JPH0541426Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、時分針が装着される時分針軸に対し
て、秒針が装着される秒針軸が分離して配設して
ある３針式時計の構造に関するものである。

［従来の技術］ 従来から時分針が装着される時分針軸に対し
て、秒針が装着される秒針軸が分離して配設して
ある３針式腕時計では、同一文字板上に時分針と
秒針を分離して設け、この時分針と秒針は一つの
時計機械体の内部での輪列構造により、その動力
が伝達さりる構成であつた。

また同様の３針式の掛時計では、同一文字板内
の２ケ所に、時分針と秒針とを設け、この各指針
のそれぞれを駆動するために各別の時計機械体が
設けてあるものがあつた。

［解決しようとする課題］ しかし前記の一つの時計機械体の内部での輪列
構造により、２ケ所に時分針と秒針とを設けた構
造のものでは、当然輪列が多くなり、そのためコ
ストの問題や部品点数の増加による信頼性の低下
の問題、更には２ケ所の表示部の相互の位置関係
が輪列によつて決定されるため、時計のデザイン
の自由度が制約されるなどの諸問題があつた。

また時分針と秒針に、それぞれの指針を駆動す
るための時計機械体が設けてある構造のものは、
２ケ所の表示部がその位置関係の規制から解放さ
れるためにデザインの自由度は向上するが、２つ
の時計機械体を必要とするためコストが増大する
問題と、水晶の基本発振周波数が機械体間で異な
ることから生ずる時刻表示のズレの問題があつ
た。

そこで本願出願人は、先に特願昭62−241397号
において、設計的に時分針の位置と秒針の位置と
の間隔の調整が自由にでき、コストの問題も少な
い３針式時計を提案した。本出願人は、この先願
の目的を更に発展させ、構成を簡単にして組立性
の向上を図ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案の３針式時
計の構造は、時分針が装着される時分針軸に対し
て、秒針が装着される秒針軸が分離して配設して
あり、秒針軸を駆動する機械体には、その動力に
よつて駆動される第１回転車が設けてあり、時分
針軸には、日の裏車を介して連動関係にある時針
歯車と分身カナとが備わつている。そして分針軸
と連動する第２回転車と第１回転車との間には伝
達ベルトが掛け回されている。さらに第１回転
車，伝達ベルト，第２回転車，時分針軸および日
の裏車は、相対向する上ケースおよび下ケースに
よつて伝達ユニツトを構成しており、この伝達ユ
ニツトは機械体のケースに連結されている。

［実施例］ 以下図面を参照して本考案の一実施例を説明す
る。

第１，２図に示すように、前枠１と後枠２との
間に前面カバー３が挟着してあり、前面カバー３
と後枠２との間は時刻表示部４となつている。時
刻表示部４の上部位置に、リング状の時分針用文
字板５が配設してあり、文字板５から分離した下
部位置に、秒針用文字板６が配設してある。時分
針用文字板５の中心の前方には、後述する駆動機
構によつて駆動される時針７，分針８が、または
秒針用文字板６の中心の前方には、秒針９がそれ
ぞれ回転自在に設けてある。秒針９は機械体１１
によつて駆動され、この機械体１１の動力によつ
て時針７および分針８を駆動するための伝達ユニ
ツト１０が後に詳述するように構成してある。伝
達ユニツト１０は、後枠２に設けられた筒部２ａ
に嵌合しており、筒部２ａの前端部に飾り２ｂが
設けてある。

第３，４図示のように、伝達ユニツト１０は機
械体１１のケース１１ａの前面に連結してある。
伝達ユニツト１０は相対向する上ケース１０ａと
下ケース１０ｂとによつて構成され、機械体１１
によつて駆動される秒針軸１２および駆動軸１３
は、下ケース１０ｂを貫通して突出している。秒
針軸１２の先端は、さらに上ケース１０ａを貫通
して前方に突出し、この突出端に秒針９が装着さ
れている。駆動軸１３は、秒針軸１２の回転を減
速して回転駆動される通常は分針が装着されるも
のであつて、この駆動軸１３に第１回転車たるベ
ルト車１４が軸着してある。ベルト車１４から上
方へ所定の間隔をもつて、第２回転車たるベルト
車１５ａが、分針軸１５と一体に設けてある。分
針軸１５は下ケース１０ｂに回転自在に軸支して
あり、分針カナ１５ｂが一体に形成してある。分
針軸１５に対して回転自在に嵌合している時針軸
１６に、時針歯車１６ａが一体に形成してある。

下ケース１０ｂから前方に向つて軸１７が突出
形成してあり、軸１７に回転自在に日の裏車１８
が軸支してある。日の裏車１８は分針カナ１５ｂ
と噛合し、日の裏カナ１８ａは時針歯車１６ａに
噛合して減速輪列を構成している。第１回転車１
４と第２回転車１５ａとの間には伝達ベルト１９
が掛け回されており、このために分針軸１５は駆
動軸１３と同一の回転速度、すなわち60分に１回
転の回転速度で駆動される。

分針軸１５および時針軸１６の先端部は、上ケ
ース１０ａを貫通して前方に突出しており、この
突出端に分針８および時針７がそれぞれ装着され
ている。

下ケース１０ｂの下端部は連結部１０ｃとなつ
ており、この連結部が機械体１１のケース１１ａ
の前面に対接している。伝達ユニツト１０は連結
部１０ｃを貫通するねじ２０によつて機械体１１
に連結されている。下ケース１０ｂには、連結部
１０ｃから下方に舌片１０ｄを延伸してあり、第
２図示のように、この舌片１０ｄを貫通する固定
ねじ２１によつて、伝達ユニツト１０および機械
体１１は後枠２に固定されている。機械体１１を
覆う機械体カバー２２が、後枠２に連結してあ
る。

秒針９は機械体１１によつて回転駆動されて秒
表示を行ない、また機械体１１の動力によつて回
転駆動される駆動軸１３に軸着している第１回転
車１４の回転力が、伝達ベルト１９を介して秒針
軸１２から離れた位置にある分針軸１５と一体の
第２回転車１５ａに伝達され、分針８によつて分
表示を行ない、同時に分針カナ１５ｂから日の裏
車１８を介して時針歯車１６ａに減速伝達され、
時針７により時表示を行なう。

［効果］ 本考案は以上詳細に説明したように、機械体か
ら分，時への動力の伝達機構を、上ケースと下ケ
ースにより伝達ユニツトとしてまとめて機械体に
連結したので、構成が簡単となり、組立性が一段
と向上するなどの優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は正面図、第２図はその縦断面図、第３図は
要部の一部断面拡大正面図、第４図は第３図の一
部断面側面図である。 ７……時針、８……分針、９……秒針、１０…
…伝達ユニツト、１０ａ……上ケース、１０ｂ…
…下ケース、１１……機械体、１１ａ……機械体
のケース、１２……秒針軸、１４……第１回転
車、１５……分針軸、１６……時針軸、１５ａ…
…第２回転車、１５ｂ……分針カナ、１６ａ……
時針歯車、１８……日の裏車、１９……伝達ベル
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 時分針が装着される時分針軸に対して、秒針が
   装着される秒針軸が分離して配設してあり、 上記秒針軸を駆動する機械体には、その動力に
   よつて駆動される第１回転車が設けてあり、 上記時分針軸には、日の裏車を介して連動関係
   にある時針歯車と分針カナとが備わつており、 上記分針軸と連動する第２回転車と上記第１回
   転車との間には伝達ベルトが掛け回されており、 上記第１回転車，伝達ベルト，第２回転車，時
   分針軸および日の裏車は、相対向する上ケースお
   よび下ケースによつて伝達ユニツトを構成してお
   り、 上記伝達ユニツトは上記機械体のケースに連結
   されている ことを特徴とする３針式時計の構造。