６を着脱する為、モータホルダ４０とこれに付設され た諸部材は、ホイールカセット３６を実線で図示のように印字可能状態に保持す る使用位置と、二点鎖線で図示のようにガイド軸１４の回りにプラテン２０から 遠のく方向へ約２０度回動させたリリース位置とに亙って位置切り換え自在に構 成してあり、前記リリース位置に切り換えた状態において、ホイールカセット３ ６がホイール保持部に着脱される。更に、ペーパーガイド３２の下端部にはホイ ールケース３５をモータホルダ４０の方へ弾性付勢してホイールケース３５のガ タつきや振動を抑制する為の板バネ１０２が設けられる場合もある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】

前記板バネ１０２を設けない場合、ホイールケース３５の上部の前面が押え部 ４９でまた後面が当接部５０で位置規制され、ホイールケース３５の下端後面と 規制部１０１間には若干の隙間があるため、活字ホイール３４の回転やキャリッ ジ３０の移動による振動によりホイールケース３５がガタついたり振動したりす るという問題がある。 前記板バネ１０２を設ける場合、使用状態におけるホイールケース３５のガタ つきや振動の問題は解消するけれども、ホイールカセット３６を装着する際に、 板バネ１０２の付勢力により、ホイールカセット３６が二点鎖線で図示のように 、その下部が前方へ過剰に付勢され、リボンガイド３３の上端部がホイールケー ス３５に図示のように当接して、ホイールカセット３６の装着を円滑に行うこと が難しくなるという問題がある。 本考案の目的は、ホイールケースのガタつきを防止でき且つホイールカセット の装着を円滑に行い得るような印字装置を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１に係る印字装置は、プラテンと、プラテンに平行なガイド軸及びガイ ド部材に案内支持されプラテンに沿って移動駆動されるキャリッジと、活字ホイ ールとこれを収容するホイールケースとからなりキャリッジのホイール保持部に 着脱自在に装着されるホイールカセットとを備えた印字装置において、前記キャ リッジのキャリッジ本体に、ホイール保持部を支持し且つ活字ホイール駆動モー タを取付ける為のモータホルダをガイド軸又はガイド軸と平行な軸線回りに回動 自在に設けるとともに、このモータホルダを、ホイールカセットを印字可能状態 に保持する使用位置と、プラテンから遠のく方向へ所定角度回動させたリリース 位置とに亙って位置切り換え可能に構成し、前記モータホルダの下端部にホイー ルケースの下端部を支持する支持壁部を設け、前記キャリッジ本体に、モータホ ルダが使用位置にあるときに、ホイールケースのプラテン側外面に当接してホイ ールケースをホイール保持部に弾性付勢する弾性部材であって、モータホルダが リリース位置にあるときに、ホイールケースと干渉しないように支持壁部により プラテンの方へ押動される弾性部材を設けたことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

請求項１に係る印字装置においては、キャリッジのキャリッジ本体に、ホイー ル保持部を支持し且つ活字ホイール駆動モータを取付ける為のモータホルダをガ イド軸又はガイド軸と平行な軸線回りに回動自在に設け、このモータホルダを使 用位置とリリース位置とに亙って位置切り換え自在に構成し、モータホルダの下 端部にホイールケースの下端部を支持する支持壁部を設けてある。 前記キャリッジ本体に設けられた弾性部材は、モータホルダが使用位置にある ときに、ホイールケースのプラテン側外面に当接してホイールケースをホイール 保持部に弾性付勢するため、ホイールケースのガタつきや振動が生じることがな い。また、前記弾性部材は、モータホルダがリリース位置にあるときに、ホイー ルケースと干渉しないように支持壁部によりプラテンの方へ押動されるため、ホ イールカセットを装着する際に弾性部材の付勢力の影響を受けずに円滑に装着す ることが出来る。

【０００８】

【考案の効果】

請求項１に係る印字装置によれば、前記作用の項で説明したように、使用位置 とリリース位置とに位置切り換えされるモータホルダと、その下端部の支持壁部 と、キャリッジ本体に設けた弾性部材などを設けたことにより、使用状態におけ るホイールケースのガタつきや振動を防止でき、且つホイールカセットを装着す る際に弾性部材の付勢力の影響を受けずに円滑に装着することが出来る。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図１〜図３に基いて説明する。尚、本考案に直 接関連する構成要素のみを図示して符号を付けて説明し、一般的な構成のものは 図示省略し符号無しで説明する。 活字ホイール式の印字装置１は、本体フレーム１０と、プラテン２０及びプラ テン駆動機構と、給紙機構と、キャリッジ３０と、キャリッジ駆動機構と、キー ボードと、制御装置などを備えている。前記本体フレーム１０は、左右１対のサ イドフレーム１１と、左右のサイドフレーム１１間に亙る底板１２と、左右のサ イドフレーム１１同士を連結する連結フレーム１３と、プラテン２０の前方近傍 の下方に配設されプラテン２０と平行なガイド軸１４と、プラテン２０の前方に 所定間隔あけて対向状に且つプラテン２０と平行に配設されたガイド部材１５な どを備えている。

【００１０】 前記プラテン２０は、左右方向に向けて配設されてその両端部は左右のサイド フレーム１１に回動自在に支持され、このプラテン２０はプラテン駆動機構によ り回動駆動される。また、プラテン２０の前面にはキャリッジ３０に含まれるペ ーパーガイド３２が設けられ、このペーパーガイド３２はキャリッジ本体３１に 固定され、ペーパーガイド３２の前面にはリボンガイド３３が固定されている。 前記キャリッジ３０は、ガイド軸１４とガイド部材１５とに移動自在に案内支 持されたキャリッジ本体３１と、活字ホイール３４とホイールケース３５とから なるホイールカセット３６と、ホイールカセット３６を保持するホイール保持部 と、活字ホイール３４を駆動するホイール駆動モータと、活字ホイール３４を打 撃駆動するハンマ式打撃機構と、印字リボンカセット３７と、印字リボンカセッ ト３７を揺動にて位置切り換え可能に支持するカセットホルダ３８と、消去作動 時にカセットホルダ３８をリフトさせるリボンホルダリフト機構と、印字リボン 巻き取り機構と、消去リボン及び消去リボン巻き取り機構などを備え、キャリッ ジ本体３１の後部の下部の左右１対の軸受け部３９がガイド軸１４に摺動自在に 外嵌され、またキャリッジ本体３１の前端部の左右１対の係合部４０がガイド部 材１５に摺動自在に係合され、これによりキャリッジ本体３１はガイド軸１４と ガイド部材１５とに案内支持されている。更に、前記ペーパーガイド３２はキャ リッジ本体３１の左右の側壁部４１の左右１対のフランジ部４２に固定され、１ 対のリボンガイド３３はペーパーガイド３２に固定されている。

【００１１】 次に、ホイール保持部について説明すると、キャリッジ本体３１の前部に配設 されたモータホルダ４０には、左右１対の連結板４１が固着され、これら連結板 ４１の下端部にはガイド軸１４に夫々摺動自在に外嵌した軸受け部材４２が固着 され、モータホルダ４０とそれに付設された諸部材は、図１に図示のように、ホ イールカセット３６を印字可能な状態に保持する使用位置と、図２に図示のよう に、プラテン２０から遠のく方向へ約２０度回動したリリース位置とに亙って位 置切り換え自在に構成されている。前記モータホルダ４０の上部の前側近傍位置 には外周部にホイール駆動モータの出力軸のギヤに噛合したギヤ歯４３ａを有す るギヤ部材４３が配設され、モータホルダ４０に固定されたスリーブ４４にはス ピンドル４５が回転自在に装着され、ギヤ部材４３に固定されたスピンドル４４ の先端部には活字ホイール３４の軸穴に相対回転不能に係合する係合部４６が設 けられている。

【００１２】 前記ホイールカセット３６をセットした使用状態においてホイールカセット３ ６を所定の印字可能な状態に保持する為、図３に図示のように、キャリッジ本体 ３１の左右側部に立ち上がった側壁部４１にはホイールケース３６の左右両側部 を外方から位置規制する左右１対のガイド部４７が夫々設けられ、またモータホ ルダ４０の左部の上端にはゴム部材４８を介してホイールケース３６の前面を押 える押え部４９が設けられ、左右１対のリボンガイド３３の前面にはホイールケ ース３６の後面の上部に当接する凸部状の左右１対の当接部５０が夫々設けられ 、モータホルダ４０の下端部にはホイールカセット３６の下端を受け止めて支持 するＬ字状の支持壁部５１が設けられている。前記左右１対の軸受け部材４２に 夫々固定された左右１対のリブ５２が支持壁部５１の上方に設けられ、これら左 右１対のリブ５２が使用位置のときのホイールケース３６の前面に当接して位置 規制するように構成してある。

【００１３】 更に、使用状態におけるホイールカセット３６のガタつきや振動を防止するた め、キャリッジ本体３１の後端部には略Ｌ字状の左右１対の板バネ５３（これが 弾性部材に相当する）が固定され、これら板バネ５３の立て向きの腕部５３ａの 上部は後方へ反り返るように湾曲状に形成され、ホイールカセット３６が装着さ れるときにホイールカセット３６を前方へ案内するように構成してあり、またモ ータホルダ４０とそれに付設された諸部材がリリース位置のときには、図２に実 線で図示のように、板バネ５３が後方へ移動した支持壁部５１の後端で後方へ押 動されて上方より装着されるホイールカセット３６に干渉しないように構成され 、またモータホルダ４０とそれに付設された諸部材が使用位置のときには、図１ に図示のように、板バネ５３がホイールケース３５の下端部分のプラテン２０側 の後面に当接してホイールケース３５をホイール保持部に（モータホルダ４０の 方へ）弾性付勢するように構成してある。

【００１４】 次に、以上説明した印字装置１の作用について説明する。 使用状態のときには、図１に図示のように、モータホルダ４０とそれに付設さ れた諸部材が使用位置に保持され、この状態においてホイールカセット３６は、 支持壁部５１で支持され、ホイールケース３５の左右の側部は左右１対のガイド 部４７により位置規制され、またホイールケース３５の上部は押え部４９と左右 １対の当接部５０により前後から保持されるとともに、ホイールケース３５の下 部は左右のリブ５２により前方から位置規制され、更にホイールカセット３５の 下端部は板バネ５３の腕部５３ａにより後方から断線付勢されるため、印字中に ホイールカセット３６が前後方向にガタついたり或いは振動することがない。

【００１５】 これに対して、ホイールカセット３６を交換する際には、モータホルダ４０と それに付設された諸部材が図２に図示のように、リリース位置に切り換えられ、 その状態でホイールカセット３６の着脱がなされるが、この状態においてモータ ホルダ４０の下端の支持壁部５１が後方へ移動して板バネ５３の腕部５３ａを図 示のように後方へ押動し、その状態に保持するため、ホイールカセット３７と板 バネ５３との相互干渉がなくなるため、ホイールカセット３７を装着する際に円 滑に装着することが出来る。そして、モータホルダ４０とそれに付設された諸部 材を図１に図示のように、使用状態に切り換えると、支持壁部５１が前方へ移動 するため、ホイールカセット３６に板バネ５３の弾性力が作用するようになる。 その使用状態において、モータホルダ４０は図示外の機構によりその位置に保持 される。

【００１６】 尚、前記実施例に係る印字装置のハンマ打撃機構、リボン送り機構、消去リボ ン巻取り機構、リボンホルダリフト機構などキャリッジ３０に搭載される諸機構 としては、通常の一般的なものを用いた場合について説明したが、本願出願人の 出願に係る特願平３−１００４１４号の印字装置に設けたものと同様の諸機構を キャリッジ３０に搭載する場合には、仮想線で図示のような１台のステッピング モータ５４によりハンマ打撃機構、リボン送り機構、消去リボン巻取り機構、リ ボンホルダリフト機構などが駆動されることになる。尚、前記実施例では、モー タホルダ４０をガイド軸１４の回りに回動させるように構成したが、ガイド軸１ ４と平行な軸心回りに回動させる構成であってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る使用状態のときの印字装置の要部
の縦断側面図である。

【図２】前記リリース状態のときの印字装置の要部の縦
断側面図である。

【図３】前記印字装置の背面図である。

【図４】従来技術に係る印字装置の図３相当図である。

【符号の説明】

１４ ガイド軸 １５ ガイド部材 ２０ プラテン ３０ キャリッジ ３１ キャリッジ本体 ３４ 活字ホイール ３５ ホイールケース ３６ ホイールカセット ４０ モータホルダ ５１ 支持壁部 ５３ 板バネ（弾性部材）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラテンと、プラテンに平行なガイド軸
   及びガイド部材に案内支持されプラテンに沿って移動駆
   動されるキャリッジと、活字ホイールとこれを収容する
   ホイールケースとからなりキャリッジのホイール保持部
   に着脱自在に装着されるホイールカセットとを備えた印
   字装置において、 前記キャリッジのキャリッジ本体に、ホイール保持部を
   支持し且つ活字ホイール駆動モータを取付ける為のモー
   タホルダをガイド軸又はガイド軸と平行な軸線回りに回
   動自在に設けるとともに、このモータホルダを、ホイー
   ルカセットを印字可能状態に保持する使用位置と、プラ
   テンから遠のく方向へ所定角度回動させたリリース位置
   とに亙って位置切り換え可能に構成し、 前記モータホルダの下端部にホイールケースの下端部を
   支持する支持壁部を設け、 前記キャリッジ本体に、モータホルダが使用位置にある
   ときに、ホイールケースのプラテン側外面に当接してホ
   イールケースをホイール保持部に弾性付勢する弾性部材
   であって、モータホルダがリリース位置にあるときに、
   ホイールケースと干渉しないように支持壁部によりプラ
   テンの方へ押動される弾性部材を設けたことを特徴とす
   る印字装置。