JPH0328395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は、指針を用いないで時刻をアナログ
的に表示する時計に関するものである。

［従来技術とその問題点］ 従来、アナログ時計の時刻表示は指針を用い、
固定されている文字板の目盛に対する指針の回転
位置で、時刻がわかるようになされている。

しかしながら、時刻表示に指針を用いるという
ことは、その指針を組み付ける分機構が複雑にな
るとともに、その取り付け作業が面倒であり、ま
た、指針があるために時計が厚くなつてしまうと
いう欠点がある。

［考案の目的］ この考案は、上述のような問題点に鑑み、、時
刻表示を指針を用いず、かつ、簡単な構造で行
い、これよつて時計構造の簡略化と、時計の薄型
化とを計つたアナログ表示式の時計を得ることを
目的とする。

［考案の要点］ この考案は、上記目的のために、平板状の第
１、第２の表示部材の表面に時刻の下位単位、上
位単位を表示する数字をそれぞれ設けて並列的に
配置すると共に、第１表示部材の回転を遊星歯車
機構を介して第２表示部材に伝達するようにし
て、所定位置の第１、第２表示部材の数字を読み
取ることにより時刻がわかるようにしたものであ
る。

［実施例］ 次に、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図および第２図において、符号１で示すの
が地板で、この地板は上面にカバー用ガラス２を
取り付ける縁部１ａを残し、その内側に凹陥部１
ｂが上面より見て円形状に設けてある。そして、
地板１の上面中央には、円板状の表示部材押え３
がビス４で固定されるボス１ｃが設けてある。

上記凹陥部１ｂ内には、リング状をなしていて
表面に時刻の下位単位の“分”を表示するための
１〜60の数字が印刷形成してある第１表示部材
５、および、この第１表示部材５の内側に配置さ
れていて同じくリング状をなしており、表面に時
刻の上位単位の“時”を表示する１〜12の数字が
印刷形成してある第２表示部材６、この第２表示
部材６の下面にフリーに軸着されている遊星車
７、この遊星車のカナ７ａと噛み合う固定太陽車
８とで構成されている遊星歯車機構９が、それぞ
れ組み込まれている。なお、符号１０で示すのは
アナログ駆動用のパルスモータで、このパルスモ
ータは地板１側に固定されていて、ローター軸に
一体に取り付けられているローターカナ１０ａが
第１表示部材５の外歯５ａと噛み合つている。

第１表示部材５はさらに内歯５ｂを有してい
て、この内歯５ｂは遊星歯車機構９の遊星車７と
噛み合い、内歯５ｂの下部が地板１の内面とスラ
イド可能に接している。

第２表示部材６は、外周下端が第１表示部材５
でスライド可能に受け止められており、内周側が
表示部材押え３とボス１ｃとで構成する溝１ｄ内
にスライド可能に組み付けられている。

遊星歯車機構９の固定太陽車８は、リング状を
なしていてボス１ｃを中心にして地板１側に固定
されれており、遊星カナ７ａが固定太陽車の外歯
８ａと噛み合いながら固定太陽車８の外周を遊星
回転する。

一方、遊星車７は、この実施例の場合、固定太
陽車８の外周を三等分する位置において第２表示
部材６の下面にそれぞれ軸着されている。また、
表示部材押え３の上面所定箇所には、現在時刻を
指示する時刻指示マーク１１が設けてある。

なお、上記地板１、第１表示部材５、第２表示
部材６、遊星車７、太陽車８は全て合成樹脂で形
成されている。また、第１図において、ローター
カナ１０ａ、第１表示部材５の外歯５ａおよび内
歯５ｂ、遊星車７およびこれのカナ７ａ、固定太
陽車８の外歯８ａをそれぞれピツチ円で示す。

第２図において、符号１２で示すのはムーブメ
ントとしての電子部品や電池などを収納するため
のスペース、１３は裏蓋である。

次に、この実施例の作動について説明する。

図示の場合、第１表示部材５の回転は分表示と
して用いた場合を示していて、パルスモータ１０
は２極のパルスモータで30秒に180度づつ回転し、
ローターカナ１０ａは歯数を６枚とし、第１表示
部材５の外歯５ａの歯数が360枚に設定してある。
よつて、ローターカナ１０ａが1/2回転すると、
第１表示部材５が第１図において右方向に1/120
回転分回転され、ローターカナ１０ａの１回転で
第１表示部材５が“１分”（1/60回転）分回転さ
れる。

第１表示部材５の上記回転に伴い、この部材の
内歯５ｂと噛み合つている遊星歯車機構９の遊星
車７が、自己のカナ７ａと固定太陽車８との噛み
合いによつて固定太陽車８に沿いながら遊星回転
し、この回転に伴つて遊星車７を保持している第
２表示部材６が図示右方向に回転して時表示を行
う。

上記において、第１表示部材５の内歯５ｂの歯
数は200枚、遊星車７の歯数は60枚、これのカナ
７ａの歯数は６枚、固定太陽車８の外歯８ａの歯
数は288枚になしてある。よつて、第２表示部材
６は、第１表示部材５の１回転に対して1/12回転
分の動きをなす。

このようにして回転される歯車列の第１表示部
材５、および、第２表示部材６は、それれぞれの
面に個々表示されている“分”単位の表示と
“時”単位の表示とが、表示部材押え３に設けて
ある時刻指示マーク１１との対応で読み取りでき
ることになる。

なお、時刻表示マーク１１は、図示以外におい
て、たとえば、表面のガラス２側に配置され上記
両時刻表示に渡るカーソル状のものであつてもよ
い。

また、この実施例による時刻表示は、“時”お
よび“分”の場合について示してあるが、これ
は、第１表示部材５とローターカナ１０ａとの間
にもう１段秒表示用の部材を介在させて、時、
分、秒の表示を行うようにしてもよい。

［考案の効果］ この考案は、以上説明したように、歯車列の一
部を時刻表示部材として用いるとともに遊星歯車
機構を用いることにより、アナログ式時計の構造
が簡単となり、組み立て性にすぐれるばかりか薄
型化が計れる。

また、構造の簡略化によつてすべての歯車がエ
ンジニアリングス、プラスチツクなどの成形品に
することが容易となり、コストの低減が高められ
る。一方、図示では省略してあるが、時刻修正の
機構部も簡単に設けることができ、ユニークな時
計として提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は一
部を欠截して示す時計の正面図、第２図は−
線の断面図である。 ５……第１表示部材、６……第２表示部材、９
……遊星歯車機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中央に円形の突部が形成されて周辺に円形の凹
   陥部が形成される時計ケースと、 この時計ケースの前記凹陥部内に配置され表面
   に時刻の下位単位を表示する数字が設けられると
   共に、前記凹陥部の底面に向う立ち下がり部が形
   成されこの立ち下がり部の内側及び外側にそれぞ
   れ内歯及び外歯が形成されたリング状の第一の表
   示部材と、 この表示部材の前記立ち下がり部の前記外歯に
   噛合して前記第一の表示部材を回転させる駆動機
   構と、 前記第一の表示部材の内側に並列的に設けられ
   表面に時刻の上位単位を表示する数字が設けられ
   たリング状の第二の表示部材と、 前記凹陥部の底面で且つ前記円状の突部を囲む
   位置に配置され側面に外歯が形成された固定車
   と、 軸の上部が前記第二の表示部材の下面に固定さ
   れ軸の下部に前記固定車の前記外歯と噛み合うカ
   ナが形成され、軸の中央に前記第一の表示部材の
   前記立ち下がり部の前記内歯と噛合する歯車が形
   成された遊星車と、 からなり、前記第一の表示部材の回転を前記遊星
   車を介して前記第二の表示車に伝達して前記第一
   及び第二の表示部材の表面の数字により時刻を表
   示してなる時計。