JP2742768B2 - 化粧部材の製造方法 - Google Patents

化粧部材の製造方法

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JP2742768B2 JP7070837A JP7083795A JP2742768B2 JP 2742768 B2 JP2742768 B2 JP 2742768B2 JP 7070837 A JP7070837 A JP 7070837A JP 7083795 A JP7083795 A JP 7083795A JP 2742768 B2 JP2742768 B2 JP 2742768B2
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  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧部材の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来技術】例えば、家具には、多様化する消費者のニ
ーズに対応できるように高価なものから安価なものまで
多種多様のものがある。従って、例えば食器棚の鏡板や
整理ダンスの前板のような化粧部材にも、一枚板を加工
したものから安価な合板などを使用したものまで様々な
構造のものが提供されている。
【0003】従来の化粧部材を製造する方法としては二
つの方法があった。第1の方法は、NCルーターであら
かじめ板を成形し、その上に塩化ビニールなどの表面シ
ートを真空張りするものであった。また第2の方法は、
上型及び下型をつくり、その上型及び下型の間で表面シ
ートを表面に張り付けた板状の基材を圧着、成形するも
のであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来の化粧部材には、次のような課題があった。すな
わち、上記いずれの製造方法の場合でも表面シートを基
材表面に張り付けるが、できた製品の一部に皺が生じる
課題があった。特に、上型及び下型を使用する方法にお
いては、上下金型のすりあわせの技術が必要であり、寸
法も高精度のものが要求されていた。
【0005】更には、加工される基材の厚みによっても
使用する金型を変えなければならない。また、家具のデ
ザインの変更に合わせて金型の変更も行なわれるが、上
下金型を一度に造らなければならないので素早い対応が
難しく、採算が合わないことも多かった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記課題を解消するもので、
家具などに使用される化粧部材の表面シート表面に皺が
生じないようにして品質のよい製品が得られるようにす
ることを目的とする。また、家具のデザインの変更によ
る金型の変更が素早く安価にできるようにすることを目
的とする。
【0007】
【目的を達成するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。化粧部材の
製造方法であって、押圧変形可能な基板の表面に伸展性
を有する表面シートを張り付けた基材を上記表面シート
側を成形型に当接させて載置するステップ、空気の送給
により膨張する押圧体の膨張圧により、上記基材を裏面
側から上記成形型に押圧して化粧板を成形するステッ
プ、上記化粧板の裏面側の窪み部に充填材を充填し、当
該充填材を内包して裏面板を上記化粧板と接着するステ
ップ、を含むことを特徴とする、化粧部材の製造方法で
ある。
【0008】
【作用】基材を成形型に載置し、押圧体に空気を供給す
る等し、その膨張圧で基材を成形型に押圧して化粧板を
成形する。また、押圧体は膨張初期には、成形型の浅い
位置にある基材の隅部を押圧して固定する。そして、押
圧体は更に膨張して成形型の深い部分にある基材を成形
するが、この際に基材の隅部が固定してあるために、基
材の変形につれて表面シートが伸展して緊張し、表面シ
ートには皺が生じにくい。
【0009】化粧部材に、紙製の基板を使用したもの
は、安価で軽量かつ破損しにくい化粧部材が提供でき
る。また、化粧板の裏面側の窪み部で形成される背面板
との間の中空部に充填材を充填しているので、充填材と
して芳香剤、防腐剤、防虫剤などを使用して各種性質を
備えた特徴的な化粧部材が提供できる。
【0010】表面シートに、突板や、紙に木目模様を印
刷したシートのような伸展製に乏しい素材を使用する場
合は、表面シートに予めウレタン塗装又はポリウレタン
塗装等で塗膜を形成した後に押圧成型することによっ
て、表面シートの表面に割れやひび等が発生するのを防
止することができる。
【0011】なお、押圧体は成形の際には基材を挟んだ
状態で成形型の形状に沿うように変形するので、従来の
上型のようにあらかじめ成形型の形状にあうように高精
度で形成したものは必要とせず、従来のような熟練を要
する上下金型のすり合わせも不要である。また、価格の
高い金型は成形型だけで済むために、製造装置を安価に
つくることができる。更には、金型の変更は成形型だけ
ですむので、家具のデザイン変更による金型変更の際に
も、素速い対応が可能となる。
【0012】
【実施例】本発明を図面に示した実施例に基づき更に詳
細に説明する。図1は本発明に係る化粧部材の一実施例
を示す斜視図、図2は本発明に係る化粧部材の断面図で
ある。化粧部材5は、紙製の基板50に伸展性を有する
表面シート51を接着して形成した基材54を柔軟性を
有する押圧体2の膨張圧により成形型3に押圧して成形
して裏面側が窪み表面側が突出した化粧板54aが形成
されており、化粧板54aの裏面側の窪み部55には充
填材53が充填されており、充填材53を内包するよう
にして背面板52を化粧板54aに接着して形成してあ
る。
【0013】ここで、化粧部材の部品である化粧板を製
造する装置の構造を説明する。図3は化粧板の製造装置
の一実施例を示す斜視図、図4は成形型の構造を示す要
部斜視図である。符号Aは化粧板の製造装置で、フレー
ム1を備えている。フレーム1はH型の台部材10と、
それらに立設してある四本の脚部材11、11・・と、
その上部に設けてある上枠12とを有している。
【0014】台部材10の中央部には成形型3が設けて
ある。成形型3は長方形の金属製の型板30を有し、型
板30の表面中央には凹んで形成された型部31が設け
られている。なお、型板30に石膏ボード等他の素材を
使用することもできる。型部31の板厚に対応した立ち
上がり部分の隅部には、空気抜き孔32、32・・が四
箇所に形成されている。空気抜き孔32、32・・は型
板30に設けてあり空気吸引装置(図示省略)に接続し
てある通気路33(図5、図6、図7に図示)に連通し
ている。
【0015】成形型3の上方には押圧体2が設けてあ
る。押圧体2は柔軟性を有するゴム製のシートで袋状に
形成されており、四角形の押圧板22の下面側に取り付
けてある。押圧体2は、空気給排装置(図示省略)から
の空気の給排により膨張収縮することができる。なお、
押圧板22の下面側には押圧体2を加熱する遠赤外線ヒ
ータ(図示省略)が設けてある。
【0016】押圧板22の上部には二本のコイルスプリ
ング21、21を介して昇降板20が取り付けてある。
昇降板20は、上枠12の中央に台板13を介してロッ
ドを下にして立設してある油圧シリンダーSのロッドヘ
ッドに取り付けてある。
【0017】また、押圧板22の前後縁部には、上下方
向にガイド長孔25が設けてあるガイド板24が立設し
てある(奥側は図1では見えない)。そして、ガイド長
孔25には昇降板20の前後縁部に設けてあるピン26
が挿通してあり、押圧板22と押圧体2が左右にずれる
ことなく上下に移動できるようにしている。なお、符号
14は操作盤である。
【0018】(作用) 図5、図6、図7は本発明に係る化粧板の製造方法を示
す説明図である。図1ないし図7を参照して、製造装置
Aの作用、化粧板及び化粧部材の製造方法を説明する。 押圧体2を遠赤外線ヒーターにより適温に加熱して
おく。 厚紙製の基板50の表面に塩化ビニール製の表面シ
ート51を接着剤で張り付けて基材54をつくる。 なお、表面シートに、突板や、紙に木目模様を印刷した
シートのような伸展製に乏しい素材を使用する場合は、
表面シートに予めウレタン塗装又はポリウレタン塗装等
で塗膜を形成した後に押圧成型することによって、表面
シートの表面に割れやひび等を防止することができる。
【0019】 表面シート51を下側にして基材54
を成形型3の型部31に載置する(図5参照)。 油圧シリンダーSを作動して、やや膨らませてある
押圧体2を下降させ、基材54を型部31に押し付けて
軽く圧力をかけておく。
【0020】 押圧体2に空気給排装置により空気を
供給し、押圧体2を膨張させる。またこれと同時に空気
吸引装置を作動させて空気抜き孔32から基材54と型
部31の間にある空気を吸引し双方を密着させる。な
お、この際、基材54は押圧体2により温められる。 膨張する押圧体2は、膨張初期には型部31の浅い
位置にある基材54の隅部を押圧して固定する。そし
て、更に膨張して型部31の深い部分にある基材54を
成形するが、この際に、基材54の隅部が型部31に圧
着固定してあるために、基材54の変形につれて表面シ
ート51が伸展して緊張するので表面には皺を生じにく
い(図6参照)。
【0021】 このようにして成形された化粧板54
aの裏面側には窪み部55が形成されるので(図7参
照)、正面からの外圧などにより変形しにくいように窪
み部55に発泡プラスチック製の充填材53を充填し
て、化粧板に背面板52を張り、上記した構造の化粧部
材5がつくられる。なお、充填材53としては、発泡プ
ラスチックの代わりに、芳香剤、防腐剤、防虫剤などを
使用することもできる。
【0022】なお、本発明は図示の実施例に限定される
ものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の
変形が可能である。
【0023】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 (a)基材を成形型に載置し、押圧体に空気を供給する
等し、その膨張圧で基材を成形型に押圧して成形する。
また、押圧体は膨張初期には、成形型の浅い位置にある
基材の隅部を押圧して固定する。そして、押圧体は更に
膨張して成形型の深い部分にある基材を成形するが、こ
の際に基材の隅部が固定してあるために、基材の変形に
つれて表面シートが伸展して緊張し、表面シートには皺
が生じにくい。従って、製品の品質が向上する。
【0024】(b)化粧部材に、紙製の基板を使用した
ものは、安価で軽量かつ破損しにくい化粧部材が提供で
きる。また、化粧板の裏面側の窪み部で形成される背面
板との間の中空部に充填材を充填しているので、充填材
として芳香剤、防腐剤、防虫剤などを使用して各種性質
を備えた特徴的な化粧部材が提供できる。
【0025】(c)押圧体は成形の際には基材を挟んだ
状態で成形型の形状に沿うように変形するので、従来の
上型のようにあらかじめ成形型の形状にあうように高精
度で形成したものは必要とせず、従来のような熟練を要
する上下金型のすり合わせも不要である。また、価格の
高い金型は成形型だけで済むために、製造装置を安価に
つくることができる。更には、金型の変更は成形型だけ
ですむので、家具のデザイン変更による金型変更の際に
も、素速い対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化粧部材の一実施例を示す斜視
図。
【図2】本発明に係る化粧部材の断面図。
【図3】化粧板の製造装置の一実施例を示す斜視図。
【図4】成形型の構造を示す要部斜視図。
【図5】化粧板の製造方法を示す説明図。
【図6】化粧板の製造方法を示す説明図。
【図7】化粧板の製造方法を示す説明図。
【符号の簡単な説明】
A 化粧板の製造装置 1 フレーム 2 押圧体 3 成形型 31 型部 32 空気抜き孔 5 化粧部材 54 基材 54a 化粧板 50 基板 51 表面シート 52 背面板 53 充填材 55 窪み部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧部材の製造方法であって、 押圧変形可能な基板の表面に伸展性を有する表面シート
    を張り付けた基材を上記表面シート側を成形型に当接さ
    せて載置するステップ、 空気の送給により膨張する押圧体の膨張圧により、上記
    基材を裏面側から上記成形型に押圧して化粧板を成形す
    るステップ、 上記化粧板の裏面側の窪み部に充填材を充填し、当該充
    填材を内包して裏面板を上記化粧板と接着するステッ
    プ、 を含むことを特徴とする、 化粧部材の製造方法。
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