JP6083032B2 - 液状流体通路用自在管継手及びそれを利用した液状流体物処理機器 - Google Patents
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Description
このように、ジャバラ管は、接続排気口と外部排気口との接続方向の芯ズレなどに対して調整自在でスムーズに対応させることができるなどから、このような接続においては有効な配管継手と言える。しかし、ジャバラ管は、管内面に細かな凸凹が存在しているために、通気抵抗が高くなるなどの室内空気の円滑な流通が望めない問題がある。
特に、調理中に発生する汚染空気を屋外に排気するレンジフードの外部配管用として、ジャバラ管を使用した場合などには、汚染空気中に含まれている油脂分が細かな凹凸の凸部への衝突が繰り返されることで、油脂分が管内に溜まり易くなり、火災保安上において好ましくないものである。
従って、従来にあっては、上記した建築基準法による規定された勾配を全ての当該配管層内で実現させることは、到底不可能な状況にあり、従って、かなりの部分の当該液状流体配管部が所定の勾配が設定されずに、場合によっては略平行状態で配設される箇所が多発することになるので、当該戸建住宅や高層住宅においては、少なくとも年1回は、高圧洗浄機等を利用して、当該液状流体配管部の内部を洗浄する必要があり、従って、管理・保全費用が高騰するという大きな欠点が存在しているのである。
係る関係は、当該戸建住宅や高層住宅の内部における配管に留まらず、当該戸建住宅や高層住宅から排出される生活排水を道路下等に埋設されている下水道本管に接続させる場合にも適用されるものであり、当該戸建住宅や高層住宅の地下部から当該下水道本管に至る複数個の配管部に設けられた複数の連結箇所でも同様の問題が発生している。
又、上記した自在エルボ管継手でも、角度の調整変化が小さく、且つ当該球状面を含む関節部における両者の嵌め合せ部分の重なり程度が小さいので、地震等の振動を十分吸収できず、制震性能に欠ける事から、当該管節部分が破壊されてしまうという問題を有していた。
例えば、特開平07−265973号公報(特許文献1)には、第1の直管部と当該第1の直管部の一方の端部に接続された内球状体から構成された第1の嵌合部とで構成された第1の接続構造部と、第2の直管部と当該第2の直管部の一方の端部に接続された、当該内球状体の外周面に嵌合する外球状体からなる第2の接続構造部とから構成されており、当該内球状体と当該外球状体が滑節的に接合している事に起因して、第1と第2の一方の直管部が他方の直管部に対して、規定形により若干角度の首振り動作が可能である様な構造を持つ自在継手が開示されている。
然も、当該特許文献1に開示されている自在継手は、エアコン等の気体流の排気を取り扱い目的で構成されているに過ぎず、従って、本発明が取り扱う液状流体の自在継手の様に、堅く、強度を強く設定し、耐震性や制震性を併せ持った柔軟でフレキシブルで、然も流水がその内部に絶対に滞留しない様な構造を要求される自在継手とは、全くかけ離れた、柔軟で軽量で簡単に曲げ加工ができ、連結される相互に隣接している直管部を含めて、適当に曲げて接続させる事が出来れば良いという考え方で構成されたものであるから、多少、つまり最大で30度も直管部の角度が変わればそれで十分なものでしかなく、本発明の液状流体用の自在継手とは全く構成、目的、効果の点で異なるものであり、且つ、当該第1の特許文献から発明が推考される事はあり得ないものである。
然しながら、上記した通り、当該特許文献2の自在継手に於いても、気体のみを取り扱い以上、本発明に係る自在継手の構成、目的及び作用効果に関しては、極めて顕著な相違がある事は言うまでも無く、更に付言するならば、当該特許文献2の自在継手の基本的な構成は、2個の球形の継手部を相互に嵌合させるに際し、各球形の継手部の最大直径部の軸線に対応する2か所で、旋回機構を介して接合する構成を基本とするものである為、それぞれの球形の継手部は、当該最大直径部の軸線を中心軸として一方向に旋回出来るに過ぎない構成を開示しているのみであり、その他の構成に関しては、全くの示唆も見られないのであるから、当該特許文献2から本発明の液状流体用の自在継手が推考されるはずはないばかりか、気体を取り扱い配管の自在継手としては、この程度の構造で全く十分である事を明らかにしたに過ぎないのである。
つまり、上記構成に於いて、「当該内球状体の中心点Pと当該直管部の中心軸線Zとを連結する直線X」と規定されてはいるが、当該直線Xは、当該球形中心点Pと当該直管部の中心軸線Zとが成す平面内に於いて無数に存在し得るのであって、このままの技術説明では、当該基準平面の配置位置、配置形状を特定する事が不可能である。
唯、同特許文献2に於ける別の具体例では、当該直線Xは、当該球形中心点Pと当該直管部の中心軸線Zとが成す平面内に於いて、当該中心点から当該直管部の中心軸線Zに対して直角に降ろした直線Wとのなす角度が26度或いは34度になる様に設定出来る旨が開示されているので、この構成を発明の必須構成要件とする場合には、当該発明の工業的実施が保証されることになるが、そうでない限り、当該特許文献2の発明は実施不能な発明を開示しているのみであり、如何なる後願の発明に対しても、有効な公知例になりうる事は不可能であると言わざるを得ない。
つまり、当該特許文献1及び2の何れにも、従来技術の問題点を解決する為に必要な技術情報は全く開示されておらず、それを示唆する記載も全く見当たらないのである。
その他、実用新案登録第3023017号公報(特許文献3)には、確かに本発明と同様に、液状流体流の配管接続に使用可能な球形自在継手が示されているが、単に内球体と外球体が相互に摺動的に嵌合した構造を持ち、且つその両球体間にパッキンを介在させる点迄は、本発明の字再継手の構成の一部と一致するものではあるが、当該特許文献3では、当該外球体が当該内球体を被覆する比率が極端に大きく、従って、直管部同志間の変更角度の範囲は著しく小さく、実用性に欠けると同時に、当該外球体は、半割り構造にしておき、その中に当該内球体を挿入してから、当該外球体を重ね合わせてねじで固定する構造となっているので、係る操作を現場で行うことは、難しく、作業能率の大幅低下をきたすに過ぎない継手である他、内部に流体を滞留させる構成となっているので、実用性に乏しいものであるにすぎない。
即ち、本発明の基本的な技術思想の第1の具体的な態様としては、液状流体用配管接合部に使用される自在継手であって、当該自在継手は、第1の直管部と当該第1の直管部の一方の端部に接続された球状体の一部を形成する湾曲体から構成された第1の嵌合部とで構成された第1の接続構造部と、第2の直管部と当該第2の直管部の一方の端部に接続された球状体の一部を形成する湾曲体から構成された第2の嵌合部とで構成された第2の接続構造部とから構成されており、当該第1と第2の嵌合部は、何れも当該第1及び第2の直管部の直径よりも大なる球径を有すると共に、相互に何れか一方が他方の内部に嵌合せしめられて、略全方向に摺動や回動が可能なように、当該第1と第2の嵌合部の球体中心部が相互に一致するように嵌合配置された構成を有しており、且つ、当該第1及び第2の直管部の中心軸線は、当該第1と第2の嵌合部の球体中心部を通過しないように偏心して配置されており、且つ、当該球体中心部と当該第1若しくは第2の直管部の中心軸線とが形成する平面でみた側断面図において、当該第1若しくは第2の直管部の内部表面の一部と当該第1若しくは第2の嵌合部の内部表面の少なくとも一部が連続状平面部を形成しており、然も、少なくとも当該第1若しくは第2の嵌合部における端部周縁部が、当該球体中心部と当該第1若しくは第2の直管部の中心軸線とが形成する第1の平面でみた側断面図において、当該球体中心部と当該直管部の中心線部とを結ぶ直線で、当該中心線部と30度乃至62度の範囲内の角度に設定された直線を含む、当該第1の平面と直交する第2の平面上に形成された当該球体内部の基準平面よりも当該直管部が接続されている側とは反対側の方向に、当該基準平面に形成されている当該球体部の最大径部長さに対して、21乃至23%の長さだけ、当該基準平面から離間した部位に形成されており、更に、当該第1若しくは第2の嵌合部に於ける球状体部の最大球径は、当該第1若しくは第2の直管部の直径よりも1.5乃至1.7倍の球径を有する様に設定されている事を特徴とする液状流体配管接合部用自在継手である。
更に、本発明の基本的な技術思想の第2の具体的な態様としては、上記した基本的な技術思想において、当該球体中心部と当該直管部の中心線部とを結ぶ直線の当該直管部の中心線部とのなす角度は38度乃至68度、より好ましくは40度乃至65度である事を特徴とする液状流体配管接合部用自在継手である。
尚、本発明に係る当該液状流体通路用自在管継手を一つのライン内で少なくとも2個併用することにより、当該自在継ぎ手の直管部間の自由揺動機能が発揮され、より耐震性効果を発揮する事が可能であるという作用効果を有するものである。
即ち、図1は、本発明に於ける基本的な技術思想の第1の具体的な態様としての当該液状流体通路用自在管継手100の基本的な構造の具体例を示す図であって、図中、配管接合部に使用される自在継手100であって、当該自在継手は、第1の直管部1と当該第1の直管部1の一方の端部に接続された球状体の一部を形成する湾曲体2から構成された第1の嵌合部3とで構成された第1の接続構造部4と、第2の直管部5と当該第2の直管部5の一方の端部に接続された球状体の一部を形成する湾曲体6から構成された第2の嵌合部7とで構成された第2の接続構造部8とから構成されており、当該第1と第2の嵌合部3、7は、何れも当該第1及び第2の直管部1、5の直径よりも大なる球径R1、R2を有すると共に、相互に何れか一方が他方の内部に嵌合せしめられて、全方向に摺動や回動が可能なように、当該第1と第2の嵌合部3、7の球体中心部Pが相互に一致するように嵌合配置された構成を有しており、且つ、当該第1及び第2の直管部1、5のそれぞれの中心軸線Z1、Z2は、当該第1と第2の嵌合部3、7の球体中心部Pを通過しないように偏心して配置されており、且つ、当該球体中心部Pと当該第1若しくは第2の直管部1又は5の中心軸線Z1又はZ2とが形成する平面S1でみた側断面図において、当該第1若しくは第2の直管部1又は5の内部表面の一部9、10と当該第1若しくは第2の嵌合部3、7の内部表面11の一部が連続状平面部を形成しており、然も、少なくとも当該第1若しくは第2の嵌合部3、7における端部周縁部12、13が、当該球体中心部Pと当該第1若しくは第2の直管部1、5の中心軸線Z1、Z2とが形成する第1の平面S1でみた側断面図において、当該球体中心部Pと当該直管部1、5の中心線部Z1、Z2とを結ぶ直線Wで、当該中心線部Z1又はZ2と30度乃至62度の範囲内の角度Fに設定された直線W0を含む当該第1の平面S1と直交する第2の平面S2上に形成された当該球体内部の基準平面Tよりも当該直管部1又は2が接続されている側とは反対側の方向Vに向けて、当該基準平面Tの最大径部長さR1又はR2に対して21乃至23%の長さLだけ、当該基準平面Tから離間した部位に形成されており、更に、当該第1若しくは第2の嵌合部3、7に於ける球状体部の最大球径R1、R2は、当該第1若しくは第2の直管部の直径X1、X2よりも1.5乃至1.7倍の球径を有する様に設定されている事を特徴とする液状流体配管接合部用自在継手100が示されている。
本発明に於ける当該液状流体通路用自在管継手100は、使用対象が適宜の気体であっても良く、又、適宜の液状流体であっても良い。
又、本発明に於ける当該液状流体通路用自在管継手100を構成する材料は、特に特定されるものではないが、例えば、金属、各種の一般的に使用されている合成樹脂、ガラス繊維或いは炭素繊維等を含む補強材を内蔵したFRP樹脂、セラミックス等で構成されたものであることが望ましい。
但し、当該第1の嵌合部3を使用液状流体の流れの方向に対して、下流側に使用し、当該第2の嵌合部8を使用液状流体の流れの方向に対して、上流側に使用する場合においては、当該第1の嵌合部3の当該直管部1の口径(内径)X1が、当該第2嵌合部8の当該直管部(上流側の直管部)5の口径(内径)X2よりも大きくなる様な条件である事が望ましい。
然しながら、本発明者は、更に鋭意検討を継続した結果、上記した先願の特許出願の構成要件とは異なる構成要件を含む当該液状流体配管接合部用自在継手でも、当該先願発明と同等或いはそれに匹敵する良好な性能を発揮する液状流体配管接合部用自在継手が存在する事が判明したので、当該新規な技術構成要件を含む当該液状流体配管接合部用自在継手について、新たに本願の特許出願を行う事にしたものである。
処で、本発明は、上記した従来の配管継手に於ける種々の問題点を解決すべく、鋭意検討を行い且つ多数の実験を繰り返し、本発明の目的を達成する為に必要な自在継手の構成の有るべき構成要件を追求した。
即ち、本発明は、当該自在継手の望ましい構成を追求する為に、当該自在継手に於ける多数の変更可能要素、例えば、当該第1と第2の直管部間の口径の比率が多種多様である事、当該当該第1と第2の直管部の各中心軸線と当該球体中心点とのオフセット長さの多様性、下流側の直管部の内部開口空間部を上流側の球体部の当該端部周縁部を閉鎖する比率、要求される旋回角度の多様性並びに、当該自在継手そのものの操作性或いは制震性或いは耐震性を含めた耐久性等の多数の要因を配慮しつつ、多数のモデル機器を作成し、検討した結果、当該球体内部の基準平面Tと、当該直管部1又は5の中心線Z1又はZ2とのなす角F、当該端部周縁部12、13が当該基準平面Tから離反している距離L或いは、当該球体内部の最大直径の長さR1又はR2の、当該管部1又は5の直径X1又はX2に対する比率の一つ或いは複数個を所望の値の範囲内に制限する事によって、略理想的な自在継手が得られる事が判明したのである。
つまり、本発明に係る当該第1の接続構造部4に於いては、当該基準面Tの傾斜状態が、当該球体中心部Pと当該第1の直管部1の中心軸線Z1とが形成する第1の平面S1でみた側断面図において、当該球体中心部Pと当該直管部1又は5の中心線部Z1とを結ぶ直線W0として表示されており、当該直線WOが、当該中心線部Z1と所定の角度Fに設定されている構造が示されており、又、図2(B)に於ける線B−4は、当該第1の直管部1と当該球体部2とが相互に接合されている部位を示す接続線である。
即ち、上記比率R1/X1が1.5以下である場合であって、且つ先願発明に於ける同比率R1/X1が1.2乃至1.5である場合には、先願発明の場合に比べて、若干の効果の低下が見られるが、同比率R1/X1が1.2以下になると、実用的な作用効果は得られなくなり、更に当該球形湾曲部の最大直径R1と当該第1の直管部の直径X1との実質的な差が無くなり、その結果、当該第2の直管部5の旋回角度が大幅に制約を受け、自在角度90度からの自在が不可能となる、つまり角度範囲が狭くなると同時に、当該当該第1の嵌合部3と当該第2の嵌合部7との相互に重畳する領域の面積が狭くなり、従って、後述する様なパッキン15を配置する事が不可能となると共に、当該2種の球状体同士の接触面での強度が低下し、且つ旋回駆動する際の安定性が低下することから、自在継手自体の強度或いは使用時の安定性が大幅に損なわれると言う欠点がある。
勿論、先願発明で規定されている当該比率R1/X1が2.0までは、先願発明の場合に比べて、そこそこの機能低下状態を示すものではある。
その為に、ストッパーを設置する必要が生ずるという欠点がある。
更には、係る条件の下で、当該第1の直管部の直径X1を大きくしたい場合には、当該第1の嵌合部3の当該球体部の直径が極端に大きくなるので、当該自在継手自体の大きさも大きくなるので、製造コストが増大する他、使用領域、つまり配管設置可能空間領域が大きくないと使用出来ないので、施工条件の自由度が大幅に制約されると言う問題も発生している。
従って、本発明に於いては、当該比率R1/X1は、1.5乃至1.7である事が好ましく、特に望ましくは、1.6である。
一方、本発明に於いて使用される当該第2の接続構造部8の具体的な構成は、図3(A)と図3(B)の側面図及び斜視図に示されている通りであり、その基本的な構成は、図2に示す当該第1の接続構造部4と実質的に略同一であり、又、上記比率R2/X2も1.5乃至1.7である事が好ましく、特に望ましくは、1.6であるである。
即ち、本発明に於ける当該特性値が1.5乃至1.7倍である場合には、最大角度や回転角度が自由に且つ十分な大きさを採る事が可能であり、当該重なり合い部分でもラップ部が十分形成されるので、強度的にも優れた自在継手となる。
但し、当該図3に於ける第2の接続構造部8の当該球体部6の外径が、当該図2に於ける第1の接続構造部4の当該球体部6の内径よりも極僅かに小さな長さに設定されていることが望ましい。
図4は、本発明に於ける上記した当該第1の嵌合部3と当該第2の嵌合部8との球体部2及び6を相互に嵌合させて自在継手を完成した場合の斜視図を示している。
本発明に於いては、当該球状体2、6の一方の湾曲状外表面と他方の湾曲状内表面との間の相互重畳面積数の判定基準として、「当該球体中心部Pと当該直管部1、5の中心線部Z1、Z2とを結ぶ直線Wで、当該中心線部Z1又はZ2と所定の角度Fに設定された直線W0を含む当該第1の平面S1と直交する第2の平面S2上に形成された当該球体内部の基準平面Tよりも当該直管部1又は2が接続されている側とは反対側の方向Vに向けて、離間している長さL」を採用したものである。
当該長さLは、実際には、当該球体部の湾曲面に沿って測定すべきではあるが、本発明に於いては、測定操作を簡易化する為に、図1に示す様に、当該第1の平面S1で見た側面図に於ける基準面Tから当該端部周縁部12又は13迄の長さで定義する事にしている。
即ち、当該長さLは、大きいほど、当該重畳面積が増加するので、強度或いは操作の安定性の面で有利ではあるが、一方で、技術的面や機能維持の面からの制約や製造コスト面からの制約が発生すると共に、その値をあまり小さくしすぎると、構造面での弱体化が発生するので、適切な範囲を設定する必要がある。
つまり、上記した当該端部周縁部12の設定位置として、当該球体内部の基準平面Tと平行に且つ当該球体内部の基準平面Tから離間させる距離Lを、当該球体部の最大径部長さR1に対して、例えば、10%以下に設定した場合には、当該球体内部の基準平面Tと当該端部周縁部12の間隔が短くなりすぎ、当該第1の嵌合部3と当該第2の嵌合部7に於ける球形部に於ける相互の重なり合いつまり重畳部分の面積が極端に小さくなり、その結果、パッキング15を配置する事が不可能となるばかりでなく、当該相互の重畳面積が小さくなる為に、両嵌合部間の摺動動作が不安定になると同時に、接合強度が弱体化して、嵌合部の球そのものが破断したり、外れ易くなると言う欠点が発生する。
更に加えて、当該長さLを30%以上に設定した場合には、例えば、図6(C)に示されている様に、当該第2の直管部5の端部周縁部13の一部が、当該第1の直管部1の開口部内部に点線Yで示す様に、侵入してしまい、その結果、流通する液状流体の流れを大きく阻害してしまい、配管内部の流通機能が麻痺してしまう事態を発生するので、係る事態が絶対に発生しないような条件を設定する必要がある。
本発明者は、係る技術思想に関し、既に述べた先の特許出願(特願2014−176641号)に詳細に開示を行っている。
即ち、本発明に於いては、上記のような、当該基準平面T(当該球体部内の最大内径部を有する部位)を超えた部分に、当該端部周縁部12を設ける為の拡大球形部を積極的に設ける事によって、本発明の目的がより確実に達成されることを確認したものである。
即ち、本発明に於ける当該技術構成要件に関して、最も効果が優れていると判断される当該特性値が20%のものでは、一部の自在継手に於いて双方の球状体部分の重なり合う部分(ラップ部分)に隙間が生じたり、使用中に割れ目が発生したりすることがなく、水漏れの危険や当該製品の破損が生じる恐れがない。
然しながら、当該特性値が15%以下となると、当該ラップ部分が少なくなり、20%程度の重なり状態を全方向で十分に確保する事が不可能となり、パッキング材を配置する部位を十分確保できないという問題が存在する。
然しながら、当該特性値が21%乃至23%の範囲のものであれば、当該特性値が20%であるものと比較しても、未だ十分な理想的自在継手を得られることは、実験等から明らかになっており、その他の特性値範囲に比べると、相当の高性能を発揮するものである事は言うまでもない。
従って、本発明に於ける当該特性値の範囲は、21%乃至23%と特定したものである。
即ち、本発明に於いては、上記のような、当該基準平面T(当該球体部内の最大内径部を有する部位)を超えた部分に、当該端部周縁部12を設ける為の拡大球形部を積極的に設ける事によって、本発明の目的がより確実に達成されることを確認したものである。
従って、本発明に於ける当該第1及び第2の嵌合部同志の相互に重なり合う部分は、当該第1又は第2の嵌合部における当該基準平面と当該端部周縁部の間に形成される外表部面積の略2倍に形成されている事になる。
尚、本発明における当該球体部の最大径部長さR1とR2とは実質的に同一であるが、当該球体部の最大径部長さR2は、第1の接続構造体4に於ける当該最大径部R1よりも、当該部材の厚み分だけ、例えば、0.3乃至1.0mm程度小さく設定する事は一般的である。
即ち、当該基準平面Tは、上記した通り、当該球体部2,6の中心部Pと当該直管部1の中心軸線Z1又はZ2を含む平面S1から見た側平面に於いて、当該球体部の中心部Pを通り、平面Sと直交し、且つ、当該直管部1の中心軸線Z1に所定の角度Fを持って交差する直線Wを含む、第2の平面S2上に形成されるものであり、当該所定の角度Fは、特に特定されるものではないが、その角度Fを適宜に変更することによって、図1に示す様に、例えば、任意の直線W0、W1、W2等が複数個が形成され得る。
本発明に於いては、発明者は、当該所定の角度Fを変化させることによって、当該直管部1と5との間の旋回許容範囲を最適な値に設定する事が可能であるとの予測を立て、その許容範囲を確認する為に、後述する様な多種多様なモデル実験を実行した。
その為、上記した通り、本発明者は、上記各構成要件をそれぞれ実行可能な範囲で変更して組み合わせた自在継手のモデルサンプルを多量に製造して、それぞれが示す特性、特に旋回性、旋回可能範囲、耐破断強度、耐久性等を検査し、係る大量の試験データを解析した結果、当該第1と第2の接続構造部4、8に於ける当該球状体2、6との間の相互重畳面積数、当該直管部1又は5の直径と当該球状体部2又は6の最大球径との比率及び当該基準面Tの当該直管部中心軸線との交差角度等を特定の範囲内に制限する事によって、理想的な自在継手が得られる事を知得したものである。
つまり、本発明者は、図6に示す様に、一方の直管部を固定状態に設定しておき、他方の直管部がどの程度に、どの方向に旋回移動するかを測定するための基準を以下の通り設定した。
即ち、図5(A)は、本発明に於ける当該液状流体通路用自在管継手100に於いて、当該基準平面Tが、当該第1の直管部1(内径が80φ)の中心軸線Z1とのなす角度Fを45度に設定した状態の基本構成に於いて、当該第1の嵌合部3に接続された第1の直管部1の中心軸線Z1と、当該第2の嵌合部7に接続された第2の直管部5(内径が50φ)の中心軸線Z2とが、上記した第1の平面S1で見た側面図に於いて、直角を示す様に当該両直間1と5が屈折配置されている状態を示したものである。
処で、本発明に於ける上記した当該球状体中心部と当該直管部の中心軸線とを結ぶ直線の当該直管部の中心軸線とのなす角度と言う構成要件に関しては、その決定は単独での設定は難しく、前記した2つの構成要件との組み合わせ関係により決定される事になる。
一方、当該角度Fを62度以上に設定した場合には、当該第1の直管部1に対する当該第2の直管部5の旋回角度範囲は、極端に狭くなり、自在継手として、第1の直管部1と第2の直管部5との間で任意の旋回角度を設定することが不可能となると言う問題がある。
然しながら、本発明者が更に詳細に且つ鋭意検討した結果、当該角度Fは、38度乃至68度、より好ましくは40度乃至65度の範囲することにより、当該直管部をより広範囲の旋回・回転・移動を実行させる事が可能な事を知得したものである。
従って、本発明に於ける当該当該角度Fは、38度乃至68度、より好ましくは40度乃至65度の範囲することが望ましい。
本発明に係る当該液状流体配管接合部用自在継手は、上記した新規且つ進歩性の大なる技術構成要件を結合して構成されたものである結果、施工現場に於いて、求められる旋回及び又は回転角度に、当該第1と第2の直管部を、自由に迅速にかつ容易に設定する事が出来ると言う、略全方向対応型の液状流体配管接合部用自在継手であり、係る自在継手は、従来全く存在しなかった継手である事は明らかである。
つまり、本発明に係る当該液状流体配管接合部用自在継手は、施工現場で求められる設定方向と設定角度に応じて、極めて自由に且つ容易に然も迅速にその形態に合致する様に当該直管部間の配置状態を変更する事が出来るのである。
即ち、表2は、当該設定角度Fを38度に設定し、当該第1の直管部1の口径X1を50mmから600mmに変化させ、当該第1嵌合部3の球体部の最大直径R1を80mmから960mmに変化させ、且つ当該球体内部の基準平面Tと当該端縁周縁部12との距離Lを当該球体部の最大球径R1に対して20%と設定し、更に、当該球体部の最大直径R1の直管部1の口径X1に対する比率R1/X1を1.6と設定した場合の実験結果を示したものであり、表2による実験結果によると、上記で定義した当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が75度〜103度で許容旋回角度は28であり、当該逆旋回角度Q2は150度〜178度で許容旋回角度は28であり、又、当該左右旋回角度Q3は、37度〜143度で許容旋回角度は106度が得られたと言う結果が示されている。
又、図8は、上記実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
係る結果をみると、上記した設定条件を変化させても、旋回性にはあまり大きな影響はなく、寧ろ当該設定角度Fが大きな機能上の影響を行使しているものと思われる。
又、図9は、上記実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
更に、表5は当該設定角度Fを38度に設定し、当該第1の直管部1の口径X1を50mmから600mmに変化させ、当該第1嵌合部3の球体部の最大直径R1を80mmから960mmに変化させ、且つ当該球体内部の基準平面Tと当該端縁周縁部12との距離Lを当該球体部の最大球径R1に対して10%と設定し、更に、当該球体部の最大直径R1の直管部1の口径X1に対する比率R1/X1を1.6と設定した場合の実験結果を示したものであり、表
5による実験結果によると、上記で定義した当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が78度〜102度で許容旋回角度は24であり、当該逆旋回角度Q2は168度〜192度で許容旋回角度は24であり、又、当該左右旋回角度Q3は、37度〜143度で許容旋回角度は106度が得られたと言う結果が示されている。
又、図11は、上記実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
尚、本実験例では、ストッパーを設ける必要がある事が分かった。
6による実験結果によると、上記で定義した当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が72度〜108度で許容旋回角度は36であり、当該逆旋回角度Q2は161度〜197度で許容旋回角度は36であり、又、当該左右旋回角度Q3は、37度〜143度で許容旋回角度は106度が得られたと言う結果が示されている。
又、図12は、上記実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
7による実験結果によると、上記で定義した当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が80度〜106度で許容旋回角度は26であり、当該逆旋回角度Q2は180度〜206度で許容旋回角度は26であり、又、当該左右旋回角度Q3は、37度〜143度で許容旋回角度は106度が得られたと言う結果が示されている。
又、図13は、上記実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
8による実験結果によると、上記で定義した当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が80度〜98度で許容旋回角度は18であり、当該逆旋回角度Q2は171度〜189度で許容旋回角度は18であり、又、当該左右旋回角度Q3は、25度〜155度で許容旋回角度は130度が得られたと言う結果が示されている。
然しながら、上記実験に於いては、当該端縁周縁部12との距離Lを当該球体部の最大球径R1に対して30%と設定したが、旋回許容範囲は当該角度Q1とQ2で、僅かに18度しか得る事が出来なかったので、機能性及び実用性の面では、多くが期待出来ない自在継手である事が判明した。
上記した多数の実験結果並びにそれらに対する各種の考察を総合的に判断する事によって、本発明に於ける当該所定の角度Fは30度乃至62度の範囲に設定することが望ましく、好ましい具体例では、当該角度Fを38度乃至52度に設定するものであり、特に好ましくは、45度に設定し、それによって形成された直線W0を当該基準平面Tの基礎として使用したものである。
即ち、表9は、本発明に於ける当該比率R1/X1を1.5と設定した場合の実験結果を示したものであり、表9に於いては、更に、当該球体内部の基準平面Tと当該端縁周縁部12との距離L1(mm)を当該球体部の最大球径R1に対して18%から25%の間で変化させると同時に、当該設定角度Fがそれぞれの設定条件に於いて、最大範囲で取りうる角度を勘案して設定し、その結果である3種類の最大許容範囲の回転角度を測定した結果を示すものである。
即ち、上記した実験によれば、当該距離L1(mm)を18%に設定したものでは、当該設定角度Fは、最大限許容される角度範囲は41度から70度であり、それ以上或いはそれ以下の角度範囲を採る事は物理的に困難な状況であった。
即ち、表9による実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が41度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、82度〜110度で許容旋回角度は28度であり、当該逆旋回角度Q2は152度〜180度で許容旋回角度は28度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、82度〜180度で許容旋回角度は98度が得られたと言う結果が示されている。
然しながら、上記実験に於いても、当該端縁周縁部12に於けるラップ部の範囲が小さい事から、強度に問題がある事が判明した。
又、上記した実験によれば、当該距離L1(mm)を21%に設定したものでは、当該設定角度Fは、最大限許容される角度範囲は44度から65度であり、それ以上或いはそれ以下の角度範囲を採る事は物理的に困難な状況であった。
そして、当該表9による他の実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が44度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、87度〜109度で許容旋回角度は22度であり、当該逆旋回角度Q2は157度〜180度で許容旋回角度は23度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、87度〜157度で許容旋回角度は93度が得られたと言う結果が示されている。
係る実験結果より、上記両実験に於いては、前記した当該液状流体接続配管用自在継手として、略理想的な機能及び特性を備えているものである事が判明した。
又、図25は、上記2つの実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
又、上記した実験によれば、当該距離L1(mm)を22%に設定したものでは、当該設定角度Fは、最大限許容される角度範囲は46度から64度であり、それ以上或いはそれ以下の角度範囲を採る事は物理的に困難な状況であった。
一方、上記で定義した当該角度範囲が64度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、110度〜127度で許容旋回角度は17度であり、当該逆旋回角度Q2は180度〜197度で許容旋回角度は17度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、110度〜197度で許容旋回角度は87度が得られたと言う結果が示されている。
係る実験結果より、当該所定の角度Fを46度に設定した具体例では、90度からの変化が出来ないという若干の欠点は見られるが、当該所定の角度Fを64度に設定した具体例ともども、前記した当該液状流体接続配管用自在継手として、略理想的な機能及び特性を備えているものである事が判明した。
又、図26は、上記2つの実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
即ち、表9による実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が46度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、95度〜110度で許容旋回角度は15度であり、当該逆旋回角度Q2は164度〜180度で許容旋回角度は16度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、95度〜180度で許容旋回角度は85度が得られたと言う結果が示されている。
又、上記で定義した当該角度範囲が64度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、110度〜127度で許容旋回角度は17度であり、当該逆旋回角度Q2は180度〜198度で許容旋回角度は18度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、110度〜198度で許容旋回角度は88度が得られたと言う結果が示されている。
係る実験結果より、当該所定の角度Fを46度に設定した具体例では、90度からの変化が出来ないという若干の欠点は見られるが、当該所定の角度Fを64度に設定した具体例ともども、前記した当該液状流体接続配管用自在継手として、略理想的な機能及び特性を備えているものである事が判明した。
次に、上記した実験に於いて、当該距離L1(mm)を25%に設定したものでは、当該設定角度Fは、最大限許容される角度範囲は51度から61度であり、それ以上或いはそれ以下の角度範囲を採る事は物理的に困難な状況であった。
即ち、表9による実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が51度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、100度〜110度で許容旋回角度は10度であり、当該逆旋回角度Q2は169度〜179度で許容旋回角度は10度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、100度〜179度で許容旋回角度は79度が得られたと言う結果が示されている。
又、上記で定義した当該角度範囲が61度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、110度〜120度で許容旋回角度は10度であり、当該逆旋回角度Q2は179度〜189度で許容旋回角度は10度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、110度〜189度で許容旋回角度は79度が得られたと言う結果が示されている。
然しながら、上記した2つの具体例に於いては、何れも、回転可動範囲が極めて小さく、実用性が殆ど見られない製品であった。
次に、表10は、本発明に於いて、当該比率R1/X1を1.6と設定した場合の実験結果を示したものであり、表10に於いては、更に、当該球体内部の基準平面Tと当該端縁周縁部12との距離L1(mm)を当該球体部の最大球径R1に対して18%から25%の間で変化させると同時に、当該設定角度Fがそれぞれの設定条件に於いて、最大範囲で取りうる角度を勘案して設定し、その結果である3種類の最大許容範囲の回転角度を測定した結果を示すものである。
即ち、上記した実験によれば、当該距離L1(mm)を18%に設定したものでは、当該設定角度Fは、最大限許容される角度範囲は32度から70度であり、それ以上或いはそれ以下の角度範囲を採る事は物理的に困難な状況であった。
又、上記で定義した当該角度範囲が70度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、104度〜138度で許容旋回角度は34度であり、当該逆旋回角度Q2は180度〜213度で許容旋回角度は33度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、110度〜208度で許容旋回角度は98度が得られたと言う結果が示されている。
然しながら、上記した何れの実験に於いても、当該端縁周縁部12に於けるラップ部の範囲が小さい事から、強度に問題がある事が判明した。
又、図29は、上記2つの実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
そして、当該表10による他の実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が39度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、87度〜105度で許容旋回角度は27度であり、当該逆旋回角度Q2は152度〜180度で許容旋回角度は28度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、78度〜180度で許容旋回角度は102度が得られたと言う結果が示されている。
一方、上記で定義した当該角度範囲が67度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、105度〜132度で許容旋回角度は27度であり、当該逆旋回角度Q2は180度〜207度で許容旋回角度は27度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、105度〜207度で許容旋回角度は102度が得られたと言う結果が示されている。
係る実験結果より、上記両実験に於いては、前記した当該液状流体接続配管用自在継手として、略理想的な機能及び特性を備えているものである事が判明した。
又、図30は、上記2つの実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
そして、当該表10による他の実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が40度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、80度〜105度で許容旋回角度は26度であり、当該逆旋回角度Q2は154度〜179度で許容旋回角度は26度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、87度〜179度で許容旋回角度は99度が得られたと言う結果が示されている。
一方、上記で定義した当該角度範囲が65度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、105度〜131度で許容旋回角度は26度であり、当該逆旋回角度Q2は179度〜205度で許容旋回角度は26度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、105度〜205度で許容旋回角度は100度が得られたと言う結果が示されている。
係る実験結果より、上記両実験に於いては、何れも前記した当該液状流体接続配管用自在継手として、略理想的な機能及び特性を備えているものである事が判明した。
又、図31は、上記2つの実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
そして、当該表10による他の実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が41度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、82度〜105度で許容旋回角度は23度であり、当該逆旋回角度Q2は155度〜180度で許容旋回角度は25度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、82度〜180度で許容旋回角度は98度が得られたと言う結果が示されている。
一方、上記で定義した当該角度範囲が64度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、105度〜128度で許容旋回角度は23度であり、当該逆旋回角度Q2は180度〜203度で許容旋回角度は23度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、105度〜203度で許容旋回角度は98度が得られたと言う結果が示されている。
係る実験結果より、上記両実験に於いては、何れも前記した当該液状流体接続配管用自在継手として、略理想的な機能及び特性を備えているものである事が判明した。
又、図32は、上記2つの実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
即ち、表9による実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が42度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、84度〜105度で許容旋回角度は21度であり、当該逆旋回角度Q2は160度〜179度で許容旋回角度は19度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、84度〜179度で許容旋回角度は95度が得られたと言う結果が示されている。
係る実験結果より、上記両実験に於いては、何れも前記した当該液状流体接続配管用自在継手として、略理想的な機能及び特性を備えているものである事が判明した。
又、図33は、上記2つの実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
即ち、表9による実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が45度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、89度〜104度で許容旋回角度は15度であり、当該逆旋回角度Q2は164度〜180度で許容旋回角度は16度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、89度〜180度で許容旋回角度は91度が得られたと言う結果が示されている。
又、上記で定義した当該角度範囲が60度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、104度〜120度で許容旋回角度は16度であり、当該逆旋回角度Q2は180度〜196度で許容旋回角度は16度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、104度〜196度で許容旋回角度は92度が得られたと言う結果が示されている。
然しながら、上記した2つの具体例に於いては、何れも、回転可動範囲が極めて小さく、実用性が殆ど見られない製品であった。
一方、表11は、本発明に於いて、当該比率R1/X1を1.7と設定した場合の実験結果を示したものであり、表11に於いては、更に、当該球体内部の基準平面Tと当該端縁周縁部12との距離L1(mm)を当該球体部の最大球径R1に対して18%から25%の間で変化させると同時に、当該設定角度Fがそれぞれの設定条件に於いて、最大範囲で取りうる角度を勘案して設定し、その結果である3種類の最大許容範囲の回転角度を測定した結果を示すものである。
即ち、上記した実験によれば、当該距離L1(mm)を18%に設定したものでは、当該設定角度Fは、最大限許容される角度範囲は33度から69度であり、それ以上或いはそれ以下の角度範囲を採る事は物理的に困難な状況であった。
即ち、表11による実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が33度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、65度〜102度で許容旋回角度は37度であり、当該逆旋回角度Q2は145度〜182度で許容旋回角度は37度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、65度〜182度で許容旋回角度は117度が得られたと言う結果が示されている。
然しながら、上記した何れの実験に於いても、当該端縁周縁部12に於けるラップ部の範囲が小さい事から、強度に問題がある事が判明した。
又、図35は、上記2つの実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
そして、当該表11による他の実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が35度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、71度〜100度で許容旋回角度は29度であり、当該逆旋回角度Q2は150度〜179度で許容旋回角度は29度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、71度〜179度で許容旋回角度は108度が得られたと言う結果が示されている。
一方、上記で定義した当該角度範囲が65度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、100度〜130度で許容旋回角度は30度であり、当該逆旋回角度Q2は179度〜209度で許容旋回角度は30度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、100度〜209度で許容旋回角度は109度が得られたと言う結果が示されている。
係る実験結果より、上記両実験に於いては、何れも前記した当該液状流体接続配管用自在継手として、略理想的な機能及び特性を備えているものである事が判明した。
更に、上記した実験によれば、当該距離L1(mm)を22%に設定したものでは、当該設定角度Fは、最大限許容される角度範囲は37度から64度であり、それ以上或いはそれ以下の角度範囲を採る事は物理的に困難な状況であった。
そして、当該表11による他の実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が37度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、75度〜98度で許容旋回角度は23度であり、当該逆旋回角度Q2は153度〜180度で許容旋回角度は25度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、75度〜180度で許容旋回角度は105度が得られたと言う結果が示されている。
係る実験結果より、上記両実験に於いては、何れも前記した当該液状流体接続配管用自在継手として、略理想的な機能及び特性を備えているものである事が判明した。
又、図37は、上記2つの実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
即ち、表11による実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が39度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、79度〜101度で許容旋回角度は21度であり、当該逆旋回角度Q2は160度〜179度で許容旋回角度は22度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、79度〜180度で許容旋回角度は101度が得られたと言う結果が示されている。
又、上記で定義した当該角度範囲が62度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、101度〜123度で許容旋回角度は22度であり、当該逆旋回角度Q2は180度〜203度で許容旋回角度は23度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、101度〜203度で許容旋回角度は102度が得られたと言う結果が示されている。
係る実験結果より、上記両実験に於いては、何れも前記した当該液状流体接続配管用自在継手として、略理想的な機能及び特性を備えているものである事が判明した。
又、図38は、上記2つの実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
即ち、表11による実験結果によると、上記で定義した当該角度範囲が41度の場合であると、当該第2の直管部5の正旋回角度Q1が、82度〜101度で許容旋回角度は19度であり、当該逆旋回角度Q2は159度〜181度で許容旋回角度は22度であり、又、当該左右旋回角度Q3は、82度〜181度で許容旋回角度は99度が得られたと言う結果が示されている。
然しながら、上記した2つの具体例に於いては、何れも、当該端縁周縁部12に於けるラップ部の範囲が小さい事から、強度に問題があると同時に、回転可動範囲が極めて小さく、実用性が殆ど見られない製品であった。
又、図39は、上記2つの実験に於ける、当該第1の直管部1に対して、当該第2の直管部5がどの様に、旋回可能であるかを示す図である。
即ち、当該角度Fを38度以下に設定した場合には、当該第1の直管部1に対する当該第2の直管部5の旋回角度範囲は大きく採れるが、反対に、当該第1と第2の嵌合部に於ける双方の当該球形同志の重畳面積(範囲)が小さくなるので、例えば、パッキン15の設定が不可能になると同時に、当該両嵌合部間の相互の強力や安定した摺動動作が不可能となる欠点が発生する。
従って、本発明に於いては、当該角度Fは、38度乃至68度、より好ましくは40度乃至65度に設定することが望ましく、特に好ましくは、当該角度Fを45度に設定するものである。
即ち、本発明に於ける一具体例にあっては、当該第1及び第2の嵌合部3,7に於ける外側に配置される側の嵌合部の内部表面部と内側に配置される側の嵌合部の外表面との間であって、かつ当該基準平面Tと当該端部周縁部12,13との間に、パッキン部15を配置するものである。
本発明に於いて使用される当該パッキング材15の断面形状や材質は特に特定されるものではないが、構成材料として、圧縮弾性を有し、摩擦係数の大なる材料を使用する事が好ましく、又、水膨張性を有する材料を使用する事も望ましい。
当該環状溝部15が設けられている当該延長された当該第1の嵌合部3の領域部の内周壁部に対応する外表面部には、適宜の補強用環状突起部15’が適宜の形状を持って配置されているものであっても良い。
即ち、本発明に於いて使用される当該パッキング材15は、基本的には、水分を吸収して膨張する特性を有する材料で形成されている事が好ましく、当該素材としては特に特定されるものではなく、公知の材料を使用する事が可能である。
一方、本発明に於いて使用される当該パッキン部15は、扁平帯状の環状体で構成されており、当該パッキン部15は、その外側外表面19は、当該外側に配置される側の嵌合部3の内部表面部3’の一部に保持されており、当該パッキン部15の内側表面14は、当該嵌合部3の内で、内側に配置される側の嵌合部7の外表面7’と接触するものであり、且つ、当該パッキン部15の当該嵌合部3の内で、内側に配置される側の嵌合部7の外表面7’と接触する面に、当該嵌合部3の内壁周縁に沿って、少なくとも一本の環状連続溝部16が、設けられているものである。
当該パッキン部は、当該外側に配置される側の嵌合部の内部表面部の一部に形成されている当該環状の凹陥状溝部16内に嵌合され、保持されている。
一方、当該パッキン部15は、当該帯状体に形成された環状体の外側外表面部19に、所定の厚みを有する硬質性材料で構成された環状補強層17が設けられている事が好ましい具体例である。
係る補強材17を併用する事により、当該パッキン部15を安定した状態で当該溝部16内に保持出来ると同時に、当該パッキン部15のコストの低減化と耐久性の向上に貢献する事が出来る。
本発明に於いて、当該パッキン部15に上記した凹陥状溝部18を形成させておく事により、実際に、当該パッキン部15が他方の嵌合部7の外部表面部6と接圧背触する際に、図(B)22に示す様に、当該凹陥状溝部18が変形して圧縮されるので、当該パッキン部15に於ける当該他方の嵌合部7の外部表面部6との接触面14は変形することなく、完全に当該他方の嵌合部7の外部表面部6密着する事が出来るので、完全な防水性、遮水性を発揮する事が可能となる。
更に、本発明に係る当該パッキン部15の構成上の特徴としては、当該外側に配置される側の嵌合部3の外部表面部3”であって、当該外側に配置される側の嵌合部3の内部部表面部3’に於ける当該環状の凹陥状溝部16が形成されている部位に対向する部分に外方膨出部15’が設けられている事も好ましい具体例である。
係る構成を採用する事により、当該パッキン部15を配置した部分を補強する事が可能であり、全体的な強度の向上が期待できる。
処で、当該第2の接続構造部8の基本的構造は前記した通りであり、特には、当該第2の嵌合部7にける球形湾曲部の最大直径R2は、当該第2の直管部5の直径X2よりも1.5乃至1.7倍大きくなる様に設定することが望ましく、特に好ましくは、その球形湾曲部の最大直径R2は、当該第2の直管部の直径X2よりも1.6倍となるように設定するものである。
図4は、図1に対応する、本発明における当該第1の接続構造部4と第2の接続構造部8とを嵌合接続させて構成された当該液状流体通路用自在管継手100の斜視図である。
尚、同図中、符号20は、当該第2の接続構造部8における当該第2の嵌合部7におけるスライド面を示している。
そして、本発明に於ける当該液状流体通路用自在管継手100の特徴の一つは、上記した様に、当該第1及び第2の嵌合部3と7同志の相互に重なり合う部分の面積或いはその大きさが、当該第1の嵌合部3における当該基準平面Tと当該端部周縁部12との間に形成される外表部分の面積の略2倍に形成されている事であり、係る構成を採用した事により、当該第1及び第2の嵌合部3と7の接合強度を向上させ、且つ双方間における相互の摺動操作や回動操作がスムーズに実行され、安定した操作が実現されると共に、当該嵌合部で、外的要因からなる衝撃や振動を効果的に吸収することが可能であるので、制震性及び耐震性が向上する。
即ち、図1に示す様に、本発明に係る当該液状流体通路用自在管継手100に於いては、当該第1若しくは第2の直管部1、5の内部表面9の一部と、当該第1若しくは第2の嵌合部3、7の内部表面10の一部が連続状平面部11を形成しているものであり、又、係る部分は、当該液状流体通路用自在管継手100に於ける当該第1の直管部1の下端部分に形成されることが特に望ましい。
係る構成を採用することによって、作業者は、工事現場に於いて、当該液状流体通路用自在管継手100に設けられた当該標識部21のある部分を容易に下側に向けて配置、配列させることにより、使用される各種液状流体の流れを効率化させる事が出来る。
つまり、本発明に於いては、当該標識部21は、当該自在継手を施工する場合に、当該標識部21の位置が当該自在継手100の最下部となるように配置する様に指示を報知する機能が付与されているものである。
即ち、当該液状流体配管内部に一部の液状流体が滞留するだけでも、全体の配管システムに液状流体の流れに不良状態を発生させることになるので、当該個所を配管工事を行う際に当該標識部を配管時に、必ず下向きになるように設置工事を行うことにより、常に、液状流体配管内部にスムーズな流れを生起させ、且つそれを維持させることが可能となる。
一方、本発明に係る当該液状流体通路用自在管継手100に於ける当該第1及び第2の嵌合部3、7において、外側に配置される当該嵌合部3の当該湾曲体2の内部球径は、内部に配置される当該嵌合部7の当該湾曲体6の外部球径よりも、当該両者が相互に容易に水密的に摺動並びに回動が可能な程度に僅かに大きな長さ(ミクロンオーダー)に設定されている事が望ましい。
本発明に於ける他の具体例としては、図3に示す様に、当該第1及び第2の嵌合部3,7の内で、内側に嵌合される当該嵌合部の当該球体部2,6の外表面の少なくとも一部に、当該第1及び第2の嵌合部の内で、外側に嵌合される当該嵌合部の端部周縁部12,13の少なくとも一部と当接する少なくとも一つのストッパー部30,31を設けた事は望ましい具体例である。
そして、当該ストッパー部30,31は、点状突起部或いは連続した凸状畝部で構成されている事が望ましい。
更に別の具体例に於いては、図15に示す様に、例えば、当該第1の嵌合部3が下流側に配置され、当該第2の嵌合部7が上流側に配置される場合であって、且つ当該第2の嵌合部7に設けられている当該第2の直管部5の口径が当該第1の嵌合部3に設けられている当該第1の直管部1の口径よりも小さい場合に於いては、当該ストッパー部30は、当該第2の嵌合部7の当該球体部6の外部平面7上であって、且つ、仮に、当該第1の嵌合部3に接続されている当該第1の直管部1の口径と同じ口径を有する第2の直管部55が当該第2の嵌合部7で使用されたと仮定した場合に於ける、当該仮の第2の直管部55と当該第2の嵌合部7の当該球体部6とが接合した場合に規定される仮想接続線32に沿って、湾曲状に配置される事が好ましい。
此処で、本発明に係る当該液状流体通路用自在管継手100を使用した液状流体配管の屋内或いは地中に於ける接続作業について、従来の方法と比較して見ると、先ず、前記した通り、従来の方法に於いては、図16に示す様に、例えば、建物のスラブ(床)91と天井部92との間に形成された配管層部93は、一般的には、建物の建築コストを低減させる為に、極めて狭い空間領域で構成されており、従って、当該スラブ91を貫通してきた直管部94の端部と、建物の外壁部101と内壁部120との間の同じく狭い配管層93’内を上層階から下層階に向けて略垂直に配列されている排水用本管96の当該配管層部93に位置する当該排水用本管96の開口部108とを、適宜の直管部95で連結接続させ、液状流体移動通路を完成させるものであるが、従来に於いては、例えば、90度エルボ管103、104等を使用して連結する事になるが、当該配管層部93内は極めて狭くなっているので、当該90度エルボ管を使用して、当該直管部95に所定の勾配を付与しながら連結作業を完了させる事は不可能であり、その為、従来では、一般的に図17に示す様に、一つの連結部分で、2個の当該90度エルボ管103、104を使用して、その中間部分に別の直管部110を介して、それぞれの連結部に於ける当該90度エルボ管103、104の配置向きを選択し調整をしながら、当該直管部94の端部と当該排水用本管96の一方の端部とを連結接続すると共に、同様の方法で、2個の当該90度エルボ管105、106並びに中間直管部111を使用して、当該排水用本管96の一方の端部と当該排水用本管96の開口部108とを連結接続する。
その際、当該配管層部93内や当該配管層93’内が狭い為に、一部の90度エルボ管104、105を横方向に展開させて連結作業を実行出来ない場合が多く、従って、当該直管部95に所定の勾配を付与する事が出来ず、当該直管部95は、所定の勾配を形成しない形で配管操作を終了してしまう場合が多々見られていた。
これに対し、本発明に於いては、図18に示す通り、本発明の技術思想の下に製作された当該液状流体通路用自在管継手100を使用して、直接当該直管部94と直管部95、96及び直管部97とを、必要な角度調整を施しながら容易に且つ短時間で、当該狭い配管層93内の空間領域でも所定の勾配を付与しながら、迅速に配管接続作業を実行する事が可能となる。
屋外に配置されている排水桝部102の排水受け口112との連結に際しても、当該直管部97の開口端部と排水桝部102の排水受け口112に配置されている直管部とを液状流体通路用自在管継手100を使用して配管接続を完了させる事になる。
更に、図19に示す様に、図14の排水桝部102から当該排水を当該排水桝部102設けられている排出水用の直管部103から道路等の地下面に設置されている下水道本管107に排水するための一つ或いは複数個の連結管部群104乃至106の間を適宜の間隔で、本発明に係る当該液状流体通路用自在管継手100を使用して配管接続する事が可能である。
更に、本発明に係る当該液状流体通路用自在管継手100は、全体の強度が高く相当の外力を受けた場合でも破壊や破断若しくは抜け落ちが防止でき、且つ外部からの振動に対しても、吸収力に優れている。
特に、少なくとも2個の当該液状流体通路用自在管継手100を所定の直管部の両端に一対で使用する場合には、当該両者の液状流体通路用自在管継手100のそれぞれの振動吸収力が相乗効果を発揮して、制震性及び/又は耐震性に優れた配管システムを構築する事が可能である。
即ち、図18及び図19に示す配管施工方法により、従来方法では得られなかった、耐震性に優れた配管構造とそのシステムが完成するのである。
図20及び図21も制震性及び耐震性に優れた配管構造とそのシステムの別の具体例の配管施工例を示すものである。
つまり、建物配管において、地震による振動を吸収する効果を有する自在管継手100を各フロア-毎に設ける事、収縮性に対しては、やりとり補修ソケット(収縮継手とも称される)を組み合わせる構成、あるいは、固定支持で管を締め付ける場合は、管に傷を付けないようバント内にフェルトなどを使用して自在管継手100の下・手前に使用する事、更には、埋設管に対しては、自在管継手100を1箇所でも耐震吸収するが、2箇所以上設ける事で、より一層制震性及び耐震性能を発揮できる。
即ち、本発明に於いては、下水、生活排水、雨水等を含む液状流体物の流動処理に使用される配管本体、受口枝付管、自在支管、マス部材、マンホール等を含む液状流体物処理機器であって、当該液状流体物処理機器の少なくとも一部から外方に向けて突出して設けられている少なくとも一本の支管部、若しくは、当該液状流体物処理機器の少なくとも一部に取り付けて使用する支管部を含む支管部材の少なくとも一部に、上記した通りの構成を有する液状流体配管接続用自在継手100が取り付けられている事を特徴とする液状流体物処理機器300乃至305である。
例えば、図23(A)は、受口下枝付横継ぎ手タイプの下水本管300の側面に少なくとも一本の支管部310が取り付けられた下水本管300が示されている。
係る具体例に於いては、当該下水本管300、301の側面に設けられている少なくとも一本の支管部310、311の代わりに、直接当該液状流体通路用自在管継手100の一方の直管部1又は5の先端部を当該下水本管300、301の側面に接合させる事も可能である。
当該取り付け型の自在支管継手303は、湾曲状に形成された接合支持板部304とその表面の一部に取り付けられた支管部312とで構成されたものであり、支管部312を、取り付けたい当該下水本管300やマンホール部306の外表面の一部に適宜の穴部を形成し、当該穴部を当該接合支持板部304で覆う様に適宜の接着剤で接合固定する為の部材である。
従来では、係る液状流体物処理機器に於ける当該支管部は、その使用用途や現場の各配管の配置状況に応じて、様々な方向に取り付けられたものを使用する必要があることから、当該各液状流体物処理機器は、ぞれぞれ、当該支管部の取り付け方向を相互に異にした複数種類の液状流体物処理機器を製造し、顧客の需要に答えていたが、品種管理の複雑化や保管を含めたコスト増加をきたすという問題があった。
2、6:球状体の一部を形成する湾曲体
3:第1の嵌合部
3’ :内部表面部
3” :外部表面部
4:第1の接続構造部
5:第2の直管部
7:第2の嵌合部
7’ :第2の嵌合部の外表面
8:第2の接続構造部
9、10:内部表面の一部
11:連続状平面部
12、13:端部周縁部
14:パッキン部の内側表面
15:パッキン部材
15’ :補強用環状突起部
16:環状連続溝部
17:環状補強層
18:凹陥状溝部
19:外側外表面
20:第2の接続構造部の第2の嵌合部7におけるスライド面
21:標識部
30,31:ストッパー部
32:仮想接続線
35:直管部に於ける自由端部側の端縁部近傍周辺部
36:パッキング材
55:仮の第2の直管部
91:スラブ(床)
92:天井部
93、93’ :配管層部
94:直管部
95:直管部
96:排水用本管
97:直管部
100:液状流体通路用自在管継手
101:外壁部
102:排水桝部
103、104:90度エルボ管
105、106:90度エルボ管
107:90度エルボ管
108:開口部
112排水受け口
120:内壁部
300:受口下枝付横継ぎ手タイプの下水本管
301:受口下枝付経継ぎ手タイプの下水本管
303:取り付け型の支管継手支管継手
304:接合支持板部
306,307:マンホール部、塩ビマス部
310、311、312、313,315,317:支管部
320:漏斗状部
R1、R2:球径
Z1、Z2:中心軸線
P:球体中心部
S1:第1の平面
S2:第2の平面
T:球体内部の基準平面
F:中心線部と基準平面とのなす角度
L:端部周縁部と基準平面との長さ(距離)
Q1:正旋回角度
Q2:逆旋回角度
Q3:左右旋回角度
Claims (18)
- 液状流体用配管接合部に使用される自在継手であって、当該自在継手は、第1の直管部と当該第1の直管部の一方の端部に接続された球体部の一部を形成する湾曲体から構成された第1の嵌合部とで構成された第1の接続構造部と、第2の直管部と当該第2の直管部の一方の端部に接続された球体部の一部を形成する湾曲体から構成された第2の嵌合部とで構成された第2の接続構造部とから構成されており、当該第1と第2の嵌合部は、何れも当該第1及び第2の直管部の直径よりも大なる球径を有すると共に、相互に何れか一方が他方の内部に嵌合せしめられて、略全方向に摺動や回動が可能なように、当該第1と第2の嵌合部の球体部中心部が相互に一致するように嵌合配置された構成を有しており、且つ、当該第1及び第2の直管部の中心軸線は、当該第1と第2の嵌合部の球体部中心部を通過しないように偏心して配置されており、且つ、当該球体部中心部と当該第1若しくは第2の直管部の中心軸線とが形成する平面でみた側断面図において、当該第1若しくは第2の直管部の内部表面の一部と当該第1若しくは第2の嵌合部の内部表面の少なくとも一部が連続状平面部を形成しており、然も、少なくとも当該第1若しくは第2の嵌合部における端部周縁部が、当該球体部中心部と当該第1若しくは第2の直管部の中心軸線とが形成する第1の平面でみた側断面図において、当該球体部中心部と当該直管部の中心線部とを結ぶ直線で、当該中心線部と30度乃至68度の範囲内の角度に設定された直線を含む、当該第1の平面と直交する第2の平面上に形成された当該球体部内部の基準平面よりも当該直管部が接続されている側とは反対側の方向に、当該基準平面に形成されている当該球体部の最大径部長さに対して、21乃至23%の長さだけ、当該基準平面から離間した部位に形成されており、更に、当該第1若しくは第2の嵌合部に於ける球体部の最大球径は、当該第1若しくは第2の直管部の直径よりも1.5乃至1.7倍の球径を有する様に設定されている事を特徴とする液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該球体部中心部と当該直管部の中心線部とを結ぶ直線の当該直管部の中心線部とのなす角度は38度乃至68度である事を特徴とする請求項1に記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該第1及び第2の嵌合部同志の相互に重なり合う部分は、当該第1又は第2の嵌合部における当該基準平面と当該端部周縁部の間に形成される外表部面積の略2倍に形成されている事を特徴とする請求項1又は2に記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該第1及び第2の嵌合部に於ける外側に配置される側の嵌合部の内部表面部と内側に配置される側の嵌合部の外表面との間であって、かつ当該基準平面と当該端部周縁部との間に、パッキン部を配置した事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該第1若しくは第2の直管部の内部表面の一部と当該第1若しくは第2の嵌合部に於ける当該球体部の内部表面の一部が連続状平面部を形成している部分に対応する当該自在継手の外表面部に適宜の標識部を設けた事を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該標識部は、当該自在継手を施工する場合に、当該標識部の位置が当該自在継手の最下部となるように配置する様に指示を報知する機能を有する突起部、ライン形成、凹部等を含む部材が付与されている事を特徴とする請求項5に記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該第1及び第2の嵌合部の内で、内側に嵌合される当該嵌合部の当該球体部の外表面の少なくとも一部に、当該第1及び第2の嵌合部の内で、外側に嵌合される当該嵌合部の端部周縁部の少なくとも一部と当接する少なくとも一つのストッパー部を設けた事を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該ストッパー部は、点状突起部或いは連続した凸状畝部で構成されている特徴とする請求項7に記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該第1の嵌合部が下流側に配置され、当該第2の嵌合部が上流側に配置される場合であって、且つ当該第2の嵌合部に設けられている当該第2の直管部の口径が当該第1の嵌合部に設けられている当該第1の直管部の口径よりも小さい場合に於いては、当該ストッパー部は、当該第2の嵌合部の当該球体部の外部平面上であって、且つ、当該第1の嵌合部に接続されている当該第1の直管部の口径と同じ口径を有する第2の直管部が当該第2の嵌合部で使用されたと仮定した場合に於ける、当該第2の直管部と当該第2の嵌合部の当該球体部とが接合した場合に規定される仮想接続線に沿って、湾曲状に配置されている事を特徴とする請求項7又は8に記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該第1及び第2の直管部の少なくとも一方の直管部に於ける自由端部側の端縁部近傍周辺部に、パッキング材が、配置されている事を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該第1及び第2の嵌合部において、外側に配置される当該嵌合部の当該湾曲体の内部球径は、内部に配置される当該嵌合部の当該湾曲体の外部球径よりも、当該両者が相互に容易に水密的に摺動並びに回動が可能な程度に僅かに大きな長さに設定されている事を特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該パッキン部は、扁平帯状の環状体で構成されており、当該パッキン部は、その外側外表面は、当該外側に配置される側の嵌合部の内部表面部の一部に保持されており、当該パッキン部の内側表面は、当該嵌合部の内で、内側に配置される側の嵌合部の外表面と接触しており、且つ、当該パッキン部の当該嵌合部の内で、内側に配置される側の嵌合部の外表面と接触している面に、少なくとも一本の環状連続溝部が、当該環状体の長手方向中心軸線に沿って設けられている事を特徴とする請求項4に記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該パッキン部は、水分を吸収して膨張する特性を有する材料で形成されている事を特徴とする請求項12に記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該パッキン部は、環状体の外側外表面部に、所定の厚みを有する硬質性材料で構成された環状補強層が設けられている事を特徴とする請求項12又は13に記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該パッキン部は、当該外側に配置される側の嵌合部の内部表面部の一部に形成されている環状の凹陥状溝部内に保持されている事を特徴とする請求項4,12乃至14の何れかに記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該外側に配置される側の嵌合部の外部表面部であって、当該外側に配置される側の嵌合部の内部表面部に於ける当該環状の凹陥状溝部が形成されている部位に対向する部分に外方膨出部が設けられている事を特徴とする請求項15に記載の液状流体配管接合部用自在継手。
- 当該パッキン部は、当該パッキン部の当該他方の嵌合部の外部表面部の一部と接触する面に少なくとも1本の凹陥状溝部が、当該パッキン部の長手方向中心軸線に並行に形成されている事を特徴とする請求項4、12乃至16の何れかに記載の液状流体配管接合部用自在継手
- 下水、生活排水、雨水等を含む液状流体物の流動処理に使用される配管本体、受口枝付管、自在支管、マス部材、マンホール等を含む液状流体物処理機器であって、当該液状流体物処理機器の少なくとも一部から外方に向けて突出して設けられている少なくとも一本の支管部、若しくは、当該液状流体物処理機器の少なくとも一部に取り付けて使用する支管部を含む支管部材の当該支管部の少なくとも一部に、請求項1乃至17の何れかに規定された液状流体配管接続用自在継手が取り付けられている事を特徴とする液状流体物処理機器。
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