JPH0539378U - ハンガー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で保持部に保持されたズボン等の
吊り下げ物が滑り落ちるのを効果的に防止することがで
きるハンガーを提供する。 【構成】 板状部材によって形成された左右一対の肩部
３と、その下端部間に設置されたズボン等の吊り下げ物
２２の保持部４とを有するハンガーであって、上記肩部
３と、保持部４との間に、切断線１７等によって区画さ
れた上記吊り下げ物２２の押え部材５を配設し、この押
え部材５の上辺部と、上記肩部３とを一体に連成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、洋服等を保持するハンガーにおいて、特に厚紙材等からなる簡易な ハンガーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えばクリーニング店等において、針金材を折り曲げることによってフ ック状の取手部と、その基端部から側方に伸びる左右一対の肩部と、この肩部の 下端部間に位置するズボン等の保持部とを一体に形成してなる線状のハンガーや 、一枚のプラスチックプレートからなる平板状のハンガーにより、洋服を店内に 吊り下げて保管するとともに、必要に応じて上記洋服とともにハンガーを各家庭 に持ち帰ることができるように構成したものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように針金材およびプラスチックプレート等からなる平板状のハンガー においては、量産が可能であるので安価に製造することができるとともに、嵩張 らないため、保管および搬送等に便利であるという利点を有する反面、上記肩部 の下端部間に設置された保持部が、針金材もしくはプレート材の端面によって形 成され、その幅寸法が極端に小さいので、上記保持部にズボン等の吊り下げ物を 支持させた場合に、この吊り下げ物が滑り落ち易いという問題がある。

【０００４】 本考案は、上記問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構成で保 持部に保持されたズボン等の吊り下げ物が滑り落ちるのを効果的に防止すること ができるハンガーを提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１に係る考案は、板状部材によって形成された左右一対の肩部と、その 下端部間に設置されたズボン等の吊り下げ物の保持部とを有するハンガーであっ て、上記肩部と、保持部との間に、切断線によって区画された上記吊り下げ物の 押え部材を配設し、この押え部材の上辺部と、上記肩部とを一体に連成したもの である。

【０００６】 請求項２に係る考案は、左右一対の肩部と、その下方に位置する押え部材とを 区画する切断線の上端部に、押え部材の揺動支点となる抜き孔を形成したもので ある。

【０００７】 請求項３に係る考案は、ズボン等の吊り下げ物の保持部に吊り下げ物を支持さ せた状態において、この吊り下げ物に圧接される舌片を押え部材の下端部に突設 したものである。

【０００８】

【作用】

上記請求項１記載の考案によれば、保持部にズボン等の吊り下げ物を支持させ る際にその上方に位置する押え部材が、その上辺部を支点にして揺動変位するこ とになる。そして上記吊り下げ物の支持状態においては、この吊り下げ物が上記 押え部材と、保持部とによって挾持されることになる。

【０００９】 上記請求項２記載の考案によれば、上記押え部材を揺動変位させる際に、この 押え部材とハンガーの肩部とを区画する切断線の上端部に形成された抜き孔の設 置部を支点として押え部材が積極的に弾性変形することになる。

【００１０】 上記請求項３記載の考案によれば、保持部によって支持されたズボン等の吊り 下げ物が、押え部材の舌片によって係止されてその滑り落ちが防止されることに なる。

【００１１】

【実施例】

図１は、本考案に係るハンガーの実施例を示している。このハンガーは、把持 用の開口部１が形成された取手部２と、その下端部から先下がりの傾斜状態で側 方に伸びる左右一対の肩部３と、その下端部間に設置された連結部からなるズボ ン等の保持部４と、その上方に配設されたズボン等の押え部材５と、上記取手部 ２に係合されたフック部材６とを備えている。

【００１２】 上記ハンガーは、再生紙等を打ち抜き成形することによって得られた厚紙材、 あるいは射出成形等の手段で形成されたプラスチックプレート等からなる板状部 材によって構成されている。そして上記取手部２には、図２に示すように、その 下半部に上記把持用の開口部１を構成する打ち抜き孔が形成されるととに、その 上辺部に折り曲げ片７が折り目８を介して連設されている。また、上記折り目８ の中央部には、上記フック部材６の係止部となる円形の抜き孔９が形成されてい る。

【００１３】 上記肩部３は、所定幅の帯状部材からなる平板状の肩部本体１０と、その上辺 部に折り目１１を介して連設された上壁板１２と、その先端部に折り目１３を介 して連設された傾斜壁板１４とを有し、この傾斜壁板１４の先端部中央には、逆 止突起を備えた係止用突部１５が突設されている。また、上記肩部本体１０の中 央部には、後述するハンガーの組立時に上記係止用突部１５が嵌入される係合孔 １６が形成されている。

【００１４】 上記押え部材５は、肩部本体１０の下辺部に沿って形成された左右一対の切断 線１７と、上記保持部４の上辺部に形成された上下一対の切断線からなるスリッ ト１８とによって区画された上窄まりの台形状部材であって、その上辺部が上記 肩部本体１０と一体に形成されている。そして、上記押え部材５および肩部本体 １０の中央部には、フック部材６が打ち抜き成形された切断孔１９が形成される とともに、上記押え部材５の下端部には、上記保持部４に支持されたズボン等に 圧接されてその滑り止めを行なう左右一対の舌片２０が突設されている。また、 上記押え部材５を区画する両切断線１７の上端部には、小径の抜き孔２１がそれ ぞれ形成されている。

【００１５】 そして図３に示すように、上記肩部３の上壁板１２および傾斜壁板１４をそれ ぞれ折り目１１，１３において折り曲げて上記傾斜壁板１４を肩部本体１０の裏 面側に配置した後、上記係止用突部１５を肩部本体１０の係合孔１６に嵌入して 係止することにより、上記肩部本体１０と、上壁板１２と、傾斜壁板１４とから なる断面三角形状の肩部３を形成する。また、上記取手部２の折り曲げ片７を上 方に折り返し、必要に応じて取手部２の上辺部に接着等の手段で固着する。

【００１６】 このようにして組み立てられたハンガーは、上記保持部４の上方に配設された 押え部材５の上辺部が上記肩部本体１０と一体に連成されるとともに、他の部分 が上記切断線１７等によって区画されているため、図４に示すように、上記上辺 部を支点にして押え部材５を弾性変形させて傾斜状態とすることができる。

【００１７】 したがって、ズボン等の吊り下げ物２２を保持させる際に、上記押え部材５を 、その上辺部を支点にして揺動変位させることにより、図４の仮想線で示すよう に、押え部材５と、保持部４との間に大きな隙間を形成してこの間に上記吊り下 げ物２２を容易に挿入することができる。そして上記吊り下げ部材２２の支持状 態においては、図４の実線で示すように上記押え部材５と、保持部４とによって 吊り下げ物２２が挾持されるため、この吊り下げ物２２の滑り落ちが効果的に防 止されることになる。

【００１８】 また、上記押え部材５を区画する切断線１７の上端部に小径の抜き孔２１を形 成した場合には、上記押え部材５を揺動変位させる際に、上記左右の抜き孔２１ を結ぶ線を揺動支点として押え部材５を積極的に弾性変形させることができるた め、上記吊り下げ物２２の着脱時に押え部材５の弾性変形を繰り返したとしても 、上記切断線１７の上端部が裂けたり、押え部材５が折れ曲がったりするのを効 果的に防止することができる。

【００１９】 すなわち、上記押え部材５の揺動変位させる際にその揺動支点となる部分が明 確に設定されていないと、力の作用状態に応じて揺動支点が上下にずれることに なり、この揺動支点が上方に移動した場合に、上記切断線１７の上端部に応力集 中が生じ、逆に上記揺動支点が下方に移動した場合に、押え部材５がその中央部 等において折れ曲がるという事態が生じることとなる。これに対して上記のよう に抜き孔２１を形成してこの部分の剛性を低下させることにより、揺動支点とな る位置を明確に設定した場合には、切断線１７の上端部が裂ける等の弊害が生じ るのを効果的に防止することができる。

【００２０】 また、上記のように押え部材５の下端部に左右一対の舌片２０を突設した構成 によると、この舌片２０を上記保持部４に支持されたズボン等の吊り下げ物２２ に圧接させてこれ確実に係止し、より効果的に上記吊り下げ物２２の滑り落ちを 防止することができる。なお、この吊り下げ物２２の滑り落ちを、さらに確実に 防止できるようにするため、図５および図６に示すように、上記舌片２０に塩化 ビニル樹脂材もしくはゴム材等からなる滑り落ち防止用のキャップ２３を嵌着す るように構成してもよい。

【００２１】 また、上記ハンガーを再生紙等からなる厚紙材を打ち抜き形成することによっ て得られた板状部材、つまり紙材によって構成した場合には、その回収および処 分が容易であるとともに、容易にその再利用を図ることができるため、資源を有 効に利用して環境汚染の発生を効果的に防止できるという利点がある。

【００２２】 また、上記実施例ではハンガーの肩部３を平板状の肩部本体１０と、上壁板１ ２と、傾斜壁板１４とによって形成し、この傾斜壁板１４の係止用突部１５を肩 部本体１０の係合孔１６に嵌入することにより、断面三角形状の肩部３が形成さ れるように構成したため、上記上壁板１２の幅寸法を適正値に設定することによ って洋服の型崩れを防止して安定状態で保持することができるとともに、上記ハ ンガーの不使用時には、肩部３の組立状態を解除することにより、保管および搬 送に便利なように上記ハンガーを偏平状態に展開することができるという利点が ある。なお、上記肩部３の形状は、断面三角形状に限られず、上記折り曲げ板の 数を増やすことにより、他の多角形、例えば四角形あるいは六角形等の種々の断 面形状に変形することができる。

【００２３】 上記実施例では、上記押え部材５および肩部本体１０の中央部を切断孔１９に おいて切り抜くことによって形成したフック部材６を、取手部２に設けた係合孔 ９に係止することにより、上記フック部材６を介してハンガーを係止バー等に吊 下できるように構成しているが、図７に示すように、取手部２の上辺部にフック 部材６をリベット止め等の手段で回動自在に連結した構造としてもよく、あるい はフック状の取手部を設けた構造としてもよい。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、板状部材からなるハンガーの下端部に、ズボン 等の吊り下げ物の保持部を設けるとともに、その上方に上記吊り下げ物の押え部 材を配設し、この押え部材をその上辺部を支点に揺動変位させるように構成した ため、上記ズボン等の吊り下げ物を上記保持部に容易に支持させることができる とともに、こ保持部と、上記押え部材とによって上記吊り下げ物を挾持してその 滑り落ちを効果的に防止することができるという利点がある。

【００２５】 また、上記押え部材を区画する切断線の上端部に小径の抜き孔を形成した場合 には、上記押え部材を揺動変位させる際に、左右の抜き孔を結ぶ線を揺動支点し て押え部材を積極的に弾性変形させることができるため、上記吊り下げ物の着脱 時に押え部材を繰り返して揺動変位させたとしても、上記切断線の上端部が裂け たり、押え部材が折れ曲がったりするという事態の発生を効果的に防止すること ができる。

【００２６】 また、上記押え部材の下端部に、吊り下げ物に圧接される舌片を突設した構成 によると、上記保持部と、押え部材とによってズボン等の吊り下げ物を挾持する 際に、上記舌片によって吊り下げ物を確実に係止してその滑り落ちを、より効果 的に防止することができるとともに、上記舌片に滑り止め用のキャップ部材等を 嵌着することができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るハンガーの実施例を示す斜視図で
ある。

【図２】上記ハンガーを構成する素材の展開図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】上記ハンガーにズボンを吊り下げた状態を示す
断面図である。

【図５】押え部材の舌片に滑り止め用キャップを装着し
た状態を示す正面図である。

【図６】図５のＢ−Ｂ線断面図である。

【図７】取手部に取付けられたフック部材の変形例を示
す正面図である。

【符号の説明】

３ 肩部 ４ 保持部 ５ 押え部材 １７ 切断線 １８ スリット（切断線） ２０ 舌片 ２１ 抜き孔 ２２ 吊り下げ物

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状部材によって形成された左右一対の
   肩部と、その下端部間に設置されたズボン等の吊り下げ
   物の保持部とを有するハンガーであって、上記肩部と、
   保持部との間に、切断線によって区画された上記吊り下
   げ物の押え部材を配設し、この押え部材の上辺部と、上
   記肩部とを一体に連成したことを特徴とするハンガー。
2. 【請求項２】 左右一対の肩部と、その下方に位置する
   押え部材とを区画する切断線の上端部に、押え部材の揺
   動支点となる抜き孔を形成したことを特徴とする請求項
   １記載のハンガー。
3. 【請求項３】 ズボン等の吊り下げ物の保持部に吊り下
   げ物を支持させた状態において、この吊り下げ物に圧接
   される舌片を押え部材の下端部に突設したことを特徴と
   する請求項１記載のハンガー。