JPH053965B2 - - Google Patents

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JPH053965B2
JPH053965B2 JP27877487A JP27877487A JPH053965B2 JP H053965 B2 JPH053965 B2 JP H053965B2 JP 27877487 A JP27877487 A JP 27877487A JP 27877487 A JP27877487 A JP 27877487A JP H053965 B2 JPH053965 B2 JP H053965B2
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JP
Japan
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resin film
resin
mold
decorative material
molded plywood
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JP27877487A
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Hisayoshi Oosumi
Taichi Iketani
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Yamaha Corp
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Yamaha Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、表面保護用の樹脂膜が成形合板の
成形と同時に形成される製造方法に関し、成形型
の内表面上と化粧材および基材の表面に粉体樹脂
よりなる樹脂膜を設けることにより、特に膜厚が
大きく気泡の発生が抑制された保護層が得られ、
硬質で耐久性の高い厚膜の成形合板を製造できる
ようにしたものである。
[従来の技術] 従来より、化粧材と基材とが積層一体化されて
なる成形合板の製法には、一般に、化粧材と基材
の一方または両方に接着剤を塗布して積層し、成
形型に装入して加熱加圧して成形したのち、表面
の塗装を施して樹脂膜を形成して保護層とし、所
望の成形合板を得方法が知られている。そしてこ
の方法では、表面に設けられる保護層によつて、
耐久性や意匠性などの特性の向上を図ろうという
ものである。
[発明が解決しようとする問題点] ところが、この方法では、成形加工によつて成
形合板を製造した後に塗装を施して保護層を形成
するものであるので、膜厚の大きい保護層の形成
が困難であつた。特に、得ようとする成形合板が
立体的な形状を有し、塗装面が平坦面でないよう
な場合や、粉体樹脂を用いて塗装を行う場合に
は、均一に粉体樹脂を被着させることが極めて難
しいために、上述の問題は一層深刻なものであつ
た。そしてこのために、成形合板の剛性や耐久性
等の特性を十分得ることが難しかつた。またこの
方法にあつては、形成された保護層が150μmを越
える程度の膜厚になると、保護層中の脱泡が不十
分となり易く、このため気泡が発生する問題が生
じることも多々あつた。
この発明は、上述の問題点を解消し、硬質で耐
久性が良く、かつ気泡の発生が抑制された、膜厚
の大きい成形合板を得る方法を提供することを目
的としている。
[問題点を解決するための手段] この発明は、成形型の内表面および化粧材の表
面に、それぞれ粉体樹脂よりなる樹脂膜を形成し
たのち、この化粧材および基材を上記成形型に装
入して加熱圧着することをその解決手段とする。
以下、この発明の成形合板の製法の一例を、図
面に基いて工程順に詳しく説明する。
〔工程 1〕 まず、成形型、化粧材および複数枚の基材をそ
れぞれ用意する。
第1図は、この発明において使用される成形
型、化粧材、基材のそれぞれの一例を示すもので
ある。
第1図中符号1は成形型である。成形型1は、
通常その内表面の一部あるいは全部に、曲面、球
面等の非平坦面を有する鋼製のものである。そし
て、後述の樹脂膜形成の前処理として、この成形
型1の鏡面とされた内表面に離型剤を塗布して、
150℃程度で20分程度焼き付けて離型処理を施す
ことが好ましい。この前処理を施すことによつ
て、最終的に成形合板を成形型1から離型する際
の作業が容易になる効果が得られる。
また化粧材2は、最終的にその表面が人の目に
触れることが多いため、美しい木目模様を有する
木質材、例えばバーズアイメープル等の化粧単板
などが好ましいが、これに限られるものではな
く、これ以外の天然木板や人工木板等の化粧単板
やこれら化粧単板に不織布等の裏打ち材を裏打ち
したものあるいは化粧単板を木質系ボード、合板
木質セメント板などに貼り合わせた化粧合板、天
然木寄木などで、厚さが0.2〜1.0mm程度のものな
どが使用される。そして、後述の樹脂膜形成の前
処理として、これらの化粧材2の表面には研削、
切削等を施したり、また必要に応じて着色剤を塗
布して適宜の色に着色したりすることもできる。
ここで、研削には#180〜#320程度のサンドペー
パー等が使用され、また着色には、染顔料を溶剤
に溶解したもの、あるいはこれに少量の樹脂分、
例えばポリウレタン系樹脂等を溶解させたものが
好適に使用される。
また基材3としては、天然木ムク材、合板、パ
ーチクルボード、化粧単板、化粧単板貼り合板な
どの木質材の他、あるいはアルミニウム合金板、
鋼板等の金属板などが用いられても良く、厚さ
0.5〜10mm程度のものが好適に使用される。ここ
で、上記木質材が使用される場合には、成形加工
に適するように可撓性の優れた材、例えばブナ単
板などが好適に使用されるが、これに限られるこ
とはない。また上記金属板が使用される場合に
は、接着性を改善するために、予め脱脂処理、リ
ン酸塩処理などの表面処理が施されたものが使用
されることが好ましい。
〔工程 2〕 次いで、上記成形型1の内表面および化粧材2
の表面上に粉体樹脂を塗布して、それぞれ樹脂膜
1a、樹脂膜2aを形成する。
ここで使用される粉体樹脂としては、例えば不
飽和ポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂系、フエ
ノール樹脂系あるいはポリブタジエン系、アクリ
ルウレタン系、アクリルシリコーン系、フツ素樹
脂系や、これらの混合物などが好適に使用され
る。また必要に応じこれに適宜、光安定剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤等を添加したもの
が使用されてもよい。
そして、特に、成形型1の内表面および化粧材
2の表面上に形成される樹脂膜1a、樹脂膜2a
は、ともに最終製品の最外層となるために、その
下層の化粧材2表面の木目模様が外部にも美しく
映るために、透明な膜であることが望ましく、例
えば飽和ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂との混
合物からなる粉体樹脂などが好適に使用される。
そして、この化粧材2の表面に形成する樹脂膜
2aとして、成形型1の内表面の樹脂膜1aに用
いる粉体樹脂よりも、熱変形温度(以下、HDT
と略称する。)が高いものを使用すれば、最終製
品の表面保護層4となるこの2層の樹脂膜のう
ち、下地層となる樹脂膜2aの方が、よりHDT
が高く硬質のものとなるので、成形合板として
は、より安定で良質の製品となる利点がある。
塗布には、常温あるいは150℃程度に加熱した
成形型1あるいは化粧材2の表面上にエアスプレ
ー法などにより塗布してもよいが、好ましくは静
電塗装法が用いられる。この静電塗装法は、具体
的には例えば、高圧直流発生装置と、粉体塗料を
噴霧する噴霧装置と、被塗装物を支持する支持部
とを有して構成される静電塗装装置を用いて行な
われ、この被塗装物にプラス、噴霧装置にマイナ
スの直流高電圧を掛け、この両者間に静電気力を
生じさせ、噴霧装置により帯電した噴霧状の塗料
をこの静電気力によつて被塗装物へ向けて飛ば
し、被塗装物表面上に粉体樹脂からなる塗膜を形
成するというものである。ここで、被塗装物が成
形型1の場合には、粉体樹脂の塗布量は150〜
300g/m2程度、また化粧材2の場合には50〜
150g/m2程度とされ、最終的な膜厚がそれぞれ
約135〜270μm、45〜135μm程度と比較的厚めに
なるように調整されることが好ましい。
〔工程 3〕 以上のようにして形成された樹脂膜1aおよび
樹脂膜2aは粉体樹脂からなるものであるので、
その表面には粉体の形状が残されたままであつ
て、でこぼこであるうえに気泡を含むものであ
る。従つて、この後、上記樹脂膜1a、樹脂膜2
aを加熱炉あるいは赤外線照射炉などの内部を通
過させて、それぞれ成形型1あるいは化粧材2の
表面上に上記樹脂膜を融着固化させる。この時、
成形型1内表面に形成された樹脂膜1aは溶融さ
れて半硬化状態とされることが望ましい。具体的
には、例えば150℃程度の加熱炉内を10分程度溶
融フローさせることにより実施される。また化粧
材2表面に形成された樹脂膜2aの融着固化に際
しては、上記成形型1内表面上の樹脂膜1aの融
着固化の条件よりも幾分緩やかな条件、すなわち
架橋反応が進行しない程度に行なわれる。具体的
には、温度150℃程度の加熱炉内を1分程度通過
させることによつて実施されてもよいが、波長
0.75〜400μmの赤外線を上記樹脂膜2a上に照射
し、この樹脂膜2aの表面温度が100〜120℃程度
となる照射条件で1〜0.3分程度行うことにより
実施するのが好ましい。特に波長1〜100μmの遠
赤外線を利用するのが加熱効果が高くて好まし
い。具体的には、例えば赤外線ランプを複数個設
けた照射パネルに平面型、平行型、集光型などの
反射板を取り付けた照射装置を1基以上コンベア
上方にコンベアの移動方向に並べて配置し、被塗
装物をコンベア上に載置、移動しつつ、上記照射
装置から赤外線を照射する方法などによつて行な
われる。照射装置とコンベアとの間隔を変えるこ
とにより、照射強度、すなわち表面温度を変える
ことができる。従つて、照射装置の赤外ランプの
個数、出力、コンベアとの間隔等を適宜変えるこ
とにより0.1〜0.2分程度の短い照射時間で目的と
する加熱効果が得られ、コンベアによる連続処理
が行うことができる。
このようにして、成形型1内表面上に形成され
た樹脂膜1aを半硬化状態とすることによつて、
後述の成形加工時の加熱加圧によつても、樹脂の
流動が防止あるいは抑制され、所定の膜厚を確保
することが可能となる。一方、化粧材2表面に形
成された樹脂膜2aにおいては、このように半硬
化状態とはせずに単に融着固化することにより、
後述の成形加工の際の樹脂膜2aの流動性を確保
できるので、化粧材2を容易に成形型1と同一の
形状に変形させることができる。
〔工程 4〕 一方基材3は、必要枚数を用意し、この基材
3,3…表面に接着剤を塗布して、それぞれ接着
層3a,3a…を形成する。接着剤はエポキシ樹
脂系、塩化ビニル系、不飽和ポリエステル樹脂
系、熱硬化型アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系な
どの粉体あるいは液状接着剤が使用されるが、な
かでもエポキシ樹脂系粉体接着剤が好ましく、特
にイミダゾール類を硬化剤とするエポキシ樹脂系
のものが好ましい。粉体接着剤の塗布は、エアス
プレー法や前述の静電塗装法などによつて行なわ
れる。また液状接着剤の塗布は、ロールコータ、
スピンコータあるいは刷毛塗り法などの方法によ
つて行なわれ、上記基材の片面あるいは両面に塗
布される。塗布量は片面塗布で100〜200g/m2
度とされ、接着後の接着層の厚さが約50〜150μm
程度と厚目となるように調節されることが好まし
い。
次いで、この接着層3a,3a…を溶融固化さ
せる。この時、接着剤が塗布された必要枚数の基
材3,3…を重ね合わせた状態で接着層3a,3
a…を溶融固化させて、基材3,3…の積層一体
化を実施してもよく、また接着層3a,3a…を
一枚一枚別々に溶融固化させてもよい。溶融固化
は、加熱により接着層3a,3a…を溶融固化さ
せる方法、あるいは基材3,3…に赤外線を照射
して接着層3a,3a…を溶融固化させる方法な
どによつて行なわれる。この際の加熱条件や赤外
線照射条件は、接着剤の種類、基材3,3…の種
類や積層枚数等の条件によつて異なり、通常温度
100〜120℃、時間1〜0.3分程度の範囲とされる。
〔工程 5〕 次いで、樹脂膜2aが形成された上記化粧材2
と接着剤が塗布された複数の基材3,3…とを、
所定の積層順序に従つて積層したうえ、第2図に
示したように上記樹脂膜1aが形成された成形型
1に装入して加熱加圧して樹脂膜1a、樹脂膜2
aおよび接着層3aを溶融硬化させ、樹脂膜1a
と樹脂膜2a、化粧材2と基材3あるいは基材
3,3…同士等を接着一体化する。この際の加
熱、加圧条件は、樹脂膜1a、樹脂膜2aの種
類、接着剤の種類、化粧材2、基材3,3…の種
類や積層枚数などによつて異なり、通常圧力0.8
〜3MPa、温度130〜150℃、時間30〜10分程度と
される。
〔工程 6〕 このようにして得られた成形合板は、上記の成
形型1から剥離されて、バリ取りなどの仕上げ処
理を施して、目的の成形合板とされる。
第4図に、得られた成形合板の一例を示す。こ
の成形合板は、基材3、接着層3a、化粧材2、
樹脂膜2a、樹脂膜1aが順次積層一体化されて
なるものであつて、その最外層には、透明な樹脂
膜2aと樹脂膜1aとからなる表面保護層4が設
けられている。
また、このような成形合板5は、必要に応じて
種々の木工加工が施され、さらには表面着色、表
面塗装が行なわれて、使用に供される。
以上のような方法により製造された成形合板5
にあつては、成形型1の内表面および化粧材2の
表面に設けられたそれぞれの樹脂膜1aおよび樹
脂膜2aが、ともに成形合板5の表面保護層4と
なるので、膜厚が大きく、硬度が高く耐久性や耐
候性の良好な成形合板5を得ることができる。
また、この樹脂膜1aおよび樹脂膜2aとして
粉体樹脂を用いたことにより、厚膜形成の効果が
向上するとともに、加熱融着時の膜の脱泡が十分
行なわれるので、気泡の発生が防止あるいは抑制
された樹脂膜1a、樹脂膜2aが得られる。
またこの樹脂膜1a、樹脂膜2aを透明な粉体
樹脂を用いて形成すれば、この下層に配された化
粧材2の木目模様を有する表面やあるいは着色さ
れた美しい表面などが、表面保護層4を介して外
部に映るので、木質感あふれるあるいは色彩感豊
かな成形合板5を得ることができる。また、上記
樹脂膜1aと樹脂膜2aを構成する粉体樹脂の種
類を変えたり、それぞれに特徴的な模様や着色等
を施したりすれば、この樹脂膜1aと樹脂膜2a
との複合化が図れ、重圧感のある商品価値の高い
成形合板5とすることもできる。
さらに、成形型1の内表面に形成された樹脂膜
1aを半硬化状態とすれば、成形加工時の加熱加
圧によつても、樹脂の流動を防止あるいは抑制で
きるので、膜厚の大きい均一な樹脂膜1aを形成
することが可能となる。
また、化粧材2表面に形成する樹脂膜2aとし
て、成形型1内表面に形成する樹脂膜1aに用い
る粉体樹脂よりもHDTの高い粉体樹脂を使用す
れば、最終製品の表面保護層4となる2層の樹脂
膜のうち、下地層となる樹脂膜2aの方がより
HDTが高く硬質のものとなるので、成形合板5
としては、より安定で良質な製品となる利点もあ
る。
以上ここでは、化粧材2および基材3,3…と
して第3図に示したような平面状のものを使用し
た例を述べたが、化粧材2および基材3,3…
は、それぞれの表面上に樹脂膜2aあるいは接着
層3a,3a…が形成される前に、予め予備成形
が施されて、最終製品の形状とほぼ同一形状に成
形されてもよい。この予備成形は、成形型1を用
いて、圧力1MPa、温度130℃程度で行なわれる。
そして、この予備成形は、化粧材2、基材3,3
…をそれぞれ別々に行つてもよいが、複数枚の基
材3,3…を重ね合わせて行つてもよいし、また
化粧材2と一緒に実施してもよい。この予備成形
を行えば化粧材2あるいは基材3,3…として比
較的厚いものを用いることができ、しかも厚いも
のを用いても割裂したり剥離したりすることがな
い利点がある。またこの予備成形により概略の形
状が予め得られたのちに成形加工がなされるの
で、成形加工時の加熱加圧の際にはさほど高圧に
する必要がなくなるため、接着剤や樹脂膜の流れ
が少なく、厚肉の接着層3a,3a…および樹脂
膜2aが得られるという効果もある。
〔実施例〕
以下に示す方法により、実施例(6例)の成形
合板を製造した。
(実施例 1) 成形型の内表面に離型剤を塗布し、これを150
℃で20分間焼き付けて離型処理した。次いで150
℃に加熱した状態で、ポリエステル樹脂系とエポ
キシ樹脂系の混合樹脂からなる粉体樹脂を塗布量
300g/m2となるように静電塗装して樹脂膜を形
成した。次いでこの樹脂膜を150℃の温度で溶融
フローさせて、硬化させた。
ここで、上記ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂
との混合樹脂からなる粉体樹脂の配合量は、 飽和ポリエステル樹脂 90重量部 トリグリシジルイソシアヌレート 10重量部 ベンゾイン 1.0重量部 トリフエニルフオスフイン 0.6重量部 フロー調整剤 0.5重量部 のもので、HDTが60℃のものを使用した。
厚さ0.2mmのバーズアイメープルツキ板の裏に
30g/m2の不織布を裏打ちした化粧材の表面を
#240のサンドペーパーにより研削した後ウレタ
ン着色剤で着色した。これにポリエステル樹脂系
とエポキシ樹脂系の混合樹脂からなる粉体樹脂を
塗布量100g/m2となるように静電塗装して樹脂
膜を形成した。次いでこの樹脂膜に遠赤外線を照
射して溶融固化させた。ここで、このポリエステ
ル樹脂とエポキシ樹脂との混合樹脂からなる粉体
樹脂の配合量は、 飽和ポリエステル樹脂 85重量部 トリグリシジルイソシアヌレート 15重量部 ベンゾイン 1.0重量部 トリフエニルフオスフイン 0.6重量部 フロー調整剤 0.5重量部 のもので、HDTが70℃のものを使用した。
厚さ0.6mmのブナ材のツキ板を10枚用意し、最
終製品を同一形状となるように予備成形した。こ
のツキ板それぞれにエポキシ樹脂からなる粉体接
着材を塗布量100g/m2となるように塗布して接
着層を形成した。これにそれぞれ遠赤外線を照射
して接着層を融着硬化させた。ここで、上記エポ
キシ樹脂系粉体接着剤の配合量は、 エピコート1055(油化シエルエポキシ社製)
50重量部 エピコート1001(油化シエルエポキシ社製)
50重量部 2−エチル−4−メチルイミダゾール3重量部 ベヘニン酸 0.7重量部 とし、これらを溶融混合したのち粉砕し、100メ
ツシユパスとした粉体接着剤を使用した。
上記10枚の基材を重ねて、その最外層に上記化
粧材を重ね合わせて、上記成形型に装入し、温度
150℃、圧力2.5MPaで10分間成形した。
その後、成形型から製品を離型して、バリ取り
処理を行つて、成形合板を得た。
(実施例 2) 上記バーズアイメープルツキ板製の化粧材に塗
布した粉体樹脂を、エポキシ樹脂とした以外は、
実施例1と同様にして、成形合板を得た。ここ
で、このエポキシ樹脂の配合量は、 エピコート1055(油化シエルエポキシ社製)
50重量部 エピコート1001(油化シエルエポキシ社製)
50重量部 2−エチル−4−メチルイミダゾール2重量部 ウンデシルイミダゾール 2重量部 ベヘニン酸 0.7重量部 とし、これらを溶融混合したのち粉砕したもの
で、HDTが100℃のものを使用した。
(実施例 3) 上記ブナツキ板製の基材に使用した接着剤を、
ウレタン接着剤(サンスター技研(株)社製)と
した以外は実施例1と同様にして、成形合板を得
た。
(実施例 4) 上記基材部分に厚さ6mmの不飽和ポリエステル
シートモールデイングコンパウンドを用いた以外
は、実施例1と同様にして、成形合板を得た。
(実施例 5) 上記基材部分に、エポキシ樹脂を含浸した厚さ
6mmの繊維板を用いた以外は、実施例1と同様に
して成形合板を得た。
(実施例 6) 上記基材として、厚さ0.1mmエポキシプリプレ
グ板10枚を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、成形合板を得た。
以上のようにして製造した実施例(6例)の成
形合板にあつては、その表面に形成された2層の
樹脂膜からなる表面保護層は、いずれも厚さ
400μm程度と、従来の成形合板の保護膜の厚さに
比べて非常に厚いものが得られた。また、これら
の樹脂膜には透明なものを使用したために、その
内部の化粧材表面の木目模様が映り、外観的にも
美しいものであつた。また、その硬度は十分に高
く、また気泡の発生は完全に防止され、耐候性、
耐久性等の性能も良好であつた。また各層の接着
性も十分であるうえに、成形加工時の作業性の点
からも優れていた。
[発明の効果] この発明の製法は、化粧材と基材とが積層一体
化され、かつその最外面に表面保護層が形成され
てなる成形合板を、成形型を用いて製造する方法
であつて、前記成形型の内表面および化粧材の表
面にそれぞれ粉体樹脂よりなる樹脂膜を形成した
のち、この化粧材および基材を上記成形型に挿入
して加熱圧着するものであるので、成形型の内表
面および化粧材の表面に設けられたそれぞれの樹
脂膜が、ともに成形合板の表面保護層となるた
め、膜厚が大きく硬度の高い成形合板を得ること
ができる。
また樹脂膜として粉体樹脂を用いたことによ
り、厚膜を形成する効果が向上するとともに、気
泡の発生を抑制または防止することもできる。
また、この表面保護層の下層には化粧材が配さ
れているので、樹脂膜として透明な粉体樹脂を用
いればこの表面保護層を介して化粧材の表面が外
部に映るので、化粧材として木目模様の美しいも
のや各種着色の施されたものを使用した場合に
は、木質感あふれるまたは色彩感豊かな成形合板
とすることができ、その商品価値を大きく向上さ
せることができる。
また、成形型の内表面上の樹脂膜を半硬化状態
とすれば、成形加工時の加熱加圧によつても、樹
脂の流動を防止あるいは抑制できるので、膜厚の
大きい均一な樹脂膜を得ることが可能となる。
また、化粧材表面に形成する樹脂膜として、成
形型内表面に形成する樹脂膜に用いる粉体樹脂よ
りもHDTの高い粉体樹脂を使用すれば、最終製
品の表面保護層となる2層の樹脂膜のうち、下地
層となる樹脂膜の方がよりHDTが高く硬質なも
のとなるので、成形合板としては、より安定で良
質の製品となる利点もある。このように2層の樹
脂膜の材質を変えたり、あるいはそれぞれに特徴
的な模様や着色を施したりすることにより、樹脂
膜の複合化が容易に図れ、重圧感のある商品価値
の高い所望の成形合板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明において使用される成形
型、化粧材および基材のそれぞれの一例を示す概
略断面図、第2図はこの発明における成形法の一
例を示す概略断面図、第3図は、この発明によつ
て製造された成形合板の一例を示す概略断面図で
ある。 1……成形型、1a……樹脂膜、2……化粧
材、2a……樹脂膜、3……基材、3a……接着
層、4……表面保護層、5……成形合板。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 化粧材と基材とが積層一体化され、かつその
    最外面に表面保護層が形成されてなる成形合板
    を、成形型を用いて製造する方法であつて、 前記成形型の内表面および化粧材の表面にそれ
    ぞれ粉体樹脂よりなる樹脂膜を形成したのち、こ
    の化粧材および基材を成形型に装入して加熱圧着
    することを特徴とする成形合板の製法。 2 前記成形型の内表面に形成された樹脂膜が半
    硬化状態であることを特徴とする 特許請求の範囲第1項記載の成形合板の製法。 3 前記化粧材表面に形成する樹脂膜の熱変形温
    度が、成形型内表面に形成する樹脂膜の熱変形温
    度よりも高いことを特徴とする 特許請求の範囲第1項記載の成形合板の製法。
JP27877487A 1987-11-04 1987-11-04 成形合板の製法 Granted JPH01120302A (ja)

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JPH01120302A JPH01120302A (ja) 1989-05-12
JPH053965B2 true JPH053965B2 (ja) 1993-01-19

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