JPH0541434B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動スクリーン捺染機におけるロー
タリスクリーンの交換装置に関し、より詳細には
捺染機の運転・稼動サイクルに従つて、ロータリ
スクリーンの交換、洗浄、乾燥、収納、取り出し
等を能率的に行なう自動スクリーン捺染機におけ
るロータリスクリーンの交換装置に関する。

（従来の技術） 自動スクリーン捺染機による捺染工程におい
て、従来より最も自動化が遅れ、非合理的である
作業に、スクリーン枠の脱着、洗浄、及び移動等
の作業が指摘されている。近年、ロータリスクリ
ーン用洗浄機の普及により、洗浄工程のみはほゞ
自動化されてきたが、捺染機上よりの、又は捺染
機上への脱着、洗浄機までの、或いはスクリーン
収納庫までの移動、さらに洗浄後の水分払拭、乾
燥等、すべて人手による作業によつている。

加えて、捺染加工のロツト量が近年ますます少
量化し、更に捺染色数が増加の傾向にあることか
ら、配色替え、又は柄替えのためのロータリスク
リーンの交換、洗浄のロス時間ばかりが増加する
傾向にあり、捺染機の有効稼動効率の低下、ひい
ては捺染生産性の低下が問題となりつつある。

（発明が解決しようとする問題点） 自動スクリーン捺染機におけるロータリスクリ
ーンの交換、洗浄、乾燥、収納、取り出し等の作
業が殆ど手作業により従来行われているのは、自
動スクリーン捺染機におけるこれらの準備作業を
合理化するためのシステムがまつたく開発されて
いず、捺染作業要員の判断及び手作業に全く委ね
られていたことによる。

本発明者らは、自動スクリーン捺染機における
ロータリスクリーンの交換、洗浄、乾燥、収納、
取り出し等の作業にも一定の規則性があり、この
規則性を利用すれば、ロータリスクリーンの交換
等の諸操作が能率的にしかも作業者に負担を課す
る事無しに合理的に行われる事を見いだした。

本発明の目的は、自動スクリーン捺染操作に非
然的に付属するロータリスクリーンの交換、洗
浄、乾燥、収納、取り出し等の作業の能率化及び
省労力化、特に自動化を計り、大幅な捺染機の稼
動効率向上と合理化を計ることにある。

本発明の他の目的は、自動スクリーン捺染操作
に付属する上記準備作業が手順よくしかもロスタ
イム無しに行われると共に、作業環境を色糊等で
汚染する事無しに行われるロータリスクリーンの
交換装置を提供するにある。

本発明の更に他の目的は、ロータリスクリーン
の取り出し及び収納が自動スクリーン捺染機への
スクリーンの取り付け順序通りに行われるような
交換装置を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 本発明によれば、自動スクリーン捺染機に並列
して、ロータリスクリーンの往復搬送のために設
けられた往動用及び復動用ガイドレールと、 上記ガイドレールに沿つてロータリスクリーン
を把持、搬送する複数のスクリーン用キヤリアー
と、 前記往動用ガイドレールに沿つて移動及び停止
が可能で、自動スクリーン捺染機と上記スクリー
ン用キヤリアーとの間に、ロータリスクリーンを
受け渡しするスクリーン受け渡し装置と、 前記ガイドレールの前後両端部に設けられ、往
動用ガイドレールから復動用ガイドレールに、及
び復動用ガイドレールから往動用ガイドレール
に、前記スクリーン用キヤリアーを昇降さすため
のスクリーン上昇及び下降装置と、 往動用ガイドレールの終端部近傍に設けられ、
前記スクリーン用キヤリアーに把持、搬送されて
くる使用済みのロータリスクリーンを洗浄、並び
に乾燥を行なうスクリーン洗浄、乾燥装置と、 往動用ガイドレールの始端部にスクリーン収納
のための複数の収納棚を内蔵し、必要なロータリ
スクリーンの収納、取り出しを行なうためのスク
リーン収納ラツク装置とを備えていることを特徴
とする自動スクリーン捺染機におけるロータリス
クリーンの交換装置が提供される。

（作 用） 本発明のロータリスクリーンの交換装置におい
ては、自動スクリーン捺染機に並列して、ロータ
リスクリーンの往動搬送のための往動用及び復動
用ガイドレールを設ける事；上記ガイドレールに
沿つてロータリスクリーンを把持、搬送する複数
のスクリーン用キヤリアーをガイドレールに移動
可能に設ける事；及び前記往動用ガイドレールに
沿つて移動及び停止が可能で、自動スクリーン捺
染機と上記スクリーン用キヤリアーとの間に、ロ
ータリスクリーンを受け渡しするスクリーン受け
渡し装置を設ける事；が第一の特徴である。

自動スクリーン捺染機に対するロータリスクリ
ーンの取付、取り外し、交換、同一スクリーンで
の色替え等の諸動作はすべて、自動スクリーン捺
染機に対するロータリスクリーンの着脱動作を経
由する。本発明では、自動スクリーン捺染機に並
列して往動用及び復動用ガイドレールを設け、こ
のガイドレールに沿つて移動する複数のスクリー
ン用キヤリアー及び往動用ガイドレールに沿つて
移動及び停止するスクリーン受け渡し装置を設け
ることにより、自動スクリーン捺染機の任意の位
置でのロータリスクリーンの着脱動作がスクリー
ン受け渡し装置により可能となると共に、この着
脱位置へのロータリスクリーンの搬入及び該位置
からのロータリスクリーンの搬出がロスタイム無
しに容易に行われる事になる。

上記往動用ガイドレールは、スクリーン受け渡
し装置を経由してスクリーンの搬入及びスクリー
ンの搬出を行うものであるが、往動用及び復動用
ガイドレールの前後両端部に、往動用ガイドレー
ルから復動用ガイドレールに、及び復動用ガイド
レールから往動用ガイドレールに、前記スクリー
ン用キヤリアーを昇降さすためのスクリーン上昇
及び下降装置を設けた事が本発明の第二の特徴で
ある。この構成により、スクリーン用キヤリアー
を往動用ガイドレールと復動用ガイドレールとの
間で循環させる事が可能となると共に、スクリー
ンの搬入及びスクリーンの搬出と、以下に述べる
スクリーンの収納、取り出し及び洗浄・乾燥とを
ロスタイム無しに組み合わせる事が可能となる。

本発明の装置においては、往動用ガイドレール
の終端部近傍に、スクリーン用キヤリアーに把
持、搬送されてくる使用済みのロータリスクリー
ンを洗浄、並びに乾燥を行なうスクリーン洗浄、
乾燥装置を設ける事、及び往動用ガイドレールの
始端部に、スクリーン収納のための複数の収納棚
を内蔵し、必要なロータリスクリーンの収納、取
り出しを行なうためのスクリーン収納ラツク装置
を設ける事が第三の特徴である。自動スクリーン
捺染機から取り外されるロータリースクリーンに
は、必ず色糊が付着している。従つて、同一スク
リーンでの色替えを行う場合でも、或いはスクリ
ーンを収納する場合でも付着している色糊の除去
が必要になる。本発明では、往動用ガイドレール
の終端部近傍に、スクリーン洗浄、乾燥装置を設
けたため、ロータリスクリーンの搬出と同時にロ
ータリスクリーンの洗浄、乾燥が行われ、洗浄及
び乾燥のための格別の労力や時間が節約される事
になる。また、往動用ガイドレールの始端部にス
クリーン収納ラツク装置を設けたため、新しいス
クリーンをこのスクリーン収納ラツク装置から取
り出し、往動用ガイドレール及びスクリーン受け
渡し装置を経由して、自動スクリーン捺染機の任
意の位置に供給することが可能となり、また取り
外され且つ洗浄及び乾燥されたスクリーンを復動
用ガイドレールを経てスクリーン収納ラツク装置
に収納させることが可能となる。尚、同一のロー
タリスクリーンを使用して色替えを行う場合に
は、洗浄、乾燥後のスクリーンは、復動用ガイド
レール、スクリーン上昇及び下降装置、及び往動
用ガイドレールを経て、スクリーン受け渡し装置
により、自動スクリーン捺染機の任意の位置に再
度供給される事になる。

本発明の装置においては、スクリーン用キヤリ
アーに、ガイドレール、特に往動用ガイドレール
に沿つて移動中、キヤリアーの走行動力を利用し
て、ロータリスクリーンを自転させる回転駆動機
構を設けるのが好ましい。色糊が付着したロータ
リスクリーンを移動させる場合でも、スクリーン
を自転させることによりスクリーンからの色糊の
滴下を防止し、装置や作業環境の色糊による汚染
を防ぐことができる。

本発明によれば、以上の操作が総合されて、自
動スクリーン捺染操作に必然的に付属するロータ
リスクリーンの交換、洗浄、乾燥、収納、取り出
し等の作業の能率化及び省労力化、特に自動化が
可能となり、大幅な捺染機の稼動効率向上と合理
化とが達成され、上記準備作業が手順よくしかも
ロスタイム無しに、しかも作業環境を色糊等で汚
染する事無しに行われると言う利点が達成され
る。

（実施例） 本発明を添付図面に基づいて説明する。

第１図は、自動スクリーン捺染機に並列して設
置されている本発明のロータリスクリーンの交換
装置の１実施例を示す概要平面図で、自動スクリ
ーン捺染機との関連を示したものである。第２図
は、第１図の概要側面図であり、そして第３図
は、第１図及び第２図の概要断面図を示す。

第１図において、２台の自動スクリーン捺染機
（以下単に捺染機と呼ぶ）１−１，１−２が平行
して設置され、その前部側（第１図の左側）に被
染布４の導入装置２−１，２−２が、また後部側
（第１図の右側）には捺染用乾燥機３−１，３−
２が設けられている。これに被染布４が導入され
て図の矢印方向に連続駆動されつつ連続回転する
ロータリスクリーン５を介して公知方式により捺
染作業が行なわれる。

上記２台の捺染機１−１と１−２の中間に、且
つこれに並列して本発明のロータリスクリーンの
交換装置（以下単に交換装置と呼ぶ）６が設置さ
れる。本具体例においては、交換装置６の両側に
２台の捺染機１−１及び１−２が設置されている
事例を示す。この場合の方が捺染機１台の場合よ
り遊休時間を少くして、自動交換装置６を効率よ
く稼動できるが、勿論捺染機が１台であつても何
ら支障はない。

交換装置６は、大まかに謂つて (1) ２段に設けられた往動用ガイドレール７及び
復動用ガイドレール８と、 (2) このガイドレール７及び８に沿つて移動する
複数のスクリーン用キヤリアー９と、 (3) 往動用ガイドレール７に懸吊状に支持され稼
動するスクリーン受け渡し装置１０と、 (4) 往動用ガイドレール７の右方終端部近くに設
けられたスクリーン洗浄、乾燥装置１１と、 (5) 前記ガイドレール７及び８の両端部に設けら
れたスクリーン上昇装置１２−１及び同下降装
置１２−２と、 (6) 前記ガイドレール７及び８の左端に設けられ
たスクリーン収納ラツク装置１３と、 (7) 必要によりこれら各装置を捺染機の運転・稼
動サイクルに対応して、駆動、制御するための
各機動機構及び制御装置、 から構成されている。但し各装置の駆動機構及び
制御装置は、それ自体公知のもので、それらの図
示及び説明は省略する。

次に各装置について説明する。

第２図及び第３図において、往動用ガイドレー
ル７及び復動用ガイドレール８は、所定の間隔を
あけて平行する２本（一対）のガイドレールより
なり、捺染機１−１及び１−２の有効捺染テーブ
ル長Ｌよりも長く、且つ後記するスクリーン洗
浄、乾燥装置１１を含む長さに、又捺染作業に支
障のない高さＨに、捺染機に並列して装架されて
いる。

往動用ガイドレール７及び復動用ガイドレール
８は、スクリーン上昇装置１２−１と下降装置１
２−２の間に設けられ、ロータリスクリーン５を
把持し搬送する複数のキヤリアー９の案内軌道と
して働く。

スクリーンキヤリアー９は、ガイドレール７及
び８の内面をガイドとして駆動装置によりガイド
レール７及び８に沿つて循環移動可能で、ロータ
リスクリーン５を把持搬送する働きをする。自動
交換作業は矢印の方向に走行する。

一例として、ガイドレール７及び８はコ字型の
断面形状を有し、その内面をガイドとして複数個
のスクリーン用キヤリアー９が、例えばローラー
チエーン、ロングベルト、ロープ或いは自走式の
単独モータ等の駆動装置により走行及び停止可能
である。所定の設定位置で停止させ、この設定位
置から任意の位置まで移動させ得るようなガイド
レールとキヤリアーとの組み合わせは、それ自体
公知のものであり、公知の組み合わせの任意のも
のを使用することができる。またガイドレールに
設けるキヤリアーの数は、交換作業性の見地から
適宜選定することができ、例えば、一個のキヤリ
アーがロータリースクリーンの交換位置、即ちロ
ータリスクリーン受け渡し装置１０の動作位置に
あるとき、他の一個のキヤリアーはスクリーン洗
浄・乾燥装置部１１に、また残りの一個のキヤリ
アーはスクリーン下降装置部１２−２にあるよう
にすることが作業能率の点で好ましい。勿論、こ
れらの各キヤリアー間には、他のキヤリアーが介
在していても何等差し支えない。

複数個のスクリーン用キヤリアー（以下単にキ
ヤリアーと呼ぶ）９はガイドレール７及び８に沿
つて走行するが、それらガイドレールが一対のレ
ールより或るのに対応して、一対のレールの対応
する位置にプーリのような走行部とスクリーンエ
ンド把持部とが夫々対をなして設けられており、
これらにより、キヤリアー９はロータリスクリー
ンを開放自在に把持し搬送することができる。

スクリーン受け渡し装置１０は、下部ガイドレ
ール７に沿つて自動的に移動、停止を行ない、自
動スクリーン捺染機１−１又は１−２と上記スク
リーン用キヤリアー９との間にロータリスクリー
ン５を自動的に受け渡しする働きをする。

スクリーン受け渡し装置１０は、一例として、
往動用ガイドレール７によりその下方に支持され
ている水平方向伸縮機構１０−１と、該水平方向
伸縮機構１０−１に取付られた垂直方向に伸縮可
能なスクリーン把持機構１０−２とからなつてい
る。水平方向伸縮機構１０−１は水平方向に伸縮
自在で、捺染機１−１，１−２の上方とガイドレ
ール７の下方とを往復し得る。スクリーン把持機
構１０−２は垂直方向に伸縮自在で、しかもロー
タリスクリーンを把持し且つ開放でき、また水平
方向伸縮機構１０−１と捺染機１−１或いは１−
２のロータリスクリーン５の間、更には水平方向
伸縮機構１０−１とスクリーン用キヤリアー９と
の間を移動可能である。ロータリスクリーンの設
置に際しては、スクリーンは把持機構１０−２に
よりスクリーン用キヤリアーからスクリーンを受
領し、水平方向伸縮機構１０−１が捺染機１−
１，１−２上まで移動し、次いで把持機構１０−
２がロータリスクリーンの設置高さまで下降し
て、所定位置へのロータリスクリーンの取付が行
われる。またロータリスクリーンの取り外しに際
しては、ロータリスクリーンの設置高さまで下降
した把持機構１０−２により、ロータリスクリー
ンを把持させ、以後上記と逆の操作でロータリス
クリーンをキヤリアー９に受け渡す。

このスクリーン受け渡し装置（以下単に受け渡
し装置と呼ぶ）１０は、捺染機１−１又は１−２
のスクリーン枠５の設定間隔Ｐ１に対応して間欠
的に移動、停止を行なう事が可能であり、またこ
の受け渡し装置１０はキヤリアー９と同期して移
動できると共に、また戻し機構により往動用下部
ガイドレール７に沿つて所定の位置に自動的に戻
すことができる。

スクリーン洗浄乾燥装置１１は、キヤリアー９
に把持、搬送されてくる使用済みのロータリスク
リーン５の洗浄並びに乾燥を行なう働きをする。
このスクリーン洗浄・乾燥装置（以下単に洗浄装
置と呼ぶ）１１は洗浄部１１−１と乾燥部１１−
２を有し、キヤリアー９にて把持され、搬送され
てくる捺染終了後のロータリスクリーンを回転さ
させながら自動的に洗浄、乾燥する。詳細は図示
されないが、洗浄部では洗浄水のシヤワー散布と
ブラシによる洗浄方式と、乾燥部では比較的低温
の熱風吹付けによる乾燥方式が一般的に採用され
る。

スクリーン上昇装置１２−１は、洗浄乾燥装置
１１から搬入されたキヤリアー９で把持されたロ
ータリスクリーン５を上昇させ、復動用上部ガイ
ドレール８へキヤリアー９と共に搬送する働きを
する。

スクリーン下降装置１２−２は、キヤリアー９
で把持されて復動用上部ガイドレール８に沿つて
搬入されるロータリスクリーン５を下降させ、往
動用下部ガイドレール７へキヤリアー９と共に搬
送する働きと、ロータリスクリーンをスクリーン
収納ラツク装置１３の所定のスクリーン収納棚１
４に受け渡す働きと、所定の収納棚１４から所定
のロータリスクリーン５を受け出し、これを往動
用下方ガイドレール７に搬送する働きをする。

上記スクリーン上昇装置（以下単に上昇装置と
呼ぶ）１２−１、及びスクリーン下降装置（以下
単に下降装置と呼ぶ）１２−２は、例えば、油圧
乃至空気圧による昇降装置でもよいし、垂直方向
のコンベア装置でもよく、往復動用のガイドレー
ル７及び８の両端部に設けられて使用され、その
位置制御等は、例えばリミツトスイツチ等により
行われる。スクリーン上昇装置１２−１及び下降
装置１２−２はキヤリアー９単独を昇降させる場
合もあるし、スクリーン５を把持したキヤリアー
９を昇降動させる場合もある。

スクリーン収納ラツク装置１３は、複数のスク
リーン収納棚１４を内蔵し、必要なロータリスク
リーン５の収納、取り出しを行なう働きをする。

第２図において、図の左端にはスクリーン収納
ラツク装置（以下端に収納ラツク装置と呼ぶ）１
３が設けられ、この収納ラツク装置１３の内部に
は複数の収納棚１４があり、これに使用済みのロ
ータリスクリーン或いはこれから使用される新柄
ロータリスクリーンが捺染機における所定配置順
序に従つて、１枚ごとに収納される様になつてお
り、前記下降装置１２−２との協動操作で、或い
は手作業で、使用済みのスクリーン５の収納や新
柄のスクリーンの取り出しが行われる。

本発明が対象とするロータリスクリーンの場
合、これが円筒形であるため、フラツトスクリー
ン枠のように平面的な場所を取らない。このた
め、ロータリスクリーン用として、格子状の収納
棚が通常使用される。またその収納及び取り出し
方向も、図面に示すようにキヤリアーの進行方向
に平行する方が、スペース的にも、取扱い上も有
利である。このため、図面に示す具体例では、下
降装置１２−２を、ロータリスクリーン５よりも
若干長くし、その上下部に旋回移動装置１５を設
ける。この装置１５による旋回動作により、捺染
機の進行方向に直角であつたロータリスクリーン
５を該進行方向と平行方向に向きを変えさせ、ま
た、移動動作により所定の収納棚の位置に収納さ
せる。ロータリスクリーンの収納及び取り出しは
上部ガイドレール８の位置、下部ガイドレールの
位置、或いはこれらの中間の位置の何れで行つて
も良い。

図面に示した具体例では、往動用ガイドレール
を下部に、復動用ガイドレールを上部に配置して
いるが、この順序を逆にして、往動用ガイドレー
ルを上部に、復動用ガイドレールを下部に配置す
ることもできる。

本発明のロータリスクリーンの交換装置は、前
記した各機構を備え、これら各機構の駆動制御を
手動操作であるいは機械的に或いは油圧回路や電
気回路で行う事ができる。勿論、各機構の駆動を
コンピユータ或いはシーケンサ支援のもとに自動
制御して、自動スクリーン捺染機の運転・稼動サ
イクルに従つて、ロータリスクリーンの交換、洗
浄、乾燥、収納、取り出しを自動的に行なうこと
も可能である。

かくして、本発明によれば、捺染作業中の各作
業は例えば次の動作で行われる。

（） 同一柄の捺染にて配色換えを行なう場合
捺染機より使用済みのスクリーンを取り出し、
洗浄、乾燥して再び捺染機の同一位置に戻す作
業。

この場合は捺染機１−１または１−２より使用
ずみのスクリーン５を取り出し、洗浄、乾燥後に
再び捺染機の同一位置に戻すことが必要である。
このため受け渡し装置１０は、予め入力された制
御プログラムに従つて、往動用下部ガイドレール
７に沿い移動しながら、ロータリスクリーン５の
配置間隔Ｐ１で定まつた所定位置で停止する。停
止と同時に前記の水平方向伸縮機構１０−１が捺
染機上に伸び、スクリーン把持機構１０−２が捺
染機上のスクリーンと同じ高さまで下降し、使用
済みスクリーン５を受け取る。この捺染機上から
スクリーン把持機構１０−２へのスクリーン５の
受け渡しは、ロボツト的ハンドリングの使用が理
想的であるが、この程度のことは人手により行な
つても特に支障はない。

この様にしてスクリーン把持機構１０−２に移
動されたスクリーン５は、水平方向伸縮機構１０
−１により往動用下部ガイドレール７の中央に取
り込まれ、上方に持ち上げられキヤリアー９に受
け渡され把持される。キヤリアー９にて把持され
たスクリーン５は往動用下部ガイドレール７に沿
つて第２図の矢印方向に移送され、洗浄装置１１
にて洗浄、乾燥後、上昇装置１２−１、復動用上
部ガイドレール８、下降装置１２−２と循環移送
され、再び往動用下部ガイドレール７に沿つて矢
印方向に移動し同一ロータリスクリーンの再設置
が行われる。

即ち、この場合受け渡し装置１０は捺染機上の
路ロータリスクリーン配置間隔Ｐに従つて予め定
められた位置に停止するため、キヤリアー９も一
時的にそれと同期して同位置に停止し、前記とは
反対の動作にて、キヤリアー９から受け渡し装置
１０の方へスクリーン５が移される。スクリーン
５を受け取つた受け渡し装置１０では、同装置内
の水平方向伸縮機構１０−１、スクリーン把持機
構１０−２が前記と逆動作を行ない、スクリーン
５を捺染機１−１又は１−２の所定の位置に戻
す。

このようにして、自動スクリーン捺染機の色数
に応じた多数のロータリスクリーンに対して同様
の動作が順次継続して反復され、一つの配色の捺
染を終了したスクリーン５は、その取り出しから
洗浄、乾燥を経て自動的に再び元の位置に戻さ
れ、次の配色の捺染準備が完了するものである。

（） 同一柄にて全配色の捺染が終了した場合
捺染機より使用済みロータリのスクリーンを取
り出し、洗浄、乾燥して収納ラツク装置へ収納
する作業。

この場合は、最終配色の捺染終了後、ロータリ
スクリーン５の処理が前記（）項と同様に行わ
れるが、このスクリーンを再び捺染機に戻すこと
なくラツク収納装置に収納させる。このため、ス
クリーン５はキヤリアー９により下部ガイドレー
ル７、洗浄装置１１、上昇装置１２−１、上部ガ
イドレール８と、第２図矢印方向に搬送され、図
の左方の下降装置１２−２に達する。この場合、
スクリーン５は全配色の捺染を終了し、洗浄、乾
燥されているため、下降装置１２−２により、収
納ラツク装置１３の適当な位置の収納棚１４に収
められる。キヤリアー９から収納棚１４に一本づ
つロータリスクリーンが移送され、それに応じて
収納棚１４も一段づつ上昇又は下降し、使用され
たスクリーン全部を収納する様にする事もでき
る。

（） 新柄スクリーンにより捺染を開始する場
合収納ラツク装置よりロータリスクリーンを取
り出し、捺染機の所定の配列位置に受け渡す作
業。

この場合、新柄のロータリスクリーン５は予め
収納ラツク装置１３内に、捺染機１−１、又は１
−２上での配列順序に従つて収納されている。ス
クリーン５は、これからその順序に従つて収納棚
１４から一本ずつ下降装置１２−２により取り出
され、或いは収納棚１４が１段毎に上昇、或いは
下降する毎に、往動用下部ガイドレール７の高さ
で１本ずつ押し出され、キヤリアー９に移送、把
持される。

一方、下部ガイドレール７の下方に支持される
受け渡し装置１０は、予め設定されている捺染機
１−１または１−２のスクリーン配置間隙Ｐで予
め定められた位置に従つて移動、停止動作を行な
う。これに応じてキヤリアー９も矢印方向に走行
しながら受け渡し装置１０に対応して一時停止
し、スクリーン５を受け渡し装置１０に移送す
る。受け渡し装置１０はスクリーン５を受け取
り、前記（）項と同様の動作でスクリーン５を
捺染機１−１または１−２に受け渡す。

このようにして収納ラツク装置１３内の新柄ス
クリーンは順次所定の順序通り捺染機１−１また
は１−２上に自動的に配列され、新柄の捺染準備
が完了する。また、このスクリーンによる配色替
え作業時は前記（）項と同様の操作により行な
われる。

（発明の効果） 本発明のスクリーンの交換装置は、自動スクリ
ーン捺染機に並行して設置され、前記した各装置
即ち１ガイドレール、２スクリーン用キヤリア
ー、３スクリーン受け渡し装置、４スクリーン洗
浄装置、５スクリーン上昇装置及び下降装置、及
び６スクリーン収納ラツク装置を備え、これら各
装置を、一定の順序でロータリスクリーンが移動
するように配置した事により、自動スクリーンの
交換及び洗浄、乾燥或いは収納、取り出しをロス
タイム無しに能率よく行うことができる。

かくして、捺染作業中の各作業例えば、 (1) 同一柄のロータリスクリーン捺染にて配色換
えを行なう場合、 捺染機より使用済みのスクリーンを取り出
し、洗浄、乾燥して再び捺染機の同一位置に戻
す作業、 (2) 同一柄にて全配色の捺染が終了した場合、 捺染機より使用済みのスクリーンを取り出
し、洗浄、乾燥して収納ラツク装置へ収納する
作業、 (3) 新柄スクリーンにより捺染を開始する場合、 収納ラツク装置よりスクリーンを取り出し、
捺染機の所定の配列位置に受け渡す作業、 などの諸作業が捺染運転のプログラムに従つて効
率良く行なうことができる。

本発明のロータリスクリーンの自動交換装置
は、上記のように自動スクリーン捺染機の捺染工
程に上記のように自動スクリーン捺染機の捺染工
程におけるロータリスクリーンの交換、洗浄に伴
なう作業の能率化、自動化を行つているので、大
幅な捺染機の稼動効率の向上と合理化（労力、時
間、エネルギー、経費等の節減）が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、自動スクリーン捺染機に並列して設
置された本発明のスクリーン枠の自動交換装置の
概要平面図であり、第２図は、第１図の概要側面
図であり、そして第３図は、第１図及び第２図の
概要断面図を示す。 図において、１−１，１−２……自動スクリー
ン捺染機、２−１，２−２……被染布導入装置、
３−１，３−２……捺染機用乾燥機、４……被染
布、５……ロータリスクリーン、６……スクリー
ン処理設備、７……往動用ガイドレール、８……
復動用ガイドレール、９……スクリーン用キヤリ
アー、１０……スクリーン受け渡し装置、１０−
１……水平方向伸縮機構、１０−２……スクリー
ン把持機構、１１……スクリーン洗浄、乾燥装
置、１２−１……スクリーン上昇装置、１２−２
……スクリーン下降装置、１３……スクリーン収
納ラツク装置、１４……スクリーン収納棚。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動スクリーン捺染機に並列して、ロータリ
   スクリーンの往復搬送のために設けられた往動用
   及び復動用ガイドレールと、 上記ガイドレールに沿つてロータリスクリーン
   を把持、搬送する複数のスクリーン用キヤリアー
   と、 前記往動用ガイドレールに沿つて移動及び停止
   が可能で、自動スクリーン捺染機と上記スクリー
   ン用キヤリアーとの間に、ロータリスクリーンを
   受け渡しするスクリーン受け渡し装置と、 前記ガイドレールの前後両端部に設けられ、往
   動用ガイドレールから復動用ガイドレールに、及
   び復動用ガイドレールから往動用ガイドレール
   に、前記スクリーン用キヤリアーを昇降さすため
   のスクリーン上昇及び下降装置と、 往動用ガイドレールの終端部近傍に設けられ、
   前記スクリーン用キヤリアーに把持、搬送されて
   くる使用済みのロータリスクリーンを洗浄、並び
   に乾燥を行なうスクリーン洗浄、乾燥装置と、 往動用ガイドレールの始端部にロータリスクリ
   ーン収納のための複数の収納棚を内蔵し、必要な
   ロータリスクリーンの収納、取り出しを行なうた
   めのスクリーン収納ラツク装置とを備えているこ
   とを特徴とする自動スクリーン捺染機におけるロ
   ータリスクリーンの交換装置。 ２ 前記スクリーン用キヤリアーが、ガイドレー
   ルに沿つて移動中ロータリスクリーンを回転させ
   る機構を備えていることを特徴とする請求項１記
   載の交換装置。