JPH0542641A - 多層プラスチツク容器 - Google Patents

多層プラスチツク容器

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JPH0542641A
JPH0542641A JP20278491A JP20278491A JPH0542641A JP H0542641 A JPH0542641 A JP H0542641A JP 20278491 A JP20278491 A JP 20278491A JP 20278491 A JP20278491 A JP 20278491A JP H0542641 A JPH0542641 A JP H0542641A
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敏明 掛村
Yusuke Terauchi
裕介 寺内
Tomoaki Takasaki
智明 高崎
Katsuyuki Ono
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた成形性、衛生的特性、表面光沢、さらに
表面の摩擦抵抗の小さい多層プラスチック容器を提供す
ること。 【構成】2種以上の樹脂層が積層された多層プラスチッ
ク容器において、最外表面層が粒径1.8μm以下の無
機充填剤を0.5乃至20.0重量%含有し、MFR
2.5g/10分乃至10.0g/10分である樹脂と
して、プロピレン・ホモポリマー、エチレン−プロピレ
ン・ランダム共重合体、または密度が0.900乃至
0.935g/cm3 のポリエチレンを用い、容器表面
の中心線平均粗さは0.25μm以下とし、最外層の厚
み比は5〜20%とする。さらに器壁の層構成が最外層
はプロピレン・ホモポリマー、中間層はガスバリヤー性
樹脂又は/及びポリプロピレン+スクラップ樹脂、内層
はポリプロピレンとし、その間に接着剤層も適宜設ける
ことを特徴とする多層プラスチック容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層プラスチック容器
に関し、より詳細には、優れた表面光沢を有する多層プ
ラスチック容器に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック中空成形容器を、多層積層
構成とすることは周知であり、この場合、容器の内外層
としては、衛生的特性、耐湿性などの見地からポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂が使用
され、また容器のガスバリヤー性の見地から、これら両
表面層でエチレン−ビニルアルコール共重合体などのガ
スバリヤー性樹脂をサンドイッチさせる積層構成が採用
されている。
【0003】中空成形用のポリオレフィン樹脂には、通
常の成形とは異なったグレードのものが一般に使用され
ている。即ち、中空成形に際しては、溶融パリソンが自
重により垂れ下がる現象(ドローダウン)を生じやす
く、これを防止するために、メルトフローレート(但
し、JIS K 6758に準拠し、以下ではMFRと
称す)が2.0g/10分以下の樹脂が使用されてい
る。
【0004】この樹脂は、前記ドローダウンの防止には
有効であるとしても、成形品としては、器壁の光沢度が
高々30%程度でり、表面光沢性に乏しく、内容物を充
填し製品とした場合に高級感が無く、結局は商品価値に
乏しいものとなるという欠点があった。
【0005】容器器壁に表面光沢を持たせる手段とし
て、最外表面層をエチレン−プロピレン・ランダム共重
合体からなる多層プラスチック容器とする方法(特開平
2−215529号公報)、あるいは最外表面層を低密
度ポリエチレンからなる多層プラスチック容器とする方
法、さらには最外表面層をエチレン−ブテン共重合体と
する方法が提案されている。
【0006】しかし、前記の方法では器壁の表面光沢は
よくなるものの、一方では最外表面層を構成する樹脂の
硬度や、あるいは弾性率が低いために、容器同士が接触
した際に、あるいは容器が他の物体と接触した際に傷が
つきやすい。そして低硬度と低弾性率であることから、
容器が他の物体と接触した際に、接触面積が大きくな
り、その結果、容器と他の物体との間の摩擦による抵抗
力が大きくなってしまう。
【0007】摩擦による抵抗力が大きい場合、容器が成
形の後加工の工程を流れる場合に、または内容物を充填
する工程を流れる場合などの状況において、引っ掛かり
や、あるいは詰まりなどの現象を起こしてしまい、容器
の表面光沢性は良いものの、一方では実用性において劣
るという欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の状況
に鑑みてなされたものであり、プラスチック中空成形容
器において、優れた表面光沢および衛生的特性、さらに
表面の摩擦抵抗が小さい、という諸特性を兼ね備えた多
層プラスチック容器を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、最外表面層に
特徴を有し、さらにこの最外表面層を含み外層から内層
にかけての層構成をバリエーションとして特徴づけた多
層プラスチック容器を提供する。
【0010】すなわち、2種以上の樹脂層が積層された
構造の多層プラスチック容器において、最外表面層が粒
径1.8μm以下の無機系充填剤を0.5乃至20.0
重量%含有する、MFRが2.5乃至10.0g/10
分のプロピレン・ホモポリマー、または、エチレン−プ
ロピレン・ランダム共重合体からなり、かつ容器表面の
中心線平均粗さが0.25μm以下である多層プラスチ
ック容器である。あるいは、前記と同じ多層プラスチッ
ク容器において、最外表面層が含有する無機系充填剤
や、MFR、および容器表面の中心線平均粗さは前記と
同じであり、さらに密度が0.900乃至0.935g
/cm3 のポリエチレンからなる多層プラスチック容器
である。そして好ましくはさらに、これらの多層プラス
チック容器について、最外表面層の厚みが、容器器壁の
全体に占める厚み比として5乃至20%である多層プラ
スチック容器を提供する。
【0011】そして本発明は、前記のように最外表面層
に特徴を有するそれぞれの多層プラスチック容器に関し
て、さらに器壁の外層から内層にかけての層構成の特徴
についても、以下の3通りのバリエーションを提供す
る。
【0012】一つは、容器壁の積層構成が、外層から内
層に向かって順に、前記のプロピレン・ホモポリマー/
接着剤/ガスバリヤー性樹脂/接着剤/ポリプロピレン
である多層プラスチック容器である。他の一つは、同じ
く、外層から内層に向かって順に、前記のプロピレン・
ホモポリマー/ポリプロピレン+スクラップ樹脂/ポリ
プロピレンである多層プラスチック容器である。残りの
一つは、同じく、外層から内層に向かって順に前記のプ
ロピレン・ホモポリマー/接着剤/ガスバリヤー性樹脂
/接着剤/ポリプロピレン+スクラップ樹脂/ポリプロ
ピレンである多層プラスチック容器である。
【0013】以下にさらに詳細に説明する。図1は、本
発明の多層プラスチック容器の一実施例を示す断面図で
ある。本発明の容器1は、胴部2、および胴部2の下端
に連なりパリソンのピンチオフにより形成された底部
3、さらに胴部2の上端に肩部4を介して連なる口頸部
5から成っている。この口頸部5には蓋体(図示せず)
と密封係合される口部6、および口部6の下方のネジ、
ビード、フランジ、あるいは段肩などからなる蓋取付部
7が設けられている。
【0014】図2にこの多層プラスチック容器のA部の
器壁断面を拡大して示す。この器壁は、本発明のプロピ
レン・ホモポリマーからなる最外表面層10、ガスバリ
ヤー性樹脂からなる中間層11、およびポリオレフィン
樹脂からなる基材層12、から構成されており、これら
の樹脂層が互いに接着性に乏しい場合には、各層間に接
着性樹脂層13a、13bを介在させることができる。
【0015】本発明による多層プラスチック容器におけ
る重要な特徴の一つは、最外表面層が、粒径1.8μm
以下の無機系充填剤を0.5乃至20.0重量%含有す
る、MFRが2.5乃至10.0g/10分のプロピレ
ン・ホモポリマー、または、エチレン−プロピレン・ラ
ンダム共重合体を使用すること。または最外表面層が前
記の無機系充填剤およびMFRを有し、さらに密度が
0.900乃至0.935g/cm3 のポリエチレンを
使用すること。かつ、それらがいずれも容器表面の中心
線平均粗さが0.25μm以下となるように成形したと
ころにある。
【0016】すなわち従来、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン樹脂をこの種の容器に用いた場合には、MFR
が2.0g/10分以下であることが、ドローダウン防
止のための条件として必要であった。しかしながら、M
FRがこのように2.0g/10分以下の樹脂では、満
足する表面光沢を得ることができなかった。
【0017】最外表面層が含有する無機系充填剤に関し
ては、これを含有していないと表面光沢は優れているも
のの、摩擦による抵抗力が大きくなってしまう。そし
て、その粒径が1.8μmよりも大きい場合には、表面
光沢の極端な低下を免れず、従来の成形品と表面光沢が
同程度となってしまう。さらに、その添加率について
は、0.5重量%よりも少ない場合には前記充填剤を添
加した効果が少なくなり、また20.0重量%よりも多
い場合にはその均一な分散が困難となり、成形品の外観
を損ねることになる。
【0018】前記無機系充填剤の材質としては、例えば
炭酸カルシウム、タルク、シリカ、硫酸バリウム、ある
いはマイカが挙げられるが、特にコストを考慮して、炭
酸カルシウムやタルクが使用するのに適当である。
【0019】樹脂の種類に関しては、プロピレン成分と
エチレン、あるいはα−オレフィンのブロック共重合体
である場合は、エチレン、あるいはα−オレフィン成分
の影響によって表面がマット状となり、表面光沢は悪い
ものになってしまう。
【0020】MFRに関しては、これが前記範囲よりも
小さい場合には、流動性が悪くなり溶融パリソンの表面
が荒れて、成形品の表面光沢も失われる。一方、このM
FRが前記範囲よりも大きい場合には、たとえ多層プラ
スチック容器の一部として前記厚み比の範囲内で使用し
ていても、ドローダウンが大きく中空成形が一般に困難
となり、また溶融粘度が低くなることからブローアップ
させる際のエア逃げ性も悪くなり、成形品表面に残留エ
アの跡が発生してその外観を損ねてしまう。
【0021】本発明によるポリエチレンの密度に関して
は、これが前記範囲よりも低い場合には成形性が劣り、
一方この密度が前記範囲よりも高い場合には、結晶化度
が高すぎて成形品表面がマット状となり、表面光沢は悪
いものになってしまう。
【0022】また、最外表面表面層の中心線平均粗さに
関しては、これが0.25μmより大きい場合には、成
形された容器は表面光沢が失われたものになる。前記の
値を達成するためには中空成形金型のキャビティ内面の
中心線平均粗さが少なくとも0.25μm以下に研磨さ
れた金型を使用しなくてはならない。
【0023】それらに対して本発明は、多層プラスチッ
ク容器の最外表面層としてMFRが2.5乃至10.0
g/10分のプロピレン・ホモポリマーを使用すること
によって、MFRが2.5g/10分以上の特に3.0
乃至8.0g/10分という大きい値でもドローダウン
を防止する。そして容器表面の中心線平均粗さについて
は、前記のように研磨された金型を使用して、これが
0.25μm以下となるように成形する。これは前記し
た問題点である、容器の表面光沢、滑り性、耐汚染性、
さらには耐擦傷性についても顕著に改善し得る、という
多層プラスチック容器に関する新規知見に基づきなされ
たものである。
【0024】これらの条件を満足するような、最外層樹
脂と金型を使用することによって得られる多層プラスチ
ック容器は、前記の表面光沢や滑り性で優れた特性を有
している。
【0025】例えば、これのもつ表面の光沢度は60%
以上を有しており(但し、JISK 7105に準拠、
入射角度─60°)、また表面の静摩擦係数については
0.5以下に達しており(但し、JIS K 7125
に準拠、滑片重量─200g、摩擦速度─100mm/
分、容器同士)、さらに動摩擦係数についても0.5以
下にまで達している(但し、JIS K 7125に準
拠、滑片重量─200g、摩擦速度─100mm/分、
容器同士)。
【0026】これらの値を他の場合と程度比較してみる
と、次のような結果になる。まず表面光沢については、
ポリビニルクロライドで得られるものと比較して同程度
である。また摩擦係数については、プロピレン・ホモポ
リマーで得られるものに対してその約60%であり、ま
たエチレン−プロピレン・ランダム共重合体で得られる
ものに対してはその50%以下であり、あるいはエチレ
ン−ブテン共重合体で得られるものに対してもその50
%以下である、というようにいずれも低い値を示してい
る。
【0027】本発明に用いる最外層樹脂は、それ自体が
中空成形性が悪く、この樹脂と成形性に優れた基材樹脂
とを組み合わせることが必要である。この基材樹脂とし
ては、オレフィン樹脂が好適であり、中でもポリプロピ
レンや高密度ポリエチレンなどを用いることができる。
【0028】ポリプロピレンとしては、プロピレンのホ
モポリマーであってもよく、またプロピレンとエチレン
あるいは他のα−オレフィン、例えば、1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン等とのランダム共重合体、ま
たはブロック共重合体であってもよく、さらにこれらの
樹脂のブレンド物であってもよい。これらの樹脂は、M
FRが2.0g/10分以下であるべきである。
【0029】また、ポリオレフィン樹脂の他の例として
は、MFR1.0g/10分以下の高密度ポリエチレン
を用いることができる。ここで最外表面層と基材層との
間の接着力が乏しい場合には接着剤樹脂層が必要であ
り、これにはプロピレンとエチレンあるいは他のα−オ
レフィン、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン等とのブロック共重合体、リニア低密度ポリエチ
レン、エチレン−アクリル酸エステルコポリマーなどが
適当である。これら接着剤層に用いる樹脂もドローダウ
ンを防止する点で、MFR0.5g/10分以下のもの
を使用すべきである。
【0030】本発明に用いるポリオレフィン樹脂は、そ
の主体となる樹脂が前記したポリプロピレン及び/また
は、高密度ポリエチレンである範囲内で、他の樹脂例え
ば他のポリオレフィン樹脂などを含んでいても何ら差し
支えない。また、スクラップ樹脂などをポリオレフィン
樹脂に配合することもでき、スクラップ樹脂を単独層と
して介在させることも可能である。
【0031】本発明において、ガスバリヤー性の樹脂と
しては、エチレン含有量が20乃至50モル%で、且つ
未ケン化ビニルエステル残基の含有量が5モル%以下の
エチレン−ビニルアルコール共重合体や、炭素数100
個当たりのアミド基の数が3乃至30個、特に4乃至2
5個の範囲で含有されるホモポリアミド、コポリアミ
ド、またはそのブレンド体が好適に使用される。
【0032】もちろん、前記のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体とポリアミドはブレンド物の形で使用する
ことも可能であるし、ガスバリヤー性を損なわない範囲
内で、例えば20重量%以下の範囲内で、他の熱可塑性
樹脂、例えばポリオレフィン樹脂やポリオレフィンとの
接着性を付与する樹脂などをブレンドして用いることも
できる。
【0033】ガスバリヤー性樹脂と、内外層との接着力
が乏しい場合には、両樹脂間に、酸変性ポリオレフィン
樹脂、例えば無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、無水イタコン酸などのエチレン系不飽和カルボン酸
乃至はその無水物でグラフト変性されたポリエチレン、
ポリプロピレンなどの接着性樹脂層を介在させることが
好ましい。
【0034】本発明の多層プラスチック容器の層構成
は、外層から内層に向かって順に前述の最外層樹脂/基
材樹脂、また、ガスバリヤー性を向上させる場合には、
外層から前記最外層樹脂/接着剤/ガスバリヤー性樹脂
/接着剤/基材樹脂、また、スクラップ樹脂を利用する
場合には、前記最外層樹脂/ポリプロピレン+スクラッ
プ樹脂/基材樹脂、さらに、ガスバリヤー性を向上させ
且つスクラップを利用する場合には、外層から前記最外
層樹脂/接着剤/ガスバリヤー性樹脂/接着剤/ポリプ
ロピレン+スクラップ樹脂/基材樹脂、以上の層構成と
することによって、それぞれ表面光沢性に優れた多層プ
ラスチック容器を得ることが可能となる。これらの樹脂
の積層構成は、前述のものに限定されず、種々の変更が
可能である。
【0035】この最外表面層は全体の厚みの5乃至20
%、特に10乃至15%の厚みであることも重要であ
る。即ち、前記範囲よりも厚み比が大きいと成形性が悪
くなり、また、前記範囲よりも小さいと溶融パリソンを
押出した際に、最外表面層が外表面を均一に且つ十分に
覆うことが困難になる。
【0036】また、基材樹脂層は全体の厚みの50乃至
90%、特に70乃至90%、ガスバリヤー性樹脂層は
2乃至15%、特に3乃至10%の厚み比であることが
好ましい。また、最終容器として、器壁の厚みが0.3
乃至1.5mm、特に0.5乃至1.2mmの範囲とな
るように定めるのがよい。
【0037】本発明の多層プラスチック容器は、前述の
研磨した金型を使用することをのぞけば、従来の多層押
出中空成形機により成形することが可能であり、本発明
による最外表面層樹脂は、周知のポリオレフィン樹脂用
の押出機によって、通常のポリプロピレンとなんら変わ
りなく押出すことができる。
【0038】
【作用】本発明によれば、2種以上の樹脂層が積層され
る構造の多層プラスチック容器において、最外表面層が
粒径1.8μm以下の無機充填剤を0.5乃至20.0
重量%含有する、MFR2.5g/10分乃至10.0
g/10分のプロピレンホモポリマー、またはエチレン
−プロピレン・ランダム共重合体を用い、また容器表面
の中心線平均粗さを0.25μm以下にすることによっ
て、あるいは前記無機充填剤を0.5乃至20.0重量
%含有する、MFR2.5g/10分乃至10.0g/
10分、密度が0.900乃至0.935g/cm3
ポリエチレンを用い、また容器表面の中心線平均粗さを
0.25μm以下にすることによって、表面光沢、耐汚
染性、滑り性、あるいは耐擦傷性に優れた多層プラスチ
ック容器を得られる。また、前記最外層の厚み比を5〜
20%とすることにより、従来は成形性が悪いとされて
いた前記樹脂の成形性を良くし、外表面を均一に覆うこ
とを可能にする。そして、層構成を変更することによ
り、ガスバリヤー性を良好にしたり、スクラップ樹脂を
用いて、前記の表面光沢、耐汚染性、滑り性を顕著に改
善し、傷も付きにくくすることを可能にするものであ
る。
【0039】
【実施例】
<実施例1>外層として、平均粒子径が1.5μmのタ
ルクを1.0重量%ブレンドした、MFRが8.0g/
10分のプロピレン・ホモポリマーを外層用押出機に供
給し、内層としてMFRが0.5g/10分のエチレン
−プロピレン・ブロック共重合体を内層用押出機に供給
して、2層溶融パリソンを押出し、このパリソンをブロ
ー金型内でブロー成形して、胴部平均肉厚が700μ
m、内容積が220ccのボトルを得た。このボトルの
各層の厚みは、外層が100μm、内層が600μmで
あった。
【0040】<実施例2>外層として、平均粒子径が
1.5μmのタルクを1.0重量%ブレンドした、MF
Rが8.0g/10分のエチレン−プロピレン・ランダ
ム共重合体を使用した以外は、実施例1と同様にして、
胴部平均肉厚が700μm、内容積が220ccのボト
ルを得た。このボトルの各層の厚みは、外層が100μ
m、内層が600μmであった。
【0041】<実施例3>外層として、実施例1のプロ
ピレン・ホモポリマーに平均粒子径が1.5μmのタル
クを2.0重量%ブレンドした以外は、実施例1と同様
にして、胴部平均肉厚が700μm、内容積が220c
cのボトルを得た。このボトルの各層の厚みは、外層が
100μm、内層が600μmであった。
【0042】<実施例4>外層として、実施例1のプロ
ピレン・ホモポリマーに平均粒子径が0.1μmの炭酸
カルシウムを1.0重量%ブレンドした以外は、実施例
1と同様にして、胴部平均肉厚が700μm、内容積が
220ccのボトルを得た。このボトルの各層の厚み
は、外層が100μm、内層が600μmであった。
【0043】<実施例5>外層として、実施例1のプロ
ピレン・ホモポリマーに平均粒子径が0.1μmの炭酸
カルシウムを5.0重量%ブレンドした以外は、実施例
1と同様にして、胴部平均肉厚が700μm、内容積が
220ccのボトルを得た。このボトルの各層の厚み
は、外層が100μm、内層が600μmであった。
【0044】<実施例6>外層として、平均粒子径が
1.5μmのタルクを1.0重量%ブレンドした、MF
Rが3.5g/10分、密度(JIS K 6760)
0.935g/cm 3 の直鎖状低密度ポリエチレンを外
層用押出機に供給し、内層としてMFR〇.五g/10
分の高密度ポリエチレンを内層用押出機に供給して、2
層溶融パリソンを押し出し、このパリソンをブロー金型
内でブロー成形して胴部平均肉厚が700μm、内容積
が220ccのボトルを得た。このボトルの各層の厚み
は、外層が100μm、内層が600μmであった。
【0045】<実施例7>外層として、実施例6の直鎖
状低密度ポリエチレンに平均粒子径が0.1μmの炭酸
カルシウムを1.0重量%ブレンドした以外は、実施例
6と同様にして、胴部平均肉厚が700μm、内容積が
220ccのボトルを得た。このボトルの各層の厚み
は、外層が100μm、内層が600μmであった。
【0046】<実施例8>実施例1の外層と内層との間
にはスクラップ樹脂層を設けた以外は実施例1と同様に
して、胴部平均肉厚が700μm、内容積が220cc
のボトルを得た。このボトルの各層の厚みは、外層が7
0μm、スクラップ樹脂層が460μm、内層が170
μmであった。
【0047】<実施例9>外層として、実施例1のプロ
ピレン・ホモポリマーを外層用押出機に、また内層とし
てMFR0.5g/10分のエチレン−プロピレンブロ
ック共重合体を内層用押出機に、そして中間層としてエ
チレン含有量3モル%のエチレン−ビニルアルコール共
重合体からなるバリア層を中間層用押出機に、及び内外
層と中間層との間に介在する接着材層として無水マレイ
ン酸変性ポリプロピレンを接着材層用押出機に、それぞ
れ供給して多層溶融パリソンを押し出し、このパリソン
をブロー金型内でブロー成形して銅部平均肉厚が1,0
00μm、内容積が220ccのボトルを得た。このボ
トルの各層の厚みは、外層から内層に向かって、150
μm/15μm/35μm/15μm/735μmであ
った。
【0048】<比較例1>外層として、MFR8.0g
/10分のプロピレン・ホモポリマーを使用した以外は
実施例1と同様にして、胴部平均肉厚が700μm、内
容積が220ccのボトルを得た。このボトルの各層の
厚みは、外層が100μm、内層が600μmであっ
た。
【0049】<比較例2>外層として、MFR8.0g
/10分のエチレン−プロピレン・ランダム共重合体を
使用した以外は実施例1と同様にして、胴部平均肉厚が
700μm、内容積が220ccのボトルを得た。この
ボトルの各層の厚みは、外層が100μm、内層が60
0μmであった。
【0050】<比較例3>外層として、平均粒子径が
1.5μmのタルクを1.0重量%ブレンドした、MF
R2.0g/10分プロピレン・ホモポリマーを使用し
た以外は実施例1と同様にして、胴部平均肉厚700μ
m、内容積220ccのボトルを得た。このボトルの各
層の厚みは、外層が100μm、内層が600μmであ
った。
【0051】<比較例4>外層として、平均粒子径が
1.5μmのタルクを1.0重量%ブレンドした、MF
R12.0g/10分プロピレン・ホモポリマーを使用
した以外は実施例1と同様にして、胴部平均肉厚700
μm、内容積220ccのボトルを得た。このボトルの
各層の厚みは、外層が100μm、内層が600μmで
あった。
【0052】<比較例5>外層として、平均粒子径が
1.5μmのタルクを1.0重量%ブレンドした、MF
R7.0g/10分のエチレン−プロピレン・ブロック
共重合体を使用した以外は実施例1と同様にして、胴部
平均肉厚が700μm、内容積が220ccのボトルを
得た。このボトルの各層の厚みは、外層が100μm、
内層が600μmであった。
【0053】<比較例6>外層として、実施例6の直鎖
状低密度ポリエチレンを使用した以外は実施例6と同様
にして、胴部平均肉厚700μm、内容積220ccの
ボトルを得た。このボトルの各層の厚みは、外層が10
0μm、内層が600μmであった。
【0054】<比較例7>外層として、MFR8.0g
/10分、密度0.961g/cm3 の高密度ポレエチ
レンを使用した以外は実施例6と同様にして、胴部平均
肉厚700μm、内容積220ccのボトルを得た。こ
のボトルの各層の厚みは、外層が100μm、内層が6
00μmであった。これらの結果を次の(表1)に示
す。
【0055】
【表1】
【0056】(表1)において、光沢度は、JIS K
7105に準拠(但し入射角60°)、静摩擦係数
は、JIS K 7125に準拠(但し滑片重量200
g,摩擦速度100mm/分,容器同士)、動摩擦係数
は、JIS K 7125に準拠(但し滑片重量200
g,摩擦速度100mm/分,容器同士)、のもとで測
定した。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、従来は成形性が悪いと
されていた前記樹脂の成形性を良くし、外表面を均一に
覆うことを可能にし、且つ容器の表面光沢や滑り性にも
優れ、表面光沢度が約60%以上であり、且つ表面の静
摩擦係数が0.5以下であり、動摩擦係数も0.5以下
である、さらには、ガスバリヤー性、耐汚染性の衛生的
特性、あるいは、耐擦傷性に優れた特性の多層プラスチ
ック容器を得ることが可能となる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層プラスチック容器の一実施例を示
す断面図である。
【図2】本発明の多層プラスチック容器の一実施例であ
る図1のAの部分を詳細に示す拡大図である。
【符号の説明】
1…容器 2…胴部 3…底部 4…肩部 5…口頸部 6…口部 7…蓋取付部 10…外表面層 11…中間層 12…基材層 13a、13b…接着性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 克之 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種以上の樹脂層が積層された構造の多層
    プラスチック容器において、最外表面層が、粒径1.8
    μm以下の無機系充填剤を0.5乃至20.0重量%含
    有する、メルトフローレートが2.5乃至10.0g/
    10分のプロピレン・ホモポリマー、または、エチレン
    −プロピレン・ランダム共重合体からなり、かつ容器表
    面の中心線平均粗さが0.25μm以下であることを特
    徴とする多層プラスチック容器。
  2. 【請求項2】2種以上の樹脂層が積層された構造の多層
    プラスチック容器において、最外表面層が、請求項1記
    載の無機系充填剤を0.5乃至20.0重量%含有する
    メルトフローレートが2.5乃至10.0g/10分、
    密度が0.900乃至0.935g/cm3 のポリエチ
    レンからなり、かつ容器表面の中心線平均粗さが0.2
    5μm以下であることを特徴とする多層プラスチック容
    器。
  3. 【請求項3】最外表面層が全体の厚みの5乃至20%の
    厚み比で存在する請求項1または2記載の多層プラスチ
    ック容器。
  4. 【請求項4】容器壁の積層構成が、外層から内層に向か
    って順に、請求項1または2記載のプロピレン・ホモポ
    リマー/接着剤/ガスバリヤー性樹脂/接着剤/ポリプ
    ロピレンであることを特徴とする多層プラスチック容
    器。
  5. 【請求項5】容器壁の積層構成が、外層から内層に向か
    って順に、請求項1または2記載のプロピレン・ホモポ
    リマー/ポリプロピレン+スクラップ樹脂/ポリプロピ
    レンであることを特徴とする多層プラスチック容器。
  6. 【請求項6】容器壁の積層構成が、外層から内層に向か
    って順に、請求項1または2記載のプロピレン・ホモポ
    リマー/接着剤/ガスバリヤー性樹脂/接着剤/ポリプ
    ロピレン+スクラップ樹脂/ポリプロピレンであること
    を特徴とする多層プラスチック容器。
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