JPH0541975U - 自動車用デツキボードの蓋開閉構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】車体後側からだけでなく、室内側からでも蓋体
下の荷物を取り出すことができる自動車用デッキボード
の蓋開閉構造を提供すること。 【構成】荷室のフロアパネル１上に載置されるデッキボ
ード本体４の一部に方形の開口部４を形成し、この開口
部４は蓋体５で閉鎖される。デッキボード本体４の開口
部裏面には２本の支軸６，７が車幅方向に橋渡し状に取
り付けられ、蓋体５の裏面には支軸６，７に弾性的にか
つ回動可能に嵌合するブラケット８ａ，８，９ａ，９ｂ
が取り付けられる。蓋体５は前後何れの支軸６，７を支
点としても開閉可能である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用デッキボードの蓋開閉構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車用デッキボードとしては、実開昭６１−１６５８４３号公報に記 載のように、１枚のデッキボードを荷室のフロアパネルに開閉可能に取り付けた ものや、前後２枚のデッキボードを荷室のフロア部分にスライド可能としたもの が提案されている。 一方、このようなデッキボードのほかに荷室のフロアパネルのほぼ全域を覆う 大きさのデッキボード本体を載置するとともに、このデッキボード本体の一部に 方形の開口部を形成し、この開口部をデッキボード本体と同一平面上に配置され る蓋体で開閉するものも実用化されている。蓋体の下方に対応するフロアパネル 部分には、スペアタイヤや小物を収納できる凹所が形成されている。 この種のデッキボードの場合には、蓋体の前端部がデッキボード本体に対して ヒンジを介して連結されており、そのため蓋体は車体後側から開閉できるように なっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記構造のデッキボードの場合には蓋体を車体後側からしか開 くことができないため、凹所に収納された荷物を室内側から取り出すことが難し い。つまり、一旦車から降りてバックドアを開き、しかる後に蓋体を開くという 動作が必要であり、降雨時や降雪時には面倒である。 そこで、本考案の目的は、車体後側からだけでなく、室内側からでも蓋体下の 荷物を取り出すことができる自動車用デッキボードの蓋開閉構造を提供すること にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本考案は、荷室のフロアパネル上に配置されるデ ッキボード本体の一部に方形の開口部を形成し、この開口部をデッキボード本体 と同一平面上に配置される蓋体で開閉するようにした自動車用デッキボードにお いて、デッキボード本体の開口部裏面における前後位置に車幅方向に延びる断面 円形の支軸を取り付けるとともに、蓋体の裏面における前後位置に上記支軸に対 して上下方向に弾性嵌合するブラケットを設け、蓋体を前後何れかの支軸を支点 として開閉可能に支持したものである。

【０００５】

【作用】

蓋体の後端部を持ち上げると、後側のブラケットが支軸から外れ、前側の支軸 を支点として蓋体を開くことができる。一方、蓋体の前端部を持ち上げると、前 側のブラケットが支軸から外れ、後側の支軸を支点として蓋体を開くことができ る。このように蓋体を前後いずれの支軸を支点としても開閉できるので、蓋体下 の荷物を車体後側からだけでなく室内側からでも取り出すことができる。 また、全てのブラケットを支軸から外せば、蓋体をデッキボード本体から取り 外すこともできる。

【０００６】 本考案における支軸としては、４本の短い丸棒をデッキボード本体の開口部裏 面に取り付けてもよいし、長尺な２本のパイプをデッキボード本体の開口部裏面 に車幅方向に橋渡し状に取り付けてもよい。後者の場合には、パイプが支軸と補 強材とを兼ねるので、開口部を設けることによるデッキボード本体の強度低下を 補うことができる。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案にかかるデッキボードを備えた自動車の荷室を示し、１はフロア パネル、２は後部シートである。フロアパネル１の後端側中央部には図２，図３ に示すように凹所１ａが形成され、この凹所１ａにはトレイ３が配置され、この トレイ３内にスペアタイヤや小物を収納し得るようになっている。

【０００８】 フロアパネル１上には木製または樹脂製のデッキボード本体４が載置されてお り、デッキボード本体４の後端側中央部には上記トレイ３に対応する方形の開口 部４ａが切欠形成されている。上記開口部４ａは、デッキボード本体４と同一平 面上に配置され、かつデッキボード本体４と同材質で同一厚みの方形平板よりな る蓋体５で閉鎖されている。

【０００９】 上記デッキボード本体４の開口部４ａの裏面側前後部には、金属製丸パイプよ りなる２本の支軸６，７が車幅方向に橋渡し状に取り付けられている。即ち、支 軸６，７の両端部は平板状に押し潰されており、これら両端部がリベットまたは ビス等によってデッキボード本体４の裏面に固定されている。一方、蓋体５の裏 面側前後部には、支軸６，７に弾性的に嵌合しかつ支軸６，７に対して回転方向 に摺動可能な４個の金属製または樹脂製のブラケット８ａ，８ｂおよび９ａ，９ ｂがリベットまたはビス等によって取り付けられている。これらブラケット８ａ ，８ｂ，９ａ，９ｂは、図４に示すように蓋体５の裏面に固定される基板部１０ と、基板部１０から下方へ延びる一対の湾曲片１１とを有しており、湾曲片１１ の間で上記支軸６，７を弾性的に把持する。 なお、蓋体５の前後部中央には把手穴１２，１３が形成されている。また、デ ッキボード本体４の表面および蓋体５の表面には、必要に応じてカーペット（図 示せず）が接着またはクリップ等によって装着されている。

【００１０】 次に、上記構成よりなるデッキボードの動作を説明する。 蓋体５を閉鎖した状態では、４個のブラケット８ａ，８ｂおよび９ａ，９ｂが 支軸６，７に弾性的に嵌合しているので、車体振動などによって蓋体５が安易に 外れたり浮き上がることがなく、安定に保持される。 いま蓋体５の後側の把手穴１３に手を挿入し、蓋体５の後端部を持ち上げると 、後側のブラケット９ａ，９ｂが支軸７から外れるので、前側の支軸６を支点と して蓋体５を開くことができる。一方、蓋体５の前側の把手穴１２に手を挿入し 蓋体５の前端部を持ち上げると、前側のブラケット８ａ，８ｂが支軸６から外れ 、後側の支軸７を支点として蓋体５を開くことができる（図２に二点鎖線で示す ）。このように蓋体５を前後いずれの支軸６，７を支点としても開閉できるので 、蓋体５下のトレイ３に収容された荷物をバックドア側からだけでなく室内側か らでも取り出すことができる。したがって、降雨時や降雪時に車外に出ずに荷物 を取り出すことも可能である。 また、全てのブラケットブラケット８ａ，８ｂおよび９ａ，９ｂを支軸６，７ から外せば、蓋体５をデッキボード本体４から取り外すこともできる。これは、 トレイ３にその深さより高さが高いものを収容する場合に便利である。

【００１１】 上記実施例のように２本の支軸６，７を車幅方向に橋渡し状に取り付けた場合 には、上記の機能の他に次のような効果がある。即ち、デッキボード本体４は開 口部４ａを設けることにより後部側の強度が低下し、ボードに波うちや反りが発 生し易い。これに対し、支軸６，７を開口部４ａに架け渡して取り付ければ、支 軸６，７がデッキボード本体４の補強材としても機能するので、波うちや反りの 発生を防止できる。また、蓋体５が十分な剛性を有しないボードで形成されてい る場合には、蓋体５上に荷物を載置すると蓋体５が大きく撓む恐れがある。とこ ろが、支軸６，７を開口部４ａに橋渡し状に設けてあれば、ブラケット８ａ，８ ｂおよび９ａ，９ｂを蓋体５の中央寄りに取り付けたり、蓋体５の中央部にブラ ケットを追加することにより、蓋体５の前後部を均等に支持することが可能とな り、蓋体５の撓みを少なくできる。

【００１２】 図５は本考案の他の実施例を示す。この実施例は、デッキボード本体４の開口 部４ａの両側部から車幅方向内側に向かって丸棒状の支軸１４を突設したもので ある。この支軸１４は取付バンド１５を介してデッキボード本体４の下面に取り 付けられている。なお、この支軸１４は開口部４ａの４隅部に設けてもよいし、 開口部４ａの前部側にのみ支軸１４を取り付け、後部側には上記実施例における パイプ状支軸７を橋渡し状に設けてもよい。 この場合には、支軸１４が開口部４ａの両側部のみに存在するので、荷物をト レイに出し入れする際の邪魔にならないという効果がある。

【００１３】 なお、本考案における開口部としては、実施例のようなデッキボード本体の後 端側を切り欠いた形状に限らず、穴状の開口部であってもよい。また、ブラケッ トは実施例のような形状に限らず、支軸に対して弾性嵌合しかつ回動可能に保持 し得るものであれば、如何なる形状であってもよい。

【００１４】

【考案の効果】

以上の説明で明らかなように、本考案によれば、デッキボード本体の開口部裏 面に取り付けた支軸と蓋体の裏面に取り付けたブラケットとを弾性的にかつ回動 可能に嵌合させるようにしたので、蓋体を前後何れの支軸を支点としても開閉可 能であり、蓋体下の荷物を車体後側からだけでなく室内側からでも簡単に取り出 すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる蓋開閉構造を備えた自動車の荷
室の斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】ブラケットの斜視図である。

【図５】本考案の他の実施例の部分斜視図である。

【符号の説明】

１ フロアパネル ４ デッキボード本体 ４ａ 開口部 ５ 蓋体 ６，７，１２ 支軸 ８ａ，８ｂ，９ａ ９ｂ ブラケット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】荷室のフロアパネル上に配置されるデッキ
   ボード本体の一部に方形の開口部を形成し、この開口部
   をデッキボード本体と同一平面上に配置される蓋体で開
   閉するようにした自動車用デッキボードにおいて、 デッキボード本体の開口部裏面における前後位置に車幅
   方向に延びる断面円形の支軸を取り付けるとともに、蓋
   体の裏面における前後位置に上記支軸に対して上下方向
   に弾性嵌合するブラケットを設け、蓋体を前後何れかの
   支軸を支点として開閉可能に支持したことを特徴とする
   自動車用デッキボードの蓋開閉構造。