JP3038708U - 衣服用ハンガーの掛止バー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】スラックス等衣類を掛裝できるようにするハン
ガーの掛止バーを、衣類の掛裝が簡単で、且つ、衣類の
懸吊の態様の如何に拘わらず、安定保持できるものとす
る。 【解決手段】着脱可能に取り付けた補助バー３と掛止バ
ー２との間で衣類を挟持させるようにしたもので、補助
バー３はポリプロピレンにより掛止バー２より十分に長
く且つ下方に弯曲した弧状体に成形し、掛止バー２の垂
直腕部２ｂに両端の長孔５で係合させることにより補助
バー３を付勢状態で掛止バー２の直線部に当接させるよ
うに構成することにより、衣類を安定保持できる。ま
た、補助バー３は掛止バー２への当接部の上面に溝また
は孔状あるいはこれらを混用した模様９を形設すること
により、デザイン性の向上と共に可撓性を向上させ、衣
類装着の操作性を改善し、且つ、衣類の安定保持性を高
めることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、衣服ハンガーに関し、特に、スラックス等衣類を掛けてずり動かな いように固定する機能を備えた衣服ハンガーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

スラックスを懸吊するための掛止バーを一体に備え、この掛止バーに懸吊した スラックスを型崩れしないように挟持的に支えるために、この掛止バーに対して 平行な補助バーを設けたハンガーは周知である。例えば、図７に示す掛止バー付 きのハンガーＢは上衣等を掛けるハンガー本体部２０にスラックス等衣類を懸吊 する掛止バー２１を取り付けてある。掛止バー２１には直線状の細幅の補助バー ２２をその両端に形成した長孔２３を両側の垂直腕部２１ａに遊嵌して掛止バー ２１と平行に自由に上下できるようにすると共に、掛止バー２１は垂直腕部２１ ａの上端に形成した係合フック部２１ｂを前記ハンガー本体部２０の両端部内側 に形設した係合孔２４に係合させることによってハンガー本体部２０に取り付け てある。

【０００３】 即ち、この掛止バー付きハンガーＢにおいては、掛止バー２１に例えばスラッ クスを掛けると補助バー２２と共にスラックスを挟む形に押さえ、スラックスは 掛止バー２１と補助バー２２との摩擦により係止した状態に支持される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の補助バー付き掛止バーＢは、例えばスラックスを掛ける 時、しわができないようにスラックスを裾部部分で保持することはできず、また 、スラックスの掛け方に偏りがあった場合にはずり落ちようとするスラックスを 抑える力に不足している等の不便さがあった。

【０００５】 従って、本考案は、スラックスを掛ける際に、スラックスを掛けた時に多少の 偏りがあっても、スラックスがずり下がりまたはずり落ちる等の心配がなく、ス ラックス等を裾部で懸吊することも可能なハンガー用の掛止バーの提供を目的と する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案は、上衣を掛裝するハンガー本体部の下部 に着脱可能に取り付けた掛止バーに補助バーを着脱可能に組み合わせ、該補助バ ーと前記掛止バーとでスラックス等衣類を挟持的に懸吊保持する衣服用ハンガー において、前記掛止バーは前記ハンガー本体部に係止するフック部を有する垂直 腕部を水平なバー本体部の両端に備えると共に、前記補助バーは、ポリプロピレ ンにより前記掛止バーより十分長く且つ下方に弯曲した弧状体につくられ、両端 に形設した長孔で前記垂直腕部に係合することにより掛止バーに付勢的に当接す るところの衣服用ハンガーの掛止バーを、また、前記補助バーは前記掛止バーに 付勢的に当接する当接部の上面に、有底溝状の模様を形設してあるところの衣服 用ハンガーの掛止バーを、さらに、前記補助バーは前記掛止バーに付勢的に当接 する当接部の上面に、貫通孔による模様を形設してあるところの衣服用ハンガー の掛止バーを、またさらに、前記補助バーは前記掛止バーに付勢的に当接する当 接部の上面に有底溝状の模様と貫通孔による模様を混用的に形設してあるところ の衣服用ハンガーの掛止バーを、そして、前記補助バーは幅方向の断面が上方に 弯曲した形状をなすところの衣服用ハンガーの掛止バーを提供するものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、図面により、本考案を説明する。 図１のハンガーは本考案の掛止バーを付設したハンガーである。 このハンガーＡは、ポリプロピレンの射出成形品からなる上衣等衣類を掛裝する 山形のハンガー本体１の下部に、補助バー３を付設した掛止バー２を取り付けて なり、ハンガー本体１の頂部に取り付けたフック４により懸吊できるようにして ある。

【０００８】 掛止バー２はポリプロピレンの射出成形により所定長さに形成されているが、 図１と図２に示すように、長手方向に水平なバー本体部２ａの両端に立ち上がる 板状の垂直腕部２ｂを設け、この垂直腕部２ｂの上端を外側に向けたフック部２ ｃに形成してあり、ハンガー本体１の内側両端部に設けたリブを利用して所定の 相互間隔（３４５ｍｍ）で形設したハンガー本体１の係合孔５に係合できるよう にしてある。また、垂直腕部２ｂの中間部分には内側と外側に係止突起２ｄ，２ ｅを形成してある。バー本体部２ａは、図３に示すように、断面を略縦長形状と し長さ方向の両端部に掛かる上下方向の力に対抗する曲げ強度をもたせると共に 、側面部および下部には長手方向の溝６及び切欠き７を形成して射出成形性の改 善と材料の軽減化を図っている。

【０００９】 補助バー３は、ポリプロピレンの射出成形により、図１と図２に示したように 、上方に緩く弯曲した円弧状体に、且つ、その長さが掛止バー２の長手方向の長 さよりも十分に大になるように形成してある。また、補助バー３は、両端部に長 孔８を形成し、この長孔８の部分を掛止バー２の垂直腕部２ｂに嵌裝し、前記係 止突起２ｄ，２ｅ部分で、左右両端の偏りを防止する状態に取り付けられるよう にしてあり、この取付け状態で、補助バー３は、その十分な長さとポリプロピレ ンの有する弾性力により長手方向中央部分の当接部３ａが掛止バー２に押圧状態 で当接するように付勢させてある。

【００１０】 また、補助バー３は、図３の断面図で示すように、いわゆる蒲鉾形に幅方向の 中央部が高くなるように弯曲させ、両側縁部３ｂを垂下させたいわゆるワかんむ り形状とし、強度と弾性効果の改善を図ると共に掛止バー２のバー本体部２ａの 上部に冠裝する状態で当接できるようにし、掛裝するスラックス等衣類を保持し 易くしてある。

【００１１】 補助バー３は掛止バー２に当接する長手方向中央部即ち当接部３ａを、図４で 示すように、上面視で両端側部分より若干幅広に形成してあり、この当接部３ａ 部分の上面には、中心に貫通孔を有する有底溝状の模様９を形設させてある。こ の溝状の模様９は、補助バー３のデザイン性を高めると共に薄肉状態を構成し、 実質的に必要な強度や弾力性を確保しつつ当接部３ａの可撓性を高めるのに有用 であり、この貫通孔と有底溝を混用した模様９を付さない補助バーの場合に比較 して、スラックス等の保持幅となる当接部３ａの長さｄをさらに大とすることが でき、また、スラックス懸吊時等における手指による補助バー３の撓み操作が容 易になる。なお、材料のポリプロピレンは、引張り強さや弾性率の大きいプラス チックであると共に、折り曲げ疲労性が少ない。

【００１２】 本考案のハンガー用の掛止バー２と補助バー３は以上のように構成してあり、 掛止バー２の片側の垂直腕部２ｂを補助バー３の一方の端部の長孔８に嵌裝した 後、掛止バー２と補助バー３とをそれぞれ外方に撓ませるようにすることにより 他側の垂直腕部２ｂを補助バー３の他方の長孔８に嵌裝させることができ、手を 離すことにより、補助バー３の当接部３ａをその付勢力により掛止バー２のバー 本体部２ａに密接させることができる。

【００１３】 このように補助バー３を取り付けた掛止バー２は、片側の垂直腕部２ｂのフッ ク部２ｃをハンガー本体部１の係合孔５に掛けた後、掛止バー２を下方に撓ませ ながら他側のフック部２ｃを他方の係合孔５に掛けることによりハンガー本体部 １に取付けできる。

【００１４】 この掛止バー２にスラックスを懸吊する場合は、補助バー３は片側手指で補助 バー３を上方に撓ませるようにすることにより当接部３ａを容易に持ち上げるこ とができ、片側端部部分の補助バー３を手指で抑えて掛止バー２との間隔を保持 させながらスラックスを挿入し、所要箇所で手指を離せば、当接部３ａはその付 勢力により、掛止バー２側に戻り、掛止バー２との間でスラックスを押圧し挟持 的に保持する。即ち、ワンタッチ操作でスラックスを固定保持できる。

【００１５】 なお、補助バー３の模様は任意で、上記の模様９は有底溝と貫通孔とを直接組 み合わせた模様として補助バー３の機能を具現し易いものとしたが、図５の補助 バー１０におけるような有底状溝のみによる模様１１にすることもでき、また、 変形として、図６の補助バー１２のように、貫通した孔乃至スリットのみによる 模様１３にすると共に、当接部１２ａの幅を若干広くして補助バー１２の補強を 図ることもできる。さらには、有底溝の模様と貫通孔による模様をバランスよく 配置してもよく、必要とする補助バーの可撓性と弾力性に応じ、また、デザイン 性を配慮して決めることができるものである。

【００１６】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、下方に弯曲した弾性力のあ るポリプロピレンによる補助バーの両端を掛止バーの垂直腕部に係合的に取付け 、その付勢力でスラックス等衣類を挟持させるようにしたので、スラックス等衣 類を、その懸吊の態様の如何に拘わらず、安定して保持でき、特に、補助バーの 当接部の上面に薄肉化及び軽量化を可能とする模様を付すことにより、ハンガー のデザイン性を高めると共に、補助バーの可撓性を高め、補助バーの撓み操作即 ち手指操作が容易で、また、当接部の長さを長くすることができ、スラックス等 衣類の安定保持性が向上するという効果を奏する。

【００１７】 前記当接部の模様を有底溝状の模様とし、また、貫通孔による模様とし、ある いはまた、これらの模様を混用的に利用したものとすることにより、市場の需要 に対応した形状の掛止バーを提供できるという効果を奏することができる。 補助バーの断面形状を弯曲状とすることにより、さらに、薄肉化による強度を 補償すると共に可撓性を向上できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】一部を切欠いて示す本考案の掛止バーを施した
衣服用ハンガーの正面図である。

【図２】図１の掛止バーの正面断面図である。

【図３】図１の III−III 線に沿う断面図である。

【図４】図１の掛止バーにおける補助バーの平面図であ
る。

【図５】別の実施例による補助バーの部分平面図であ
る。

【図６】さらに別の実施例による補助バーの部分平面図
である。

【図７】一部を切欠いて示す従来の衣服用ハンガーの正
面図である。

【符号の説明】

Ａ ハンガー ｄ 当接部の長さ １ ハンガー本体 ２ 掛止バー ２ａ バー本体部 ２ｂ 垂直腕部 ２ｃ フック部 ２ｄ，２ｅ 係止突起 ３ 補助バー ３ａ 当接部 ４ フック ５ 係合孔 ６ 溝 ７ 切欠き ８ 長孔 ９ 模様 １０，１２ 補助バー １１，１３ 模様 １２ａ 当接部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上衣を掛裝するハンガー本体部の下部に着
   脱可能に取り付けた掛止バーに補助バーを着脱可能に組
   み合せ、該補助バーと前記掛止バーとでスラックス等衣
   類を挟持的に懸吊保持する衣服用ハンガーにおいて、前
   記掛止バーはハンガー本体部に係止するフック部を有す
   る垂直腕部を水平なバー本体部の両端に備えると共に、
   前記補助バーはポリプロピレンにより前記掛止バーより
   十分長く且つ下方に弯曲した弧状体につくられ、両端に
   形設した長孔で前記垂直腕部に係合することにより掛止
   バーに付勢的に当接するようにしたことを特徴とする衣
   服用ハンガーの掛止バー。
2. 【請求項２】前記補助バーは前記掛止バーに付勢的に当
   接する当接部の上面に、有底溝状の模様を形設してある
   ことを特徴とする請求項１記載の衣服用ハンガーの掛止
   バー。
3. 【請求項３】前記補助バーは前記掛止バーに付勢的に当
   接する当接部の上面に、貫通孔による模様を形設してあ
   ることを特徴とする請求項１記載の衣服用ハンガーの掛
   止バー。
4. 【請求項４】前記補助バーは前記掛止バーに付勢的に当
   接する当接部の上面に、有底溝状の模様と貫通孔による
   模様を混用的に形設してあることを特徴とする請求項１
   記載の衣服用ハンガーの掛止バー。
5. 【請求項５】前記補助バーは幅方向の断面が上方に弯曲
   した形状をなすことを特徴とする請求項１乃至４記載の
   衣服用ハンガーの掛止バー。