JPH0540795U - エア−乾燥機 - Google Patents

エア−乾燥機

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JPH0540795U
JPH0540795U JP8934891U JP8934891U JPH0540795U JP H0540795 U JPH0540795 U JP H0540795U JP 8934891 U JP8934891 U JP 8934891U JP 8934891 U JP8934891 U JP 8934891U JP H0540795 U JPH0540795 U JP H0540795U
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恵一 米沢
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道夫 小堀
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株式会社精工舎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水で洗浄した後の製品において、形状的に水
がたまって水を乾燥させることが困難な部分を含め、製
品に付着した水を確実に短時間で乾燥させる。これによ
りフロン−113のようなオゾン層を破壊する薬品やイ
ソプロピルアルコールなどの火災の危険性がある薬品を
使用せずに、洗浄後の製品表面を完全に乾燥する。 【構成】 第1乾燥装置により開口面積の小さいノズル
3から風束断面積の小さい風速の大きい風を部品8に当
て、そのノズル3を移動することにより部品8の水のた
まりやすく水を吹きとばしにくい部分を含めて部品8に
付着したほとんどの水を吹き飛ばす。そののち部品8を
移動して部品8表面にわずかに残存した水を第2乾燥装
置によりノズル3よりも開口面積の大きいノズル4から
ノズル3よりも風束断面積が大きく、風速の小さい風を
部品8に当て仕上げ乾燥する。これにより複雑な形状を
有する部品8も完全に水切りできる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はエア−乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
近年めっき製品の高度化、多様化に伴って、めっき後の製品表面の僅かなシミ 、汚れ等があると、その後の塗装時等において不具合を引きおこし製品不良の原 因となる。そのため、めっき後の製品を洗浄し表面を清浄にする必要がある。ま た洗浄、乾燥後の製品表面の僅かな乾燥シミが製品不良の原因となるため、洗浄 後の製品の乾燥は極めて重要な工程となっている。
【0003】 そこでめっき後の製品を純水を用いて洗浄した後で乾燥させる方法が考案され ている。従来の加熱乾燥方式は、めっき製品に付着した水分を熱により蒸発除去 する方法であるが、乾燥しみが発生しやすい問題があった。
【0004】 この欠点を解決するためにエア−乾燥法が考案されており、これは製品に付着 した水分を風により吹き飛ばすものである。
【0005】 エア−乾燥法の第1の方法として実公昭62−46137号には、めっき製品 を引掛け状ラックに取付けた状態で水切りを行うために高圧ブロアを用い、気体 噴出用ノズルの先端を偏平な横長先細に形成して大容量の低温の風を製品に当て 水滴を吹き飛ばす装置(風力式低温水切乾燥機)が開示してある。
【0006】 しかし一般に、めっき製品の形状は3次元的に複雑であり、他部品との結合用 の盲穴があったり、箱型形状であることが多い。例えば、図6,7はめっき製品 である時計枠8を示し、水洗浄時に製品8を部分8gが下方になるように保持し た場合は、下端平面部8g、盲穴8a〜8e,スリット状の溝8f,8hに水が たまりやすい。風を図7に対して垂直に当てた場合、これらの部分には風が有効 に作用しないから、これらの部分に一度たまった水は乾燥しにくい。
【0007】 実験によると、上述の従来の風力式低温水切乾燥機ではノズルから部品までの 距離25cmの位置で風速3〜5m/s,風束断面積100cm2 以上の条件で 10分間吹きつけても製品の盲穴,スリット状の溝,下端平面部の水滴の乾燥が 不可能であった。
【0008】 この装置で乾燥させるためには1時間以上を要し、この間に純度の高いイオン 交換水で洗浄しても乾燥中に空気中の種々なゴミやミストが製品表面の水の中へ とり込まれ、乾燥後にシミとなってしまい外観的装飾価値がそこなわれ、商品と しての価値がなくなってしまうことが生じる。また、盲穴に残った水は、後で滲 み出してきて後工程で不良をひき起こす要因になってしまう。
【0009】 またエア−乾燥法の第2の方法として第1の方法における乾燥機のノズル開口 面積より狭い開口面積を有するノズルから、風を圧縮機により高圧にて、第1の 方法における乾燥機よりも高速にて製品に吹き付け水滴を吹きとばす方法がある 。この方法では、例えば盲穴中の水滴に風束を命中させるとこれを除去すること はできる。
【0010】 しかしこの方法では風束を絞ったエアーを吹きつけるため、吹出し風量が少な く、大面積の部品を乾燥させることはできず、時計枠などの全体を乾燥させるこ とは不可能であった。
【0011】 一方、フロン−113,イソプロピルアルコール,トリクロロエタンなどの有 機溶剤とそれに界面活性剤を混合した水切乾燥剤によってめっき後の製品を洗浄 、乾燥する方法がある。この方法によると、洗浄後の製品を完全に乾燥でき乾燥 しみも発生せず、特にフロン−113を用いると直接的には人間に対し無害であ るという長所がある。しかしこの方法によるとランニングコストが高く、特にイ ソプロピルアルコール,トリクロロエタンを用いると火災,人体への影響等安全 性の点で問題があり、またフロン−113、トリクロロエタンによるとオゾン層 破壊など地球環境に悪影響を与えるという欠点があった。
【0012】 本考案は、上記欠点を改善し、形状的に水がたまってその水を乾燥させること が困難な製品の乾燥をフロン等を使用することなく確実に短時間で行えるように することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本考案によるエア−乾燥機は、第1乾燥装置と、第 2乾燥装置と、被乾燥体を第1乾燥装置を経て第2乾燥装置を通過させる搬送装 置とからなり、第1乾燥装置は、被乾燥体に対向可能に設けてありノズル開口面 積が小さくかつ風速が大きいエア−を噴射する第1ノズルと、第1ノズルを、被 乾燥体全体にエア−が当たるよう駆動する第1駆動装置とを有し、第2乾燥装置 は、風速が上記第1ノズルのそれよりも小さいエア−を上記被乾燥体全体に当て る送風装置を有することを特徴とする。
【0014】 送風装置は上記被乾燥体に対向可能に設けてある第2ノズルであり、そのノズ ル開口面積が第1ノズルのそれよりも大きくかつ風速が第1ノズルのそれよりも 小さいエア−を噴射するものであってもよい。
【0015】 また、第2乾燥装置は、第2ノズルを上記被乾燥体全体にエア−が当たるよう 駆動する第2駆動装置を有するようにしてもよい。
【0016】 第1ノズルから噴射されるエア−は、ノズル先端からの距離5〜40cmの範 囲において風束断面積2〜40cm2 、風速15〜40m/sであり、第2ノズ ルから噴射されるエア−は、ノズル先端からの距離5〜40cmの範囲において 風束断面積40〜300cm2 、風速2〜15m/sであることが望ましい。
【0017】
【作用】 第1乾燥装置の第1ノズルの狭い開口により、風束を絞って風束断面積を小さ くし風速を大きくしたエア−を被乾燥体に当て、そのノズルを移動することによ り製品の水のたまりやすく水を吹きとばしにくい部分を含めて被乾燥体に付着し たほとんどの水を吹き飛ばす。そののち被乾燥体を移動し被乾燥体表面にわずか に残存した水を連続して第2乾燥装置の送風装置により、第1乾燥装置よりも風 速の小さい風を被乾燥体全体に吹きつけ仕上げ乾燥する。これにより複雑な形状 を有する被乾燥体も完全に水切り乾燥できる。
【0018】
【実施例】
引掛け方式によるめっき処理後の水にぬれた部品を本装置でエアー乾燥させる 例について説明する。
【0019】 図2のようにめっき処理引掛治具7には、めっき完了部品(被乾燥体)8が引 掛けられていて、治具7は、搬送装置バー6にセットされている。治具7は図2 の右方向へ移動するバー12の爪に係合し、バー6上を移動する。
【0020】 部品8は、時計枠で熱可塑製樹脂で射出成形されたもので、治具7にとりつけ られ、バー6上を搬送されつつ順次銅、ニッケル、黄銅めっき等の湿式めっき処 理を施され、その後表面を市水、純粋で洗浄する。部品8の形状は3次元的に複 雑であり、他部品との結合用の盲穴があったり、箱型形状であることが多く、一 度たまった水を乾燥させずらい。
【0021】 水による洗浄工程を経て、治具7はバー6上を移動し第1段階の乾燥エリア1 (第1乾燥装置)上に位置する。そののち治具7は、図2の左から右へ一定速度 で搬送され、エアー噴出乾燥エリア1→エリア2と通過することによって、めっ き処理完了後水にぬれた部品8を乾燥させるようになっている。
【0022】 エリア1には、エアーの風束断面積が小さく、風速の大きなエアーを噴出させ るために、エアー噴出用の第1ノズル3が設けてある。
【0023】 第1段階の乾燥エリアには搬送路下方にコンプレッサーが置かれ、ノズル3へ ホースでエアーが供給される。ノズル3は、図1に示したとおり片側7個づつの 計14個が金属製可動装置に組み込まれ、図示しない第1駆動装置によって一定 速度で上下に往復している。図4のように、ノズル3の噴出口3aはφ1〜2m m程度で各ノズルに2.5kg/cm2 〜4kg/cm2 の圧力がかかるように コンプレッサーからエアーが供給される。これによりノズル3先端からの距離5 〜40cmの範囲において風束断面積は2〜40cm2 、風速は15〜40m/ sとなるように設定される。
【0024】 また、第2段階の乾燥エリア(第2乾燥装置)2は、エリア1と比較して、各 々ノズルから同じ距離離れた位置で、エリア1よりも風束断面積が大きく風速が 小さなエアーを噴出させるための第2ノズル(送風装置)4が設けてある。図5 のとおり、ノズル4の噴出口の寸法は100×10 mm程度であり、これによ りノズル4先端からの距離5〜40cmの範囲において風束断面積は40〜30 0cm2 、風速は2〜15m/sとなるように設定される。第2段階の乾燥エリ ア2では、図2のように5.5kwのブロワー10が2台搬送路下方に置かれ、 エアー噴出ノズル4へフレキシブルなホースで温風が供給される。風は循環器1 1により循環されている。ノズル4からの噴出エアーは約50〜60℃の温度で あり、部品8の位置においてその風速が5〜8m/s程度の風束エリアが大部分 を占める。これは第1エリアよりもかなり風圧の弱い温風エアーを製品全体に当 てて、残った水を送風と温風で蒸発乾燥させるためのものである。この例では、 エリア2には全部でノズル4が合計60個設置してあり、各々のノズルがその位 置において、水平方向を中心として、図3のように第2駆動装置(図示せず。) により上下に各々20〜50°首振り稼動させていて、全製品にエアーが当たる ようになっている。
【0025】 次に動作について説明する。
【0026】 図2のように治具7が乾燥エリア1上に位置したときにバー6aが下降し、治 具7が乾燥エリア1内に入り、ノズル3が上下しつつ、治具7に引掛けられた部 品8に風を吹きつける。
【0027】 噴出エアーは、製品の位置において風速が20m/sを越える風束の断面積が 、10〜20cm2 程度となる。これは処理製品寸法(約30cm×30cm× 10cm程度)から見ると、強力なエアーがスポット的に当てられ、ノズル移動 により順次部品8の全領域をカバーされることになり、表面の水が吹き飛ばされ る。実際、このエリアで1分間エアー噴射され、部品8に付いた水の約90〜9 8%の水が除去される。
【0028】 その後にバー6aは上昇し、治具7は移動してバー6b上に移り、第2段階の 乾燥エリア2内へ移動していく。
【0029】 この乾燥エリア2では部品8に約5分間エアー噴射され、部品8がエリア2か ら出てくると、複雑な形状の部品でも完全に乾燥している。
【0030】 本考案によれば、第1エリアの強力な風束を絞ったエアーで部品の盲穴,箱型 形状,スリット形状などの水がたまりやすく、加熱だけや弱い送風だけでは乾燥 させづらい形状の箇所でも90〜98%の付着水をふきとばすことができる。そ うした後には弱い送風や加熱により水を蒸発乾燥させやすくなり、第2エリアで 部品を完全に乾燥させられる。
【0031】 つぎに、本考案と従来の風力式低温水切乾燥機(駒沢工業(株)製)とで乾燥 性能を比較した結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】 表1から分かるように部品の盲穴、スリット等製品の水がたまりやすく除去し にくい部分を従来と比較して短時間で乾燥できる。また平面の乾燥についても、 従来の1/2〜1/3の時間ですむ。
【0034】 本考案は本実施例に限られず、例えば本実施例では、第1段階の乾燥エリアに おいて、ノズル3は上下に往復する構成になっているが、乾燥エリア2のように ノズルがその位置において上下に各々首振り稼動される構成にしてもよい。
【0035】 また、第1段階の乾燥エリア内において、エアーを部品に当てているとき部品 を保持する治具7を、乾燥エリア1内で搬送方向に移動するようにしてもよい。
【0036】 また、乾燥エリア2によって部品表面に吹きつけるエアーは温風でなくてもよ い。さらに乾燥エリア2の送風装置は本実施例のような揺動するノズルでなくて もよく固定したダクトでもよく、また箱体の中に設けてあり部品表面全体に風を 当てるファンであってもよい。
【0037】
【考案の効果】
本考案によれば、製品の盲穴,スリット等水が除去しにくい部分の水を短時間 で完全に乾燥させることができ品質向上に貢献する。また、製品を短時間で乾燥 させることができるため乾燥させるための製品を搬送する経路を短くでき、乾燥 装置を小型化できる。
【0038】 本考案をめっき後の製品を純水洗浄した後工程に適用すれば、従来フロン−1 13,イソプロピルアルコール,トリクロロエタンなどの有機溶剤とそれに界面 活性剤を混合した水切乾燥剤を使用し、めっき後の製品を洗浄、乾燥する方法と 比較して火災,人体への影響等安全性の点で問題がなく、またランニングコスト も安く、さらにフロン−113やトリクロロエタンのようにオゾン層破壊など地 球環境に悪影響を与えないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す平面図である。
【図2】本考案の一実施例を示す一部断面正面図であ
る。
【図3】本考案の一実施例を示す断面図である。
【図4】本考案の一実施例の第1ノズルを示す図であ
る。
【図5】本考案の一実施例の第2ノズルを示す図であ
る。
【図6】本考案の一実施例の被乾燥体の断面図である。
【図7】本考案の一実施例の被乾燥体の一部断面正面図
である。
【符号の説明】
1 第1乾燥装置 2 第2乾燥装置 3 第1ノズル 4 第2ノズル(送風装置) 6,12 搬送装置 8 被乾燥体

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1乾燥装置と、第2乾燥装置と、被乾
    燥体を上記第1乾燥装置を経て上記第2乾燥装置を通過
    させる搬送装置とからなり、 上記第1乾燥装置は、上記被乾燥体に対向可能に設けて
    ありノズル開口面積が小さくかつ風速が大きいエア−を
    噴射する第1ノズルと、上記第1ノズルを上記被乾燥体
    全体にエア−が当たるよう駆動する第1駆動装置とを有
    し、 上記第2乾燥装置は、風速が上記第1ノズルのそれより
    も小さいエア−を上記被乾燥体全体に当てる送風装置を
    有することを特徴とするエア−乾燥機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記送風装置は、上
    記被乾燥体に対向可能に設けてある第2ノズルであり、
    そのノズル開口面積は上記第1ノズルのそれよりも大き
    くかつ風速が上記第1ノズルのそれよりも小さいエア−
    を噴射するものであることを特徴とするエア−乾燥機。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記第2乾燥装置
    は、上記第2ノズルを上記被乾燥体全体にエア−が当た
    るよう駆動する第2駆動装置を有することを特徴とする
    エア−乾燥機。
  4. 【請求項4】 請求項1または2または3において、上
    記第1ノズルから噴射されるエア−は、ノズル先端から
    の距離5〜40cmの範囲において風束断面積2〜40
    cm2 、風速15〜40m/sであることを特徴とする
    エア−乾燥機。
  5. 【請求項5】 請求項2または3において、上記第2ノ
    ズルから噴射されるエア−は、ノズル先端からの距離5
    〜40cmの範囲において風束断面積40〜300cm
    2 、風速2〜15m/sであることを特徴とするエア−
    乾燥機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100424895B1 (ko) * 2001-10-08 2004-03-27 주식회사 한성플랜트 증발성 오일 건조기
KR100913578B1 (ko) * 2007-06-14 2009-08-31 (주)한국대화금속 건조시스템
JP2010084969A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Oiwa Machinery Corp 食品運搬薄型容器洗浄後の乾燥方法及び乾燥装置

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JP2010084969A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Oiwa Machinery Corp 食品運搬薄型容器洗浄後の乾燥方法及び乾燥装置

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