JPH0544127A - 仮撚複合糸およびその製造方法 - Google Patents

仮撚複合糸およびその製造方法

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JPH0544127A
JPH0544127A JP3223448A JP22344891A JPH0544127A JP H0544127 A JPH0544127 A JP H0544127A JP 3223448 A JP3223448 A JP 3223448A JP 22344891 A JP22344891 A JP 22344891A JP H0544127 A JPH0544127 A JP H0544127A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 低温仮撚加工された複合仮撚糸の芯鞘糸の熱
収縮特性を改良して布帛の硬い風合をなくし、また製織
などの後工程取扱性、およびアルカリ処理特性を改良す
る。 【構成】 伸度の異なる2種以上のフィラメント糸から
なる仮撚複合糸であって、その低伸度側フィラメント糸
にポリエステル繊維、高伸度側フィラメント糸にポリエ
ステル1とポリアミド2とが貼合せ複合され、かつその
繊維表面がポリエステル3で被覆された形態の複合繊維
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伸度の異なる2種以上
のフィラメント糸からなる低結晶性仮撚複合糸およびそ
の製造方法に関する。本発明の仮撚複合糸は、熱収縮特
性、後工程取扱性およびアルカリ処理特性が改良された
仮撚複合糸である。
【0002】
【従来の技術】伸度の異なる2種以上のポリエステルフ
ィラメント糸を用いて複合仮撚加工を施すに際し、仮撚
加工温度を低温にすることによって得られる低捲縮、高
沸水収縮特性を有する仮撚2層構造糸(例えば、特開昭
63−145445号に記載される)では、芯糸に対し
て鞘糸の方が沸水収縮率が高くなるため、織編物の仕上
工程で、芯鞘構造が逆転現象を惹起し、その結果、伸度
の高い鞘糸が織編物中では糸の芯部になるため、鞘糸の
大きな収縮に起因してごわごわした硬い風合のものにな
ったり、ひざぬけ、ひじぬけ等の着用疲労を招き易いと
いう問題があった。
【0003】上記問題に対処するため、本発明者らは、
先に、特願平1−306549号において、鞘糸の沸水
収縮率を芯糸の沸水収縮率よりも低くした仮撚複合糸お
よびその製造方法を提案した。
【0004】すなわち、「伸度の異なる2種以上のフィ
ラメント糸からなる仮撚複合糸であって、該複合糸を構
成する全フィラメントの平均密度が1.36g/cm3
下であって、低伸度側のフィラメント糸はポリエステル
繊維からなり、高伸度側のフィラメント糸は120℃以
下での結晶化速度がポリエステルよりも早いポリマーを
複合したポリエステル繊維からなり、かつ高伸度側フィ
ラメント糸の沸水収縮率が低伸度側フィラメント糸の沸
水収縮率より低いことを特徴とする仮撚複合糸」およ
び、
【0005】「伸度の異なる2種以上のフィラメント糸
を引揃えて、120℃未満の温度で仮撚加工を施すに際
し、低伸度側のフィラメント糸にはポリエステル繊維を
用い、高伸度側のフィラメント糸には120℃以下での
結晶化速度がポリエステルよりも早いポリマーを複合し
たポリエステル繊維を用いることを特徴とする仮撚複合
糸の製造方法」である。
【0006】上記の仮撚複合糸を用いて、その後、種々
の織物開発を進めたところ、高伸度側のフィラメント糸
にポリエステルとポリアミドとが貼合わせ複合された形
態の複合繊維を用いると、製織等の後工程で複合繊維の
一部が剥離しフィブリル化してトラブルを起し易く、し
かも0.1デニール以下の超極細にするため貼合せ数を
多くすると、余計にフィブリル化しやすくなるという問
題が発生した。また、その仮撚複合糸を用いて布帛を作
る際に、ポリエステルをアルカリ液で溶解して超極細に
分割すると、全複合繊維が略一様に分割されるためくた
くたした、ふかついた風合になってしまうという問題が
生じた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の低温仮撚加工された複合仮撚糸の芯鞘糸の熱収縮特性
を改良し、鞘糸の沸水収縮率を芯糸の沸水収縮率よりも
低くすることにより、布帛の風合が仕上工程でごわごわ
に硬くなることがなく、しかも、後工程の取扱性に優る
とともに、超極細タッチでありながら地締感のある風合
を発現し得る実用性能に優れた仮撚複合糸を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成せんとして鋭意研究した結果、高伸度側のフィ
ラメント糸であるポリエステルとポリアミドとが貼合わ
せ複合された複合繊維に、その繊維表面をポリエステル
で被覆した形態にすると、後工程における摩擦に起因す
るフィブリル化が抑制され、かつ、布帛のアルカリ処理
仕上工程における風合作りで好みに合わせて構成繊維間
で分割の度合を色々コントロールできることを見出し、
本発明に到達した。
【0010】かくして、本発明によれば、伸度の異なる
2種以上のフィラメント糸からなる仮撚複合糸であっ
て、該複合糸を構成する全フィラメント糸の平均密度が
1.36g/cm3 以下であって、低伸度側のフィラメン
ト糸はポリエステル繊維からなり、高伸度側のフィラメ
ント糸はポリエステルとポリアミドとが貼合せ複合さ
れ、かつその繊維表面がポリエステルで被覆された形態
を有する複合繊維からなり、かつ高伸度側フィラメント
糸の沸水収縮率が低伸度側フィラメント糸の沸水収縮率
より低いことを特徴とする仮撚複合糸が提供される。
【0011】さらに、本発明によれば、伸度の異なる2
種以上のフィラメント糸を引揃えて、120℃未満の温
度で仮撚加工を施すに際し、低伸度側のフィラメント糸
にはポリエステル繊維を用い、高伸度側のフィラメント
糸にはポリエステルとポリアミドとが貼合せ複合され、
かつその繊維表面がポリエステルで被覆された形態を有
する複合繊維を用いることを特徴とする仮撚複合糸の製
造方法が提供される。
【0012】本発明で用いるポリエステルとしては、ポ
リエチレンテレフタレートが最適であるが、イソフタル
酸やスルホン酸金属塩基などを第3成分とする共重合ポ
リエステルでもさしつかえない。ポリエステル中に、酸
化チタンや硫酸バリウムなどの艶消剤を含んでいてもよ
いし、シリカのような無機物を含んでいてもよい。
【0013】他方、ポリアミドの代表例としてはナイロ
ン6およびナイロン66が挙げられる。これらポリアミ
ドも酸化チタン等の艶消剤などの無機物を含んでいても
よい。
【0014】本発明の仮撚複合糸について更に詳細に説
明する。一般の伸度の異なる2種のポリエステルフィラ
メント糸を引揃えて、その結晶化温度未満の温度で仮撚
加工する場合、低伸度側のフィラメント糸からなる芯糸
よりも高伸度側フィラメント糸からなる鞘糸の方が沸水
収縮率が高くなる。その理由は以下のように推察され
る。即ち、低伸度側、つまり配向度の高い方のフィラメ
ント糸は延伸仮撚・熱固定作用により延伸されると結晶
化して沸水収縮率が低くなる傾向があるのに対して、高
伸度側、つまり配向度の低い方のフィラメント糸は延伸
仮撚・熱固定作用を受けても、配向度の高い方の糸より
は伸度の高いフィラメントとして留まるため、相対的に
は結晶化度が低く、それ故に、沸水中に投入された時、
より大きな収縮を示すものと考えられる。
【0015】これに対して、本発明の場合、伸度の高い
側のポリエステルフィラメント糸に複合されているポリ
アミドは低温でも結晶化速度が早く、延伸仮撚・熱固定
作用を受けた際、結晶化を起し易いので、ポリアミド成
分の沸水収縮率が小さくなる。その結果、該ポリアミド
は沸水収縮率の高いポリエステル成分が縮むのを阻止す
るように作用し、鞘糸の収縮率が芯糸のそれよりも低く
なるものと考えられる。
【0016】ここで「複合」とは、いわゆる、コンジュ
ゲート紡糸による複合をいう。本発明に用いることがで
きる複合繊維の複合状態を示す断面形状の例を図1に模
式図で例示する。
【0017】図1(a)および(b)は本発明で用いる
高伸度側フィラメント糸の断面を示しており、図1
(a)はポリエステル1とポリアミド2とが交互に貼合
せ積層されたものの外周面がポリエステル3で被覆され
た形態を有する複合繊維であり、また、図1(b)はポ
リエステル1とポリアミド2とが繊維断面において繊維
の中空軸部から放射方向へ伸びるように貼合されたもの
の外周面がポリエステル3で被覆された形態を有する複
合繊維である。なお、ポリエステル1とポリエステル3
は組成が同一であっても、または多少異なっていてもよ
い。
【0018】更に、高伸度側の複合繊維は、その繊維表
面をポリエステルで被覆されているので、後工程でこす
られたり、しごかれたりしてもフィブリル化し難く、取
扱性が格段に向上する。また、繊維表面が被覆されてい
ることにより織物風合を好みに応じて種々コントロール
可能であり、商品の付加価値を著しく高めることができ
る。即ち、布帛仕上工程でアルカリ液によって複合繊維
を溶解分割するに際し、アルカリ濃度を薄くしたり、減
量処理時間を短かくすると、布帛の表面層の複合繊維の
一部または全部が分割され、他方、布帛内層に位置する
複合繊維は部分的な分割に止まる。その結果、反撥性と
地締感があって、しかも超極細タッチを有する、いわゆ
るスエード調布帛を得ることができる。逆に、アルカリ
濃度を濃くして減量を大きくするとピーチ風合のこなれ
た織物が得られる。このように布帛の仕上工程で多様性
をもたせることができる。
【0019】特に、該複合繊維の内部に中空部を形成し
ておくとアルカリ減量、超極細分割が繊維内部からも進
行し、一層分割状態の複雑な構造の布帛とすることがで
き、その多様な布帛構成により人工的な風合から脱皮し
た高級感に富む布帛を得ることができる。
【0020】図2は、本発明の仮撚複合糸を製造する装
置の一実施態様を例示するもので、低伸度側の原糸4に
は通常のポリエステル繊維を用い、高伸度側の原糸5に
は、図1に示したような断面をもつポリエステルとポリ
アミドとの複合繊維が用いられる。原糸4,5は引揃え
られて、送りローラ6によって、仮撚加工域に供給さ
れ、仮撚具10によって施撚され、低伸度側原糸4に高
伸度側原糸5が巻付くような形態となり、ヒーター9に
よってその形態がセットされる。しかしながら、この熱
セットはポリエステルの結晶化開始温度(120℃)未
満で行われ、その結果全構成フィラメントの平均密度
(以下、“繊維密度”という)が1.36g/cm3 以下
という低密度フィラメントから構成される仮撚複合糸が
得られる。
【0021】この工程において、仮撚複合糸に抱合性を
付与して取扱性や混繊性を向上させるために、仮撚加工
前に供給ローラ6と8の間でインターレースノズル7に
よって、引揃えられた原糸4,5に交絡を付与してもよ
いし、また、この交絡は仮撚加工後、巻取るまでに付与
してもよい。
【0022】また、得られる仮撚複合糸の熱収縮率を低
減して、用途に適応させるために、仮撚加工された複合
糸は引取ローラ11と13との間に配置された第2ヒー
ター12によって熱セットし、その後巻取装置14に巻
取ってもよい。しかし、この場合も仮撚複合糸の繊維密
度が1.36g/cm3 以下に保たれることが肝要であ
る。
【0023】本発明において、仮撚が施されたときに、
原糸4が芯となり、原糸5が外層部となって原糸4に巻
付くように捩り伸されるためには原糸4と5との伸度差
は、少なくとも40%は必要である。
【0024】また、繊維密度が1.36g/cm3 以下の
複合糸を得るには、ポリエステル原糸4は、紡糸速度3
700m/min 以下で紡糸されたいわゆる部分配向糸
(POY)が適しており、また原糸5はそれより低い紡
速で紡糸された未延伸糸が好適である。
【0025】仮撚加工時の延伸倍率は、芯糸の伸度に応
じて設定されるが、伸度(倍)×0.65前後であるこ
とが好ましい。また、ヒーター9のセット温度は、加工
糸の密度を1.36g/cm3 以下に保つため、ポリエス
テルの結晶化開始温度(120℃)未満、好ましくはガ
ラス転移温度(85℃)未満が採用され、特に室温(2
0〜30℃)が最も好ましい。
【0026】用いる仮撚具10としては、低温加工のた
め、ディスク式あるいはベルト式の摩擦仮撚具が糸掛し
やすく、糸切れも少なくて適当であるが、空気式のピン
方式の仮撚具であってもよい。仮撚数は、芯糸4のまわ
りに外層糸(鞘糸ないし側糸)5を十分に捩り伸して巻
付け、捩り延伸を施すとともに糸長差を発生せしめるた
め、できるだけ多くした方がよく、仮撚数(T/m)=
(32500/√De)×αの式においてα=0.5〜
1.5が好ましく、通常はα=0.9〜1.1位とする
のがよい。
【0027】摩擦仮撚具を用いて仮撚を施す場合は、目
安として解撚張力/加撚張力の比を0.5〜1.2とす
ると、必要な仮撚数が得られ、通常は0.7〜1.0を
採用すればよい。
【0028】本発明において、仮撚加工の前または後で
交絡を付与する場合は、交絡点を10〜170個/m付
与するのが好ましく、仮撚前に交絡を付与する場合は仮
撚あるいは延伸仮撚によって交絡が消失しやすいので、
30個以上の交絡点を付与することが必要である。通常
は40〜120個/mが適当である。また、交絡は通常
の空気式インターレースノズルで付与するのがよい。
【0029】
【発明の作用】以上のようにして得られる複合仮撚糸
は、ポリエステルの結晶化開始温度未満で仮撚加工を施
されるため、繊維密度は、結晶化開始温度以上で加工し
た場合に1.385以上であるのに対して1.36g/
cm3 以下となり、特に、ガラス転移点以下で仮撚加工を
施した場合は、繊維密度が1.35g/cm3 以下とな
る。
【0030】そして、仮撚複合糸の沸水収縮率は、ポリ
エステル繊維からなる低伸度側のフィラメント糸より
も、ポリアミドを複合したポリエステル繊維からなる高
伸度側フィラメント糸の方が低くなる。
【0031】低伸度側フィラメント糸と高伸度側フィラ
メント糸との仮撚複合糸としての集合体構造は、基本的
には、仮撚加撚時の変形に起因し、低伸度側のフィラメ
ント糸を芯糸とし、その周囲に芯糸より多く捩り伸され
た分だけ糸長差の長くなった高伸度側のフィラメント糸
がとり囲むような構造をとる。この時発生する糸長差
は、高々10%であるが、ポリアミドの複合の比率が2
5%以上になると仮撚加工して解撚されたとき糸が弾性
回復し、糸長差が2%以下となり、実質的に糸長差のな
い複合糸となる場合もある。また、仮撚解撚後、熱セッ
トを施した場合も実質的に糸長差のない複合糸となる場
合もある。この意味では、本発明では便宜的に低伸度側
のフィラメント糸を芯糸と、また高伸度側のフィラメン
ト糸を鞘糸と称するものである。
【0032】更に、原糸は仮撚施撚時に、結晶化開始温
度(120℃)未満の温度しか受けないので、撚形態が
実質的には固定されず、捲縮率(TC)は高々3%まで
であり、通常は1.5%以下の値をとるようになる。
【0033】更に、仮撚加工の前または後で交絡を付与
した場合には、低伸度側フィラメント糸と高伸度側フィ
ラメント糸の間に交絡を与え、かつ交絡点が5〜150
個/m程度付与されると仮撚複合糸の取扱性や混繊性が
よくなる。
【0034】また、高伸度側の複合繊維は、その繊維表
面がポリエステルで被覆されているので、摩擦やしごき
に強く、フィブリル化し難く、アルカリ処理による極細
分割に際して布帛の表面と内層とで分割速度が大きく変
化するので、多様な布帛構造を形成できる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、伸度の異なる2種以上
のフィラメント糸からなり、ポリエステル繊維の結晶化
開始温度未満の温度で複合仮撚加工された低結晶性仮撚
複合糸の熱収縮特性が改良できる。即ち、高伸度側フィ
ラメント糸はポリエステルとポリアミドとの複合糸であ
るため、仮撚加工後の沸水収縮率を低伸度側ポリエステ
ル糸より低くすることができ、その結果、布帛が硬くご
わごわした風合になることを防止したり、着用時のひじ
ぬけ、ひざぬけ等の着用疲労の懸念をなくすことができ
る。
【0036】また、後工程の取扱性を格段に向上させる
ことができ、布帛の風合も超極細タッチで、しかも、反
撥と地締感のある高級感に富むものが得られる
【0037】
【実施例】以下、実施例について本発明を具体的に説明
する。実施例において、糸特性の測定は次の方法で行っ
た。糸の密度(δ) 密度勾配管を用いて、n−ヘプタン/四塩化炭素中で2
5℃で測定した。
【0038】捲縮率(TC),沸水収縮率(BWS) 約3000デニールの綛を作り、2mg/deの軽荷重およ
び0.1g/deの重荷重を負荷し1分間経過後の長さL
O を読み、直ちに重荷重を取り除き軽荷重をかけたまま
の状態で沸水中に入れ20分後に取り出し、軽荷重をは
ずして24時間自然乾燥する。このものに再び軽荷重お
よび重荷重を負荷し、1分間経過後の長さL2 を読み、
直ちに重荷重を取り除いた後1分間経過した後の長さL
3 を読む。捲縮率および沸水収縮率は次式によって計算
する。
【0039】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(25℃で測定した、オル
ソ−クロロフェノール中での極限粘度が0.64)を防
速3300m/min で溶融紡糸して得られた伸度125
%、密度1.344g/cm3 の50デニール12フィラ
メントのマルチフィラメント糸と、上記のポリエチレン
テレフタレートとナイロン6(35℃で測定した、メタ
クレゾール中での極限粘度が1.28)とを50:50
の比率で紡糸速度1500m/min にてコンジュゲート
紡糸して得られた伸度235%、密度1.206g/cm
3 、1フィラメント当り48層貼り合せ〔図1(b)の
形状〕の66デニール20フィラメントのマルチフィラ
メント糸とを引揃えて、オーバーフィード率1%,圧空
圧3kg/cm2 の条件下にインターレースノズルに導き、
60個/mの交絡を与えた後、室温(25℃)で、延伸
倍率1.45倍,摩擦仮撚装置のディスク表面速度を糸
速度の2.1倍として、250m/min の加工速度で延
伸仮撚加工し、巻取った。
【0040】得られた仮撚複合糸の物性は表1の通りで
あり、沸水収縮率についてみると、芯糸よりも鞘糸ない
し側糸(伸度の高い方のフィラメント糸)の方が低かっ
た。
【表1】
【0041】得られた仮撚複合糸を用いて、経糸として
右撚方向に600回/mの撚数を施こし、次いで65℃
にて糊付した。また、緯糸として右撚方向に600回/
mの撚を施こした。次に、経密度を63羽/3.79cm
の筬に5本入れとし、緯密度を133越/3.79cmと
して、織物組織を5枚朱子で重機を製織した。
【0042】以上の様に得られた重機を高圧ロータリワ
ッシャーに室温で投入し、リラックスしながら130℃
まで昇温し、そのまま20分間リラックスした。このリ
ラックス工程で織物は重機に対して表面積で44%収縮
した。リラックス工程の次に190℃で45秒間の条件
でプレセットを行なった後、#400のサンドペーパー
を用いてバッフイング起毛を施した。次いで、濃度18
g/リットルのアルカリ溶液中において15%の減量加
工を実施し織物表面の複合繊維を分割した後、染色工程
を通し、仕上セットを行なった。
【0043】製織工程で、ポリエステルとポリアミドを
貼合せた複合繊維がフィブリル化することはなく、糸切
れは普通のフィラメントと変りなく良好であった。
【0044】そして、アルカリ処理による貼合せ複合繊
維の分割の状態を調べてみると、織物表面では略100
%分割されていたが、織物の内層部では略70%の分割
であり、表面からアルカリ溶解の進んだ部分や真空の中
空部から溶解の進んだ部分もあって多様な分割状態をと
っていた。
【0045】得られた織物はスエードライクな表面タッ
チと共に反撥性と地締り感のある風合で高級感のあるス
エード調織物であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるポリエステルとポリアミドとを
複合した繊維の複合形態を例示する模式図
【図2】本発明を実施する装置を例示する模式図
【符号の説明】
1 ポリエステル 2 ポリアミド 3 ポリエステル 4 低伸度側のフィラメント糸 5 高伸度側のフィラメント糸 6 送りローラ 7 インターレースノズル 8 送りローラ 9 仮撚セットヒータ 10 仮撚具 11 引取りローラ 12 熱処理ヒータ 13 引取りローラ 14 巻取装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸度の異なる2種以上のフィラメント糸
    からなる仮撚複合糸であって、該複合糸を構成する全フ
    ィラメント糸の平均密度が1.36g/cm3 以下であっ
    て、低伸度側のフィラメント糸はポリエステル繊維から
    なり、高伸度側のフィラメント糸はポリエステルとポリ
    アミドとが貼合せ複合され、かつ該複合体の繊維表面が
    ポリエステルで被覆された形態を有する複合繊維からな
    り、かつ高伸度側フィラメント糸の沸水収縮率が低伸度
    側フィラメント糸の沸水収縮率より低いことを特徴とす
    る仮撚複合糸。
  2. 【請求項2】 仮撚複合糸に交絡点が5〜150個/m
    存在する請求項1記載の仮撚複合糸。
  3. 【請求項3】 伸度の異なる2種以上のフィラメント糸
    を引揃えて120℃未満の温度で仮撚加工を施すに際
    し、低伸度側のフィラメント糸にはポリエステル繊維を
    用い、高伸度側のフィラメント糸にはポリエステルとポ
    リアミドとが貼合せ複合され、かつ該複合体の繊維表面
    がポリエステルで被覆された形態を有する複合繊維を用
    いることを特徴とする仮撚複合糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 仮撚前または仮撚後の糸に10〜170
    個/mの交絡点を付与する請求項3記載の仮撚複合糸の
    製造方法。
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